関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

山形県の2024年度事業等について〜県政報告を発行しました〜

2024年04月04日 | 県政全般

山形県議会2月定例会と2023年度の活動について報告する県政報告を作成し、3月31日付け赤旗日曜版と、3月29日付けコミュニティ新聞に折り込みました。

日本共産党県議団は

①山形新幹線米沢トンネル実現のための基金を設置し、初年度五億円を積み立てる条例に反対して私が反対討論、

②県政史上初めて新年度予算案が常任委員会で否決されたフルーツステーションに関しては、態度表明の機会(採決)は無かったものの反対の意向を明らかにして議案撤回の結果をもたらしました。

③15年間の吉村県政に最も厳しい対応になったと言えますが、予算案全体は、県民の暮らしを守る種々の施策を評価して賛成しています。

④議会の活動に関しては、海外視察の復活に反対して、議長に申し入れをおこないました。


その他の記事は項目のみの記載になっているものが多いですが、是非ご覧下さり、どんなことでも結構ですのでご意見ご感想をお寄せ下さいますようお願い致します。

 




 

 

 


決まってもいない米沢トンネルのために基金を積む?

2024年03月17日 | 県政全般

 
 3月15日の本会議で私が討論をおこなった、山形新幹線(仮称)米沢トンネルのために基金を造成する条例案に反対する討論に少し説明(括弧内)を加えて報告します。
 いつもながら討論時間が3分に制限されていますので、なかなか十分な主張ができません。

<要旨>
○基金は、仮称米沢トンネル整備に向けて、R6年度に5億円、その後6年程度、30億円程度までの積立を想定している。豪雨、豪雪などによる運休・遅延などを減らす事と、10分間のスピードアップのため。
○一、もし実現する場合でも最短で7年程度、実際にはいつ始まるか、始まらないのか見通しが無い。
 コストの低い代案、速やかに実施できる代案が検討されるべき。
○二、国の支援を得るには費用対効果を満たす事業である必要があるが、その説明が無い。
○三、整備費用1500億円、恐らく本県の負担は巨額に及ぶ。効果不明瞭で多額の投資を要する事業より、県民の切実ニーズに応えるために全力を挙げるべき。
○実現の見通しも無い中、「政府にやる気を見せる」などとして、基金を積むというやり方は、合理性を欠く。

<全文>
 山形新幹線新トンネル整備基金条例の制定に反対します。この基金は、仮称米沢トンネル整備に向けて造成し、R6年度に5億円を積み立てるというもので、R6年度から6年程度、30億円程度までの積立が想定されています(担当課長の説明です)。整備の効果は、豪雨、豪雪などによる運休・遅延などを減らす事と、10分間のスピードアップといいます。
 しかしトンネルの構想には何点か疑問があります。

 一つは、運休・遅延対策について。安全・安定運行が重要な課題であることは言うまでもありませんが、豪雨、豪雪、動物等の対策は、トンネルほどの効果は無いにしろ、よりコストの低い方法がないのか代案が検討されるべきです。
 また、トンネル整備はもし実現する場合でも最短で7年程度、実際にはいつ始まるか、始まらないのか見通しがありません。速やかに実施できる安全・安定対策が検討されなければなりません。
 羽越線の運休・遅延対策も強く求めたい。

 二つ目に、費用便益、いわゆる費用対効果が示されていないということです。鉄道のみならず公共事業全般について、国が費用便益1に満たない事業に財政支出をおこなう事は想定されない中、この事業がそれだけの費用便益を満たすという説明はありません。
(県は「トンネルは防災対策でもあり、費用便益だけでは決められない」と言いますが、防災といってもこの路線の場合、決定的な危険が頻発する訳では無く、運休・遅延ですから、やはり費用便益抜きに国が取り組むとは考えられません。
 そこを明らかにすれば、実現可能性が薄い事が明らかになるので、県は示さないのかも知れません。国が負担しなければ整備はできませんので、現時点では可能性が無いということです。)

 三つ目に財政負担の問題です。整備費用1500億円に対して、国は一部でも負担するとは言っておらず、当然、本県とJRとの負担割合も不明です。例えば、本県が費用の3分の1を負担するとした場合でも500億円と言う巨額に及びます。
 厳しい財政状況によって、暮らし関連を始めとする県民の切実なニーズに十分対応できない中では、効果不明瞭で多額の投資を要する事業より、切実ニーズに応えるために全力を挙げるべきと考えます。
 以上のように、代案の検討無く、費用便益にも目をつむったままで、実現の見通しがない現段階で、「政府にやる気を見せる」などとして、基金を積むというやり方は、合理性を欠くと言わざるを得ません。
(30億円というのは「最短コース」で実現した場合の仮定の額であり、そこで実現しなければ、10年で50億、20年で百億と増やしていくのでしょうか? 実現すると仮定した場合百億円でも県負担の一部にとどまります。「山形県財政の中期展望」によれば、「財源確保対策を講じなければ令和8年度に財政調整基金が枯渇してしまいます」とされ、令和10年度には390億円の不足・財政赤字になるという厳しい状況であり、数百億円という財政をハード事業につぎ込む事が可能とは思えません。また、トンネルが実現しなかった場合、県の貴重な資金をただ積立てて寝かせておいた責任は誰が取るのでしょうか。)

  主に以上の3点から、本条例案には賛同し兼ねるものです。

  なお、予算全体については、県民の暮らしを守る諸施策を評価して賛成する立場であることを付言して、討論とします。


フルーツステーション議案撤回は適切~王道の果樹農業振興を~

2024年03月14日 | 県政全般

県産フルーツの情報発信拠点整備の予算案が否決 | YTS山形テレビ

「フルーツ・ステーション」関連事業予算案撤回へ 山形県|NHK 山形県のニュース  
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/20240314/6020020014.html

共産党県議団は農水常任委員会に所属していませんのでそこでの態度表明は無かった訳ですが、この事業には反対であり、県が「再議」で突破を図る方法は止めて原案を撤回すべきであるという考えを、県担当課と議会他会派の然るべき議員を通して伝えていました。知事の撤回表明は、私共の提起と合致する適切な判断であり、英断を歓迎します。

私が事業に賛成できないのは、
第一に、事業が目的に掲げている県産フルーツのブランド力向上による高付加価値化は、箱物建設ではなく生産者への支援で消費者のニーズにあった高品質のフルーツ生産が発展する事を通して実現されるものであるということであり、それは県自身が策定した県果樹農業振興計画にも明記されています。フルーツステーションはそこから外れたものであること。
第二に、事業の柱である寒河江に建設される新施設も、県内各地に設置されるステーションも、内容と実現性が不明瞭だと言う事です。

県内の果樹生産者は、食料主権を放棄する輸入自由化と、競争に勝つ農家だけ支援するという新自由主義的な政府の農業切り捨ての元で長期に渡る苦境におかれてきました。
加えて今、コロナ禍に続く、肥料・資材・農薬等の高騰に見舞われ、「あと一年だけ頑張ろうか」というギリギリの決断の繰り返しで何とか営農が維持されている状況です。
こうした中で県に求められる事は、政府に対して食糧自給率向上に責任を持って価格保障・所得補償を中心として、家族農業を始めとした全ての生産者を支援する政策への転換を求める事、
県自身が、生産者のニーズに応える伴走型の支援を手厚くしていくことです。

それは、元々県が掲げていた王道の施策であり、そこに邁進することを引き続き求めていく所存です。



山形県民笑いの努力義務条例?

2024年02月10日 | 県政全般


 先月24日付の山形新聞等で報じられましたが、県議会自民党会派が、「山形県笑いで健康づくり推進条例」(案)を公表し、県民から意見募集をおこなった上で、2月定例会での制定をめざすという考えを表明しました。
 条例案は、県民に「1日1回は声を出して笑う等、笑いによる心身の健康づくりに取り組むよう努める」と、笑うことを努力義務として課しています。
 また、県には「笑いによる心身の健康づくりに関する意識の啓発に努める」と、県民の意識の変容に取り組む事を求めています。

 笑いが暮らしと人生に幸福感をもたらすものの一つであり、健康の維持・増進にも資する事については、社会に一定の共通認識があり、笑顔で暮らせる社会をつくっていく事は、多くの県民の願いであると考えます。

 しかしながら、いかなる理由であれ、笑うことについて行政が県民に義務を課すような事があってはならないと考えます。
 条例案が別の項目で「個人の意思の尊重」を記載し、発案者自身も努力義務を打ち消す必要があるという認識を示してしているように、努力義務規定は軽視できない問題です。

 北海道では「道民笑いの日」を制定していますが、「要領」に拠るもので、主な活動は、講演会の開催や健康づくりの普及・啓発活動等にとどまっています。
 (※「要領」とは、行政機関内部の規律で、「条例」のように国民の権利義務に関する定めとしての性質を有さず、議会の議決を要しないものです。)
 日本共産党山形県議団は、笑いの推進についての取り組みをおこなうとしても普及・啓発の範囲のものにとどめるべきであって、本条例の制定には問題があると考えます。
 笑いに関わった行政の仕事があるとすれば、誰もが生きやすい社会をつくることで、自然に笑顔が生まれる条件を整備する事ではないでしょうか。

