電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ボールト指揮ロンドン響でヘンデル「メサイア」を聴く

2015年11月22日 06時02分14秒 | -オペラ・声楽
11月も下旬になると、師走が近づいた気分になってきます。先日から、自宅ではヘンデルのオラトリオ「メサイア」を聴いております。以前、オーマンディ盤で記事にしております(*1)が、今回はエードリアン・ボールト指揮ロンドン響&合唱団によるステレオ初期の録音です。

その昔、60年代後半~末には、「メサイア」全曲盤といえば、ボールト、ビーチャム、サージェント盤というのが、キング、ビクター、コロムビアの定番だったわけですが、80年代初頭にはクレンペラー、バーンスタイン、リヒター盤あたりが宣伝の中心だったと記憶しています。言わずと知れた東芝、ソニー、グラモフォンの代表盤です。その時代の名盤と言われたものにも、いわばレコード会社の盛衰と宣伝力の大きさがそのまま現れていたようで、興味深いところです。

この録音(ボールト盤)は、パブリック・ドメインの恩恵で入手することができた(*2)もので、細かい録音データや関連する周辺的な情報等がライナーノーツに網羅されているというような便利さはありません。この際、ネットからの情報を整理する意味もあって、あらためて記事にしてみた次第。

もともとは、CDでも三枚組のようで、おそらくLPでも同様だったのでしょう。ファイルに埋め込まれたデータでは1959年となっていますが、実際には1961年5月と8月に、ロンドンのキングズウェイ・ホールにて、デッカにより録音されたのだそうな。独唱者とチェンバロは、

ジョーン・サザーランド(Sp)
グレース・バンブリー(A)
ケネス・マッケラー(T)
デイヴィッド・ウォード(Bs)
ジョージ・マルコム(Cem)

となっています。

演奏は全体にゆったりしたテンポで、歌唱は英語の歌詞が明瞭な、朗々としたものです。気分は雄大で、心が洗われるよう。しだいに明るく前向きな気持ちになってきます。個人的な好みでは、活力ある「ハレルヤ・コーラス」はもう少し速めのテンポで聴きたい気もしますが、これはこれで真摯で丁寧で、それになんだか歌いやすそう。息が続くなら、という条件付きですが(^o^)/

ハイライト盤とは違って、全曲となると、一気に聴き通すのはなかなかたいへんです。第1部と第2部に分けて聴いたり、ファイル毎に分けて聴いたりしております。オーマンディ盤やビーチャム盤と、部分的に聴き比べたりするのも、簡易PC-audioならばいとも容易。全部がハードディスク内に入っていて、わざわざLPやCDを取り替えたりする必要がないというのは、なんとも便利なものです。

もちろん、YouTube にもありました。たとえば第1部、
ヘンデル オラトリオ「メサイア」第1部 HWV 56 ボールト指揮 ロンドン響&合唱団


とまあこんな具合です。もちろん、第2部や第3部も聴くことができますが、あまり動画を多く貼り付けてしまうと重くなってしまうので、省略。

むしろ、古楽奏法の影響が強まった現代の演奏を聴くこともできるところが驚きです。例えば、ケンブリッジのキングズ・カレッジ合唱団による演奏などです。
Handel - "Messiah"/ The Choir of King's College, Cambridge.


いやはや、なんたる時代!

でも、動画を観ながら聴いてしまうと、その間、何もできなくなってしまいます。聴き慣れた演奏を音だけで流し、鼻歌なんぞを歌いながら部屋の掃除をするなんてのが、実は一番有益な休日の過ごし方だったりするのですが(^o^;)>poripori

(*1):オーマンディのCBS録音で、ヘンデルの「メサイア」(ハイライト)を聴く~「電網郊外散歩道」2010年11月
(*2):ヘンデル:オラトリオ「メサイア」~クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~

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