関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

病児保育の整備・拡充について

2023年10月31日 | 子育て・教育

10月23-25日、県議会決算特別委員会が開かれ、私は厚生環境分科会で4つのテーマを質問しました。その1つとして病児保育について報告します。
ポイントは以下のようなところです。
 ①「市町村まかせ」ではなく、県として積極的な整備の取り組みを
 ②ニーズに対して整備が遅れており、鶴岡市では2つの事業所合わせて「定員5名/1日」しかない。
 ③不採算で経営負担の重い事業となっており、国は報酬を抜本的に引き上げるべき。自治体も国の変化を待たず支援を強化する必要がある。
 ④「親が休めない」社会の中で、働きながら子育てをするために必要性が高い事業。                        

関 病児保育の整備状況はどうか。到達をどう評価しているか。明らかになった課題は。
子ども生育支援課長 市町村が実施する事業だが、県子ども育成支援計画の中で市町村の計画を集計している。それによると令和4年度19461人の計画に対し、実績は11901名。病児・病後児・体調不良時、複数の事業をおこなっているところもあるが、実施箇所数は88事業79カ所、R2年は79事業73カ所で増加している。
https://www100.pref.yamagata.jp/documents/2494/01_byouji_r5_4_1.pdf
 課題は、予約後に「回復した」とキャンセルで収入減となることや、インフルエンザ感染拡大時などに希望が集中し利用に変動が生じること。
関 鶴岡市では最初に実施した医療法人が3年間でやめ、新たな二カ所でやっているが、採算性や、保育士看護師確保に苦慮している。市としては、「保護者からは『定員増やして』とニーズ出てるが中々答えられない」と言っている。
「市町村でニーズを把握して事業を進めている」という事だったが、県としても推進のために策をとっていく必要がある。
課長 今のところ市町村から要望は上がっていないが、今後機会あるごとに意見を聞いて具体的な要望があがってきたら、支援額引き上げとか、加算の見直しなど政府への要望を検討していきたい。
関 県も市町村と共同して進めて貰いたい。R4年度の厚労省委託事業(※2)で、1025市町村669施設から回答を集約したアンケートとヒヤリング調査があった。赤字施設が64%、安定運営の課題として、キャンセルの発生、利用が日々変動する、保育士確保などが出ていた。ニーズはあるが中々進まないという事は明らか。子育てするなら山形県推進協議会の中でも意見が出されていて、県としても「目配りして進めたい」と答えている。そういう立場で積極的な取り組を求める。

▽子どもが病気の時は、親が必要な日数休める社会でなければなりませんが、そうなっていない中で、働きながら子育てするために、そして何より、子どものために、病児保育整備・拡充が切実に求められています。(※)
 現状では不採算の事業となっていることから、政府が報酬を抜本的に拡充しなければなりませんし、県・市町村が努力を払うことも強く求められています。 
  (※)病児保育とは~全国病児保育協議会HPから~
 https://byoujihoiku.net/
 単に子どもが病気のときに保護者に代わって子どもの世話をすることを意味しているわけではありません。
 病気にかかっている子どもにとって最も重要な発達のニーズを満たしてあげるために、専門家集団(保育士・看護師・医師・栄養士等)によって保育と看護を行い、子どもの健康と幸福を守るためにあらゆる世話をすることをいいます。


ハマスとイスラエルに停戦を~武力は不幸を拡大する~

2023年10月20日 | 平和と民主主義・外交

▽10月19日の新聞等で、パレスチナ自治区ガザ市の病院が爆発して500人以上が死亡したと報じられています。
 7日にイスラム組織ハマスが、イスラエルに大規模攻撃を行い、イスラエルの報復が始まってから、イスラエル側で1400人、ガザで3200人が亡くなったとされています。
 ハマスの攻撃も残虐なものでしたが、その後伝えられるガザの死傷者とその遺族、逃げ場も無い住民の映像には日々胸を抉られます。
 人は、罪も無い人をどこまで殺傷できるのか、「敵」に対してどこまで残虐になれるのか・・。

パレスチナとイスラエルの問題は、イスラエルの無法な占領と抑圧、英仏米などが自らの利益のために、ユダヤ人とパレスチナ人の問題を利用してきた経過があります。
 参考:鈴木耕「銃弾と投石、圧倒的な非対称」(「マガジン9」から)
               https://maga9.jp/231018-4/
 しかし、どのような複雑な経過があろうとも、日本共産党が8日に発表した志位委員長談話にあるとおり、ハマスの無差別攻撃と民間人連行はいかなる理由があっても決して許されないと同時に、イスラエルの無差別攻撃と電力、食料、燃料などの遮断措置も正当化できるものではありません。
 戦争では問題は解決せず、憎しみの拡大と、何より多数の無辜の人々が殺傷されるばかりです。
 
