関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

厚生文教常任委員会視察に行ってきました

2007年05月13日 | 活動報告
8日(火)から11日(金)まで、市議会厚生文教常任委員会の視察に行ってきました。日程は以下のようなものでした。
 一日目:大牟田市  介護保険事業の取り組み。
 二日目:1)福岡市  子育て支援
      2)北九州市 松本清張記念館と地域包括支援センターの運営。
 三日目:長門市   金子みすゞ記念館。
 四日目:山口市   教育行政。及び、予定外で中原中也記念館。  

 視察先は、当然ながら委員会所轄の分野ですが、鶴岡市で今、藤沢周平記念館の建設を計画していることから、文学者の記念館が選ばれました。(趣旨は、鑑賞ではなく、建設の経過と運営についてです。)
 また、介護保険事業については、鶴岡市が認知症高齢者の見守りサービスに力を入れていることから、その取り組みの先進地として有名な大牟田市が選ばれました。(私の希望が受け容れられて嬉しく思いました。)

 今回のように九州・中国地方などに行くには、相当のお金がかかります。「議員視察は金のムダ」という声を聞くこともありますが、私自身は、視察で市政に役立つ成果を得ていると思っています。
 それぞれの自治体で説明を受け質疑する時間は、通常2~3時間程度と限られていますので、当該の問題について初めて聞く状態では、なかなか実りあるものにはなりません。
 当然ではありますが、事前にどれだけ調査していくかが、視察の成果を決定づけると言えます。
 私にとっては「4日間鶴岡を離れる」ための仕事の整理が大変で、もう少し調べてから行きたかったという心残りな部分もありましたが、大変良い勉強をさせて頂きました。ありがとうございました。
 今後の活動に必ず活かしていきたいと思います。詳しいご報告は近日。

せかいでいちばんつよい国~憲法記念日にあたって~

2007年05月04日 | 平和と民主主義・外交

 昨日、5月3日は憲法記念日。今年は、日本国憲法が施行されて60年目に当たる年です。そして今、安倍内閣が「自分の任期中に憲法を変える」と明言し、国会も民主党も含めて改憲勢力が議席の3分の2を占め、今国会で憲法改正のための手続き法案が審議を進められるという、緊張した情勢の中で迎える憲法記念日となっています。
 
 私は、大学に行って初めて憲法を学びました。その中で憲法制定に至る歴史を知り、かつて大学生も戦争に動員されて、大学に行くことすらできずに命を奪われた時代があったことをしって衝撃を受けました。その痛苦の反省に基づいて憲法が制定されたということを胸に刻みました
 卒業後鶴岡に戻って医療の職場に就職し、今日の医療や社会保障制度、暮らしの関わるあらゆる制度が、憲法25条「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文を拠り所にして、一歩一歩築かれてきたものだということを知りました。
 一昨年、市議会議員の仕事を拝命してからの1年半、鶴岡の市民生活の中で、憲法の理念にそぐわない現実が進みつつあることを実感しました。特に、25条からの後退です。私はそれ=鶴岡の現実を、憲法の理想の方向で解決していくために頑張っていこうと考えています。

 「憲法は古くて現実に合わなくなった。非現実的だ」などという主張があります。
 しかし、長い目で見ると、憲法の理想に基づいて、戦後の60余年の日本の平和な国づくり、民主的国づくりが進められ、そのことは国民が評価しています。
 今年の読売新聞の世論調査では、憲法が「日本に平和が続き経済的発展をもたらした」と考える人が87%、九条改正に反対の人・改正不要と考える人が56%で、これは年々増加するという結果になっています。

 「空想」と「理想」は違います。

 後者は、「今はとても実現できないけれど、できれば実現させたいこと、未来には可能性があること」です。そしてそういう理想に基づく努力が、社会を発展させていく力です。それは、一人一人の人間にとっての「理想」とも同じことなのかなあと思います。

 今日は、そういう思いを込めて、鶴岡市内13ヶ所で街頭宣伝をおこないました。
 人通り・車通りの多い場所を中心にしましたので、一ヶ所で数百人・数百台の車の市民の皆さんの目に触れたかと思いますが、かなり多くの方々から声援・激励を戴きました。憲法をめざすべき理想として頑張っていきたいという思いを新たにしました。

 さて、憲法に関わって感じることがあった絵本を紹介します。
 「世界でいちばんつよい国」です。

 むかし大きな強い国がありました。大きな国は大統領の命令の下、「せかいじゅうの人びとをしあわせにするために」、他の国をつぎつぎと征服していきます。
 そして、最後に残った小さな国に攻めていくと、なんとその国には兵隊がいませんでした。
 大きな国の兵隊は、小さな国の人々に歓迎され、ごちそうを食べ、歌や遊びを習い、仕事を手伝うようになりました。
 大統領は怒り、「たるんでしまった兵隊」たちを国に帰し、「しゃきっとした兵隊」と入れ替えますが、「しゃきっとした兵隊」もしばらくするとやはり同じようになってしまいました。
 大統領は、ちっぽけな国のことなんかどうでもいいやと思い直して国に戻ることにしました。なつかしい大きな国に戻ってみると・・。

