眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

雑草の景観

2007-12-21 | 
雑草の景観
 たまたま
  手入れのされていない庭を
   見ただけなのだが

  不本意な表情で
   ネギがすくすくと育つ
  やるせないように
   水気の無い地面の表層が
    割れている

   陽射しが
    虚ろなのは
     退廃が後退でしかない、と
      声高らかに歌う
    常識めいた
   架空の自意識
  捏造される良心の呵責と
それに耐えられないであろう
 雑食動物としての本能

   全て肉を喰らう者

   笑いながら
    酔いにまどろんでみた
     
   景観は
    雑草の庭
  あきれ果てた嘲笑のもと

    どんなことでもさ

     綺麗だったり
 
     汚れてみたり

     するんだよ

     そうさ


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フール・オン・ザ・ヒル

2007-12-20 | 音楽
雨の匂いがする。
僕にとってビートルズの音楽は雨の匂いを想い出させる。
夕暮れが近ずきやがて風景が深い闇に閉ざされるまで、僕は窓から空の色を眺めた。暗くなると、小さな蝋燭の明かりを灯して彼らの音楽を聴いた。

  もう10年前になるんだね。

イェラン・セルシェルがビートルズの楽曲をレコーディングして話題となったアルバム「フール・オン・ザ・ヒル」を発表したのは1995年のことだ。
セルシェルののこのアルバムを僕は何度も繰り返し聴いた・・・。

78年、第20回パリ国際ギターコンクールの優勝者。アルトギターと呼ばれる11弦ギターで弾くバッハの作品の第一人者と呼ばれているらしい。当時、ロック少年を気取っていた僕には、セルシェルがクラッシックギターの巨匠と呼ばれていることなど知る由もなかった。
ただ、彼が弾くレノン・マッカートニーの音楽は確かに、僕のこころの中の何かをとても優しく刺激した。
  
  雨の匂いがするんだ。

セルシェルの演奏するフルートとの二重奏のピアソラも聴いた。でもそれは、ひどく僕をがっかりさせた。時間の流れと共に、僕の音楽の好みも変化した。
けれども、このアルバム「フール・オン・ザ・ヒル」だけは今だって大好きな一枚だ。

  素敵なアルバムだ。
   何かを思い出させる。
    たぶん、雨の匂い、とかね・・。



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部品

2007-12-12 | 
粗雑な部品で構成され
  間違った組み立てられ方で立ち上がり
    不器用な使用法で取り扱われる

    そういった不完全な製品

不完全で不器用
  良いのか悪いのかは判断に苦しむ所ではあるが
    この製品には
     製作者の意図やある種の勢力分布図が理解できていない

     たまに部品が無くなっていることもある
   気がつかないんだ
  上手くわたれない

   たどたどしい足取りには
    磁石が必要だけれども
   不完全だから
    磁石を買うお金でグラス一杯分の酒を飲む

願う事 出来れば美味い酒にありつきたい

   sionが唄っていた

「カメレオンにゃなれないし
   ましてライオンじゃないから」

    不完全な製品
   壊れかけたおもちゃを集める
  物好きな人もなかにはいるってよ

    そんな人と飲みたいです





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時間

2007-12-07 | 
恫喝され慟哭す
 警官隊の警棒の映像が
  何処か遠くの外国で

 「銀巴里」の
  珈琲カップをカバンに入れたのよ

   ふふ、と母が笑う

  イデオロギーも闘争も
   変化してゆく刻の中
    僕にとっては
     ありもしない夢想の霹靂

   「議事堂を占拠しようとしたの」

    少女はつい口をついてしまった

   だみ声は
    容赦なく鳴り響く拡声器
     黒テントで
      森田童子が囁くように優しく諦める

     時間は
      全てを封印し開封す
    届かなかった想いは
   依然 宙空を彷徨う

黒砂糖と芋くずを水に溶かして
  乳飲み子に与えた
   老婆が優しく教えてくれた
    諭すかの如く

     僕は

    淀んだ空気に憧れながら
   今まさに馬鹿馬鹿しいとも感じているのだ
  そう
 なんにも知らない
なにもだ

 そして時を同じくして
  若き医学生だった父は
   九州の寺で勉学に励みながら
    床磨きをしていたのだ

     島に帰ってきて
      彼は薬物依存の研究を発表する
       ベトナム戦争の時間

      僕は
       時間は   
        逃避した昼下がりの
         缶チューハイの酔いのまどろみ

          苦笑しておくれ

           友よ

           あんたの苦しみも

            ツマミに変えてしまう

             僕の馬鹿さ加減を

              



    
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くるみパン

2007-12-06 | 
深夜に
 くるみの入ったパンを食べる
  少しパサパサしているけれど
   珈琲で飲み込んでみた

  今日は音を消してみた
   静寂に身を埋没させ
    意識の要因について考えてもみた

     意識は
      いつ失われるのだろうか?

