関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

総務常任委員会で質問

2010年09月30日 | 市政全般

9月15日(水)の総務常任委員会で色々な問題を取り上げました。
遅くなりましたが、一部を抜粋して要約してご報告します。
「情報公開」「先端研プロジェクト」「平和記念事業」について。

 情報公開で、去年度は情報開示請求が何件あったか、申請から開示までの日数がどのぐらいかかっているか。私も2度以前に請求したことがあるが、期限一杯申請から日にちがかかって延長の期限も使われて、本当にぎりぎりの期限で出てくるというのがほとんどの例。
 先進自治体では、ほとんどのものが即日開示されるというのが当たり前のようになっている。開示までの短縮の努力が昨年度はかられたのか。
総務次長 21年度は29件。うち、市長部局に関するものが24件、教育委員会に関するものが5件。公開までの日数はデータが無い。委員おっしゃるように、即日というのはなかなかないというのは事実。
 即日公開はないとのことだが、これを短縮していこうという努力は行われたのか。
総務課長 それぞれ担当課のほうで十分そこに配慮をしながらやっているけれども、中々思うようにいかないという事情もあるのだろうと思います。決して期間ぎりぎりまででいいと思いながらやっているということではない。これからもその努力は続けるようにしたい。
 先進地事例も研究されていると思うが、「こういうケースは直ちに公開する」ということを担当のほうで整理していくことが必要なのでないかと思う。

 先端研について。本来は重視しなくてはならないのは地域経済の振興と雇用の拡大(先端研プロジェクトはそうなっていない)。
 以前から先端研と製薬メーカーや大手食品会社などとの共同研究は行われてきたが、産業化企業化はどこまで進んだのか。
政策推進課長 先端研の技術シーズは、医療、健康、食品、環境の分野での実用化ということで進めてきたが、医療分野では、バイオマーカーに関する研究開発が急速に進んでおる。食品分野では農業関係で、例えばつや姫の付加価値化ということで貢献。環境面では藻の新規開発。
 地元企業との具体的な関係は、例えば、庄内柿とか、里芋、ラフランスのような地域固有の産物に着目して、機能性の探索を行って具体的な製品化を進めており、現段階でこれらの産物から中間素材としての高機能パウダーの開発というところまで進んでおり、パウダーを活用して、地域のお菓子屋、お菓子企業、麺企業での利用が今後拡大するよう取り組んでいる。
 ぜひ申し上げたいのはベンチャー企業の成長。HMT社:ヒューマンメタボロームテクノロジー社は急拡大を遂げ、近々東北初のベンチャー上場。非常に画期的なこと、資金を集めて更に拡大していけるジャンプ台になったと理解いただきたい。
 もう一つのベンチャー企業:スパイバー社は、大手企業との共同研究、具体的には自動車関連、特にタイヤ企業で、試作品をやっていくという取り組みで、同社も更に試験面積を拡大したいと強い希望。
 オイル産生藻は、化学合成会社、自動車会社とも共同研究と、さらに一段進めていきたい。このように、先端研はここにきて急拡大、実績を作ってきていると、産業化推進コーディネーターを配置。
 現段階で紹介できる範囲では、地域酒造会社との研究会がスタート。地域の酒の新たな付加価値を何としてもやっていこうと、非常に精力的に取り組み。コーディネーターの具体的な地域の企業に入っての活動が大変有効になっている。
 いろいろなシーズが育ってきているとのことだが、市民としては、当初謳われた「産業化、企業が来る、地元企業が発展する」というところがもっとも期待するところ。
 研究が成果を上げるということから、実用化される、そして企業化されるというスパンが、なかなか市民が想定していたようなペースではない。研究は、これまですでに100社余り様々な形で、関連をもってきた。「大手の有力な企業が共同研究に参加され大いに期待をもてる」と前市長話してきた。しかし去年の秋に新市長が「当初言っていた40社一千人は無理だろう」と明言し、市民が「どこまで行くのか」「いつからなのか」と心配。
 コーディネーターが地域に入って、新しい色々なタネを発掘しているということなので、その目途。金額的に、例えばお酒というのが、どのくらいの産業で、どのぐらいまで伸ばしていこうというのか、そしていつごろまでなのかと、その辺の金額や日程的な目途というものはかどうか。
政策推進課長 研究開発を伴っての事業化ですので、どのような形で花開くか日程的、時間的に示すというのは、適切ではない。とはいえ具体的な素材を持って、大変熱心に取り組まれているので、色々な形で出てくるということを先ずご期待いただきたい。
 「当初のお話の中で1,000人」と約束があったという話だが、平成16年の地域再生計画で国にまちづくり交付金を申請する際、付帯計画として添付する書類の中に、あのエリアの開発が終わった時点でそのようなことが想定される、と記載したものであり、当初の約束うんぬんという話とはちょっと違う。
 ※色々な見通しが説明されたが、「40社創業、千人雇用」に接近する展望は出てきません。しかも、これまで県と市で150億を注ぎ込んで来た事業の成果としては余りにささやかなものと言わなくてはなりません。何よりも、地元企業に活かされていくものも未だに見えてきません。「農産物を高機能パウダーにする」ことで、何億何十億の商品開発になるようには思われません。