 なお、笑いの日として定めるという8月8日とその日を含む8日間は、長崎原爆投下の日、終戦記念日を含んでおり、日程設定も好ましくないと考えます。  

 県議会自民党会派が意見募集をおこなうとしていた期間は1月24日から2月6日まででしたが、そのような短期間にとどまらず、この問題に広く県民の声が寄せられる事を期待していますし、
 私共もご意見をお伺いしたいと考えております。

 条例案はこちらで拝見できるようです。
 自由民主党山形県支部連合会 http://www.jimin-yamagata.com/



吉村知事に2024年度予算要望

2024年01月30日 | 県政全般

 1月30日午前、2024年度県予算への要望を知事に提出しました。61項目に渡る要望の内、当日は4項目について知事から考えを聞きました。

①賃金引き上げと中小企業支援。
知事 県賃金向上推進事業支援金で企業の賃金引き上げに取り組んだ事業者に支援給している。
 特に女性賃金が47位。どういうふうにすれば、賃金向上になるか、業界にも話を聞きながら、踏み込んでいきたい。
 全国一律最低賃金制度創設に向け、ランク制度廃止が重要。政府に、中小事業者への支援とあわせて今後もしっかり提案していきたい。

②国保税引き下げ、子どもの均等割り撤廃。
知事 国保は、国民皆保険を支える大変重要な制度。現役世代が加入している協会けんぽと比べると、年金生活者、パート、アルバイトなど、低所得の加入者が多いという構造的な問題を抱えている。市町村と協議をし、加入者の負担を軽減するため国保財政安定化基金を活用していく。
 また、政府に、国保事業への財政支援措置をいっそう拡充することと、子育て世帯の負担軽減の観点から、子どもの均等割保険料免除を提案している。

③小中学校給食費無償。
知事 学校給食は児童生徒の心身の健全な発達に大変大事なもの。学校給食法で「食材費などは児童生徒の保護者が負担する」となっている。生活が困窮する家庭に対しては、生活保護法による教育扶助として学校給食費の全額が援助され実質無料。準要保護世帯には県内市町村で2/3が全額を援助している。
 県内すべての市町村で、地方創生臨時交付金を活用し、学校給食の原材料費の高騰などに伴う保護者負担が軽減されている。
 学校給食法制定後半世紀以上が経過。少子化の進行など社会情勢変化する中で、学校給食が栄養のバランスなど一定の質を確保しながら、安定的に実施されるように、負担の在り方を整理し、法改正などと共に、経費については、全額国庫負担とするよう政府に要望していく。
 それは今の流れだなと思っている。政府も流れていくだろうと思うので、しっかり押していきたい。

④土砂崩れ、地震の経験を踏まえた防災・減災対策強化
知事 防災減災。本県地域防災計画は、東日本大震災での課題などを元に、平成23年度に全面改定。その後も県内外の大規模災害などの教訓を踏まえ、必要な手直しを行ってきている。
 近年は、平成30年7月西日本豪雨、静岡県熱海市土石流災害を始めとした令和3年7月1日からの大雨災害などを教訓として、「自らのいのちは、自らで守る」という意識の徹底。医療的ケアを必要とする方への配慮など新たに明記した。
 今般の能登半島地震でも、今後政府等における振り返りなどで様々な課題が明らかになると思う。本県としても教訓として、本県での対策など検証し、その結果を県地域防災計画などに反映させて、生かしていきたい。

 61項目の多くは、これまで県議団が議会でも取り上げてきたものですが、今日の知事の回答はほぼ議会での答弁を踏襲したものでした。 
 各項目について、政府に提言する姿勢は引き続き重要です。
 特に学校給食では、これまで「食材費は保護者負担とする」という学校給食法の規定に拘泥してきたところ、「無償に進むのは社会の流れ」とし、「必要な法改正」を政府に求めるというスタンスへの転換は意義があります。
 女性の賃金向上についても、「踏み込んでいきたい」と意気込みを感じさせるものでした。
 切実な要望に応える取り組みを更に進める事を引き続き求めていきます。





山形県議会令和5年12月定例会始まるー令和6年度事業の構想も示されるー

2023年12月07日 | 県政全般

 

▽12月4日(月)、県議会12月定例会開会、総額9億4900万円の補正予算等が提案されました。
 県人事委員会勧告に基づく職員給与引き上げに次いで額が大きいのは、異常気象等に係わる農業関係の事業です。
 ○白未熟粒等を除去して等級低下抑止を図る米色彩選別器導入への支援。
  私は、かねてより減農薬栽培の角度からも色選機導入を提言してきました。
  但し、「不良が5%以上あると機能低下」と言われるように機能には限界があり、今年のように不良の割合が高い場合の効果は限定的と思われます。
 ○高温耐性の高い雪若丸の作付け拡大に向けた種子の緊急増産支援
 ○米高温耐性品種の開発・導入促進
 ○防霜・高温・安全対策の新型サクランボ雨よけハウス
 ○高温少雨対策マニュアル作成
 ○大豆生産拡大に向けた機械導入支援等。
 いずれも現場の要望に応える事業と思われます。

▽来年度予算編成に向けた各部局の要求も示されました。
 5日付山形新聞で特記していたのは、
☆米沢トンネル整備基金 ☆子ども熱中症防止 ☆外国人材確保対策 ☆洋上風力発電の波及効果調査や地域の将来予測 ☆犯罪被害者や遺族への見舞金支給制度の創設 ☆医業承継支援 ☆保育士が産休育休を取りやすくするための代替職員の人件費支援 ☆職員人件費 など。
 それぞれに、是非はさておき私も注目します。

 その他に、私が注目したのは、
「校内教育支援センター」(不登校児童を支援)を設置した小学校への学習指導員の配置
 不登校が増大する中、学校に来られない児童・生徒へも教育を保障する事、「学校復帰のみを目的にするのではない教育の提供」が求められる中で、教育支援センターの改善・充実は期待されている事の一つです。しかし、「校内」となると、旧来の「学校ありき」の指導の一形態ではないのかと心配します。

☆次期県立高校再編整備基本計画策定
 加茂水産・庄内農業・中央の統合も課題に挙がっています。

☆伝統工芸品等の従事者確保のための新規従事者等に対する奨励金支給
 伝統工芸の継承・発展のための支援策も提言してきました。奨励金は意義あるものと思います。「伝統工芸」のカテゴリーが狭い事も課題です。

☆樹園地継承のためのデータベース整備及び第三者経営継承サポーター配置支援
 私は、庄内柿振興のために提言してきました。有効な制度となるよう審査していきます。

☆野生鳥獣の市街地等出没対策
 これまでの、鳥獣の主な生息域、人間の活動と重なる区域の対策には無かった手法・体制などが求められていきます。
 鶴岡のクマの事例でも、出没の情報があった際に宣伝車両の巡回が一通りおこなわれたものの、それが終わった後も実がクマが隠れていて、そのすぐそばを児童・生徒が登校のために歩行していた(事が後でわかった)、と言うことがありました。
 クマは危険を感じると長時間一つの場所に潜む事があるという生態に対応した活動になっていなかった訳です。
 山から市街地に侵入する可能性のあるルートの把握なども必要です。
 ただ、侵入防止、被害発生防止のための具体策を実施するとなると、どれほどの体制と費用が必要になるのか、目が眩む思いがします。
 国の財政支出の抜本的強化が必要になります。

☆庄内地域に地域新電力会社設立 
 洋上風力一点張りではなく、庄内の再エネ全体の推進の力になることが期待されます。山形新電力の活動の成果と課題を明らかにしなければなりません。

☆子ども・若者が意見を表明できる機会の確保
 先進国では大きく立ち後れてきた子どもの権利の擁護が国の施策のスローガンとしては打ち出される中で、意見表明権は、権利擁護の出発点とも言うべきものです。
 不登校・いじめ対策なども、子どもの意見から組み立て直す事が最善の道に違いありません。
 但し、意見表明が単なるアンケートの延長のようなもの、「思っていることを言って(書いて)下さい」のようなものにとどまっては話しになりません(始まる前から言うこともないか・・)。
 子どもを意見表明の主体に育てる取り組みがあらゆる分野で求められます。
 一朝一夕ではできない大仕事です。

☆県子ども計画(仮称)策定

☆ひとり親家庭の生活実態調査

☆男女共同参画県民意識及び企業実態調査


現時点では、私の「印象」の域を出ませんが、国の社会保障削減で深刻となる医療・介護・福祉の確保・充実策、景気低迷・物価高騰の下での小規模商工業支援策、小規模農業支援策等、学力競争主義と管理主義による歪みが深刻化する教育の是正策、総じて、持続可能な社会、誰一人取り残さない社会への大きな転換の方向に進むものとなるよう、引き続き提言していかねばと考えています。


