眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

砂時計

2005-09-25 | 
胸が痛い
 時がうつろう
  まるで
 星をさがす天体望遠鏡
   見当たらない

   砂が流れ落ちる
    誰も止められない

      止められないんだ

  僕は
   胸が痛い
    星の姿は
     何万年も前の光の残像

  ひとりぽっち

   酒を舐めながら眺める

     砂時計


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錯覚

2005-09-24 | 
ガラスが割れる
 僕らは何故手に石を持つのだろう?
  割れた破片に問いかける

  どうして?

戦闘機の爆音
 フェンス越しに唱える
  微かな望みは
   砕かれる

どうして
 どうしてあんな気持ちに駆り立てられるのだろう?
 怒り 欺瞞 欲 
   自我  恐怖
    塗り固められた
     たくさんの嘘

     嫌だ
    もううんざりだ
  酒を煽っているよ
   吐き気がする

          自己嫌悪のおろかな存在

云いたいことなんて
  ほんとは口になど出来ない言葉
   夢見たことなんて
    わずかな一瞬
それ以外には
  壊れかけた惨めな残骸
   
   馬鹿だ
  そんなことなんて云いたくない
指を指し
 指を指される
    石を投げつけたのも
     石を投げつけられたのも

  願わくば
   生きとし生けるもの
     その存在を
    血や権力や金や名誉でもなく
 自分自身の弱さを
  受け入れる勇気を

       地を這うもの
     すべて
      空に憧れ
       地を這い蹲る愚かさは
     すべて
       「空」に憧れる

   久遠の時
     祈ろう
      生きることを
       選び取れる
        一瞬の快楽を

    
      
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ロックン・ロール

2005-09-16 | 
hey baby!
 ロックン・ロールだ
世界は美しいだろう?

   酒だ
    浴びるほど飲め
     楽園が広がる世界
  
  祭壇は花と
   たくさんの果物に彩られ
    
  酒だ
 御託はもううんざりだ
  眠れないんだ

   古いダンスホールは
    色褪せた
     時を刻み続け
    届かない想いグラスに注いでる

 ありふれた
  壁のポスターは

     年老いたバーテンが
      流す
    60’smind

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レコードショップ

2005-09-14 | 音楽
レコードショップに散りばめられた世界
細分化され 細やかにジャンル分けされた音楽達

ありとあらゆる商品に彩られた店内は
まる世界の陳列棚

ある人は評判の新譜の場所へ
ある人は古いロックンロールを 思い出と共に
ハードロック、忘れ去られた映画音楽
クラッシック
ジャズ
ブルーズ

玩具箱をひっくり返したように 音楽の商品は目まぐるしく入れ替わる
まるで思想と哲学が
時代と共に入れ替わるように

膨大なレコードの中から
選び取る一枚は
決まっている
外のコーナーは誰かにまかせて
気むずかしい頑固な職人の目を持って
僕らは宝物を掘り出すんだ まるで大航海時代の海賊のようだね
祝杯を上げよう
この素敵な宝物に

レコードショップ
幾千の世界が
資本主義の名のもとに陳列された
どんな世界を選び取ったとしても
それは自由だ

選びとる世界

いろんな場所へ行けるだけど
行く場所はなんだか決まっているようだ

幾千のレコードから
一枚を選び取る

幾つもの世界から
ある生き方を選択する僕が選ぶ世界
誰かが選んだ一枚

店内はショーアッブされ 街明かりの届かない孤独を忘れた

誰かはあたらしい世界を望む
僕はというと
ちいさな限られた世界に魅せられる



今は無い
古い 汚らしい
古レコード屋の匂いが
とても懐かしい

とてもね




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19世紀ギター

2005-09-13 | 音楽
ワインを飲みすぎた翌日の朝はつらい。
頭が割れそうに痛くって吐き気が止まない。そんな朝は、まるでアルコールで脳みそを消毒した気分になる。奇妙にすっきりしている。

