関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

非行・いじめ・虐待~厳罰化は何も育てない~

2012年08月24日 | 子育て・教育

いじめ事件(と言うより暴行事件)、虐待などなど、子どもが引き起こしたり巻き込まれたりする事件が、社会の重大問題としてとりざたされています。

 こうした中で法務省は、少年法の規定をより厳しくすることを検討しているようです。
 
凶悪な事件が起こるたびに、死刑も含む厳罰化の世論が盛り上がりますが、「少年犯罪を減らすため」という、事実を踏まえない主張が世の中に受け入れられているのだとすれば、恐ろしいことです。

 少年事件に情熱を燃やしている弁護士の徳岡宏一郎さんは訴えています。

 「子どもが希望を持てない社会に生きていて、大人たちも楽しいですか。
 老人が人生の最後を楽しく過ごせないとわかっていて、青少年が将来に夢が持てますか。
 このまま、だらだら、ジリ貧に堕ちていく日本なんて私は拒否します。
 厳罰化よりも、子どもたちに寄り添う物的人的援助をお願いします。」

 「厳罰化では少年事件の再犯は防げなかった 『非行』少年に暖かい目を 子ども未来法律事務所通信13」
  http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/b4578f894479f45ffb563c043e3d83ee

 「また来た少年法の厳罰化では、非行もいじめも虐待もなにも解決しない 求められるのは愛と寛容と理解」   

  http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/39cb978a62b2326e351aca29b1f65313

「北風と太陽」の寓話が社会に問いかけられているように感じられます。

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ロンドンオリンピックは終わらない~パラリンピックへ~

2012年08月23日 | よろず

ロンドンオリンピック閉会から早10日、20日には東京・銀座で大パレードが挙行され、感動と興奮の余韻がまだ日本を覆っているようです。

しかし、オリンピックは終わっていません。
ロンドンでおこなわれるのは、「オリンピック・パラリンピック」です。

30日開会するパラリンピックに向けて、NHKでは様々な番組を組んでいます。
今日は、「ハートネットTV」で、ゴールボールという競技の日本代表のことを紹介した番組の再放送をやっていました。




私は、不勉強にしてパラリンピックはバンクーバー冬季大会あたりから観るようになったのですが、
オリンピックのめざすもの(オリンピズム)が、
「人生哲学であり」「「生き方の創造」であるとするならば、パラリンピックは、オリンピックに勝るとも劣ることのない崇高なイベントと思います。

そこでは、金メダルが取れなかったと言ってただ嘆いているような競技団体に何が足りないのか、その答えもあるかもしれません。

ところで、先日の凱旋パレードはウレシイ企画であり、私も都内に住んでいたら行ったに決まっていますが、
スポーツ評論家の玉木正之氏は、「欧米ではこうしたイベントはパラリンピックが終わってから一緒におこなわれる。日本の非常識だ」とテレビで述べていました。
そういうことが思いも浮かばない自分に気づかされ、「ガーン」と頭を殴られたような衝撃を受けました。
視聴率しか考えないマスコミと、東京オリンピック招致の企みによって、オリンピック精神がゆがめられているんでしょうね。

ともあれ、パラリンピックを楽しみに、
そこまでのNHKの放送にも注目ですhttp://www1.nhk.or.jp/sports2/paralympic/

パラリンピック紹介動画も必見http://www.youtube.com/watch?v=kKTamH__xuQ&feature=youtu.be

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匿名社会の暴走~大津いじめ自殺事件から~

2012年08月19日 | よろず

 いじめ自殺の問題で批判にさらされている、滋賀県大津市の教育長が襲撃されたことについて、「殴られて当然だ」などという意見が同市に殺到しているといいます。

 同市教育委員会の対応に大きな問題があったことは疑い無く、私も根本からの総括をおこなってもらいたいと思います。
 しかし、いかに行政にいかに誤りがあろうとも、それに対して暴力を振るうことが正当化されていいはずがありません。
 暴力肯定は、その主張自体が本質的に犯罪に繋がるものであり、民主主義社会の根底を揺るがす脅威です。

 そして、電話・メールなどによるそれらの「意見」は、ほとんどが匿名でおこなわれているに違いありません。
 匿名だからこそ、そうした誤った主張が投げつけられる訳です。
  匿名社会の暴走に大いなる警戒を払う、そういう契機にしなければならないのではないでしょうか。