山形県令和5年度9月補正予算

2023年09月13日 | 県政全般

11日、R5年9月議会に提出される議案の概要が議会に説明されました。現時点での評価を順不同で述べれば、

1低所得世帯への冬季の灯油購入費等の臨時的支援
 いわゆる「福祉灯油」の上乗せですが、現下の物価高騰の中で、文字通り命を守る対策です。
2私立学校への物価高騰等への支援
 公立でも私立でも高校生と保護者を支援する姿勢の表れと受け止めます。
 広い意味での子育て支援政策です。
3施設園芸・畜産等農家、水産業者への物価高騰支援は、農家・漁家の苦境に対応するものです。
4中小企業パワーアップ補助金の増額
 DX・GX推進、高付加価値化の取り組みの支援であり、それはそれとして意義がありますが、「成長」をめざせず現状を守る事に救急としている多くの中小業者への支援の拡充が期待されます。
5市町村立中学校、県立高校、私立高校への可搬式の冷房機器設置については、スポットクーラーというやつで、排熱ダクトを取り付けませんので室内(体育館)の温度は下がりませんし、もとより体育館全体を冷やす能力はありません。(画像はモノタロウでオスメスNo.1になっている機種)
 スポーツの際の熱中症対策については、スポーツ庁などから有効な方法が示されていますので、そうしたものを具体化する体系的な取り組みが求められます。
 敢えて期待を言えば、この機器を使って効果的に体熱を下げる方法を研究することでしょうか。

 

6医療機関、介護・福祉施設への新たな支援策はありませんでした。
 引き続く新型コロナ感染拡大と物価・電気料金等の重大な影響の中、住民の命と暮らしを守る上で最も重要なこの分野に、年度当初の対策への大きな上乗せが何としても必要です。

 以上、様々と有益な施策が打ち出されたと思われますが(これから詳細に審査します)、どの分野の施策も量質共の拡大が求められており、何よりも政府において、地方自治体の財源確保を抜本的に拡充することが強く求められます。


5類化後のコロナ対策を県に要請

2023年05月09日 | 県政全般

8(月)新型コロナ「5類化の日」に県に対策強化を要請しました。


この日から始まる、5類化後の県の医療提供体制「移行計画」は、政府方針をそのまま具体化するものとなっており、医療を確保する点で多大な懸念があるためおこなったものです。
新型コロナ「5類化」以降の懸念は大 - 関とおるの鶴岡通信 (goo.ne.jp)
健康福祉部長を始め、同部担当課長・主幹など勢揃いで対応して貰いました。

12項目の要請書を手渡し、「移行」後に懸念される点を医療・介護現場の声から指摘。政府専門家会合や国会での議論も知っている範囲で提起しました。
当局からは、外来・入院医療拡大のための学習会開催や、介護事業所の感染対策のための保健所の取り組みなどなど説明がありましたが、
党県議団としては、それらの努力をもってしても、医療確保の見通しが無いのではないかと重ねて指摘。
石川県議は、医療・介護現場のギリギリの状況を紹介し、空床確保料が無くなるもとでのコロナ病床確保の困難、後遺症対策、高齢者施設の「留め置き」問題などについて、
県当局との初の議論とは思えぬ厳しい指摘をおこないました。
部長から、「おっしゃる通り、5類になったといってウイルスの特性が変わる訳では無く、感染対策は変わりなくおこなっていく。医療の現場の負担も変わらない。
一方、一部の医療機関の負担では無く、広く診療を担ってもらうため、医師会などと協議している。世の中は対策が緩んで来ていると思うが、しっかり対応していきたい」という表明がありました。

なお、マスコミの取材は山形新聞のみ(翌日、写真入りで報道されました)。「政府の5類化に問題あり」という指摘になるだけ目をつむろうという姿勢の現れと受け止めました。
国民の大半が問題点を知らされていない事が最も由々しき問題です。

政府の対策を厳しく追及しながら、県に要請項目に沿った具体的な取り組みを継続して追求していきます。

                                                  2023年5月8日

山形県知事 吉村美栄子様

                                               日本共産党山形県議団

                                                  団長 関  徹                                      
                                                     石川 涉

                     新型コロナ「5類化」に係わる対応についての要請 

 

 新型コロナウイルス感染症(以下、略称)の感染症法上の位置づけの変更に伴って、本県でも本日から、種々変更された対応が始まるとされている。
 しかし、新型コロナは現時点でも、高齢者・基礎疾患のある方々にとっては命に関わる症状をももたらし、かつ季節性インフルエンザより遥かに高い感染力を持つ重大な感染症であり、
直近の第8波では感染者の急増で医療体制が逼迫し、死者は最大に達した。医療・介護等の従事者の加重労働と日常生活の制約は今も続いている。
 また、後遺症が無視できない割合で発生し、仕事や日常生活に大きな影響をもたらすケースも少なくない事も明らかになってきたが、その状況把握も対策も政府の取り組みは立ち遅れている。
本県は一定の調査をおこない、学習会もおこなわれたが、一層の取り組みが求められている。
 他方、社会経済の回復が大きな課題となっているが、それは当然、命を守る対策と並行しておこなわれなければならず、取り分け、一般医療と両立する形でのコロナ医療の確保は緊急課題である。
 その対策は何よりも、医師・看護師等の低すぎる配置基準の引き上げと処遇改善で平時に余裕のある体制をつくることであるが、政府はこの3年間それをおこなわないまま、
 今、行動規制廃止等感染拡大抑止策の廃止、特例診療報酬大幅縮減・廃止等医療確保策縮小をおこなおうとしている。
 その上で、指定医療機関・重点病院等以外の医療機関も「コロナ医療を経験した」などとしてコロナ診療を担わせると謳っているが、「経験」とは入院患者・職員の中からコロナ患者が発生し、
対応に追われた事であり、感染拡大を防げず、重症者・死亡者が発生したケースも多い。職員の疲弊と経営への深刻な負担も発生した。
 よって、そうした医療機関がコロナ診療を担っていく事が相当困難な課題であることは自明であるが、それを可能にする具体策は何ら示されていない。
 また、高齢者施設等の入所者が新型コロナに罹患した場合に施設等に「留め置き」されてきたことが、感染拡大、死亡者・重症者発生の大きな要因となっていることは解決すべき重大課題であるが
その対策も見受けられない。
 加えて、医療機関・介護施設では、従来通りの感染対策を継続する事が求められており、政府が支援策を縮小するもとで、空床確保も含む費用等の確保策も問われている。
 このように、医療確保の見通しが無いままの5類化に伴う対応変更は、高齢者・基礎疾患のある方々の命を脅かすと同時に、関係従事者の負担を継続させることによって医療体制を悪化させ、
医療機関・介護事業所等に存続に関わる負担を発生させる事が強く懸念される。
  以上のような問題は、政府専門家、県内医療機関、介護事業所等から声が上がっているところである。
 県が政府の方針に沿って4月20日に策定した「移行計画」には、上記のような懸念があることから、党県議団は特に医療確保に関わって下記のような事項に取り組む事を要請する。

 

                     記

 

1.5類化となった後も、高齢者•基礎疾患のある方を始めとして、新型コロナから県民の命を守る対策を責任を持って行うこと。

2.外来・入院診療の拡大について、医療機関の実情・意向に合った見通しを立てる事。当面、確保病床は減らさず、介護施設、及び指定医療機関・重点病院以外の医療機関で発生した感染者も含めて
  必要な病床を確保すること。県立病院が地域の病床確保に必要な役割を果たすこと。将来的な必要病床数については、感染状況等を見ながら検討していくこと。

3.介護施設入所者が感染した際も、一般の高齢者と同様、入院医療を保障すること。施設内療養を余儀なくされている場合は、療養や感染対策等に係わる費用を支援すること。

4.コロナ入院医療に対応できない医療機関のコロナ患者は、指定医療機関・重点病院を始めとする対応可能な医療機関で受け入れるように病床確保計画を立てること。

5.医療機関・介護施設等は、従来通りの感染対策が求められていることから、不断に状況を把握し、患者・利用者・職員の検査、資機材等感染対策の費用を始め、支援をおこなうこと。

6.高齢者・基礎疾患のある人等の在宅療養を支援するため、相談体制、宿泊療養の確保等を図る事。

 在宅医療や訪問介護等の整備・確保を図ること。

7.高齢者等へのワクチン接種を推進するため、情報提供・相談体制、集団接種やスタッフ等の確保等について、市町村と協力しながら取り組む事。

8.後遺症について、調査・研究、防止対策、治療、発症に伴う損失への支援策の検討、社会の理解の促進などをおこなうこと。

9.経済的に困難な人も必要な医療を受けられるよう負担軽減策を検討すること。

10.新規入院数等、感染状況の把握に努め、県民・事業所等への必要な感染対策の呼びかけをおこなう事。

11.新型コロナへの引き続く対処、及び今後の新たな感染症に対処するために、県立病院、衛生研究所等県施設の医師・看護師を始めとする体制の拡充を図ると共に、
   県内医療機関・関係事業所等の体制拡充を支援すること。

12.政府に対して、医療機関、介護・福祉事業所、保健所等の医師・看護師を始めとする人員配置基準の抜本的引き上げや上記項目の実施など、国民の命と健康を守る対策を責任を持って
   推進するよう求めること。3年余に渡る対策の検証を幅広い意見の集約を元に実施し、今後の感染症対策を遅滞なく実施することを求めること。

