関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

公務員を叩いて損するのは・・

2009年05月30日 | 市政全般

 29日(金)5月市議会臨時会が開催されました。
 今回の主要な議題は、市職員の6月期末手当等を引き下げるという当局提案の議案で、日本共産党市議団は反対しました

 引き下げの根拠になった人事院の調査は、春闘で先行妥結した大企業を中心とした340社での動向のみに基づくもので、対象企業の13.5%、従業員割合で19.7%の状況を調査しただけのものです。
 山形県人事委員会の調査に至っては、例年の訪問調査でなく郵便・FAXによるもので、解答したのは121事業所ですが、夏期一時金については16事業所しか答えていません。
 このように根拠が不明確な中での勧告は、「公務員を叩けば受ける」などという、政府・与党の選挙目当ての政略に沿ったものでしかありません。
 それは結果として、春闘の相場を冷え込ませ、民間労働者の賃金にも引き下げ圧力となります。
 内需拡大による景気回復が求められている中で、消費低迷と景気悪化の悪循環を加速させるという重大な結果を招くものです。

 「公務員の賃金下げろ」という声は、世間にかなり広がっていることを日頃実感していますが、私としてはちょっと賛成しかねます。
 公務員賃金は、民間の相場を考慮した人事院勧告に基づいて決定されますが、以前は「従業員100人以上の企業の賃金の平均」を基準にしていたものが、現在は「従業員50人」に下げられており、「低い方に」シフトする動きが進んでいます。
 鶴岡のように賃金相場が低い地域ですと、公務員賃金の位置は高い方にあがりますが、全国的に見れば「民間の平均的な水準」となっているのです。 
 「自分に比べて高い」と思う方がいっぱいいる訳ですが、それだけでは決められません。

 議員になってから感じたことですが、市職員の仕事は全体として高度で複雑なものであり、それを遂行するために求められる能力もかなり高いものが求められていると思います。
 昨年、「国保税の計算を間違えた」自治体のことがニュースになりましたが、国保税を算定する仕事一つとっても非常に難解なもので、残念ながら私などにはちょっとできそうにありません。
 妊娠から出産、育児まで、専門的能力を駆使して子どもと母親を支える健康課や社会児童課の仕事には、民間の「採算性」はありませんが、その価値を否定する人は稀でしょう。

 私なんぞより、色々な面で遙かに能力のある市職員が、様々な分野で正確に業務を遂行しています。(「能力の無い議員」も問題か??)

 一般的に、能力の高い労働者を確保するためには、賃金・労働条件を高いものにする必要があります。
 「能力」というのもなかなか評価が難しいものではありますが、役所に市民のニーズに応える仕事をしっかりやらせようと思ったら、ある程度高い労働条件を保障して、高い「能力」をもった人材を確保することが必要になると言うことです。

 公務員の賃金・労働条件については、その客観的な位置、行政サービスとの関係、経済への影響など、冷静に考える必要があると思います。
 公務員の能力が低くてサービスの質が低下すれば、損をするのは市民ですから


前向きな変化の実感~国保運営協議会~

2009年05月28日 | 医療・介護・福祉など社会保障

 27日(水)、H21年度第一回国民健康保険運営協議会に出席しました。

 今回の協議事項は、
 「国の制度改正に伴って、出産一時金の支給額を38万円から42万円に引き上げる」という制度改正で、私も異議無く賛成しました。

 国の改正は、
 「緊急の少子化対策」として、今年10月からH22年度末までの1年半の間に限られたもので、例の「場当たり・バラマキ」の政策の一つです。

 しかし、
  06年9月までは30万円だった一時金が、
  同年10月から35万円、
  09年1月に「産科医療補償制度」のスタートに伴って38万円
       (保険の掛け金であって、出産者に払われるお金ではありません)
  そして今回42万円
 と、わずか3年の間に12万円も引き上げられたことは、
 重すぎる出産・育児の負担の軽減を求める国民の世論と運動の反映に他ならないと考えます。

