関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

家族介護と利用料の負担~過酷な事例~

2010年10月10日 | 医療・介護・福祉など社会保障

 先月、介護に関わる難しいご相談を頂き、今日に至るまで悪戦苦闘しています。
 奥さんが認知症で要介護5、旦那さんも軽度の要介護状態のため自宅での介護はできず、特別養護老人ホームに入所を申し込んだものの、「400人待ち」などと言われて先の見通しも立たないまま、ショートステイを「施設の代わり」に使っています。
 つまり、「ショートに泊まりっぱなし」の状態で、居宅サービスである「本来」のショートの目的からは外れるのですが、鶴岡で特養入所を待っている人が1100人超という状態では、現実にはそういう利用形態は多いようです。

  しかし、使っているショートが個室のため利用料が月10万円を超え、国民年金など夫婦二人の収入がほとんど無くなってしまいます。
 また、事業者からは「ショートは施設ではない」などと、いつまでも入ってはいられないということをほのめかされ、さらに、具合が悪くなる度に自宅に戻されては、遠い親戚が介護のために招集されることになっています。
 子どもも兄弟もいないご夫婦のために、そのご親戚が当座の金銭的な援助もして数ヶ月間は何とか持ちこたえてきました。
 ご親戚は、「昔、お世話になったから」などとおっしゃっているのですが、特別の資産家でも無いと思われる親戚が、毎月何万円もの援助をするというのは、今日、極めて希なことだと思います。

 それにしても、高額のショートの利用はいつまでも続けられず、特養もいつ入れるか検討もつかない、まさに行き詰まった状態で私にご相談を頂きました。

 本当は、特養に入所させるべき人であり、鶴岡市はもちろん、「入所待ち42万人」といわれる状態を放置する国の責任は重大です。
 政治の転換をめざしながらも、目の前の困っている方を何とかしなければなりません。
 市介護サービス課に対応を求めると同時に、私個人でも老人保健施設、有料老人ホーム、ショートステイなどいくつかの施設に問い合わせ、何人かの関係者の方に相談しています。
 「認知症が重い」ことと「収入が少ない」ことから、なかなか行く先が決まりませんが、精一杯取り組んでいきます。
愛犬カイ
愛犬カイ


荘内看護専門学校「看学祭」

2010年10月04日 | 医療・介護・福祉など社会保障

 3日(日)午後、市立荘内看護専門学校の「看学祭」に行ってきました。

 

 看学祭は、学生たちがテーマ別の班に分かれて準備した企画が発表される場です。
 それぞれの班で先輩と後輩が一緒になって、夏休み前から何ヶ月も知恵を絞り、話し合いを重ねることで、知識や技術の学習以上に大事なものを学生に与えてくれる取り組みなのだろうと想像します。

 

 昨年は雨に祟られて来場者170名ほどだったものが、今年は午前中で百名を超えたとのことで、どの部屋もにぎわっていました。学生たちのかわゆい笑顔に、お客の方も自然と笑顔になるようです。
私などは気をつけないと「ニヤけてる」と言われそうです。

 先生のお話によれば、高校生、学生の家族、病院関係者、カレシなどが大半だということです。
 

 荘内病院建て替え前は学校と病院がつながっていて、学生が実習でお世話になった患者さんなども来ていたそうですから、学生にとっては感激の再会の場でもあったことでしょう。



 もっとも、患者さんが来なくなったのは、建て替え・移転のためだけではなく、荘内病院が国の政策に合わせて「急性期病院」となり、患者が平均10日ぐらいで退院又は転院するようになったこと、高齢で重症の方が多くなったことなどが反映していると思われます。



 私が医療機関に就職した25年前から考えると、現場は随分厳しいものになりましたが、学生たちには今の笑顔と仲間を忘れず、元気で頑張っていけることを祈ります。




 看学祭について書いた3年前の投稿。企画内容は変わっているようです。
   http://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/ad2c69fc5a2853c66f0d0b87ac86a751


高校授業料無償化、私立へ②

2010年10月03日 | 子育て・教育

 今議会に日本共産党市議団は、「私立高校授業料軽減措置の拡充を求める意見書」を提案しました。以下のようなものです。

「 貧困と不況の波が押し寄せる中で、高校生を持つ家庭の経済的困難は増大し、アルバイトの拡大や、中退を余儀なくされる生徒も過去最高水準に達しています。
 こうした中で政府が2010年度予算において公立高校授業料無償化と私立高校生への授業料支援をおこなったことは、国民要求に応えて基本的人権の保障を拡充する重要な一歩として大いに評価するものです。
 同時に、今回の措置では、初年度納付金が公立の5倍以上とされる私立高校生への支援が不十分なものであり、授業料以外の負担も含めて大きな公私の格差が一層拡大することになりました。
 山形県でも高校生の3割が学ぶ私立高校は、高校教育の不可欠の担い手ですが、私立高校での授業料負担の軽減は保護者の要求として益々切実なものとなっています。
 つきましては、私立高校生への授業料軽減措置の拡充を強く要望します。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 」