                                                                                      以上


誰もが安心して暮らせる平和な社会に~3期目の当選に感謝~

2023年04月10日 | 県政全般

3期目の当選を果たす事ができました。

1月3日に発症した新型コロナの後遺症で、告示に入っても共産党候補者の命である街頭演説が出来ないという、前例の無い危機的選挙でしたが、物価高騰から暮らしを守って欲しい、命と健康を預かる仕事をちゃんと処遇すべきだ、戦争は絶対に 


 


阻止して貰いたいなどなど切実な要求に押し上げられ、県政で55年間役割を果たしてきた「党の議席を無くしてはならない!」とまなじりを決した党員、支持者、有志の皆様の最後までの猛奮闘が、33票差の勝利を手繰り寄せてくれました。
 
 今回の選挙は、鶴岡の自民党が 県議選で初めて、一定の「棲み分け」をして、公明党も3人の市議を候補者に1人ずつつける等、かつてない戦略的組織的選挙を展開しましたが、逆に2800票(1.3%)余後退させ3議席復活に失敗しまし た。
衆院選を見据えた政権党の総力戦を跳ね除けた事は、鶴岡での戦いの新たな前進の第一歩と考えます。
 
 最終日の夜に街宣車を走らせている時に、困難を抱える家庭の子どもにボランティアで勉強を教えている男性からメールを貰いました。「弱者も幸せになれる政治をお願いします」と。

 大軍拡、格差と貧困の自公政治から、平和で、誰もが安心して暮らせる暖かい政治への転換目指して、市民の皆様と力を合わせて前に進んで行きます。

コロナ禍の医療、介護、保健所、少人数学級、コロナ対策の理念

2023年04月08日 | 県政全般

1 新型コロナ禍での医療の確保について(健康福祉部長)
  (1) 県内医療機関の経営状況と存続に向けた支援について
  (2) 新たな医療体制構築の検討について
2 新型コロナ禍での介護サービスの確保について(健康福祉部長)
  (1) 福祉事業所ネットワークプロジェクトの進め方について
  (2) 介護保険制度の抜本的改善と第8期事業計画について
3 新型コロナ禍での保健所の体制と活動の強化について
  (1) 保健所の今般の活動について(健康福祉部長)
  (2) 保健所の職員数について(総務部長)
  (3) 保健所体制の強化について(健康福祉部長)
4 新型コロナウイルス感染症に立ち向かう理念について(知事)
5 新型コロナ禍での教職員体制の強化と少人数学級推進について(教育長)
  (1) 多人数単学級の現状について
  (2) 緊急課題に対応する教員の配置等について
  (3) 抜本的な少人数学級の推進について