先生の自宅でワインの空き瓶を並べ、僕らはいろいろな話をする。
酔っ払いの戯言。けれども僕らは、音楽で心を開くことができると信じている。
音のつらなりが世界を変える、と酔っ払った勢いで語り合う。
世界の在り様を変える。
まるで、ジム・モリスンかウィリアム・バロウズだ。
酔っ払う。
親密な空気が優しい夜。外は雨だったようだ。

暑かった夏もやがて過ぎ去るだろう、かつてそこに存在した人々が何処かへ消え去っていった様に。それは、いいことでもなく悪いことでもない。
ただ寂しいだけ。
刻は過ぎ行く。

先生は滅多に通してくれない部屋に僕を呼んだ。
冷房が一日中かけられ、室温と湿度が平均的に保たれている。
ギターを置く部屋だ。
先生は、おもむろにケースを開き、四本のギターを並べた。
どれも先生がメインで使う大切な楽器だ。僕はこのギターのケースを持たせてもらえるのに三年かかった。

 「sherbet、ギター触ってないだろ。好きなの使っていいぞ。」

先生はそう云って珈琲を沸かしに消えた。

    僕は丁寧に四本のギターに手を触れた。

一本一本性格が違う。でもみんな素晴らしい音色をしていた。
僕は、四本のギターを弾き比べながら音の世界に身を浸した。
二ヶ月ぶりに楽器に触れる。
久しぶりにギターをかまえると、なんだか見ず知らずの楽器を手にしているようだ。約二時間くらい音で遊んだ。

そのなかでも、僕の心を捉えて話さない楽器があった。
19世紀ギターだ。
もちろん僕は弾かせてもらうのは初めてだ。
かまえると、現代ギターのボディーよりもひとまわり小ぶりだ。
弦のテンションが異常に柔らかだ。
音を出して驚いた。意外に音量があるのだ。そしてその音色はなんか上手く表現できない。
簡単に云うと、親密な音。
指先の爪を落とした指頭のかすかなタッチにも反応する。
今、僕が欲している音がこの音色だったんだ。

  何も考えず、指が憶えている曲を片っ端から弾いた。
    弾きながらしあわせだった。
     先生の気持ちや、いろんな人の顔が浮かんだ。

いろんな気持ちや価値観があるように、いろんな音楽があり、いろんな楽器がある。いろんな感情があり、いろんな世界が無数に広がっている。

    僕は親密な音楽にとても惹かれる。

19世紀ギターの音色は、そんな瞬間を僕にくれたんだ。






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楽しみを希う心

2005-09-09 | 音楽
深い森に迷い込んだようだ。
深い海に底に忘れてきた夢のように。

マイケル・ナイマンの映画音楽には定評があるようだ。僕はそれほどシヴィアな映画ファンではないのでよくわからない。
けれども、映画「ピアノ・レッスン」が話題になった年、僕はナイマンのこの美しい旋律に惹かれて映画館に足を運ぶことになる。

「ピアノ・レッスン」はとても美しい映画だった。
けれども、そのメイン・テーマ「楽しみを希う心」は映像をはるかにこえる美しさだった。

この旋律を耳にした瞬間、僕は今までに忘れた、あるいは失くして来た何かに想いをはせる。とても繊細でガラス細工のように儚く心を揺らす。

ある病院のあるピアノ室で誰かがこの曲を弾いている。
どこかの音楽室のピアノで誰かがこの曲を練習していた。
黄昏の刻印。
忘れてはない約束。
僕らは失う生物だ。失うことによって大切な何かに気ずく。
そして哀しいいことに遅すぎるこの想いが現実なのだ。
けれど僕は願う。
夢の世界を忘れぬよう。現実の雑に疲れることもある。
けれどおんなじくらい夢を忘れないことだって、もちろんたいせつなんだ。

「楽しみを希うこころ」

この曲が最近僕の夢を震えさせる。


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