虹はどこに架かっているのか・・

 「戦争と平和の資料展」の関係、今年戦後65年だが、去年も資料展示だけにとどまっている。市民の参加が何人であったか、市民の評価がどういうものであったか。事業を拡充してゆこう、戻すというわけでけれども、拡充してゆこうという総括にならなかったのはなぜか。
総務課長 見学人数は8月5日から11日まで1週間開催し252名。うち28名から感想、貴重な資料を目にした、こうしたことが本当にあったと戦争の恐ろしさを痛感したというようなご意見が多かった。
 同じ事業として今年は100人ほど観覧者が多かったが、これからからの話しとして、平和都市宣言の行方を踏まえて考えてゆきたい。
 ※かつては年間百万円ほどの事業費を充てて、市民の手による「平和キルト」など創意ある取り組みをおこなっていましたが、「行政改革」として予算が10分の1以下になり、現在の「展示だけ」の取り組みになっています。
  今議会で議論されている平和都市宣言がまとまれば拡充を考えていく、というニュアンスを含んだ答弁でした。


看護師確保対策質問・答弁全文

2010年09月15日 | 医療・介護・福祉など社会保障

 看護師確保対策の質問・答弁の全文を掲載します。

関質問
 次に、看護師の養成と確保について質問します。
 今年3月、県は県内医療機関へのアンケート調査を元に、2011年から15年までの県内看護職員の需給見通し案を発表しました。
 調査は、「経営状況等を考慮した実現可能な範囲の望ましい看護職員数」を求めたものであって、看護師不足の原因となっている労働条件の抜本的な改善を前提としない非常に不十分なものでありますが、それでも、需要に対する不足は2011年で934人、5年後の2015年でも449人としています。
 一方、市立荘内病院の病棟は、現在患者10人に看護師一人の看護師配置基準となっていますが、急性期病院としての機能を充実させていくために7対1に引き上げていくには看護師の大幅な増員が必要となります。
 もちろん、一人当たりの夜勤回数削減や、所定の休日休暇取得を保障して、安全安心の医療を提供するためにも看護師の大幅な増員がどうしても必要であります。
 そこで第一に伺いたいことは、
 荘内病院も県の調査に対して2015年までの看護師確保計画を報告した訳ですが、どのような計画を立てたのかということであります。
 二つ目に、看護師確保は市立病院のみならず民間病院も含めた本市の医療機関全体が切望していることですが、そのためには、市としての看護師養成数を拡大していくことをまずもって追求すべきではないかということであります。
 市立荘内看護専門学校の一学年の定員は20人、山形市立、酒田市立の30人などと較べても少ない数ですが、3年生の学校としては恐らく全国で最も少ない定数となっているのではないかと思います。
 他より多いか少ないかが判断の基準ではありませんが、看護師確保に苦労している市としては、世間並みの養成数をめざしていくべきではないかと思うところです。
 当然色々な条件整備は必要となりますが、是非とも定員拡大を検討していくべきではないでしょうか。当局の考えを伺います。
 三つ目に、看護師確保策として、卒業後に鶴岡の病院で働く意志のある看護学生に対して、返済免除の奨学金制度を設けることです。
 高卒後看護専門学校等の看護師養成課程に進む鶴岡の若者は、恐らく毎年50人程度はいるのではないかと推測しますが、その多くは自宅を離れて市外・県外の看護学校に進学することになります。
 学費に加えて生活費の負担ものしかかる中で、学校関連の医療機関などの奨学金を受けることによって、卒業後に県外就労の義務を負うという学生も少なくありません。
 また、進学費用の重さから、看護学校等への進学を諦めている高校生もいます。
 ふるさとで看護の仕事をしたいと願う多くの高校生・看学生がいるにも関わらず、看護師を必要としている本市の看護の職場に迎え入れることができないでいるとは、実にもったいないことではないでしょうか。当局の考えを伺います。