 この絵本は、英国の絵本作家デビッド・マッキーの作で、2005年に発行されています。
 言うまでもなく、アメリカが世界の世論を無視して強行したイラク侵略戦争がすっかり行き詰まった時期です。
 既にイラクでは10万人と言われる人々の命が奪われました。イラク戦争を全面的に支持し協力してきた日本の私たちにとって(英国の人たちにとっても)、余りにも重い現実です。
 しかし、そういう現実に対し、憲法九条が希望の道を示していることを感じさせてくれる絵本だと私は思いました。


 このように書くと、大人向きの本のように思われますが、この絵本はそれだけではなく、「本当の強さとは何か」考えさせてくれますし、「強い者」と「弱い者」の融和の希望をも示してくれるようです
 作家が日本国憲法九条について知っているのかどうかわかりませんが、「『人の道』から平和を考えると九条に行き着く」、ということが自然に伝わってくると思いました。

 まず、お父さん、お母さんから手にしてみてもらいたいと思います。

 5月3日(木)「しんぶん赤旗」 平和支え憲法60年 
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-05-03/2007050301_01_0.html

 同 憲法施行60周年にあたって 日本共産党書記局長談話
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-05-03/2007050302_04_0.html

 「せかいでいちばんつよい国」絵本ナビ
  http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=7805

 デビット・マッキーの他の本
  http://www.ehonnavi.net/author.asp?n=1168


メーデー~格差と貧困を無くせ~

2007年05月02日 | 政治全般

 昨日は、第78回メーデー、鶴岡でも集会がおこなわれました。朝の定例の街頭宣伝(通常は月曜日ですが、祭日でしたので昨日にしました)でもメーデーのことを訴え、集会には来賓として参加しました。

 言うまでも無くメーデーは、働く者の生活と権利を守り、発展させることをアピールするために、世界中で集会やデモなどさまざまな行動がおこなわれる日です。 
 その起源は、1986年にアメリカでおこなわれた8時間労働制を求めるゼネスト(全国一斉ストライキ)で全世界に統一行動が呼びかけられた結果実現した、4年後の1890年の国際的統一行動とされています。
 日本の第一回メーデーは、遅れること30年、1920年におこなわれたとされていますが、官警の弾圧ですぐに解散させられ、多くの参加者が検挙されたと言うことです。


 雪解け

 以上は、議員になる前に20年間メーデーに参加し、後半は地区集会事務局長として開催に携わってきた中で得た知識の一つですが、8時間労働制を求めることすら犯罪とされ、行動の「首謀者」は逮捕されたり、命を奪われたりするという、命がけのたたかいの積み重ねの結果として、今年のメーデーがあり、今日の世界と日本の労働者の生活と権利があるということを私は忘れることはできません。

 集会が終わるとすぐに、市役所に生活保護の申請に行きました。60代の旦那さん、50代の奥さん、20代の息子さんの3人暮らしのご家族で、収入は奥さんの稼ぎの月7~8万円のみ、アパート代が45000円かかると言います。旦那さんは心の病、息子さんは知的・精神的障がいの認定こそ無いものの、普通の会社では雇ってくれるところが見つからないという状態です。
 これまでも何度か自分で申請に行っていましたが、福祉課では、「仕事を探して下さい」という指導で4ヶ月経っていました。担当の職員の方とは今日初めて会いましたが、特に「冷酷」な人でも無く、真面目な温厚な方と見受けられました。今の生活保護の制度通り運用すればこうなるということのようです。
 鶴岡民主商工会のべにばな道場の遠藤強さんも同席してもらって一緒に要請し、生活保護の申請用紙を受け取ることができました。判定まで一ヶ月近く待たされることになります。

 今年のメーデー集会では、「格差と貧困を無くせ」というスローガンが掲げられました。日本の大企業が空前の大もうけを続ける一方で、ワーキングプアと呼ばれる人々は4百万人、低賃金で無権利の不安定雇用が労働者の4人に1人に達し、更に拡大され続けています。この異常な歪みを正すことは、日本社会の間違いなく最大の課題の一つです。

 
 雪解け2

 昨日も、そのことを改めて実感させられました。

 5月1日付「しんぶん赤旗」主張
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-05-01/2007050102_01_0.html

遠藤津慶の俳句世界~中小業者がみる社会のつれづれと、俳句のブログ~
  http://blog.livedoor.jp/sasurai_001/