中東は山形県からは遙か遠い地域です。 
 中東15カ国1地域(外務省の分類)出身者で本県在住者は10名未満。
 本県から中東に進出している企業は無く、輸出額約3億4千万円・輸入額約1億円。
 直接の交流は、技能五輪全国大会が山形で開催されたH28年、同五輪世界大会開催地であるサウジアラビアの駐日大使を招いた事くらいです。
 ただ、青年海外協力隊で派遣された本県出身者は10人を数えています。
 直接の縁は深くありませんが、子どもを含む多数の死傷者の姿には、多くの県民が人として強く胸を痛め、「早く終わらせて欲しい」と願っています。

▽志位委員長談話は、ハマスとイスラエルに「暴力の応酬の悪循環を止めるため、双方は最大限の自制をすべきである」とし、「関係各国と国際機関が今、あらゆる外交努力をおこなうよう強く呼びかける」と結んでいます。
  武力に拠らない国際紛争の解決という日本国憲法の理念が世界の平和にいよいよ大切です。
 日本政府に問題解決のための外交に取り組む事を求めると共に、常に憲法の理念に則って積極的に平和外交を展開する政府を作っていくことの重要性を痛感します。
 私も、外交問題に微力であっても、努力していきます。  

(※)2023年10月11日(水)しんぶん赤旗
暴力の悪循環を止める自制を強く求める
パレスチナのハマスとイスラエルの戦闘について
志位委員長が談話
 日本共産党の志位和夫委員長は10日、パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘について、「暴力の悪循環を止める自制を強く求める」とした談話を発表しました。
 一、パレスチナのイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模な攻撃と、イスラエルの報復攻撃で、多数の死傷者が出ており、紛争の拡大が強く憂慮される深刻な事態となっている。
 一、ハマスの無差別攻撃と民間人の連行は、国際人道法の明白な違反であり、いかなる理由があっても決して許されず、強く非難する。
 一、これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は、「長期の厳しい戦争」を言明し、ガザ地区を大規模に破壊しつくす構えで、同地区への電力、食料、燃料などの一切の遮断措置も発表した。おびただしい犠牲を生む無差別の攻撃は、占領下にあって保護されるべき人々に対する集団的懲罰であり、正当化できない。
 暴力の応酬の悪循環を止めるため、双方は最大限の自制をすべきである。
 一、今日の事態の根底には、イスラエルがこの間、住民の強制排除をおこないながら国際法違反の入植を拡大し続け、ガザ地区には封鎖と、空爆や侵攻を繰り返してきたという問題がある。
 日本共産党は、中東和平をめざすうえで、(1)イスラエルの占領地からの撤退、(2)パレスチナ独立国家樹立を含む民族自決権の実現、(3)両者の生存権の相互承認という三つの原則を主張してきた。これらは、国連の一連の決議にみられるように、国際的なコンセンサスとなってきた。
 暴力の連鎖と紛争の拡大は、パレスチナ国家の実現とイスラエルとの平和共存につながる交渉を通じてのみ、終わらせることができる。事態を打開し、国際的な合意を踏まえた中東和平への道を拓(ひら)くためにも、わが党は、関係各国と国際機関が今、あらゆる外交努力をおこなうよう強く呼びかける。


クマ対策

2023年10月15日 | 原発・自然エネルギー・環境

2023年9月定例会の厚生環境常任委員会での3項目の質問の内、クマ被害対策についての概要です。
クマ出没件数が過去20年間で2番目に多くなり、これまで無かった市街地でも確認される等のことから、秋の農作業や行楽シーズンでの人身被害対策について取り上げました。
めざすべきは、クマと人間の共存ですが、その上でも人身被害は防がなくてはならないと考えます。

クマの出没相次ぐ山形 さらに増加か? エサの「ブナの実」が"大凶作”予想で…(日テレNEWS) - Yahoo!ニュース
山形:クマ目撃9月末で529件 過去2番目 ブナ不作人里出没恐れ:地域ニュース : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
令和5年度クマ出没情報 鶴岡市 (tsuruoka.lg.jp)