荘内病院事務部長

 次に、荘内病院の看護師確保の計画と見通しについてでございますが、お話ありましたが、現在、荘内病院では入院患者10人に対し看護師1人を配置する「10対1看護体制」を採用しているところでござまして、今年度当初の看護部の常勤職員数は406人、パート職員が12人となっております。また、看護師業務の負担軽減を図るために、現在、看護助手を58人配置し、看護業務をおこなっているところです。
 しかしながら、県内の他の公立病院に比べで病床稼働率が相当高く、なかには100%に達する月もあることなどから、常に入院患者が多い状態が続いていること、それに、産休・育休などで長期に休む職員が増加傾向にあることなどから、看護職員の負担がなかなか軽減されない状況となっております。こうした中で、議員お話の、山形県では、平成23年度から27年度までの5年間における県全体の看護職員の需給見通しを策定するために、昨年11月、県内の各病院等に対する調査を行っております。この調査に対し、当院では7対1の看護体制、これは患者7人に看護師1人を配置する体制でございますが、7対1看護体制と、ICU加算の取得に向け、合計65名の増員見通しを回答しております。
 今後の看護師の増員に関しましては、看護業務の負担軽減や患者サービスの向上をはじめとして、費用対効果などを勘案しながら検討してまいりたいと存じます。
  次に、荘内看護専門学校の定員に関するご質問でございますが、荘内看護専門学校は、今年創立60周年を迎え、これまで900人を超える人材を育成し、地域医療発展に寄与してきました。
現在の学校の定員は1学年20名、3学年合計で60名でございます。
 本校は、新病院の建設に合わせまして、一部校舎を活用するとともに、新たに講堂や実習施設などを整備してきましたが、教室の広さなど定員20名を想定して整備されており、仮に増員となれば、大規模な施設改修が必要となります。さらには、教員の増員も図らなければならないということになります。
 また、荘内病院が実習生の受入を行っておりますが、荘内看護専門学校以外にも鶴岡准看護学院、更には地元出身の宮城県及び新潟県の通信課程の学生の実習を受け入れており、小児分野や産科分野の実習は、これ以上の受入が非常に困難な状況となっております。
 こうしたハード・ソフト両面で大きな課題がございますことから、定員の増加につきましては難しいものと考えております。