 他会派と協議の上、鶴岡市議会として政府・関係機関に対して提出しようというものですが、9月22日の協議で反対に遭ってしまいました。
 出席者は、新政クラブ本間新べえ議員、政友公明富樫正毅議員、市民クラブ渡辺洋井議員と私です。主張は次のようなものでした。

新政  東高、羽黒の学費は国の補助額約12~24万円を下回っており、十分な軽減措置がおこなわれている。
    そもそも私立高校は公立との併願から私立専願が増えている。皆、望んでいっているので、「授業料軽減してくれ」という声は自分の周りでは聞かない。

政友  今年始まった制度であり、検証もしていないのに、今意見書を出すとは何を考えているのか!要望を挙げれば限りないが予算は限られている。

市民  経済的に困難な人への支援は、無償化すべきと思うが、新政の説明を聞くと、授業料に関して言えば、十分ではないがすごく前進しており、県は努力しているとわかった。
    (「意見書に反対か」と質すと)意見書そのものには賛成する。

 実は、昨年6月には、「公立高校の授業料減免を広げる国の財政措置」「私立高校の授業料を減免する制度をつくる」などのことを、「高校教育を保障するための国の経済的支援措置を求める意見書」として提案しています。
 その時は、三つの会派(「政友公明」は当時は「黎明公明」、「市民クラブ」は「連合」)とも、「高校は義務教育でないから支援は必要無い」などとして、反対しました。
 今回、国が打ち出した公立高校授業料無償化・私立授業料補助に、1年前に反対したことにはそ知らぬ顔ですが、それを拡充しようという意志はありません。

 今回の主張もオソマツです。
 不十分な私立への助成は「検証」などするまでもなく、いかに拡充するかが最初から今後の課題です。
 「私立の授業料を補助がカバーしている」という主張は、私立高校が授業料を低く見せるために授業料額自体は抑え、授業料以外の名目で徴収する額が大きくなっているという背景を知らないということです。
 来年度以降、授業料部分の比重が上げられていくということは誰の目にも明白です。
 「私立の保護者が負担軽減を求めていない」とは、保護者が聞いたら何と思うでしょう!

 あれやこれやと理由を並べて反対する、後ろ向きの姿勢は一貫しています。

 共産党は議会の中では少数ですが、多くの保護者の声を代弁しているし、市民の声に背を向ける勢力は、今は多数でも未来は無いと、今回も改めて思いました。


高校授業料無償化、私立へ①

2010年10月01日 | 子育て・教育

 今年4月から、公立高校の授業料が無償化されました。
 格差と貧困が拡大し、授業料が払えずに退学する生徒まで生まれる中で、教育を受ける権利の保障に向けての大きな第一歩と考えます。
 もちろん、教科書・教材費・正副・体育用品など学習・教育活動に必要な費用に加え、PTA会費・後援会費・修学旅行積立金・部活動費などなど、高校生活を送るために求められる費用は、授業料以外にたくさんあります。
 日本高等学校教職員組合(日高教)の調査によれば、授業料以外の学校納付金・各自購入費用の平均は205460円になるといいます。(09年10月実施。全日制男子)
 ウチも年間10万円近い学費負担の上に、部活で時々組まれる「遠征費用」数万円が提案されるたびに、「できるだけ費用がかからない練習試合を」「毎月徴収に含めて」と意見を言って、顧問を悩ませてきました。(顧問はそうした面でも配慮のある先生でしたので、「言い争った」わけではありません。他の運動部に較べれば幸せだったとは思ってます。)
 そうした課題をこれからも、一歩一歩、乗り越えて行かなければなりません。

 今大きな争点になっていることの一つが、私立高校の問題、特に今回公立高校では無償化された授業料の問題です。
 私立では、公立高校の授業料無償化相当分の月9900円の措置に加えて、親の年収350万円以下の世帯には年間6~12万円の上乗せという国の措置がおこなわれました。
 そこに、都道府県ごとの独自上乗せがおこなわれ、山形県の場合は「年収250万円未満程度の世帯では、ほとんどの私立高校で授業料が無償化」(平成21年度授業料ベース。以下のページに詳細)となるといいます。 
 http://www.pref.yamagata.jp/pickup/opinion/search/2010/05/01103621.html

 しかし、文科省の2008(平成20)年度調査によると、初年度負担金は公立で約35万7,000円、私立では約78万3,000円かかっていました。そのうち授業料は、公立で3割、私立で4割を占めるに過ぎません。学校外教育費などを加えれば公立約51万6,000円、私立約98万1,000円にも上ります。
 
  今回の授業料無償化措置は、高校教育費を社会が負担する方向での大きな進歩であることは間違いありません。
 同時に、今でさえ大きな公立と私立の格差を拡大してしまうという結果をもたらしてしまいました。
 その解決は、私立の保護者への支援を拡充することしかありません。


愛犬「カイ」

 ところで、この問題を巡って、鶴岡市議会9月定例会の水面下で、重要なやりとりがありました。
 そのことを明日ご報告したいと思います。