 大津いじめ自殺事件が、関係者と国民の冷静で前向きな対処によって、ご遺族を始めとする関係者の納得が得られ、かつ、全国の教育行政の見直し・再点検にもつながる教訓を導かれることを願っています。

 「教育長は殴られて当然だ」 大津市教委に襲撃支持の意見殺到
   http://news.livedoor.com/article/detail/6864529/

  赤旗「主張」 教育のつどい子どもの命守る学校と社会を
  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-08-16/2012081601_05_1.html


  人間性尊重する学校に 大津いじめ事件、全教アピール
  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-08-03/2012080314_02_1.html

 
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終戦記念日に訴えました

2012年08月15日 | 平和と民主主義・外交

 今日8月15日は、67回目の終戦記念日、衆議院山形三区予定候補の長谷川つよしと一緒に、市内各所で街頭宣伝をおこないました。


 今年は、世界の人々の心を一つにしたロンドンオリンピックが成功した一方、竹島問題での韓国の動き、今日の香港民間団体の尖閣諸島進入など、騒然とした中での記念日となりました。
  この間の韓国の振る舞いや尖閣諸島進入などは不当で誤った行動ですが、それに憤って対抗措置をおこなうだけでは何も解決しませんし、緊張を高めて問題を却って難しくするだけでしょう。

 今年も、多くの政治家達が靖国神社を参拝しました。
 中韓を始めアジアの多くの国々が遺憾と懸念を表明しています。
 日本国民がそれをどう受け止めるのか、認識が問われています。
 (靖国神社がどういう組織か、こちらをご覧下さい 
  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-06-15/26_01_0.html

 日韓併合をおこなってから102年、中国侵略を開始してから82年、日本はあの侵略戦争で二千万人ものアジアの人々の命を奪ってしまいました。
 日本自身も3百万人の犠牲を生みました。
 山形県では戦争に動員された県民が20万人、その内33000人が命を落としたと言われています。
 アジア諸国民への暴虐非道の振る舞い、侵略した日本軍自身の「6割餓死」とされる悲惨、東京大空襲・広島長崎・沖縄の惨禍、目を覆いたくなる気持ちを乗り越えて、事実を直視し、次の世代に伝えていかなければなりません。
 
 さらに今の日本。
 世界に戦争の火種を振りまくアメリカの言いなりとなって、沖縄を始めとして日本全土を米軍基地・訓練場所として提供しているということの異常さに、国民の疑問の眼が向けられています。
 憲法九条に基づく独立・中立・平和な国づくりに踏み出していくことが、これまでにも増して国民に期待されていると考えます。

 今日はそうしたことを心を込めて訴えました。
いつもより多くの市民の方々が、手を振り、クラクションを鳴らして声援を送ってくれました。
 有り難うございました。

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男子サッカーと竹島問題??

2012年08月12日 | 政治全般

 男子サッカー3位決定戦は残念でした。吉田麻也主将が言った通り、「A代表で決着」を待つしかありません。

 加えて、直前におこなわれたイ・ミョンバク大統領の竹島訪問にはさらにゲンナリ。

 平和の祭典に最も反する行動でした。
 韓国チームからも舞い上がっちゃった選手が出てきました。可哀想に、閉会式出席停止とか。

 スポーツに政治を持ち込んではいけません。

 外交は、事実と道理に基づいて、平和的におこなわなければならないと考えます。
 竹島問題は、以下をご参照下さい。
 
 
 
弁護士:徳岡宏一朗氏のご意見は、示唆に富んでいますhttp://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/72adfa634e9e61666df6d0cc676c4fe5



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放射能被害根絶へ~原爆投下の日~

2012年08月10日 | 平和と民主主義・外交

 

 今週の月曜日6日は広島への原爆投下の日、9日(木)は長崎への原爆投下の日、67年目になります。

  今日は、投下時刻の11時2分に合わせておこなわれた平和祈念式典をテレビで視聴し、一緒に黙祷をおこないました。
 投下当日に、広島で14万人以上、長崎で7万3千人以上の人々が一瞬にして命を奪われました。
 この一年の間に新たに死亡が確認された原爆死没者は5729人、合計で290959人になったと言います。
 
 今日のNHKの報道の中で紹介された「被爆二世」の女性は私と同い年の方でした。
 自身も子宮癌を発症し、子ども(被爆三世)、孫(被爆四世)の健康のことを強く心配されていました。
 放射能被害は、将来の世代に渡って人間を脅かすものであることをヒシヒシと感じさせられました。
 ヒドイ!!