健康福祉部長

 三点目の看護師養成と確保に関して、奨学金制度創設についてのご質問でした。
本市を含む鶴岡地区の看護師の就業状況は2年ごとの届け出数でみますと平成20年12月31日現在で974人となっておりまして、県全体では9351人となっております。
人口10万人当たりでみますと鶴岡地区は664.9人、県で787.4人、全国では687.0人ということになっておりまして、県内でも若干低いという状況になっております。
 近年の看護師需要は、医療機関のみならず介護・福祉施設などにも拡大しておりまして、看護師確保に苦慮していると言うことを聞いています。
 県内の看護師養成状況についてみますと、H19年4月現在で大学が2校、養成所が9校となっており定員は455人となっております。
 本市には看護師、准看護師養成所がそれぞれ1校ということで、毎年42から45人を有資格者として輩出をしているという状況です。
 ご提言の看護学生への奨学金制度でありますが、多くは都道府県単位で制度創設がなされておりまして、山形県でも昭和35年から、山形県看護職員修学資金貸与条例を制定し、県内の看護職員の確保及び資質の向上に資する目的で  運用されておりますが、これは17年度で募集を停止していると伺っております。
 この奨学金制度は県内の中小規模の病院などの医療機関に5年間就業した場合に返還が免除されるというものですが、奨学金の貸与を受けた学生が、より高度な知識・技術の習得や高度医療の環境下での従事を希望する傾向がある、また、県外に就職するという卒業生の動向がありまして、事業目的に合致した成果が得られないといったようなことから、中止をされている。
 これは他県に於いても同様の課題があると伺っている。
 学生の経済的負担の軽減策と致しましては、国や企業団体学校がおこなう奨学金制度の活用なども考えられるところでありまして、本市として実施した場合には、市内の医療機関に従事するというような制約を設けた奨学金制度になるということになりますが、こうした各県の動向というところから見ますれば、まだまだ研究が必要ではないかと考えている。
 いずれにしても、鶴岡地域の看護師の需給量については、課題があるというふうに存じておりますが、山形県保健医療計画の看護職員の需給見通しやその対応、新卒離職防止や医療の高度化に対応した研修事業、学生の負担軽減を図るための養成機関への補助金制度、ナースバンク事業、県内就業促進のためのガイダンスの開催など、県の取り組みもある訳ですし、本市では、養成事業、准看護師養成に対する補助などもおこなっておりまして、これについては引き続き行って参りたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願い致します。

 看護師確保策について再質問したいと思います。
荘内病院看護師の労働条件について若干触れておきたいと思います。
 山形県医労連がおこなている夜勤実態調査の今年5,6月分のデータがあります。加盟する県内公私16病院の比較可能な直近のデータですけども、荘病は、平均夜勤回数でみると、どちらの月も多い方から3番目ということのようであります。
 年休を一日でも取得できた方が、5人に1人、因みに山形市立済生館は、同じ時期に87%が取得しているということであります。
 純増で65人という計画に到達しようとすれば、毎年20人も採用していくと言うことが必要になっていくと思うのですけども、月8日以内夜勤、時間外労働削減や労働条件の改善を図るためには、もっと大幅増員が必要となると言うことであります。
 「業務改善に向けて検討していきたい」ということのようでありましたのでそこは最大限の努力をしていただきたいと思います。
 同時に、地域全体の看護師確保の必要性について認識を伺っておきたい。
 少し答弁の中にも入っておりましたが、荘内病院の看護職場が大変だという話を少ししました。
 なおさらに、民間病院というのは、職場の状況は同様でありながら、労働条件については劣っているということですから矛盾は更に深いものとなっています。
 私自身も20年間民間の医療機関におりましたので、その状況につきましては、身が痛む思いをしております。
 これまでも県立病院や荘内病院看護師募集によりまして民間病院の看護師が退職して出てしまうということがあって、病院の運営に困難がもたらされたことがありました。
 近年も、医師や看護師の不足から病棟の一部を閉鎖したり、老健等に転用しなければならないという事態も発生している訳です。
 これはすなわち、看護師不足によって市民に負担が発生しているということです。
 そういう事態についての認識と、従って民間医療機関の看護師確保も、地域医療を確保するために必要となっているということについて認識も伺いたい。

健康福祉部長
 先ほども申し上げました通り、看護師の需給量については、やはり課題があるのだろうと思ってはおります
 その中で奨学金のご提案があった訳ですが、卒業される方々がより高度な知識技術、高度医療の環境などで県外に就職する、そんなことで奨学金制度も募集がとりやめられているということですので、少し構造的なものがあるのだろうと思われますが、それらの中身につきましてはまだつまびらかになっていないので、そうしたところも見ながら、もし対応策があるのであれば、そうしたものも検討して参りたい

 大変な状況については認識をお持ちだということですから、これまでの延長線でない対応策、方策を考えていく必要があるということ、そういう認識をお持ちだと理解しました。
 看護師の確保策ということについては、申し上げましたように、地域の医療、急性期を荘内病院が担うし、その後を、湯田川病院や民間病院が担っていくという、こういう地域医療の状況の中で、地域医療の確保のためにどうしても必要な課題、困難が予測される課題ということで検討をお願いしたいと思います。
 また、看護師の確保は別の角度でみますと、地元で働きたいという青年、そして命と健康を守る仕事に従事しようという志のある若い方について地元に働ける場所を確保するということになりますし、そのことが命と健康を支えて、地域社会に活力を増していく、大きな意義のある政策だと考えますので、なお一層の今後のご検討をお願いして質問を終わります。


