関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

核兵器廃絶を願い、吉村知事と被爆者の懇談

2023年08月13日 | 平和と民主主義・外交


 8月8日(火)、私が6月議会の質問で紹介した、鶴岡在住の被爆者で画家の三浦恒祺さんと吉村知事の懇談がおこなわれました。

 最初に、知事に懇談を申し入れた私の方から三浦さんの経歴、功績などを紹介したのち、三浦さんの画集を知事に贈呈(写真)、懇談に入りました。
 三浦さんが痛ましい被爆体験と原爆の絵を描いてきた経緯などを話したのに対して、知事は、ご自分の父上の徴兵や、原爆記念館に行ってショックを受けたことなど話しながら、三浦さんの被爆体験を思いやられ、「絵を残していただいてありがとうございます」と感謝を述べられました。
 後段では、三浦さんが「地球上から一発も原爆はあってはならない。核兵器禁止条約、いまだ日本が署名しておりませんよね。批准しておりません。一日でも早く、そういった方々と手を組んでね、全世界から核がなくなるようにね、していただきたいと私は念願しております。」と訴えたのに対し、知事は、「そうですね。核がなくなってほしいとの思いは、皆さんホントにお持ちだと思います。私も。もちろんです。戦争はあってはならないと思いますし」と述べました。
 約25分程度の短時間ではありましたが、知事には6月議会の質問の際に、広島市のウオールアートプロジェクトで三浦さんの絵が壁画として描かれた事の意義や、三浦さんの被爆体験の手記等について資料を渡していましたので、三浦さんの被爆体験と活動の社会的意義等について、思いやりと敬意を持って心からのお話をされたように思いました。

 6月の質問では、Q①核兵器禁止条約の批准を政府に求めてほしい。という問いに対し、
 A知事 核兵器は人類の負の遺産の最たるもの。(しかし)政府による外交努力の積み重ねが必要。
 Q②(鶴岡市在住の被爆者・画家の三浦恒祺氏の体験を紹介)知事自身が被爆者に体験を聞くなど、被爆の実相を後世に伝える取り組みを。
 A知事 (三浦さんのご体験は)本当に惨い様相。次世代に伝えたい
 という趣旨の答弁がありました。
 
 核兵器廃絶の問題は、国民多数の願いでありながら、都道府県知事で禁止条約に賛同し、政府に批准を求めると明言している人は非常に限られているし、被爆体験の継承などに取り組んでいる都道府県も同様のようです。
 山形県でも歴代知事で県内被爆者と公式に懇談した人はいないと聞きました。
 そういう中で、吉村知事の議会答弁と今回の懇談で述べられた言葉は、条約批准をめざすという点では残念なものではありますが、核兵器を「悪」としてその体験を継承し、廃絶を願うという点では前向きなものではあると受け止めました。