 昨年の福島原発事故を経て、核の被害から国民を守ろうという世論と運動が大きく広がっています。

 今日の式典平和宣言で長崎市長は「政府は、放射能に脅かされない社会を再構築するための新しいエネルギー政策と、そこに至る具体策を示してほしい」「長崎市民はこれからも福島に寄り添い、応援し続ける」と述べました。
 67年に及ぶ市民の苦しみを踏まえて、二度と被爆者を作らないことを訴える、すばらしいお話に感銘しました。

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過去の記事
 2010年 http://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/ba3668bdd479ad5cc2add3026290f906
 2008年 http://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/e7c6a2ebb83294031206a779025aca68
 2006年 http://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/458b4174898248e342d9c972359d85d4


 柔道男子「金ゼロ」より大変なこと

2012年08月06日 | よろず

 ロンドンオリンピックで、男子柔道が初めて金メダルゼロに終わったことが話題となっています。
 というか、日本柔道界の指導的な立場にあると思われる方々が、「由々しきことだ」という感じの仰々しいコメントを出していることが話題となっています。

 精神論に偏った指導であるとか、世界の柔道の流れの問題とか、それらを生かせない監督をはじめとする指導者に問題があるとか、色々な意見が出されています。
 しかし金メダルの数よりも私が問題と思うのは、金を取れなかったことに深刻になっているこれらの人たちが、オリンピックというものの意味を理解しないままにオリンピックに出ているのではないか、オリンピックから浮いちゃっているのではないかということです。

オリンピック憲章にはこう書かれています。
1. オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。スポーツを文化と教育と融合させることで、オリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、よい手本となる教育的価値、社会的責任、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重に基づいた生き方の創造である。
2. オリンピズムの目標は、スポーツを人類の調和のとれた発達に役立てることにあり、その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。
4.スポーツを行うことは人権の一つである。すべての個人はいかなる種類の差別もなく、オリンピック精神によりスポーツを行う機会を与えられなければならず、それには、友情、連帯そしてフェアプレーの精神に基づく相互理解が求められる。
 オリンピックは「心も身体も高度に磨かれた人間を目指すものであり、人間の尊厳が保たれた平和な社会を推進することを目的とするものである」「フェアプレー精神で認め合い、友情を深めよう」といった感じでしょうか。

 力を尽くしてゴールしたランナーが、サッカー選手が、競泳選手が、レース後に他国の選手と笑顔で言葉を交わし抱き合う姿には、4年間鍛え合ってきた者たちならではの友情を感じ、心が洗われるような感動を覚えました。
 日本の柔道はどうだったでしょう。

 今大会は、柔道のメダル獲得国・地域が23と過去最多となったといいます。
 各国にすばらしい選手が育った証であり、そうしたライバルと凌ぎを削った試合ができれば、充実の笑顔と、互いにたたえ合う場面が生まれてもいいはずです。
 指導的な立場にある人なら、各国の柔道が成長を遂げていること自体を歓迎し、日本の巻き返しの決意を明るく表明して欲しいところです。

 しかし、銀や銅のメダルを獲得した選手達をテレビに向かってこきおろす篠原監督を見ていると、日本の選手達が、世界の仲間との相互理解を深める心境には無いんだろうなと思ってしまいます。
メダルの如何を問わず感動を与えてくれる他の競技と、別の世界で孤立してやっていているようにすら見えました。

  柔道で7つのメダルを獲得して日本と並んだフランスは、柔道人口で日本の約20万人に対し、約60~80万人にも達しているといいます。
 そして、日本の柔道が27年間で110人もの死亡事故を発生させて社会問題になっているのに対し、フランスではそのような事故は皆無だと伝えられています。
  金メダルの数などよりもっと大事な問題で、日本が大きな遅れをとっていることがここにも現れているように思われます。

 柔道の創始者、講道館師範の嘉納治五郎氏は「精力善用」「自他共栄」「礼節」などを柔道の目的として教えたとされます。
 戦前という時代の影はあるとしても、今日のスポーツマンシップに通ずる卓越した思想が感じられます。

 関係者の方々には、オリンピック精神を学び直して、柔道という競技のあるべき姿をよーく考えてもらいたいと思います。
 柔道も、柔道に関心の無い人にも、もっともっと感動を与えることができるはずです。


66kg級3位決定戦、海老沼選手の鮮やかな大腰。柔道の魅力が爆発しました。

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ルネサスはリストラをやめろ

2012年08月05日 | 市政全般

 8月3日、日本共産党鶴岡地区委員会と鶴岡市議団は榎本政規市長に対して、ルネサス鶴岡工場の存続と雇用の確保のために、鶴岡市として全力を挙げることを求める要請をおこないました。

