関とおるの鶴岡・山形県政通信

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5類化後のコロナ対策を県に要請

2023年05月09日 | 県政全般

8(月)新型コロナ「5類化の日」に県に対策強化を要請しました。


この日から始まる、5類化後の県の医療提供体制「移行計画」は、政府方針をそのまま具体化するものとなっており、医療を確保する点で多大な懸念があるためおこなったものです。
新型コロナ「5類化」以降の懸念は大 - 関とおるの鶴岡通信 (goo.ne.jp)
健康福祉部長を始め、同部担当課長・主幹など勢揃いで対応して貰いました。

12項目の要請書を手渡し、「移行」後に懸念される点を医療・介護現場の声から指摘。政府専門家会合や国会での議論も知っている範囲で提起しました。
当局からは、外来・入院医療拡大のための学習会開催や、介護事業所の感染対策のための保健所の取り組みなどなど説明がありましたが、
党県議団としては、それらの努力をもってしても、医療確保の見通しが無いのではないかと重ねて指摘。
石川県議は、医療・介護現場のギリギリの状況を紹介し、空床確保料が無くなるもとでのコロナ病床確保の困難、後遺症対策、高齢者施設の「留め置き」問題などについて、
県当局との初の議論とは思えぬ厳しい指摘をおこないました。
部長から、「おっしゃる通り、5類になったといってウイルスの特性が変わる訳では無く、感染対策は変わりなくおこなっていく。医療の現場の負担も変わらない。
一方、一部の医療機関の負担では無く、広く診療を担ってもらうため、医師会などと協議している。世の中は対策が緩んで来ていると思うが、しっかり対応していきたい」という表明がありました。

なお、マスコミの取材は山形新聞のみ(翌日、写真入りで報道されました)。「政府の5類化に問題あり」という指摘になるだけ目をつむろうという姿勢の現れと受け止めました。
国民の大半が問題点を知らされていない事が最も由々しき問題です。

政府の対策を厳しく追及しながら、県に要請項目に沿った具体的な取り組みを継続して追求していきます。

                                                  2023年5月8日

山形県知事 吉村美栄子様

                                               日本共産党山形県議団

                                                  団長 関  徹                                      
                                                     石川 涉

                     新型コロナ「5類化」に係わる対応についての要請 

 

 新型コロナウイルス感染症(以下、略称)の感染症法上の位置づけの変更に伴って、本県でも本日から、種々変更された対応が始まるとされている。
 しかし、新型コロナは現時点でも、高齢者・基礎疾患のある方々にとっては命に関わる症状をももたらし、かつ季節性インフルエンザより遥かに高い感染力を持つ重大な感染症であり、
直近の第8波では感染者の急増で医療体制が逼迫し、死者は最大に達した。医療・介護等の従事者の加重労働と日常生活の制約は今も続いている。
 また、後遺症が無視できない割合で発生し、仕事や日常生活に大きな影響をもたらすケースも少なくない事も明らかになってきたが、その状況把握も対策も政府の取り組みは立ち遅れている。
本県は一定の調査をおこない、学習会もおこなわれたが、一層の取り組みが求められている。
 他方、社会経済の回復が大きな課題となっているが、それは当然、命を守る対策と並行しておこなわれなければならず、取り分け、一般医療と両立する形でのコロナ医療の確保は緊急課題である。
 その対策は何よりも、医師・看護師等の低すぎる配置基準の引き上げと処遇改善で平時に余裕のある体制をつくることであるが、政府はこの3年間それをおこなわないまま、
 今、行動規制廃止等感染拡大抑止策の廃止、特例診療報酬大幅縮減・廃止等医療確保策縮小をおこなおうとしている。
 その上で、指定医療機関・重点病院等以外の医療機関も「コロナ医療を経験した」などとしてコロナ診療を担わせると謳っているが、「経験」とは入院患者・職員の中からコロナ患者が発生し、
対応に追われた事であり、感染拡大を防げず、重症者・死亡者が発生したケースも多い。職員の疲弊と経営への深刻な負担も発生した。
 よって、そうした医療機関がコロナ診療を担っていく事が相当困難な課題であることは自明であるが、それを可能にする具体策は何ら示されていない。
 また、高齢者施設等の入所者が新型コロナに罹患した場合に施設等に「留め置き」されてきたことが、感染拡大、死亡者・重症者発生の大きな要因となっていることは解決すべき重大課題であるが
その対策も見受けられない。
 加えて、医療機関・介護施設では、従来通りの感染対策を継続する事が求められており、政府が支援策を縮小するもとで、空床確保も含む費用等の確保策も問われている。
 このように、医療確保の見通しが無いままの5類化に伴う対応変更は、高齢者・基礎疾患のある方々の命を脅かすと同時に、関係従事者の負担を継続させることによって医療体制を悪化させ、
医療機関・介護事業所等に存続に関わる負担を発生させる事が強く懸念される。
  以上のような問題は、政府専門家、県内医療機関、介護事業所等から声が上がっているところである。
 県が政府の方針に沿って4月20日に策定した「移行計画」には、上記のような懸念があることから、党県議団は特に医療確保に関わって下記のような事項に取り組む事を要請する。

 

                     記

 

1.5類化となった後も、高齢者•基礎疾患のある方を始めとして、新型コロナから県民の命を守る対策を責任を持って行うこと。

2.外来・入院診療の拡大について、医療機関の実情・意向に合った見通しを立てる事。当面、確保病床は減らさず、介護施設、及び指定医療機関・重点病院以外の医療機関で発生した感染者も含めて
  必要な病床を確保すること。県立病院が地域の病床確保に必要な役割を果たすこと。将来的な必要病床数については、感染状況等を見ながら検討していくこと。

3.介護施設入所者が感染した際も、一般の高齢者と同様、入院医療を保障すること。施設内療養を余儀なくされている場合は、療養や感染対策等に係わる費用を支援すること。

4.コロナ入院医療に対応できない医療機関のコロナ患者は、指定医療機関・重点病院を始めとする対応可能な医療機関で受け入れるように病床確保計画を立てること。

5.医療機関・介護施設等は、従来通りの感染対策が求められていることから、不断に状況を把握し、患者・利用者・職員の検査、資機材等感染対策の費用を始め、支援をおこなうこと。

6.高齢者・基礎疾患のある人等の在宅療養を支援するため、相談体制、宿泊療養の確保等を図る事。

 在宅医療や訪問介護等の整備・確保を図ること。

7.高齢者等へのワクチン接種を推進するため、情報提供・相談体制、集団接種やスタッフ等の確保等について、市町村と協力しながら取り組む事。

8.後遺症について、調査・研究、防止対策、治療、発症に伴う損失への支援策の検討、社会の理解の促進などをおこなうこと。

9.経済的に困難な人も必要な医療を受けられるよう負担軽減策を検討すること。

10.新規入院数等、感染状況の把握に努め、県民・事業所等への必要な感染対策の呼びかけをおこなう事。

11.新型コロナへの引き続く対処、及び今後の新たな感染症に対処するために、県立病院、衛生研究所等県施設の医師・看護師を始めとする体制の拡充を図ると共に、
   県内医療機関・関係事業所等の体制拡充を支援すること。

12.政府に対して、医療機関、介護・福祉事業所、保健所等の医師・看護師を始めとする人員配置基準の抜本的引き上げや上記項目の実施など、国民の命と健康を守る対策を責任を持って
   推進するよう求めること。3年余に渡る対策の検証を幅広い意見の集約を元に実施し、今後の感染症対策を遅滞なく実施することを求めること。

                                                                                      以上