1)クマよけスプレー
 例年に比べて大変目撃件数が多く、市街地にも出没するなど、秋のトラブルが懸念されている。
 本県第四期ツキノワグマ管理計画に示されている総合的で系統的な取り組みが必要だが、今日は人身被害防止について聞く。
 kuma_saisyuu_gaiyou.pdf (pref.yamagata.jp)
 計画にも「人身被害等の新しい傾向」とあるが、それが今年更に顕著。
 鶴岡の中山間地で「こんなにクマが(集落に)降りてきたのは60年間見たことない」「家のすぐ裏を歩き回っている」という声が聞かれる。春には市街地にも現われた。
 また、全国的に「人を恐れないクマ」の増加による、従来の対策の効果の低下が言われ始めている。
 そういう中で、具体的対策策の一つとして、クマよけスプレーの普及がある。
 県が作成しているチラシにも(対策の1つとして)紹介されてるが、日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏は、「(人身被害対策に)確実な方法はない。ただ、近年になって熊スプレーが出てきて、助かる確率が高くなっている」とし、秋田県は資料で使用方法も説明している。
 しかし、現状では普及していない。入手方法、使用方法など周知し、普及を図るべき。
みどり自然課長  クマよけスプレーはクマと遭遇した時の最後の手段。そうした状況に陥らないようにするために、まずは対策についての県民への普及啓発が必要。スプレーだけではなく総合的な普及啓発のため、年2回、春と秋にチラシを作成、市町村役場、関係各所に配布している。
 出没状況についてもHPに随時掲載して注意喚起している。
 また、報道機関の協力でパブリシティーも積極的におこなっている。
 しかし、ご紹介いただいたように、チラシにもスプレーも有効だということを記載してPRしている。
1つの手法として今後周知を図ってまいりたい。
関 いざ遭遇したとなると冷静に対処できない。最後の手段を持っているということで、落ち着いて対処することができるとされている。

2)猟友会支援
 二つ目に駆除について、猟友会中心におこなっているがその支援はどうなっているか。
課長 有害捕獲の場合は、農水省交付金で、一頭あたり8千円支給と言う方法と、作業に従事した人に日当を支給する方法といずれかを選ぶ事ができる。
 市町村の判断だが、鶴岡市は追い払いの作業に従事した時の日当8500円。
 また、これと別に捕獲した個体を埋設に重機を使用した場合にも支給を受ける事ができる。
関 イノシシでもサルでも支援が出ているが、クマと言うのが特別、対処がやっかいだということを重視しなければならない。
 ワナ設置には最低三人。その後、毎日危険を伴う見回り、放獣も危険。処分した場合も、解体して、埋設するか肉を運びだすか、これも非常に手間のかかる仕事で、「率直にいってやりたくない仕事」になっている。
 イノシシも一頭七千円位であり、クマの手間に見合った保障をする必要がある。
 有害鳥獣対策は住民始め関係者が協力してやるということになっているが、猟友会の方々は、地域のために危険を冒して、手間をかけてやっている。それに見合った補償をするという考え方でやっていく必要があるのではないか。
課長 ご指摘の通り、クマの捕獲に関わる作業は、大変な労力を要し、関係者の皆さん大変なご苦労をされていると認識する。所管する農林水産省に対して伝えたい。
関 是非国にも提言してもらいたい。同時に、本県は自然が財産であり、クマも管理計画に書いてあるように、自然の恵み、山村生活の重要な資源、本県の財産。そのうえで、駆除に当たっていただく方々の役割に鑑みて、県としても独自の、手厚い対処を考えて貰いたい。重ねて提言する。

3)体制強化
 人と獣の関係変化、人の暮らし大きな変化というか縮小、こういう中で対策に当たる体制も縮小していくことはさけられない。クマのみならず、他の動物でも、最新の知見が蓄積され、全国的に色々な創意工夫がおこなわれている。秋田県はクマ対策支援センターを県自然保護課内に設置し専門職員を置いたが、全国の市町村で、駆除に当たる方、緩衝地帯の活動組織などに当たる方を職員として配置するなど進んでいる。
 もともと緩衝地帯の維持管理は農業・集落活性化事業。市町村との密な関係も必要。
 体制について考えを聞きたい。
環境エネルギー部長 専門的知見を有する人材育成は大変重要な課題。県クマ管理計画でも位置づけ、研修や、技術講習会等の開催をおこなうこととしている。計画に基づいて、指導者養成研修会を開催、スキルアップを図っている。今後は、先進的な事例や、学識経験者の意見なども参考にして、対策の体制整備について研究して参りたい。