 既に報道されている通り、ルネサスエレクトロニクス社(本社・東京)は7月に、3年以内に国内18工場の内、鶴岡工場を含む10カ所の譲渡・閉鎖の検討、千数百人の早期退職募集などのリストラ計画を発表しています。
 その内、鶴岡工場には1300人の従業員がいるとされ、計画が本市の経済・雇用に与える影響は空前のものとなります。

 大企業は、業績不振などを理由にして、巨額の内部留保を抱えながらなりふり構わぬリストラを推進しています。今回も、同社の連結内部留保が288.7億円、同社によって利益を受けてきた大株主のNEC・日立製作所・三菱電機の三社合計で3927.9億円にのぼっています。(2011年3月末。ルネサス社は2012年3月期連結決算で626億円の純損失を計上。)
 取引銀行なども含めて、同社の事業で利益を上げてきた関連大企業は、総力を挙げて従業員の雇用と地域の生産拠点を維持することが求められます。
 それは、本来当然の企業の社会的責任と考えます。

 半導体製造企業は、韓国、台湾、中国などの新興企業に世界シェアを奪われる中で、近年大規模な再編・統合を繰り返してきました。
 政府の産業政策の結果であるという点でも、それに伴うリストラを容認・応援してきた点でも国の責任もきわめて重いものがあります。

 鶴岡市には、そういう立場で、
 1.ルネサスエレクトロニクス社に対し、「リストラ計画を見直し、非正規雇用を含むすべての労働者の雇用と労働条件を確保すること、協力会社・下請け企業の仕事を確保すること」を強く申し入れること。
 2.協力会社、下請け企業の実情を把握すること。
 3.国に対し、同社のリストラ計画を規制することを要請すること。
  4.県に対して、同社のリストラ計画に反対する取り組みを要請すること。
 を要請しました。



 榎本市長は、 
 「同社は工業団地の中核で、市内最大企業。主に同社の仕事をしている関連企業の従業員も100人位。」「従業員と家族の大変な心配もよく承知している」「地域の経済に関わる大問題であり、国がしっかり対処してもらいたい。」「民間企業のことなので難しい面はあるが、必要なら本社への要請も考えていかなければならない。議会や県知事とも連携をとりたい」などと答えました。
 
 6月議会での答弁も含めて、本市の経済・地域社会に大変な影響をもたらす問題として、大きな危機感を抱いていることが伝わってきました。
 これまで市長は、市議時代も通して、「大企業のリストラは、民間の問題であり、行政がとやかく言うことではない」という立場のようでしたが、市長という立場にたって、企業の社会的責任についての認識を深めたのかなという感触を持ちました。
 そうだとすれば、望ましいことであり、その取り組みを応援したいと思います。

 いずれにしても、国民の犠牲の上に大もうけを挙げてきた大企業に、内部留保を社会に還元させるなど社会的責任を果たさせる政治が強く求められています。

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熱中症の悲劇はもうごめん~山形で、またしても~

2012年08月01日 | 子育て・教育

7月28日に山形中央高校ラグビー部員が練習中に熱中症の症状で倒れ、二日後に死亡したというニュースが報じられました。

毎年のように繰り返される、スポーツ中の熱中症死亡事故、とりわけ子どもの事故の痛ましさに胸が潰れる思いがします。

私はこれまで市議会本会議・委員会でこの問題を取り上げ、活動報告やブログの中でも地域への周知に努めてきました。
熱中症は、子どもの安全対策を考える上でも、影響が重大で、問題が頻発し、しかもその対策が可能な問題です。
関係者が対策をとれば防げる事故なのです。

昨日のテレビでの関係者の話を聞いて、暗澹とした思いになりました。
 県教委次長「熱中症対策の基準は35℃位、注意は30℃位からするんでしょうから」
 同高教頭 「活動内容は計画に基づいたもので問題なかった。」「ラグビー部は活動一時中止。他の部活には注意を指示した」

確かに、文科省は、「どのような状況の場合に、どのような対策をとるか」という基準は示していませんから、学校と県教委は「役所としての間違い」はおかしていません。
しかし、日本体育協会や日本スポーツ振興センターなどが示している基準から見ると、今回のケースは(報道の通りだとすれば)明らかに逸脱しています。