 新型コロナウイルスで亡くなられた方々にお悔やみ申し上げ、病と闘っておられる方々にお見舞いを申し上げます。合わせて、大きな不安の中で社会的使命を果たされた、医療はじめ、使命果されてきた方々、また、知事はじめ当局の皆様のご奮闘にも敬意を表しながら質問に入ります。  この3カ月の余りの間にコロナ感染で命と健康を直接損なわれるとともに、倒産、失業、休業も過去最悪の見通しで、現在と将来のくらしの苦しみと不安が広がっています。国際社会でも戦後史上最悪の危機と認識されていますが、その中で新自由主義の矛盾が浮き彫りになっています。アメリカの著名なシンクタンクが今月4日に発表した報告書によると、この3ヶ月で新規の失業手当を申請したアメリカ人の数は4300万人近くに達する一方、富裕層の資産は5656ドル約62兆円19%の増加で、資産総額3兆5000億ドルに達したといます。
日本でもこの構図は同一です。正規雇用や自営業はじめ庶民に危機が広がる一方、大企業富裕層には富みが積み上がっているわけであります。
 この30年ほどの間に新型感染症も相次ぐ発生をもたらしている歯止めなき開発も、地球温暖化という危機を進化させているものも同根です。
 なによりも医療について政治が各国国民の命を左右する結果をもたらしました。
 イギリスやイタリアなどで、緊縮財政で、医療費を削減してきたことが被害を大きくしましたし、医療も商品にされ、金のないものは医療を受けられないアメリカでは多くの死者を見ました。
 そして日本もまた、コロナ禍に対応できない医療体制が厳しく問われています。
国連グテーレス事務総長は、コロナ危機への対応について「より人々が平等で包摂され、持続可能な経済と社会の建設に焦点を当てて危機に対応しなければならない」という趣旨の発言をしています。
 私はその中心は新自由主義の転換であろうと考えますが、今日の質問と通しまして緊急課題の解決を図ると同時に平等で包摂された持続可能な社会への前進を願います。
 最初に医療の問題です。コロナ医療提供体制の確立は、受診相談センター、PCR検査体制、発熱者外来、コロナ以外の医療の確保、軽症者施設の確保などなど、様々な課題を総合的に推進していくことが求められますが、今コロナを受け入れた病院もそれ以外の病院も、深刻な経営危機に見舞われています。
 私がお話を聞きとった自治体病院では、コロナ入院を受け入れた病院ですが、状況を大掴みにいますと4月5月、前年同月比で入院患者が約25%減少して3億円近い収入減、外来で9%を超える患者減というものでした。
コロナ治療の報酬が低いことに加えて、入院に備えて空けておくベッドの補償も低いこと、コロナ以外の医療も感染対策から患者の受け入れを制限せざるを得ないこと、同時に患者の側でも感染の不安から受診を手控えるという動きが広がったことなどによるものです。
 コロナを受け入れていない病院でも同様の事態です。110床のベッドを擁する県内民間病院では、やはり医療の制限と受診の手控えから4月5月とも数千万円の減収になったということでした。
 医療従事者も多大な負担を強いられました。県医療労働組合連合会が緊急にアンケート調査を行っています。9単組1,219人の声が寄せられたということで、医療現場の様子がありありとした貴重な調査です。
 コロナの入院を受け入れたある病院の看護師からは自宅でもマスク着用、精神的苦痛、不安で眠れない。風呂は最後に入り入浴も消毒。タオル類は熱湯消毒して分けて洗濯。子供と一緒に寝られない。家族と一階二階に別れて生活。携帯で話をし、食事も届けてもらう。家族は親戚宅へ避難という毎日とのこと。加えて地域生活の中で偏見を持たれ差別排除を受けたことも語られていました。これは何とかしなければならないことであります。
 こうした事態の中で県医労連や民主医療連合会、保険医協会の県内医療関係者が医療従事者への支援と共にコロナの影響による莫大な損失が保障されなければ、医療機関の経営が破綻する。地域医療が崩壊するということを強く訴えています。今政府が示しているコロナ医療の診療報酬の引き上げなどは赤字解消に遠く及ばないものであり、コロナ以外の医療に至っては何らの損失補償もありません。
 県としては病院などの状況をどう認識しているか。何とかして医療を守ってほしいという県民の切実な声にどう応えていくか伺います。
玉木健康福祉部長 県内では累計で69名の新型コロナの感染者が確認されたものの、本日現在で、そのうちの68名の方が既に退院されたという状況でありまして新規感染者が一か月歳半以上確認されておらず、感染の第一波を乗り切ることができたと認識しております。
 併せて、このことは感染リスクの高い現場で患者の命を救うために強い使命感を持って、業務に従事された医療従事者の皆様の頑張りがあればこその成果であると強く感じているところであります。
改めて医療従事者の皆様に深く感謝を申し上げます。
 新型コロナの感染拡大に伴う病院経営の影響ですが、県では今月で調査を行っているところでありまして、今データを取りまとめている中ではありますが、入院外来ともに患者数、収益とも減少傾向がみられ厳しい状況であると認識しております。
 主な理由といたしましては、新型コロナの患者の受け入れを行った病院においては、コロナ専用病床確保するためコロナ以外の患者の受入制限や、急を要しない手術や検査を中止したというもの。それから新型コロナの患者を受け入れていない医療機関におきましては、一般患者の受診控えなどによるものが考えられるところであります。
 このように新型コロナの患者を受け入れても、受け入れていなくても県内医療機関全体において大変厳しい経営状況にあると認識しているところでございます。
 県といたしましては、県民の命と健康を守るうえで、医療機関の経営の安定と医療従事者が安心して働けるよう医療現場の環境整備を進めることが重要であると考えており、また、これらをしっかりと確保することが予想される感染の第二波第三波に向けた重要な対策の一つであると認識しているところであります。
 政府の第2次補正予算を受けて県からの要請により新型コロナの患者を受け入れるために病床確保して頂いた機関に対しては、病床の種別に応じた空床補償などを行うことを検討しております。
 これに加えすべての医療機関に対して、感染防止の対策等に要する費用への補助や、これまで強い使命感で業務に従事いただいた医療従事者等の皆様に対する慰労金の給付についても検討を進めているところでございます。
 今後とも県民の命と健康を守るということを第一に医療現場の皆様のご意見をお聞きしながら、様々な手を尽くして医療機関等を支援してまいります。
 大変きびしい状況ということで、御承知のようです。さらに把握していただきたい。今ある医療機関で発生しないというのは県でカバーできる範囲を超えるものと言わなくてはなりません。
 損失を補償しようとしない国の姿勢は、医療確保の責務に背を向けるものと言わなくてはなりません。そうした中で、知事が全国知事会で先駆けて病院経営の支援を訴えたことは、県民の命を守る立場を示すものと心強く感じました。国の姿勢を改めさせるべく引き続き奮闘されることを強く期待します。
 続いて、今後の医療体制について伺います。長く自治体病院協議会会長を務め、現在公私病院連盟会長の邉見公雄氏が、医療団体のインタビューでこう話しされています「医療や介護の現場は赤字を出すな。効率を上げると言われてきました。しかし、消防や警察赤字だという人はいないでしょう。地域になくてはならない社会的共通資本だから。医療や介護も同じです。しかし、現場では効率化を求められベッド稼働率は常に90%以上でなければ経営が成り立たない。そんな報酬体系はおかしいのです。病院に余裕がなければ災害など想定外の事態に対応できません」と述べています。
 実際、日本の人口千人当たり医師数を見ればOECD 平均が3.5人であるのに対して、日本は2.4人。平均には12万人の不足です。
 一人当たりの病床数は、アメリカの4倍以上。看護師も同様です。医師看護師の過労死のニュースが絶えません。日本の医療現場はコロナに対応するにはあまりにも過酷な条件となっているのです。
 その中でも本県は、人口当たり医師数は全国平均を下回っています。看護数は平均を上回ってはいるものの需要に対して大きな不足となっています。
 重症者に対する治療体制、日本は韓国や欧米諸国より集中治療室が際立って少なく、医療崩壊も起こっているイタリアより貧弱です。
 このような医療体制を抜本的に見直さなければならないということが、コロナで浮き彫りになりました。
ところがその病床数を大きく削減しようというのが、厚労省の地域医療構想です。全国の病床133万床を2025年までに20万床削減しようとしています。
 本県の構想では、2018年末で11371床あった病床が2025年までに急性期を中心に2104床不要になるという推計がされています。
 厚労省の基準には新型感染症が入っていません。SARS,MERSなどの教訓から強く警鐘が鳴らされていたにも関わらず、検討していない構想になっています。
 私はかねがね、病床削減を目指す地域医療構想の問題を指摘してまいりましたが、コロナ危機にあたって改めて伺います。
 これまでの病床削減、医療従事者の低水準の配置、過重労働政策では新型感染症に対応できないのではないでしょうか。それを前提にした地域医療構想は見直されるべきではないでしょうか。
玉木健康福祉部長 平成26年の医療法の改正に基づきまして団塊の世代が75歳以上となり、医療や介護に大きなニーズが見込まれる2025年を見据えまして、都道府県では将来の入院患者の見込みと、そのために必要となる病床数を示すと共に目指すべき医療提供体制を実現するための施策を盛り込んだ地域医療構想を策定することとされました。このため本県では平成28年9月にこの地域医療構想を策定し、県内の4ブロックごとに市町村、地区医師会、病院、福祉関係者で構成する地域医療構想調整会議を設置し、病床数の適正化や急性期病床から回復期病床への転換。回復期機能の充実などについて議論を進めているところであります。
 厚生労働省は昨年9月、地域医療構想の実現を加速するため、全国の急性期病床をもつ公的病院等を対象としまして、再編統合について検討が必要な病院名を公表し、再編統合を伴わない場合には、今年の3月末。再編統合を伴う場合には、今年の9月末を期限として、地域の合意を得るように都道府県に要請いたしました。
 その後、全世界的な新型コロナの感染拡大を受けまして、当初では今年3月末までとされた見直しの期限に関して改めて整理の上に通知することとし、さらにこの6月には、地域医療構想を考えるにあたって、新型コロナ対策を通して得られた知見や地域の経験などを踏まえる必要があるため、今年9月末までとされた公的医療機関の再編統合の見直しの期限を延長し、進め方などを改めて整理するという新たな考え方が示されたところであります。
 また、医師をはじめとする医療従事者は、この度の新型コロナのみならず、昼夜を問わず、日進月歩の医療技術への対応や、より質の高い医療、さらにはきめ細やかな患者への対応などが求められ、大変な労働環境の中、長時間労働の解消に向けた対応が喫緊の課題とされております。
 一方で、本県の医師数は平成30年12月末現在で10万人あたり239.8人と全国平均の258.8人を大きく下回っております。これまでの地域医療構想の考え方には、今般の新型コロナのような感染症への危機管理という特殊事情は想定されていないと考えられますので、県といたしましては、まずは新型コロナを踏まえた政府の検討の動向を注視してまいりたいと考えております。
