クーたんとココ君のお家

燕尾服を着た女の子クーたんと神戸から来たやんちゃ坊主ココ君の小さなドラマ。

黒部に

2007-11-11 14:06:44 | Weblog
夜行急行能登は定刻5:20に、蜃気楼の街魚津に到着した。駅前は深閑としており、眠りの底にあった。東京では考えられぬ。それでも、6時発の宇奈月温泉行き、富山地方鉄道始発列車には、地元の方、旅行者、登山者合わせて10名程が乗車した。40分で終点に到着。見上げれば、赤、黄に染まり、針葉樹の緑が混ざった山々。小雨がしっとりとした落ち着きを演出してくれる。
7時前と言うのに、黒部渓谷鉄道宇奈月駅には、観光客と鉄道・発電所工事に向かう、ニッカズボンを履いた職人、技術者が入り混じって、大賑わいだ。工事人の中には女性の姿もちらほら。これも時代の変化か。一般旅客列車の前に、資材、機材と工事人を乗せた、貨客混合の工事列車が2本工事現場に向けて出て行った。これがこの鉄道本来の敷設の目的である。いよいよトロッコ列車に乗り込む。往きはカメラをポケットにしまい、紅葉の山の景色を心に仕舞い込む。山の天気は、雨から晴れ、そして雨へと刻々変化し、山の風景も微妙に変化する。終点の欅平は、標高530mとそれほど高くは無い。家内の故郷、中央線小野駅は、標高850mと300mも高い。しかし、谷が深く高山に登ったような気になる。帰路は窓の無い、トロッコ車輌に乗り、写真を撮り、自然の風を楽しむ。防寒着のフードを被るが、顔と足先は冷えてくる。
富山に出て、名物の鱒寿司と鰤寿司を土産に買い求めて、高山線ホームに行くと、特急ひだ12号が出発を待っていた。昨夜の寝不足もあり、疲労感が強くなっている。無理をせずに、この特急に乗る事にした。高山駅で増結車輌に移った。運転席の真後ろ、汽車好きには、特等席に陣取る。車掌に払った差額は僅か250円だ。タバコも吸える。飛騨の山々も美しい紅葉の姿を見せてくれる。
名古屋駅では、きしめんでおやつを食べ、新幹線に乗る。今の新幹線は、大都会の電車並みの間隔で運転されている。僕がきしめんを食べている間にも、2本の列車が発車した。乗ったのぞみは、新型のN700系だった。全席禁煙で、タバコは喫煙室でしか吸えないが、その分気兼ねなく吸えるのがありがたい。
夜8時半に帰宅すると、カラーは着けていたが、少し元気になったクーと、元気をもてあますココが出迎えてくれた。