関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

戦没者追悼式~追悼と、反省を~

2008年04月24日 | 平和と民主主義・外交
 荘内神社参集殿でおこなわれた「鶴岡市戦没者追悼式」に参加しました。

 献花するご遺族が皆さん相当の高齢となっている姿に、戦後63年の月日の長さを感じましたし、沈痛なその表情からは、これだけの年月を経ても癒されない、肉親を失った悲しみの深さを痛感しました。

 あの戦争によって、鶴岡(旧鶴岡市)でも1千名の市民が戦死したとされています。
 今の市民のご家庭にも、戦死した先祖の遺影が飾られていることは珍しくありません。
 再び悲劇を繰り返してはならない、そのことを市民みんなで胸に刻む日にしたいものだと思いました。


 ところで、今年の追悼式では、最初に「迎魂の儀」、終わりに「送魂の儀」という儀式がおこなわれました。
 何やら宗教的なニオイがプンプンとしていましたが、後で調べてみるとやっぱりそうでした。

 「一般の慰霊とは違い、靖国神社の『慰霊』とは、『招魂』の儀をへて『神霊』と化した『忠魂』を慰めることである。その他一般の慰霊の対象とされる霊は、たとい慰霊祭によって祭られても、それはあくまでも人の霊であり、決して神の霊となることはない。人が神と化することができるのはきわめて稀で、特殊な場合を除いては『招魂』の儀を経て靖国神社に合祀されることによってのみ可能とされている」(大江志乃夫『靖国神社』)。

 あの戦争で国民も悲惨な体験をしましたが、同時に戦争が、アジアの国々に甚大な災厄をもたらした侵略戦争であったという事実を忘れることはできません。
 ところがそうではなく、「お国のため、アジア解放のための聖戦であった」などと主張するのが靖国神社です。
 この靖国神社の思想にもとづく儀礼を戦没者追悼式に持ち込むことは許されません。

 それから、追悼式の後に引き続きおこなわれる、戦没者遺族会大会では、「総理、閣僚等の靖国神社参拝の定着、国立の戦没者追悼施設新設構想断固阻止」などのスローガンが掲げられていましたが、富塚市長はこの会に出席し、挨拶をおこなったようです。
(「戦没者に対する国家補償、遺骨収集等を拡充強化する」などのスローガンは賛成です)

 この件も、いつか問いたださなければなりません。
 真の慰霊と不戦のために。

 


全国学力テスト再び・・

2008年04月22日 | 子育て・教育

 今日、第二回目の全国学力テストが実施されました。

 私は昨年の議会で、「有害・無益であり、鶴岡市として不参加とすべき。個人情報保護の観点から、無記名または記号記入とすべき。」と質問していますが、教育委員会は、「あくまで現状を把握し、児童・生徒の指導に生かすためで、競争を助長する結果公表はしない。個人情報保護は要望を承っておく」(大要)という答弁でした。
(07.4.6付けブログ)


 その後、全国各地で「学力競争」の歪んだ動きが広がりました。

 「全国一位」になった秋田県では、「予備テスト」や「補修」がおこなわれていたといいます。

 東京都杉並区和田中学校では、「夜スペ」と称する進学塾による有料夜間塾がおこなわれ、全国に波紋を広げました。


 子どもの権利・教育・文化全国センター代表委員の三上満さんの17日付日刊あかはた新聞での発言がすべてを言い尽くしていると思いました。
(勝手ながら一部を抜粋させていただきます)

 「一番の問題は、『学力』競争が優先して、学校の教育活動を非常に単純化し、豊かさを失わせることにあります。
 学校が本来持つべき豊かな人間形成につながる文化や生活、子どもの自主的な活動などがどんどん削り落とされ、教育活動がやせ衰えてしまいます。
 学力だけが人間の価値であるというような風潮が生まれることは子どもたちの人間形成にとって大きな問題です。~中略~
 みんなと一緒にできるようになることに喜びを感じる連帯感、仲間意識、友情、共感ー。そういうものを育てていくことがいまの社会にとって重要ではないでしょうか。
~中略~
 教育とは何なのかが問われています。試行錯誤や豊かなふれあいがあって、子どもたちが失敗したり、反省したり、学んだり、時には言い争ったりしながら人間性をみがいていく。そういう教育の豊かさを大切にしていくときだと思います。」


 「甘い」と言われるかもしれませんが、私見では、鶴岡市教育委員会としては、このテストにそれほど積極的な意味は打ち出してはいないように思われます。
 今のところ「結果公表もおこなわない」と言っています。
 
 参加しない自治体が全国で犬山市しかないという状況の中で、「本市は参加しない」という判断をすることは、相当の信念と政治的な条件を要することであり、それをしないことをもって「とんでもない教育行政」ということはちょっと無理があります。


 結局、三上さんのいう通り、「教育は本来どうあるべきか」という市民の討論の中で深めていくしかない(深める機会とする)ということだと思います。
 3月議会でも、「市民的な討論を広げてほしい」と求めました。

 


 

 