 その上で医師や看護師などの医療従事者を確保し、労働環境の改善を進めながら安定した医療提供体制の構築について地域医療構想調整会議の中でしっかりとした議論を進めてまいりたいと考えております。
関 病床確保について大変喫緊の課題になっているのでありますが、ベッドの数だけじゃない従事者全体の配置にかかることはご承知の通りであります。新型感染症の大流行下でも安全な医療を確保できる、ゆとりのある体制。安全安心の医療体制を、の根本からの検討を県としても行っていただきたいと思います。
 二つ目の質問です。医療と同様に介護でも大きな問題が発生しています。
感染拡大防止のためにデイサービスの受け入れ人数を減らし、職員の感染不安から訪問介護をやめるなどのサービス提供の縮小、利用者も感染を心配して医療をやめるなどの状況が広がりました。
 その結果、家族介護の重い負担や、認知症の進行など利用者の心身の状態悪化という事例も起こっています。事業所の経営も悪化しました。
 6513事業所が加盟する全国介護事業者連盟が先月を行った調査によるとコロナで経営への影響を受けているという事業所が56%。売り上げが10%以上減った事業所がデイサービス訪問介護でそれぞれ約3割。ショートステイでは過半数を超えたと言います。
 鶴岡市内でも同様の影響が聞かれました。地域の介護体制を確保するには損失の補填と体制強化をはじめとする今後の事業継続を可能とする対策が切望されています。
 政府に対して強く働きかけてもらいたいと思います。また今般の事態は、かつてないものであり影響の把握と分析が求められます。まだ詳しいでデータが出ないということですけども、十分な調査を求めておきたいと思います。
 質問しますのは、今後の感染症対策として計画されている福祉事業所ネットワークプロジェクトについてです。県独自に感染予防チェックリストを作成し、事業所の取り組みを実施、実地指導するとされています。
 私も事業者の方から厚労省の感染対策の文書が毎日、FAXで送られてくるがとても対応できない。対策マニュアルも作成できていないという声を聞きました。
 今後どのような対策をとったらいいかよく知りたい。文章だけでなく現場を見て考えてもらいたいという要望意見もありました。
 そこでプロジェクトでは、わかりやすい指針を示すとともに、通達を出して守れと監督するのではなく事業者と一緒に考えていく、そういうスタンスで進めてもらいたいと思います。
 また、地域の感染症対策の専門機関でありネットワーク構築の役割を持っている保健所とも連携して地域ぐるみの取り組みを進めてもらいたいと思いますがいかがでしょうか。
玉木健康福祉部長 県では新型コロナの再度の感染拡大に備えるため、介護事業者の感染防止対策の強化と仮に感染症が発生しても必要なサービスを継続して提供できる仕組みづくりの2点を柱とする協力と団結で新型コロナウイルスを克服する福祉事業所ネットワークプロジェクトを立ち上げたところであります。
 このうち感染防止対策の強化については、これまで数多く発出されてきた感染症防止に係る厚生労働省通知をわかりやすく整理し、加えて県内の介護事業所で発生した感染事例について現場での対応や課題などを検証したところであります。
 これらを県独自にチェックリストの形で取りまとめ、すべての介護事業所が自主的に自らの感染防止の取り組みを点検出来るようにし、その上で計画的な訪問指導を行おうとしております。
さらに取り組みが不十分な事業所へは専門家が赴いて、指導や相談などを行い、それぞれの取り組みを支援してまいります。
 また、サービスを継続できる仕組みづくりにつきましては、感染症発生時を想定し、衛生用品の保管数量や業務の優先順位等を事前に定めた事業継続計画、いわゆるBCP計画ですが、これも策定につきまして指導助言等を行いますとともに、介護事業者間で相互に介護職員を派遣し合える事業者間連携の仕組み作りについて、関係団体の協力も得ながら検討を進めてまいります。
 このプロジェクトは健康福祉部が全体の企画や進捗管理を行いますが、各介護事業所への指導助言につきましては定例の実地指導等を行っている総合支庁の福祉担当が行うこととしており、さらに感染症対策を所管する保健所ともチームを組んで対応してまいります。
 県と致しましては、今後、地域の医師会や感染症防止対策に詳しい看護師等の医療関係者の力もお借りしながら県老人福祉施設協議会や老人保健施設協会などの関係団体とも緊密な連携をとり、このプロジェクトに取り組んで参ります。
 現場に行って一緒に考えるというふうにしていただければ、ニーズにあったものであります。
また、対象のとなる事業所が福祉で3000。介護で1000もあるということでありましたので、大変多いわけでありますけども、必要とする事業所に届けられるように頑張っていただきたいと思います。
 ただ、これ事業所間の応援体制につきましては、今の人員配置基準では大変困難ということでありますし、そもそも応援というのは感染拡大の危険もはらんものでありますから、慎重な検討を進めていただきたいと要望しておきたい。
 コロナ危機で介護サービスの意義、介護従事者の使命が改めて示された一方、高い専門性と使命感がなくては務まらないことも浮き彫りになりました。感染拡大地域で、この給料で命をかけてはいられないと退職が相次いだといいます。残念なことですが、介護政策がもたらした事態です。
 県福祉保育労働組合が毎年県に要請しているように賃金が他産業より月9万円も低いままでは、今後の人材確保、事業の確保はいよいよ困難であり、無資格者の拡大や外国人に頼るなどの手段に走ってきた国の制度設計の根本が問われていると思います。
 また、国では、要支援の方へのサービスを給付から外していくホテルコストを拡大するなどサービス縮小と負担増も進めてきました。
 この8月にも施設入所者で年金収入が120万円を超える人の中で食費が月22000円以上引き上がる人が発生します。本県でも恐らく1000人以上になるのではないかと思いますけども、対象者の発生も懸念されています。保険料も3年毎に上がるままであります。
 介護保険制度が始まって20年。営利主義、合理主義などの新自由主義的政策が権利としての介護保障を後退させ、介護の社会化という理念を空洞化させてきました。
最後に伺います。今年は介護保険制度発足20年。そして来年度からの第8次事業計画を策定する年にあたります。これまでの延長線上の事業計画にとどまることはできないものだと思います。
 新型感染症に対応できる事業計画、それを保障する介護保険制度改善が求められているのではないかと思いますが、ご所見を伺います。
玉木健康福祉部長 介護保険法におきまして都道府県は市町村が行う介護保険事業を支援するため、介護保険事業支援計画を3年ごとに作成することとされており、現行計画は今年度が最終年度となっているため、現在、次期計画の策定に向けた準備検討を行っているところです。
 策定にあたりましては現行計画の評価検証を踏まえて行うこととしておりまして、現在その実施状況の確認作業を行っているところであります。
 ここ数年来の介護事業者にとっての最大の課題は、介護人材の確保定着であると認識しておりまして、この点につきましては、これまで以上に踏み込んだ検討を行う必要があるものと考えております。
 また、新型コロナの感染拡大に伴い各介護事業者における感染防止対策の徹底や感染が拡大した場合でも、介護サービスの提供を継続できる体制の構築が大きな課題となっておりますので、感染症対策をしっかりと講じることができる介護事業所づくりや事業継続計画BCPの策定を始めとする介護事業所の危機管理能力の向上についても、喫緊の課題として新たに取り上げる必要があるものと認識しております。
 県と致しましてはこれらの点について、今後、学識経験者や介護医療福祉の関係者等で構成する山形県高齢者保健福祉推進委員会における審議や、市町村との意見交換等を重ね、新型コロナにもしっかりと対応できる実効性のある方針を次期計画において示していきたいと考えております。
 次期計画は今後3年間における本県の介護保険の円滑な実施を図る上で極めて重要なものとなりますので、団塊の世代が全て後期高齢者となり本県の高齢者数が最大になると見込まれる2025年を見据えつつ、合わせて新型コロナの感染が拡大している中であっても、安全かつ安定した介護サービスを提供できる体制づくりに向け検討を重ねてまいります。
 さらに次期計画に掲げる施策については政府に対し機会を捉えて必要となる財源の確保などを提言しながら着実な実現を目指してまいります。
関 介護事業所でも2m利用者を離すか、マスクをしていて1m空けて15分以内という基準を適用しますと、これまでの定員通りの利用者さんの受け入れが難しくなるというような、そういう課題も出てくるわけであります。
 まずもって、その人員の確保のために県としても様々な努力をされていると承知をしているとこでありますけども、根幹となる制度への提言、強めていただきたいと思います
 3番目に保健所について質問します。都道府県が設置する保健所は、地域保健法の中に役割が明記されています。感染症、難病、精神保健、母子保健、食品衛生、生活衛生、医療監視などを実施する第一線の総合的な保健衛生行政機関です。今般のコロナで保健所が求められた役割は極めて大きなものだったと思います。
最初に保健所の体制と今般のコロナ対応はどうだったか簡潔にお願いしたいと思います。
玉木健康福祉部長 県内の新型コロナの感染者につきましては、3月31日に1例目が確認されて以降、4月20日までには連日感染者が確認されまして、最大で1日10人も確認される日があるなど、急速かつ広範囲に広がってきました。
このため、新型コロナに関する相談窓口を設置している保健所に対し、自らが感染した心配がある方の受診相談のほか、感染予防の方法や感染への不安、県内での感染者の発生状況などについて、多くの相談が寄せられました。
 具体的には感染が心配される方向けの受診相談センターにつきましては、2月10日設置以降、6月22日までに12,756件、感染への不安などに対する一般相談窓口につきましては、1月24日設置以降、6月22日までに10,879件の相談がありまして、ピーク時には一つの保健所に受診相談、一般相談合わせて、200件を超える相談が寄せられた日もございました。
 このため受診相談につきましては、4月6日からフリーダイヤルの受信相談コールセンターを設け6月22日現在で、9,598件の相談を受け付けるなど保健所の負担軽減を図ってきたところであります。
 また、保健所の業務についてはこれらの相談業務の増加に加え、感染者が確認された場合の積極的疫学調査による感染経路の究明や、濃厚接触者の把握、濃厚接触者に対する健康観察やPCR検査の実施により、感染症対策の業務が増加いたしました。
 その他医療機関への患者の搬送や、入院勧告の手続きなどもあり、特に保健師の業務が飛躍的に増大いたしました。
 このため資料作成や関係機関との連絡調整などの業務は、保健所が併設されている総合支庁の保健福祉環境部の職員全体で分担した他、総合支庁内の他の部の職員が応援して対応してきたところであります。
特に他の保健所よりも保健師などの職員数が少ない最上保健所では、管内の介護施設において集団感染が発生し、業務が大幅に増加いたしました。
一方で、県全体でも各地域で患者が確認され、各保健所間での相互応援が難しいという事情もございました。