小児医療質問・答弁全文

2010年09月15日 | 子育て・教育

 一般質問と答弁の全文を、小児医療の方から掲載します。

関質問
 通告に従って、小児医療について質問します。
 日本小児科学会が10年近く前に骨格を提言した「小児医療提供体制の改革ビジョン」では、「患者の小児科専門志向とあいまって時間外受診が増加の一途をたどり、サービスの低下を招くようになっている」ことなどから、医療供給体制の集約化を中心とする大きな改革案を打ち出しています。
 状況は一層深刻さを増す一方、その案の具体化には大きな困難があるようですが、ともあれ、小児医療の中心を担う小児科医の方々が抱いている危機感は、いよいよ国民的な関心事になっています。
 根本的な解決のためには、国レベルでの大きな改革が求められると考えますが、
そのことを念頭におきながらも、今回は、夜間診療所の拡大に関わってなどの当面の限られた問題について取り上げます。
 第一は、救急医療、時間外の受診状況の改善についてです。
 H21年度、15才未満の子どもの荘内病院の救急受診は、8200件に上っています。
 小児科・小児外科に分類されるものはその8割強のようですが、副院長を含めて8人の小児科医が、年間延べ2万件近い外来、8千件を超える入院の診療と並行して、診療
にあたっている訳であります(6610件、一日平均26.3件)
 それでも長年の努力により、他の同規模病院に較べれば恵まれた診療体制を築かれているのだと思いますが、そのご労苦は想像するに余りあるものです。
 一方、受診の中には、本来、救急診療が必要ではないと思われる事例があるということが問題とされています。
 それは、子どもの健康と医療機関の受診についての知識の不足や、子育てへの不安、小児救急が困難に直面していることについての認識不足、職場環境の問題などを背景とするものとされているようですが、過重な医師の負担を更に増大させることはもちろん、本当に急がれる患者への対応の遅れや、子どもと保護者にも不要の負担をもたらすものであることから、その改善を図ることが求められています。
 ただし留意しなければならないのは、
 救急受診の必要性は、多くの場合医師にしか判断できないものであり、必要性の低い受診の削減を訴えることによって、必要な受診が些かも損なわれてはならないということであります。
 また、「コンビニ受診」などと言われるような、常識を欠く不要受診は、全体の件数から見ればわずかなものであって、「コンビニ受診たたき」で事態が抜本的に改善するような簡単な話ではないということです。
 さらに、「適切な受診の知識」といった情報提供だけで小児救急受診件数を有意に減少させたという事例は、全国的にも中々聞かれないようです。
 以上留意しながらの質問項目の第一は、子どもの健康と適切な受診の知識と共に、小児救急を始めとする病院小児医療の実態を知らせ、理解を広げる取り組みを進めるということです。
 滋賀県の柏原市を始め、救急件数が減少した事例では、地域医療の危機が顕在化し、「市民自らが小児医療を守る取り組みに立ち上がった」ようなことを特徴としているようです。
 本市においても、健康と受診の知識と一体に、病院小児科の現状などについて、あらゆる機会にお知らせし理解を図るということです。
 子どもに関わる様々な教室活動・健診等の機会、保育園での各種行事、子育てサークル等々の機会、広報つるおかの掲載はもちろん、マスコミの協力などの可能性を汲んではいかがでしょうか。
二つ目は、休日・夜間診療所への誘導策の強化です。
 今般、「救急ではない時間外の受診」の受け皿として、休日・夜間診療所が診療を拡充することになったことは、地区医師会の先生方の地域医療に対する高い使命感と情熱の表れとして、敬意を表するものであります。
 その目的を達成するための一助として、県がおこなっている「小児救急電話相談=#8000番」と言われていますけども、その利用を奨励してはどうかと思うのであります。
 電話相談は、それによって受診率が低下するという明確な証明は無いようでありますが、救急か夜間診療かの判断について資することには可能性があるのではないかと思います。
  本来、診療所が電話相談機能を持つこと、「心配ならまず診療所に相談してみる」という体制が一番良いのではないかとも思うのですが、それは置いての質問です。
 三つ目の問題は、予防接種の推進、現在国の制度には無い、任意接種となっているところの各種の予防接種の推進です。
 日本医師会は丁度昨日9月12日から10月末までを期間として、6つのワクチンの定期予防接種化をめざす「希望するすべての子どもに予防接種を!」と題したキャンペーンを始めています。
 鶴岡地区医師会も期間中に3つの講演会を企画するなど、奮闘されているということであります。
 詳しく説明する時間はありませんが、ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、水疱瘡、おたふく風邪、HPVと呼ばれる6種類ですが、そのほとんどが小児の疾患を予防し、或いは症状を軽減することで、子どもの命と健康のために大きく役立つワクチンとされています。
 同時にそれは、小児科の受診機会を大きく減らし、救急・夜間の医療体制の安定にも貢献することになります。
 市当局は本年6月議会の党市議団の質問に対して、市として費用を補助する考えは無い」と答弁しています。
 大変残念な市政であります。
 しかし、市として費用を負担してこれらの予防接種を推進しないとする現段階でも、医師会が主張する効果などを積極的に知らせ、保護者が予防接種の意義を理解し実施が進むようにすべきと考えます。
 特に、子ども手当支給の機会には、実施の仕方、申込み方などの案内も含めて、情報提供に努めてはいかがでしょうか。これも日本医師会のスローガンでありますけども、考えを伺います。