会派視察の検討

2008年04月20日 | 活動報告

 市議会では、常任委員会(総務、市民生活、産業建設、厚生文教の4つ)ごとの年1回の視察の他に、会派ごとの視察も年1回おこなうことができます。

 「先進施策を見る」「特定の分野に偏らず、常任委員会の各分野を見る」などのいくつかの決まりがあります(絶対条件という訳ではありません)。

 費用は、「一泊14000円、日当3000円、交通費は公定価格」で合計10万円以内とされています。

 多額の費用を使っておこなうものですから、実際の鶴岡市政に生かすことができるように、視察先は広く情報を集め、よく研究して決めなければなりません。

 前回の会派視察では、
 国分寺市:防災まちづくり、狛江市:情報公開と市民参加、我孫子市:介護保険事業を視察し、その後、それぞれ委員会で質問するなど、調査した内容は実際の活動に生かしています。  (06年11月22日付ブログ)
 
 他の会派のことはよくわかりませんが、「場所が先にあり」で、訪問する自治体は議会事務局に探してもらうかのような話も聞こえて来たりしますので、視察のあり方も検討しなければならないかと思っています。
 
 今回は、林業先進地であるとともに、「土佐の教育改革」が進められた、高知県を訪問先に考えて検討しています。
 仁淀川町、檮原(ゆすはら)町、四万十市、四万十町、佐川町、香南市、高知市など、注目すべき自治体がたくさんあります。

 しかし、実際に3日乃至4日で訪問して回るとなると、費用はもちろん、交通、宿泊などをうまく計画しなければなりません。
 インターネットでだいたいの情報は得られますが、それで組んだ計画が実行可能なものなのかどうか判断がつかないことも多く、かなりやっかいな仕事です。

 JTBの研修をしているような感じです。




小学校PTA行事

2008年04月19日 | 子育て・教育
 午後から夜まで、長男が通う朝暘第一小学校の行事に参加しました。

 12:50分からの授業参観、体育館に移動してのPTA総会、教室に戻っての学級懇談会と、ここまでで4時間余りかかります。

 PTA会長以下役員にはお父さんも多いのですが、参加者はいつも大半がお母さん方です。平日の日中の学校行事で仕事を休めるお父さんは、まだ多く無いのでしょう

 私は、今年は5年生の学年委員長なので務めでもありますが、長女が入学してからの12年間ほぼ毎年参加してきました。
 議員の立場になってみると、貴重な教育現場の視察とも言えるので、半分仕事でしょうか?

 夜は、PTA主催による教職員の方々の歓送迎会。
 今年は、親しまれてきた校長先生の退職、「一小に9年間勤務」という「大物」の先生の転出などもあって、大いに盛り上がりました。


 また、息子さんが今年一小に入学されるということで、直木賞作家の佐藤賢一さんが出席されていましたので私もご挨拶させてもらいました。

 「鶴岡タイムス」のエッセイで、火の出るような激しい主張を展開していることが知られていますが、会ってみると随分腰の低い方でビックリしてしまいました。
 一小にとっては大変ありがたいことです。学校図書館活用教育にも、大きなプラス効果が生まれることが期待されます。
                                                                                                       



 
 

 

介護・福祉を「続けられる仕事」に

2008年04月17日 | 医療・介護・福祉など社会保障
 日本医労連がおこなった「介護・福祉労働者の実態調査」の中間報告が発表されました。41都府県・6822人から回答が寄せられ、厚生労働省などの調査よりさらに実態に迫った有力な調査です。

 日本医労連はその特徴を次のようにまとめています。

 1)健康を崩しながら働いている。
 2)労働基準法違反が常態化している。
 3)生活していけない低賃金。
 4)人手不足。
 5)国庫負担や介護報酬の引き上げが必要。

(詳細は、http://www.irouren.or.jp/jp/html/menu16/2008/pdf/kaigo-chousa-tyukan-houkoku080414.pdf )

 私が知る、鶴岡の実情も、まさにその通りのものです。
 「監督署に提出する書類の改ざん」「20人程度の職場で毎年10人入退職」「経営の仕方に意見を言ったら、訪問介護の仕事を回してくれなくなった」などなど、目を覆うばかりです。

 しかしそういう中でも、多くの良心的な介護事業者の努力と、介護労働者の献身によって介護が守られています。

 そういう努力に光を当てる行政をつくっていかなければなりません。
  
 


定例朝宣伝から

2008年04月14日 | 活動報告
 毎週月曜日の朝は、定例の街頭宣伝。

 ①羽黒街道と112号バイパスの角と、②旧112号(外内島ー南銀座間)と一小前の通りの交差点(「つるや菓子店」の前)の二カ所でおこないます。
 
 概ね20分程度の話ですが、通勤途中の方には全部聞いてもらう訳にはいきません。
 自作のプラスターを掲示して、「何を訴えているか」見てもらうことができればいいと思っています。
 ②の場所の方は住宅地ですので周囲百軒位のお宅では、聞こうと思えば聞けるのではないかと思います。
 また、すぐ近くの坂尾鮮魚店は大変人気のある店で、私が街宣をする頃が丁度開店前で20人余りの人が並んでいます。私にとっても「いいお客さん」です。