   パンを齧り咀嚼し嚥下する
    このくるみパンのようだ
     僕の意識は少しくパサパサしていた
      やけにのどに引っかかる
       
    魚眼レンズごしに撮られた写真には
     金色のスプーンが良く似合う
      それで暖かいミネストローネをすくうんだ
       寒い夜にはね
      暖かくしないとね
       携帯電話のアドレスを眺め
        ため息をついて電源を落とす
         かける相手が誰もいない
          深夜なのだ
           孤立した不安は
            ただひたすら
           喋り続けたい
          叫ぶことには飽きたけどさ
         ささやかな声を聴きたい
        たぶんどんな音よりも僕の意識を
       喉元から胃袋へ落とし込んでくれる
      そんな気がするんだ

    昼にはお墓参りに行った
   父の命日だ
  線香と酒と一本の煙草を花と一緒に供えた

   僕はごめんね、と呟く

    意識は
     いつ失われるのだろう?

      神様を知らないので
        かわりに屋上に出て月に祈った

         満月だ

        とても綺麗だ


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合唱

2007-12-03 | 
ささやかな奇跡を信じたい
 たとえば
  あの教室でいつも黙っていた娘が
   急に歌いだす
    たとえば図書館の窓際で
     大好きな小説を耽読する
      そんな奇跡

      クラリネットの音が聴こえる
       合唱部が
        一列に並んで讃美歌を歌う
         ピアノの伴奏が寒い夕暮れを
          暖かく包み込んだ放課後の音楽室
           僕はギターを抱え
            Fメジャーの和音を響かせる
             「フォルテシモ!」
              指揮者のタクトに意思が宿る
               チェロのピッチカートがささやく
                長い夢を見ている

                僕の大好きなクラリネット
               桜の木の下の入学式の前には
              まだ早い
             やるべきことがまだ残っている
            例えば
           プラネタリウムの擬似的天体観測
          イナガキタルホの美学で
         世界は不思議な空間と化す
        タルホロジー
       ベルが鳴る もう帰らなければ
      帰り際 ささやかな奇跡を願う
     どうか貴方が側にいてくれる夢をみる
    古びたオーディオで流したウイーンの少年合唱団の声
   奇跡を願う
  どうかこの歌声が世界を包み込んでくれますように
 そうして月日が流れる
当然のことのように美学は散在する
 月の夜
  コシ・ミハルの歌声を聴きながら
   気象予報士の明日のお天気占いを聞き流す夕ご飯
    明日歌う曲は
     奇跡のように世界に存在する
      たとえば独りきりでも
       たとえば60億分の1の確立でも
        夢を信じている

         君が」歌う歌声を密やかに望んでいるのだ

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零刻の打算

2007-12-01 | 
隙間無く憂える魂へ
緩慢で怠惰な日常は
全てに置いて打算の匂いを仄かに掠める
 
 静かに
  状況は変化してゆくだろう

   ただ
    失われた記憶を
     取り戻したいのだ

猫が鳴いた夜
 僕らは物怖じせずに将来を語った
  何ひとつ確かなものなど無い月夜の晩に
   アカペラが好き
   と、君がささやく
    伴奏と序曲が邪魔だ、とね

澄んだ水
 化石の送った手紙は
  往々にして天体の加速度
   素人には乾電池の
    プラスとマイナスのほうが手っ取り早い
     「ドライバーを握って20年だぜ」
     男は鼻で笑い容易にバイクをメンテナンスする

打算
 有り余る「愛」と呼ばれる証は
  通常、安易に慰められた
   意思を投げつける行為に
    失望し堕落す

     「スティーヴィー・レイの訃報を聴いたとき
       おいらはまだ学生だった」
  
     痒みのある首筋を掻き毟って
      指先に血が付いた

   ワタシノ名前は・・・

野良犬さ
 野暮な連中だ
  そう云い捨てて空き缶を投げつける
   不用意な一言が
    全てを故障させる

         「ピーピー ガガガ・・・」

      電流がフレミングの法則を
       注意深く裏切った
        薄く切れたレモンのスライス

道しるべにクッキーを置いたね
 残念なことに食べてしまったよ
  病室での楽しみのひとつは食事のアナウンス

    やあ、君
     何か一曲頼むよ

心なしか意識が透き通る真夜中
  現世にたたずむ君に
   しばしのお別れを

    旅に出るのが難儀でね
     ワインを一本空けて
      精神の扉に冷酷なまでに肉薄した
    暗示なのさ
     言葉の羅列が意味を失うが
      常に一回性の行為には
       得てして
     微妙な感じの意味がある

   洗濯物が乾いた
    空気の乾燥した今日は
     眩しい陽射しの中
      ここは南の国だったね

   おいで
   
    君に会いたい

     刹那によぎる概念は

      意識の仮予約

       どうして
        そばにいないの?

      いっそこのままで

     零刻の打算

    常に意識はあるがまま

   ワインの空き瓶が並び

  僕は困惑した日常に

 意味を見出す

  会いたい



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