荘内病院事務部長 
 小児医療に関する適切な受診のあり方などに関してでございますが、まず、荘内病院の小児医療と小児救急の実態についてご説明いたします。当院の小児科は、出生直後の新生児から主に15歳までを対象に、救急を含む急性期の疾患から慢性期の疾患まで幅広い分野で診療を行っております。
 平成21年度の実績では、入院患者数は約8300人、外来患者数は約21700人となっております。また、当院は庄内地域の周産期医療を担う基幹病院として、本年4月に山形県地域周産期母子医療センターの認定を受け、NICU3床、GCU4床と4階西入院棟33床の計40床を有する周産期母子医療センターを開設したところです。NICUには、24時間体制で小児科の医師が勤務しており、看護師も16名専任で配置し昼夜を問わず新生児の診療にあたっておりまして、この6月には診療報酬上の新生児特定治療管理料の施設基準を満たし、周産期医療の充実を図ったところでございます。
 当院には現在、常勤の小児科医が8名と小児外科医1名が在籍しており、周産期医療と小児医療を担うと同時に、小児救急への対応も行っております。当院の小児救急の体制ですが、救急センターに365日、午後5時から9時までの間、小児科医が常駐して対応しております。昨年度の救急患者の小児科受診件数は6,610件に及んでおり、当院の救急患者全体の約4分の1を占めております。
 議員お話がありましたけども、小児科の医師は、小児科外来の診療をはじめ、入院患者・救急患者の対応やNICUでの勤務とあわせ、大変過重な勤務状態となっております。
 こうした過重な勤務状況は、全国の病院でも問題になっており、地方の病院では小児科医がいなく一なり、その地域の小児医療が危機的な状況に陥っている所もございます。当院では、小児科の医師に関しては幸い関連大学のご協力をいただき、これまで医師の増員が図られて参りましたが、今後もなお増員に努力してまいりたいと存じます。また、今議会に提案されております休日夜間診療所の平日夜間の診療が実現すれば、当院の小児科医の負担もいくらか軽減されるものと期待しているところでございます。
 ご質問の適切な小児の受診知織を市民に広げることにつきましては、山形県が小児救急電話相談事業を昨年9月から実施しておりますし、また、庄内保健所では、山形県小児救急医療啓発事業を平成19年度から実施しております。
 この事業は、乳幼児の保護者等に対して、小児の救急時の対応方法等について講習会を開催するとともに、ガイドブックを作成し小児の救急時に家族ができる応急処置などの普及啓発を図るものでありまして、昨年度は鶴岡地区医師会の協力のもと、市では8つの保育園で開催され、鶴岡地区医師会の協力のもと、講師として荘内病院の小児科医師が協力しております。
 また、広く市民一般を対象とした啓発活動としては、休日夜間診療所における平日夜間の診療開始を見据え、夜間診療所の利用や受診のあり方などについて市広報10月15日号で周知を図るとともに、12月1日号では、救急診療の現状や症状に応じた救急の受診先などに関する特集を計画しております。
 いずれにいたしましても、荘内病院の救急医療の現状を市民に知っていただくことや、子供の急な発熱、急な病気への対応に関する正しい知職を市民に理解していただくことは、子供を病気から守るために大変重要な取組みであると考えておりますので、今後とも、山形県、鶴岡市、庄内.保健所、鶴岡地区医師会などと連携し、その昔及・啓発などを図ってまいりたいと存じます。

