関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

映画「1/10fukushimaを聞いてみた」上映会

2019年10月16日 | 原発・自然エネルギー・環境
先日、映画fukushimaを聞いてみた2018」を観ました。
今も福島に住んでいる方々、避難生活を送っている方々等々、様々な被災者の方々の苦労、怒り、悲しみ、希望等々、心境が静かに、しかし生々しく映し出されていました。
 福島原発事故について、日頃は憤りをもって想起する事が多いのですが、哀しさ切なさが胸に広がりました。勿論、憤りは更に激しくなりました。

 現地で検診等に携わるKという医者が、「現在の基準が安全だということは、学者が百人いれば99人が認める、学問的には決着がついている」などと語っているのには飛び上がりました。
「あなたのお友達百人」じゃないかって話です。
 国連が「(元の基準)1ミリシーベルトの緩和は許されない」と勧告し、チェルノブイリでは1ミリシーベルト以上の地域に居住している人には様々な保障があり、5ミリシーベルト以上は移住義務務が課せられている中で、20ミリシーベルトに緩和している日本政府の片棒担ぎです。

映画ではその発言に対する批判の表現が弱かったのは残念でしたが、その事は上映終了後に古波津監督と直接話すことができました。
色々試行錯誤しておられる様子で、2019年版に期待したいと思います。

原発再稼働・輸出推進勢力、及び被災地・被災者支援打ち切り勢力とのたたかいとして。


参考:基準緩和に抗議して内閣官房参与を辞めた小佐古東大教授の良心に基づく告発
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/4852

上映の様子(一枚だけ失礼)https://fukushima-ask.info/Project%20intention



 