このため最上総合支所内及び県庁からの応援体制に加え、管内市町村の保健師、県や町を退職した保健師、さらには、県立保健医療大学の保健師の資格をもつ教員などからも応援をいただくなど可能な限りの手段を結集し、保健所業務を支える体制を構築してきたところであります。
関 日に200件もの相談が殺到するというようなことで大変な状況での対応、危機対応として様々な手段を講じたということで承知をしています。
 本県の保健所の状況について経過を確認していきたいと思います。1999年に県保健所8箇所から4箇所に縮減しました。県の保健師数、94年の72人から現在66人にまで削減されています。
 ただし、2000年に60人まで減らされたところから2009年以降順次6人増やしての66名ということであります。12年間の中での前向きな部分のひとつじゃないかと思います。
 削減の背景には1986年以降、国が運営交付金の一般財源化を進めたことがあります。94年には運営交付金がすべて一般財源化され、同じ年、保健所法が改悪されました。法改正に伴う条例議案には当時の日本共産党小竹輝弥議員が反対討論を行っています。
 そういう経過になっていますけども、最初に保健師の人数について普通交付税で措置されている職員数は何人になるのか、そのうち保健師が何人か、そしてそれぞれの実際の配置は何人になっているか、総務部長に伺います。
三浦総務部長 保健所の職員数につきまして、本県の保健所につきましては、近年多様化する地域保健な役割に的確に対応するとともに医療介護福祉等の関連施策を効果的、効率的に推進するために、保健部門と福祉部門の統合などの組織改変を行ってきております。
すなわち伝統的な保健衛生部門よりも広い分野を担っているということになります。
その中で保健師をはじめとする専門職についても複雑、高度化する行政需要に対応できるよう必要数配置をしているところであります。
 この結果、令和2年4月1日、現時点における保健所の全体の職員数は276名、うち保健師の数は51人となっております。
 お尋ねのありました普通交付税で措置されている保健所の職員数につきましては、総務省において標準的な行政規模の団体として想定をしている人口170万人の想定される団体につきまして保健所全体で246人、うち保健師は88人という数字が、想定の数字が示されております。
 一方で、個々の団体に何人分を措置されているかということについては、示されていないところでありまして、確定的な数値を持ち合わせておりませんことをご理解いただければと存じます。
 確定的な数字はないということでありました。私共、日本共産党の国会議員団とおしまして、自治財務局交付税課に照会をしまして、判明したところでありますけれども、そのまま本県の人口で割りだしてみますと、保健所に配置されている人数が64.8になるのではないかと、65人という計算があるようであります。
 昨日、おととい確かめ、ようやく分かったことがありますので、これから精査をしていただきたいと思うのですが、その基準、私どもで見る基準の65名に対して、今、去年の5月1日現在の県保健所の保健師は51名となっているようでした。
 一般財源化でありますから、国の責任不明確なものですけども、やはりこの基準の65という配置は、これから確保を目指してもらいたい、努力していただきたいと思うところであります。
 何よりも今回、保健所保健師に求められた役割、新型感染症対策に照らして体制強化が求められているのではないかと思います。
 県民事業者等からの相談電話合わせますと23000件余りであったということ、私も「電話したけれども一日中つながらなかった」「急いでいるようで納得がいかなかった」という県民や事業者の声を聞きました。
 保健所の職員のみなさんが、異常な多重労働のなかで奮闘されたということは、承知をしております。
県衛生研究所の奮闘も含めましては敬意を表するところでありますけども、やはりこの今の体制では非常に厳しいものでなかったかなと思うわけであります。
 全国的にも保健所が深刻な状況に陥ったことが大きな問題となっています。
全国の保健所数92年の852箇所から2019年は472箇所。職員が約34000人から約28000人。医師数も4割減となっています。
 5月10日付の読売新聞は、保健所負担減急ぐ。という8段の記事の中で保健所の実態調査を行った浜松医大尾島俊之教授の「現在の保健所は何も起きなければ日々の業務をギリギリやれるという状態だ」「有事にもしっかり対応できる体制を整える必要がある」という見解を紹介しています。
 今後、果たすべき役割は、膨大でありますけども一部、順不同で挙げますと地域におけるコロナ医療のネットワークを構築する。医療・介護・福祉などの事業者関係者を支援する。感染症についての住民への正しい知識の普及。それも地域住民の自発性を土台とした取り組みと情報発信。
 これは地域保健法6条1項に挙げられている保健所の使命の第一に挙げられるものでありますが、差別偏見をなくしていくという課題解決の根幹には仕事であります。
 他にも年々ニーズは拡大する先進医療での地域生活支援や引きこもりの方とご家族への支援。同じく対象が増えている難病など充実が期待される役割はあげ切れないということであります。
体制を強化していくべきじゃないか。国に対して体制強化を財政的に保障を求めていくべきではないかと思いますけどもどうでしょうか。
玉木健康福祉部長 本県の保健所につきましては平成13年の総合支庁設置に伴い、それまでの健康福祉部の出先機関から、各総合支庁の組織の中に併設するという形で位置付けられました。そのためかつての保健所が単独公所であった時代と比べると、福祉などの関連部門との連携が円滑になり、さらに、今回のような非常事態が発生した際には総合支庁内で速やかに応援体制を取ることができるといったメリットも大きいと考えております。
 今後、予想される第2波第3波に備え、各保健所において、第1波の検証や、総合支庁内での連携体制の確認を行うとともに、今回の最上保健所における応援体制などの事例を共有し、あらかじめ保健師等の専門職種の応援体制について、関係機関との調整を行うなど保健所機能の強化や体制確保を進めてまいります。
 また、負担が増加している相談業務につきましては、4月1日から受診相談コールセンターの回線数を現在の2回線から4回線に増設すると共に、新たに一般相談用のフリーダイヤルのコールセンターを設置するなど保健所の負担軽減にも積極的に取り組んで参ります。
 さらに、中長期的な視点からは、感染症だけでなく、年々、重要性を増しております、精神保健福祉などにも迅速かつ的確に対応できるよう、人材の確保についても取り組むこととし、保健師の計画的な採用についても検討してまいりたいと考えております。
 今後とも総合支庁体制の利点を生かし、庁内の連携を促進することで、非常時でも柔軟かつ適切に対応できる体制を強化するとともに、その時々の行政ニーズに合わせた適切な職員配置とするなど保健所の機能や体制の充実について検討してまいります。
 また、県民の命と健康を守るため専門的かつ重要な役割を果たす保健所の機能を評価するために、必要な財政支援について様々な機会をとらえて政府に働きかけてまいります。
 何よりも地域に密着して、地域の実情を掴んで、住民とともに取り組みを進めるという、ことが求められるのではないかと思います。
 山形市に保健所ができるわけでございますけれども、村山地区で言いますと、55万人がすむ多様な地域を管轄する、こういうことであります。
 全国的にこういう状況が進んだわけでありまして、そういうことが新しい危機に当たって問われているということでありますので、お話ありましたように、政府に対する働きかけ、実際に県民のニーズとの関係でこれも構築していってもらいたいとお願いしまして、健康福祉部長の質問は終わります。
 ここまで、長年の国の社会保障費削減政策で、医療・介護・福祉・保健所がギリギリの状態に置かれて、コロナにも切迫した対応を余儀なくされたことの一端を述べてまいりました。
 全国の大都市部は勿論、地方でもいくつかの県が医療崩壊寸前の事態に見舞われ、地域単位では崩壊の発生も言われました。
 一つ二つの院内感染、クラスターの発生で、どこがそういう事態に陥ってもおかしくない。薄氷を踏む状態であったと言ってもおかしくないと思います。
 おととい厚労省がコロナ感染のピーク時の予測患者数について、専門家会議の新しい推計を発表しました。
入院のピークが、全国95,440人で、本県で925人。
 都道府県ごとに示されていますけれども、どの都道府県でも現時点では、その場合に備える見通しはないのだと思います。
 なんとしても、その備えを作るためにも、医療社会保障費削減政策からの転換が必要と考えます。
80年代に始まった臨調行革。90年に導入された消費税は10%まで引き上げられましたが、社会保障費はひたすら縮減が図られてきましたし、一方、防衛費は伸び続け、大企業の内部留保は膨張、アベノミクスで富裕層はさらに肥太る、日本の格差と貧困は世界でも最悪レベルになっています。
 先ほど紹介しました公私病院連盟会長は、効率主義は崩壊し、誤りが暴露されたと断じています。
5月9日付の山形新聞に掲載されました思想家の内田樹氏の論説も反響を呼んだようです。
 同氏のホームページから引用して抜粋しますと「新自由主義イデオロギーの際立った特徴は資源の選択と集中にある。利益の上がりそうなセクターに資源を集中的に投入し、採算の合わない部分を切り捨てる。効率生産性・費用対効果、そういう配慮を最優先させる。けれどもコロナ禍で分かったのは、選択と集中戦略はパンデミックのような社会的な危機しては、全く役に立たない」とおっしゃっておられました。
 知事は戦後、県政の史上の重大事態に、全身全霊を込めて立ち向かう決意を述べ、県民の切実な要望に応えるさまざまな政策に取り組んでおられます。
 医療の問題でも、全国知事会で先駆けた提起をされました。経済と雇用・食料・環境と開発、諸国間の格差などなど、あらゆる分野にわたって政治の理念が根本から問われているとこでありますが、今日は社会保障に関わって知事に伺います。
 知事は一貫して県民の命と暮らし最優先を掲げて、県政運営にあたってこられたのですが、今の事態をもたらした社会保障抑制をどう捉えておられるか、医療・福祉の充実がいよいよ重大課題となるのか、どのような理念を掲げて今般の危機に立ち向かっていかれるのか、お話しください。
吉村知事 新型コロナウイルス感染症につきましては、昨年の12月に中国の武漢で初めての患者が確認されて以降、感染が急速かつ広範囲に拡大したこと。まだ、現時点においても治療薬やワクチンが開発されていないことなどから、いつ収束するかも予想出来ない、まさに、世界的規模の未曾有の大災害であるという風に認識をしております。
 私は新型コロナ感染が県内で未確認だったそういう時期から、今日に至るまで一貫して、県民の皆様の命と健康を守ることを第一に検査体制や医療提供体制の充実強化、感染拡大の防止などに向け全力を挙げて取り組んできております。
 本県では本日まで51日間にわたって連続で患者が確認されておりません。
県民の皆様と一緒になって感染の第一歩を乗り切ることができたと考えております。
 これまで特に重要な役割を果たして頂いたのが各地域の医療機関や介護施設等の福祉関係事業所、また保健所や衛生研究所などの公衆衛生機関などであり、そこで働く職員の方々であると考えております。
そのご尽力に対しあらためてこの場をお借りして感謝を申し上げます。
 今回、我が国及び本県がコロナを経験して得た教訓がいくつかあるというふうに考えております。