健康福祉部長

 休日夜間診療所への誘導策、それから予防接種、看護師養成の奨学金制度について。
 まず休日夜間診療所への誘導策でありますが、鶴岡市休日夜間診療所につきましては、昭和49年の開設以来、診療時間の拡大、午前中の小児科専門医の配置など、機能強化をおこなっておりまして、現在は日曜祝日及び年末年始の午前9時から正午、午後は1時30分から5時、夜間は午後6時から9時までの診療をおこなっております。
 平均利用人数は50人強となっておりますけども、年末年始それからゴールデンウィークなどは1日百人前後の利用者がありまして、休日の救急医療につきましては一定の役割を果たしているものと考えております。
 さらに、本議会に条例の一部改正などをおはかりしておりますが、この10月から月曜から土曜までの平日の午後7時から9時30分まで夜間診療を開始致しまして、開業医が診療していない時間帯の救急医療体制の充実を図って参りたいと考えておるところです。
 休日夜間診療所につきましては、応急医療を受け持つということで、重症のばあいは専門医、主に荘内病院と言うことになりますが、こちらへ紹介する体制をとっておりますし、また、診療について事前に電話でお問い合わせを頂く場合もたびたびありまして、そういった場合は、症状をお聞きしながら、休日夜間診療所か荘内病院か誘導もおこなっているところであります。
 この度の条例改正等によりまして、平日夜間の態勢がととのえば、時間外の受診に関してまずは軽症の場合はまずは休日夜間診療所へといった広報を地区医師会などの協力もいただきながら、広く市民の皆様へ周知を図りご理解を頂くとともに、休日夜間診療所と荘内病院が相互に連携をとりながら市民の皆さんが安心して受診できる体制をとっていきたいと考えております。
 なお、ご提案のありました#8000につきましては、現在でも県が作成したリーフレットなどを健診の際にお配りするとか、それから子育て支援のためのサービスを紹介しましたガイドブックなどに掲載しまして、#8000の利用を呼びかけているところでございますが、この度の平日夜間の広報活動の中で検討させて頂きたいと考えております。
 二点目の予防接種の推進について、ご承知の通り、予防接種には予防接種法に基づき市町村がおこなう定期予防接種と個人の希望で接種する任意の予防接種がありまして、定期の予防接種については全額公費負担で実施しており、各関係機関の連携の下、高い接種率を維持すべく事業を推進しております。
 おたずねの任意予防接種につきましては、おたふく風邪などに加えまして、インフルエンザ菌B型、いわゆるヒブワクチン、小児用肺炎球菌、子宮頸ガンなどのワクチンが相次いで承認され発売されておりまして、市民の予防接種に関する関心が高まっているところでございます。
 先の議会でもご説明しておりますが、これら法律に基づかない任意予防接種につきましては、接種費用助成の財政的な負担や、健康被害が発生した場合の補償のあり方など、種々の課題が伴っておることから、市として積極的接種勧奨及び費用助成などの実施には至っていない
 ご提案がありました啓発の取り組みにつきましては、初めて予防接種をおこなうすべてのお子さんの保護者に対して、予防接種に関する啓発雑誌、「予防接種と子どもの健康」を作成しこれを配布して詳しくご説明しておりますし、訪問指導や健康診査、健康相談の時の問い合わせに適宜情報提供するなど、保護者の方々が任意接種について正しく判断できるよう支援をおこなっている。
 ご紹介がありました今年9月12日から10月末までの期間ですが、日本医師会と予防接種推進専門協議会が任意予防接種の啓蒙キャンペーンを展開中でありまして、鶴岡地区医師会でもこれに取り組んでいることから、本市としましても、医師会が作成した啓蒙チラシを乳幼児健診の際や、保育園などに配布を致しまして、任意予防接種の啓蒙活動にご協力を申し上げると共に、地区医師会が開催する任意予防接種講演会を後援を致しまして協力体制を敷いている。
 予防接種のあり方に関しましては、現在国の厚生科学審議会予防接種部会におきまして、予防接種の対象疾病や費用負担などについて抜本改革論議が進められておりますが、その動向を注視しながら対応していきたいと考えておりますし、また、子宮頸ガンワクチン接種につきましては、市の重要事業と致しまして、県や国にご要望を申し上げているところであります。