 常に上映会に出席して参加者と話し合うという小波津監督。


山形県議会令和元年9月定例会終わる

2019年10月05日 | 県政全般

  10月4日(金)、県議会玲和元年12月定例会が閉会、9月補正予算等が全会一致で可決・成立しました。県議団が発表した見解をかいつまんで報告します。

1)9月補正予算について
  6月18日の地震被災した中小企業・小規模事業者に対して、既存の県独自制度「中小企業スーパートータルサポ事業」を拡充した支援制度を創設しました。県が事業費の2/3を補助するもので、60件7500万円を想定しています。
  先の6月定例会で成立した一部損壊家屋の瓦屋根修繕事業や旅館・ホテル宿泊補助などと併せて、積極的な支援策として評価できます。
  先月発生した千葉県の台風被害で注目されている、「県・市の事業の9割を国が補助する」という支援策の先例となっています。
  一方、瓦屋根修繕でも、中小企業支援でも、ただでさえ生活の厳しい世帯、営業に苦労している業者では、自己負担分を捻出できないという状況も希では無いと考えられます。
  支援策の更なる拡充も必要となりますし、そもそも、災害救助法・被災者生活再建支援制度の範囲の限定など、立ち遅れた国の制度が問われています。
2)一般質問について
 9月20日に私が一般質問を行いました。
 ①日韓関係
  日本政府の対応が一方的であったことと、侵略と植民地支配について安倍政権が一貫して反省の姿勢を後退させてきたことが日韓対立の引き金になった経過を示し、友好関係の維持・前進について知事の見解を求めました。
 知事は、「現在、日本と韓国の政府同士では様々な課題があることは承知をしている。両国の関係は長い歴史の中でこれまでも様々な紆余曲折があった。このような時だからこそ、地域間や民間の交流をできるだけ活発に行い、相互の絆を強めていくことが大切」と答弁しまし。安倍政権が煽る反韓・嫌韓の流れに組みしない冷静な姿勢として評価できます。
 ②被災者生活再建支援制度
 被災者生活再建支援制度の支援対象を一部損壊まで拡大することを国に求めることについて、知事は全国知事会がようやく「半壊までの拡大」を求めるようになったという到達を踏まえて、「様々な観点から更なる検討が必要と考え」と答えるにとどまりました。
 ③避難所の整備・充実
  近年の災害での「間接死」の増加の状況が避難所の質的向上の必要性を示していると、資機材の充実などを求めたことに対して、防災くらし安心部長は「市町村段階で進んでいる段ボール製品の供給に関する県としての協定を締結に向けて検討する」との答弁を行いました。
 ④加齢性難聴の医療と難聴者支援
  高齢化の進行の中で「75歳を過ぎると約半数が難聴となる」「公的な購入補助が無いことなどから補聴器の利用率が低い」などの実情を示して支援策を求めたところ、知事は「難聴対策は大きな課題」との認識を示し、「政府や他の自治体の動向なども注視し、市町村など様々な関係者からのご意見をお聞きしながら、検討したい」と次につながる答弁を行いました。
 ⑤高校での特別支援教育の充実
    高校での特別支援教育の遅れの実情、山添校廃止、定時制・通信制の庄内町移転の問題を指摘したことに対して、教育長は「特別支援教育支援員を必要性の高い学校に配置しているが、非常に重要であることから、引き続き国に地方財政措置の拡充を要望しながら、支援員の増員を検討する」との答弁をおこないました。来年度予算で実施させていかねばなりません。
 ⑦教育における『過度の競争主義の弊害』
 日本の教育システムが「過度に競争主義的で子どもにストレスを与え、発達を歪めている」という厳しい指摘を国連子どもの権利委員会から4度に渡って勧告されていることについての見解を求めた所、教育長ては「過度な競争が、様々な弊害をもたらす可能性がある」「必要であれば競争も教育の選択肢の中に入る。発達段階に応じて、競い合う体験も必要」「全国的には過剰な競争と指摘されているような例もあるが、本県は子供の人間形成にとって好影響を与えるような多くの活動が展開されている」と県では過度な競争は無縁であるかのような認識を示しました。
 本県に於いても、いじめ・暴力・不登校等々、子どもたちのストレスが様々な形で噴出していることを直視し、全国学力テストの点数競争を煽ったり、進学校の中高一貫校化など競争主義に拍車をかける政策を見直すことが強く求められています。
  4)常任委員会・特別委員会での質問について
 渡辺ゆり子県議は「消費税のインボイス制度(商工労働観光常任委員会)」「児童扶養手当の現況確認 (子ども育成若者定着支援対策特別委員会)」について質問しました。
  私は厚生環境常任委員会で、医師確保対策について、国の医師需給検討会が示している「医師需給見通し」が「医師不足ではなく医師の偏在」という認識の上に、不十分な医療供給体制と過重な医師労働を将来に渡って続けることを前提としていることを指摘、真に必要な医師養成の拡大を国に求めて行くべき、医学部の「地域枠」の拡大を山形大学に求めていくべきと主張しました。
  また、これまで19億円の財源を投入してきた医師修学資金制度の効果の検証と内容の見直し・拡充を求めました。
  産業振興対策特別委員会では、卸売市場条例の廃止についての議案に関して、条例改正の理由になっている国がおこなった法改定への反対の立場を表明、県卸売り市場整備計画の終了の問題について質問しました。
5)病院再編、統合病院名公表
 会期中に厚生労働省が、公立病院等の再編・統合に係る対象病院として、本県の7病院を含めて公表したことに関し、「病院リストラの促進を狙った厚労省の公表への抗議と、地域医療を守る対応を求める要望書」を10月4日、県に提出しました。
6)山形県議会自民党会派の「最低賃金」質問
 9月19日の代表質問で、最大会派の自民党が条件を付しながらも「最低賃金を一律にすべき」との質問しました。
 党県議団は、6月定例会でも渡辺ゆり子県議が「せめて早期に1000円へ、全国一律」と知事に質問するなど、そのことを一貫して求めてきました。 
 自民党会派も世論に動かされつつあることを示しました。 
7)イージスアショア調査 
 イージスアショアの配備候補地の再調査が山形県内でも行われることについて、選定された場合の対応を問われた知事は、9月10日の記者会見で「再調査自体は致し方ないと思った訳ですけれども、正直申し上げて、山形県内にもということには、意外というか驚いている。仮定の話にはこたえられないが、県内調査について、県民のみなさんがどう考えるか把握したい。県民の思いを大切にしたい」と述べました。
  配備については関係県民らから、強大な出力を持つレーダーによる電磁波の影響や、迎撃ミサイルを発射した場合に演習場外の民間地にブースターが落下する危険、結果として、Iターン(移住者の受け入れ)などの町づくりをも阻害することについての強い懸念の声が上がり、反対運動が広がっています。
  そもそも、防衛政策としての有効性、費用対効果があるのかどうか、防衛関係者からすら疑問の声が投げかけられています。 
  県としても、県民の暮らしの安心を守る立場から、導入計画と、本県での調査実施に反対することが求められています。
  日本共産党と山形県議団は、アメリカの言いなりに、国民の安全を脅かすイージスアショア配備計画に反対し、政府に撤回を求めます。
                                                                     以上。