 一つには、我が国の人口が大都市圏など特定の地域に偏っていて、感染リスクの高い脆弱な構造になっているため人口の地方分散を進めなければならないこと。
 二つには、いざという時に医療用資機材はマスク消毒液などの必需品を海外に頼らざるを得ず、将来に向けて国内県内で製造できるよう産業構造を変えなければならないということ。
 三つには、我が国の国民の必要とするカロリーの63%を外国に依存している非常に危険な状況であります。
非常事態を見据えた食料安全保障の観点からも、食料自給率向上に向けて食料生産基盤の農業振興策を強化していかなければならないこと。
 加えて、四つ目でございますけどでも人類の歴史をたどってみると明らかなように、将来必ずや、また、感染症の大流行ということが発生するわけであります。
 それに備えて、適切な医療提供体制を整備しておくとは、不可欠であるということも明確にわかったわけでありますが、その大切な医療機関が新型コロナウイルスの影響により、患者を受け入れた重点医療機関はもちろんのこと、民間の病院や医院や診療所を含め、多くの医療機関でその経営の大変厳しい状況となっております。
 そこで、そのために去る6月4日になりますけれども、全国知事会議の場に置きまして、私から政府に対し医療機関への補填などの財政支援について強く提言したところであります。
 今後予想される第2波第3波へ、万全の態勢で臨むためにも、今この時期に医療・福祉の提供体制を強固なものにしておく必要がありますので、これが医療や介護福祉分野におきましては、前例にとらわれない思いきった支援が喫緊の課題であると捉えております。
 また、我が国の高齢化の進展により、医療・介護・年金等に係る社会保障費が年々増加をしております。
私たちは、将来の国民や県民の命と健康、さらには生活を守るためには、医療から介護福祉まで含めたトータルな社会保障の在り方について、将来の需要予測をきちんと踏まえた上で、その財源も含めて安定的かつ持続的に確保できる制度を確立していく必要があると考えます。
 将来のあるべき社会保障制度につきましては、今回の新型コロナに関する一連の経過を踏まえて、国家的な議論も進むものと考えられますので、これをしっかりと注視していくと共に、まずは新型コロナから県民の命と健康さらに生活を守るため、引き続き関係者の話も聞きしながら、県内の医療や福祉分野に対する様々な形の支援を、スピード感をもって進めてまいります。
 県議会の冒頭でも申し上げましたけれども、今後再び新型コロナの感染が拡大局面となった場合の本県独自の判断基準として、注意警戒レベル4段階設定し、県民の皆様にお示しいたしました。さらに県内各階層からご意見をいただき県政に反映していくため、オール山形による新型コロナ克服創造山形県民会議を創設し、山形県新型コロナ対策応援金のコーナーも設置したところでございます。
 今後とも、山形県らしく、助け合い支え合いの精神を大切にしながら、県民の皆様、事業主の方々、市町村と力を合わせ、英知を結集して、オール山形で英知を結集してこの誇らしいふるさと山形を未来の世代につないでいくため、何としてもコロナの危機を乗り越えて参りたいと考えております。
関 社会保障のあり方、これまでのあり方が問われている。各国で、パンデミックで何をもたらすかということが、浮き彫りになってきたということで、提言、財政、政治の在り方、そういうものを発信していただきたいなと思います。
 最後に学校教育の課題であります。この間の休校で、子どもたち大変、ストレスを抱えているということになりました。新日本婦人の会から寄せられた子どもの声を紹介しますと「授業が早くてついていけるか心配」「部活動が大会もないまま引退になり目標が見えなくなった」「毎日マスクで湿疹ができて辛い」様々な悩みが寄せられています。
先月、日本ユニセフ協会が、各教育委員会、学校宛てにメッセージを公表しました。
学習や健康、子どもの安全、心のケアなどの子どもたちにとって一番大事なことが何よりも重視されるように、遅れた学習をどう取り戻すかも含めて、子供たちの意見を聴いて一緒に考えられるように、また、差別や人権に対して一緒に話会える時間が大切であることなどを提起し、暴力や虐待など心配な兆候に注意すすることなどについても触れています。状況をよくつかんで子どもの心に寄り添った学校運営を図っていくということを強く提言しておきたいと思います。
 こうした中でお聞きしたいのは少人数学級の推進についてです。感染症防止対策の徹底、学級人数が多くなると困難が大きくなります。
本県のさんさんプラン3年生以上で、学年1学級の場合に34人を超えると40人まで、1学級となってしまう。さんさんのウィークポイントとなっているわけでございます。多人数単学級です。
そこで、多人数単学級がどのくらいあるか。学級数、全体に占める割合など、お願いします。
菅間教育長 本県では教育山形からさんさんプランにより少人数編制を行っております。その中でご質問がありました、多人数単学級のある学校数と学級数です。
昨年度で小学校が41校72学級。中学校が8校、10学級となっておりまして、割合といたしましては、小学校が3.6%。中学校が1.2パーセントという状況になっております。
当該の学校に対しましては副担任や少人数指導教員を加配するなどして、児童生徒の指導の充実に努めておるところでございます。
 新しい基準ですね概ね身体距離で1~2 M 以上確保するこということが、多人単数学級のハードルをかなり高くなる、全ての県民に対して是非に要請していることについて、子ども達の安全性の学校で実施できないってことは、容認できないわけであります。
緊急に多人数単学級などを支援する教員配置などを行っていく必要あろうと思っていますし、同時に、少人数学級の推進を改めて進めていただきたいということであります。
 日本共産党、今月2日に提言を発表いたしました、安全な学校の確保、安全の保障、子どもたちの学び、心身のケアの提言であります。
 教員10万人の増員で、20人程度の授業ができるようにするとの内容。この10万人の教員増というのは、日本教育学会が提言されているものでもあります。私もかねがね、少人数学級の推進を求めてきたわけでありますけれども、今こそ、この全国に先駆けて少人数学級を進めてきた本県として、新たな意義を帯びた少人数学級を前に進めるべきでないか。国に対して公費抑制政策の転換、少人数学級をあらためて求めていくべきでないか。お願いします。 
菅間教育長 緊急課題に対しても今回の補正予算で様々な加配の配置を要求しているところでございます。予算がお認め頂ければ直ちに対応したいと思います。
 そのうえで、抜本的な少人数学級の推進についてということでございますが、小学校3年生から中学校3年生までの35人学級ということが、まだ実現しておりませんので、令和3年度政府の施策等に対する提案の中で、子どもとじっくり向き合うための、教職員配置施策の推進を強く要望したところであります。
 また、全国知事会や全国都道府県教育長協議会を通して、児童生徒一人ひとりが、抱えている課題に対応したきめ細かな指導を組織的に展開できるように、予算の確保等を強く政府働きかけてまいります。
県教育委員会といたしましては、引き続き政府に働きかけていくとともに、少人数学級編成を活用した指導の充実を図ってまいります。
 社会保障ということで伺いましたけれども、視野を広くした答弁を頂きました。ありがとうございました。
まさに、社会保障のあり方、これまでのあり方が問われているわけであります。各国で、パンデミックで何をもたらすかということが、浮き彫りになってきたということで、提言、財政、政治の在り方、そういうものを発信していただきたいなと思います
 最後に学校教育の課題であります。この間の休校で、子どもたち大変、ストレスを抱えているということになりました。新日本婦人の会から寄せられた子どもの声を紹介しますと「授業が早くてついていけるか心配」「部活動が大会もないまま引退になり目標が見えなくなった」「毎日マスクで湿疹ができて辛い」様々な悩みが寄せられています。
先月、日本ユニセフ協会が、各教育委員会、学校宛てにメッセージを公表しました。
 学習や健康、子どもの安全、心のケアなどの子どもたちにとって一番大事なことが何よりも重視されるように、遅れた学習をどう取り戻すかも含めて、子供たちの意見を聴いて一緒に考えられるように、また、差別や人権に対して一緒に話会える時間が大切であることなどを提起し、暴力や虐待など心配な兆候に注意すすることなどについても触れています。状況をよくつかんで子どもの心に寄り添った学校運営を図っていくということを強く提言しておきたいと思います。
 こうした中でお聞きしたいのは少人数学級の推進についてです。感染症防止対策の徹底、学級人数が多くなると困難が大きくなります。
 本県のさんさんプラン3年生以上で、学年1学級の場合に34人を超えると40人まで、1学級となってしまう。さんさんのウィークポイントとなっているわけでございます。多人数単学級です。
そこで、多人数単学級がどのくらいあるか。学級数、全体に占める割合など、お願いします。
菅間教育長 本県では教育山形からさんさんプランにより少人数編制を行っております。その中でご質問がありました、多人数単学級のある学校数と学級数です。
昨年度で小学校が41校72学級。中学校が8校、10学級となっておりまして、割合といたしましては、小学校が3.6%。中学校が1.2パーセントという状況になっております。
当該の学校に対しましては副担任や少人数指導教員を加配するなどして、児童生徒の指導の充実に努めておるところでございます。
関 新しい基準ですね概ね身体距離で1~2 M 以上確保するこということが、多人単数学級のハードルをかなり高くなる、全ての県民に対して是非に要請していることについて、子ども達の安全性の学校で実施できないってことは、容認できないわけであります。
緊急に多人数単学級などを支援する教員配置などを行っていく必要あろうと思っていますし、同時に、少人数学級の推進を改めて進めていただきたいということであります。
 日本共産党、今月2日に提言を発表いたしました、安全な学校の確保、安全の保障、子どもたちの学び、心身のケアの提言であります。
 教員10万人の増員で、20人程度の授業ができるようにするとの内容。この10万人の教員増というのは、日本教育学会が提言されているものでもあります。私もかねがね、少人数学級の推進を求めてきたわけでありますけれども、今こそ、この全国に先駆けて少人数学級を進めてきた本県として、新たな意義を帯びた少人数学級を前に進めるべきでないか。国に対して公費抑制政策の転換、少人数学級をあらためて求めていくべきでないか。お願いします。 
菅間教育長 緊急課題に対しても今回の補正予算で様々な加配の配置を要求しているところでございます。
予算がお認め頂ければ直ちに対応したいと思います。
 そのうえで、抜本的な少人数学級の推進についてということでございますが、小学校3年生から中学校3年生までの35人学級ということが、まだ実現しておりませんので、令和3年度政府の施策等に対する提案の中で、子どもとじっくり向き合うための、教職員配置施策の推進を強く要望したところであります。
 また、全国知事会や全国都道府県教育長協議会を通して、児童生徒一人ひとりが、抱えている課題に対応したきめ細かな指導を組織的に展開できるように、予算の確保等を強く政府働きかけてまいります。
県教育委員会といたしましては、引き続き政府に働きかけていくとともに、少人数学級編成を活用した指導の充実を図ってまいります。