 今朝は、政府・与党が、道路特定財源を復活させながら、「金が無いから消費税増税」などと言っている問題を訴えました。


 街宣が終わると、議会に直行し、議会だより編集委員会に参加。
 

 午後からは、党支部や市民団体との打ち合わせなどが目白押しで、今週も忙しく始まりました。
                                            


  

「今日は何曜日?」

2008年04月13日 | 活動報告
 昨晩は、町内の子ども育成会の総会があり、そのまま遅くまで懇親会。

 今日は、朝から町内「クリーン作戦」でどぶさらい。

 日中は、3月議会の議会報告作成(個人版の第4号。ちょっと遅れて焦っています)に、生活相談。

 夜は、町内会の総会の後の懇親会に遅れて参加。終わってから「ちょっとウチに寄ってくれ」と言われてついて行ったりして。

 この間に、色々な雑用があり、アッというまに今日も終わりです。

 「今日は何曜日だっけ?」と、寝る頃になってから思ったりします。




保健福祉センター建設計画

2008年04月12日 | 医療・介護・福祉など社会保障

 昨日は、総合保健福祉センターの建設構想について、厚生文教常任委員に対する説明がおこなわれています。

 私は、

①現在、銀座通りにある(年間1千万円余り払って借りている)地域包括支援センターの機能を入れる考えは無いのか
②周辺の景観は、市民がワークショップなど重ねて検討してきている。そことの協議はまとまっているのか
③第三学区コミュニティーセンターとの合築とのことだが、当然、『敷地内全面禁煙』となるのか

 など質問しました。答弁は、

 ①考えていない。
 ②都市計画課の方で、当然そのように進めているものと考えている。
 ③コミセンの方には、喫煙室がある。

 ということでした。
 ①の点は、もともと判っていたことですが、問題です。
 ②「縦割り行政」の問題点が現れたという感じです。
 ③関係ない施設を一緒に建てるということから、色々問題が出てくるものと思います。


 今回は、途中経過の報告のような場でしたので、質問もこの程度にしました。
 10億円近いお金を投入する施設として、ふさわしい役割を果たすようにさせるには、議会としての十分なチェックが必要です。

 


看護学校入学式でも「バイオ研究に投資」?

2008年04月11日 | 市政全般

 今日は、午前中に市立荘内看護専門学校入学式。

 新入生たちは、10日ほど前まで高校生であったとは思われないような、引き締まった表情で式に臨んでいました。

 学校長である松原荘内病院院長は、いつもながら、専門家としての深さとともに、医療に働く仲間としての連帯感の感じられる、暖かい挨拶を述べられていました。

 医療の職場というのは、医師を頂点にしたヒエラルキーが未だに強力な職場ですあり、そのことが様々な問題に関わっています。
 従って、医師を始めとしたリーダーが「気さくである」ということは、大変大事なことだと思います。

 院長が実際に職場でどれほど民主的に振る舞っているのか十分承知している訳では有りませんが、看護学校で見る「気さくさ」は好ましく感じます。


 ところで、富塚市長が来賓挨拶の中で、県外からの入学者への呼びかけにかこつけて、「鶴岡は、昔から命を大切にしてきた町ですから、今も慶応大学の研究所が先端生命科学を研究しています」とか言っていました。

 市民の間で疑問の声が広がっているバイオ研究への投資について、こんなところでまでしゃあしゃあと正当化してみせるとは、「形振り構わぬ」というか、「恥も外聞も無い」という感じがしました。

 参加していた父母の方々でも、事情をご存じの方は、違和感をお持ちになったであろうと思いました。

 コマッタモンダ。

 


日本には「平等社会」がいい

2008年04月09日 | 政治全般

 厚生労働省所管の労働政策研究・研修機構が発表した、「第5回勤労生活に関する調査」で、日本社会のあり方についての国民の意識についての興味深い結果が示されました。

 07年9-10月に実施された同調査によると、

 「日本がめざすべき社会のあり方」について、
 「貧富の差が無い平等社会」         が43.2%(前回比+12.6%)
 「意欲や能力に応じ自由に競争できる社会」が31.1%( 〃  -11.2%)
 
 99年の調査開始以来、初めて逆転したということです。  (日刊赤旗3月25,26日付から)

 
 臨調行革が始まったのが1980年
 「新時代の日本的経営のあり方」が発表されたのが1995年
 橋本六大改革が97年
 そして、01年発足の小泉内閣による世紀末的な「構造改革」路線

 20年以上の間、日本はそれまでの、助け合いと平等を重んずる国から、アメリカ型の競争と格差の社会への道を進んできました。

 この間に、「フーテンの寅さん」が渥美次郎氏の死去によって終わっている(95年、第48作「寅次郎紅の花」)ことも何か暗示的でした。


 その流れが今、変わりつつあるということをこの調査は示したように感じました。