日体協「夏のトレーニングガイドブック」などには、「乾球温度31℃以上・湿球温度24℃以上(=WBGT28)」では、「熱中症の危険が高いので、激しい運動や持久走など、熱負荷の大きい運動は避ける。運動する場合には積極的に休憩をとり水分補給をおこなう。体力の低いもの、暑さになれていないものは運動中止」とされています。
テレビ報道の通り「坂道での50mダッシュ10本」なら論外でしょう。
そしてそういう論外なことが当たり前におこなわれている現実があります。


各種団体からも専門的知見が明確に示されているにもかかわらず、なぜ文科省はそれに基づく対策を具体化しないのか、なぜ文科省が言わなくとも必要な対策を打ち出す自治体が無いのかということです。
文科省は、今年6月15日にも、「熱中症事故等の防止について(依頼)」という文書を発行し、その中で「適切な措置を講ずれば十分防ぐことが可能です」などと言っています。
適切な対策を打ち出す責任はないのか!? と言わなくてはなりません。

熱中症は、H23年度の文科省の集計で、中学で2168、高校で2008件など、幼稚園、小中高で4642件も報告されています。
しかもこれは、学校管理下で、医療費が支給されたものだけであり(そんなに軽度のものは含まれていないでしょう)、「校外活動としてのクラブ」や「学校共済などの申請をしなかったもの」などは含まれていません。

重度になれば命に関わり、軽度から重度への境界が明確でない熱中症がこれだけ発生しているということを、子どもの命がこんなに脅かされていることとして受け止めなければなりません。

明日は、息子のサッカーの部活があります。
教育委員会に行く前に、まず覗いていきます。

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必見
  「日体協:夏のトレーニングガイドブック」http://www2.japan-sports.or.jp/medicine/pdf/guide2.pdf
   16ページ目に、「基準」が記載されています。

  日本スポーツ振興センター「知って防ごう熱中症」  
  http://naash.go.jp/anzen/anzen_school/anzenjouhou/taisaku/nettyuusyo/tabid/114/Default.aspx

  関とおる2007年9月議会質問 http://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/c8318c2701c7334cd2410b662c92b097

        2011年7月3日記事 http://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/96b3e55bbacf8f9e7dc07ac008b4eedf

  山形新聞  
  2012年07月31日 山形市内で猛暑日となった28日、山形中央高ラグビー部の2年生の男子生徒(17)が練習中に熱中症の症状を訴えて病院に運ばれ、30日に死亡したことが同日分かった。高気圧に覆われた県内は28日以降、厳しい暑さが続いている。山形市内は3日連続で猛暑日となり、30日は最高気温が今年1番の36.1度を記録。関係機関は今後も暑い日が続くことから、熱中症への注意を呼び掛けている。
 同校によると、ラグビー部は28日午前10時ごろから、山形市内の千歳山付近でランニングなどの練習をしており、死亡した男子生徒は1時間ほどたった同11時前ごろ、体調不良を訴えた。顧問の教諭は練習を中止し、休むよう指示。熱中症の疑いがあるため、119番通報するとともに、応急処置をした。顧問は車が近くにあったため、救急車で運ぶより早いと判断し、男子生徒を自分の車に乗せ、市内の病院に搬送。男子生徒は入院し、治療や処置を受けたが30日午前、死亡した。28日の山形市内は最高気温35.1度を観測し、今季2度目の猛暑日だった。
 同校の森政行教頭の話では、男子生徒に持病などはなく、新学期の健康診断でも問題はなかったという。森教頭は「練習前、体調が特段悪かったということもなく、練習内容も厳しいものではなかったと聞いている。水分補給なども適切にしていた」と説明した。
 県内では30日、3日連続で22の全観測地点で30度を超えた。山形新聞の各消防本部への取材では、30日午後6時までに熱中症で搬送されたのは11人を数えた。
注意求め文書送付・県教委
 山形中央高の男子生徒が熱中症で死亡したことを受け、県教育委員会は30日、小中高、特別支援学校に対し、熱中症への十分な注意を求める文書を送付した。
 通知では熱中症が野球、ラグビー、サッカー、柔道、剣道などの種目や、ランニングの際に多く発生していることから、特に注意するよう要請した。
 学校生活での熱中症予防では▽直射日光の下での長時間の運動、作業を避ける▽屋外でスポーツや作業をする時は帽子をかぶらせ、薄着をさせる▽小まめに水分(0.2%食塩水など)を補給し、休憩をとる-などを挙げた。