 


小児医療、看護師確保を質問

2010年09月14日 | 医療・介護・福祉など社会保障

一般質問で「小児医療、看護師確保」について取り上げました。要旨をご報告します。

関質問1:救急医療、時間外の受診の改善のために、以下の取り組みをおこなってはどうか。
1)子どもの健康と適切な受診の知識と共に、病院小児医療の実態を知らせ、理解を広げる取り組みを進める。
2)休日・夜間診療所への誘導策として、県がおこなっている「小児救急電話相談=#8000番」の利用を奨励する。
3)ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、水疱瘡、おたふく風邪、HPVなど任意接種の各種予防接種について、市が費用補助すべきだが、少なくとも効果を積極的に知らせ、保護者が予防接種の意義を理解し実施が進むようにする。
 特に、子ども手当支給の機会には、実施の仕方、申込み方などの案内も含めて、情報提供に努めるべき。
荘内病院事務部長答弁 
1)休日夜間診療所の平日夜間診療を見据え、市広報で利用や受診のあり方などについて周知を図るとともに、救急診療の現状や症状に応じた救急の受診先などに関する特集を計画。大変重要な取組みなので、昔及・啓発などを図りたい。
健康福祉部長答弁
2)#8000は、現在でも利用を呼びかけているが、この度の平日夜間の広報活動の中で検討させて頂きたい。
3)初めて予防接種をおこなうすべての子の保護者に対して、啓発雑誌を作成・配布、訪問指導や健康診査、健康相談の時に適宜情報提供するなど支援をおこなっている。
 本市としても、医師会が作成した啓蒙チラシを配布して、協力すると共に、地区医師会が開催する任意予防接種講演会を後援。

関質問2:看護師確保のために、以下の取り組みをおこなってはどうか。
 県が2011年から15年までの県内看護職員の需給見通し案を発表した。需要に対する不足は2011年で934人、5年後の2015年でも449人。
1)荘内病院はどのような計画を立てたのか。
2)市立荘内看護専門学校の一学年の定員20人の拡大を検討していくべき。
3)卒業後に鶴岡の病院で働く意志のある看護学生に対して、返済免除の奨学金制度を設けるべき。
荘内病院事務部長答弁 
1)7対1看護体制と、ICU加算の取得に向け、合計65名の増員計画。
2) 荘内看護専門学校増員は、大規模な施設改修と教員の増員が必要で、実習受入も困難であり、難しい。
健康福祉部長答弁
 人口10万人当たりの看護師は鶴岡664.9人、県787.4人、全国687.0人。
 県内看護師養成は、大学2校、養成所9校、定員455人。市では看護師、准看護師養成所各1校で、毎年42から45人を輩出。
 看護師は近年、医療機関のみならず介護・福祉施設などにも需要が拡大している。
3)山形県でも看護職員修学資金貸与条例を制定しているが、17年度で募集停止。
 より高度な知識・技術の習得や高度医療の環境下での従事を希望する傾向、県外に就職するという動向があり、事業目的に合致した成果が得られないことから中止。各県の動向を見ればまだまだ研究が必要。
関再質問
 看護師不足の事態、民間医療機関での看護師確保も、地域医療を確保するために必要となっていることについての認識は。
健康福祉部長答弁
 看護師の需給量には、やはり課題がある。
 奨学金募集とりやめは構造的な原因があると思われるが、もし対応策があるのであれば、検討して参りたい。