 会議では他に、
 ①「介護従事者処遇改善臨時特例交付金」
 (「介護労働者の処遇改善のため」とされた介護報酬引き上げで、介護保険料が上がらないようにする措置
 ②「ジェネリック医薬品」(※)の普及促進
  ※先発医薬品の特許が切れた後に製造・販売される、「効果が同じで、価格が安い」薬。 
 の2件が報告されました。

 いずれの議題も、色々制約はありながらも国民世論が政治に反映したものであり、政治の前向きな変化を実感しました。


木古内町との交流~盟約20周年~

2009年05月25日 | 市政全般

 5月24日(日)夜、「木古内町・鶴岡市 姉妹都市盟約20周年祈念式典」に出席しました。

 「姉妹都市」という関係は、互いの産業や文化などの共通性に基づくものなど様々なきっかけがあるようですが、木古内町と鶴岡市は、明治19年(1886年)に荘内藩士開拓団が同地区に入植したところからの120年を超える関係があり、姉妹都市に先行して昭和39年に木古内町立鶴岡小学校と鶴岡市立朝暘第一小学校が姉妹校の関係を結んでいます。
 同町のHPにも、厳しい北海道の地に町を築いてきた先人の苦闘が記されています。

24人が来鶴されました。

 同町には「庄内を訪ねる会」、鶴岡には「木古内を訪ねる会」があり、毎年相互の訪問がおこなわれているということも、恥ずかしながら今回初めて知りました。

 私は、朝暘一小に在学していた時(○○年前)、それから私の子どもらが在学している期間(今年が最後の3人目で14年目)を通して、木古内の鶴岡小学校から一小に毎年送られて来るじゃがいもをごちそうになってきました。

 一小からは校庭の庄内柿を送るのですが、そうした交流の中で、遙かな木古内の地の子どもらのことや、遠い昔からの木古内と鶴岡の縁が自然と胸の中に収まっているように思います。

 2004年に公開された映画「隠し剣鬼の爪」のラストシーンでは、永瀬正敏演ずる片桐宗蔵が奉公人でありながら身分を超えて愛し合ったきえ(松たか子)と共に蝦夷の開墾に旅立ちます。 この映画は鶴岡出身の作家藤沢周平さんの小説を元にしたものですが、この場面に木古内に入植した荘内藩士の人生を彷彿させられたものでした。

          
アトラクションの湯田川神楽    神楽一座。鶴岡の貴重な文化です。

  歴史の中から生まれたこうした貴重な交流は大事にしていきたいものです。


小沢一郎、ヤメリャーいいのか?

2009年05月11日 | 政治全般

 民主党の小沢一郎代表が遂に辞意を表明しました。

 夕方の生放送を偶然目にしたのですが、小沢氏の話では、西松問題については何の説明も無く、反省も示されませんでした。
 それで「辞める」というのでは、この間の、「検察の捜査がおかしい」「自分は潔白」という自身の主張との整合性がありません。
 自分に非はないが、政権交代のために、「犠牲になる」と言わんばかりの話です。


 ともかく、頭を丸めたり、腹を切ったり(辞めたり)すれば、問題を曖昧にしたままでも「水に流す」と言うような、前近代的な文化の臭いもプンプンします。

 民主党自身も、「検察がおかしい」と言って代表をかばってきた人、「代表は説明責任を果たせ」と主張してきた人たちは、この辞任をどう総括するのでしょう。
 説明など求めず、ともかく「代表は辞めろ」と主張してきた人は、これで「水に流す」ことになるのでしょうか。

 西松問題というのは、「金の力で政治がゆがめられたのではないか」という、民主政治の根幹に関わる重大問題です。
 
 日本共産党は、「小沢金脈問題」を(今回の検察の捜査の是非など関係無く)15年以上前から独自に追及してきました。
 政治の中身を問わない「政権交代」の是非などではなく、こうした問題を国民の力で一つひとつ正していくことこそが、民主政治をつくっていく王道ではないでしょうか。


 西松建設問題の赤旗記事から
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2009-03-20/2009032025_01_0.html