眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

天国への階段

2010-05-24 | 音楽
師匠とH嬢が19世紀ギターを視察しに数年前東京へ行ったおみやげに、このCDをプレゼントしてくれたんだ。
高田元太郎氏の二枚目のアルバム、「ROCKS ON THE GUTS~天国への階段~」。
その名のとうり、70年代ロックナンバーをクラッシックギターで演奏している。

高田さんは、日本で唯一南米ボリビア国立ラパス音楽院ギター科主任教授を務めていたそうだ。

収録曲は、「天国への階段」
       「Dee」
       「哀しみの恋人たち」
       「More than words」
       「Discipline」
       「Crossroads」
         
              etc・・・

まさにロッククラッシック。
懐かしさのあまり、昇天してしまいそうなアルバムだ。
個人的には、二曲「More than words」
で唄われているvocalの、神田 智子 さんの声がギターにひじょう~にあっていて心地良い。僕はなにしろ原曲より好きだ。

高田さんがアレンジしたランディー・ローズの「Dee」も素敵だ。
「哀しみの恋人たち」は、是非、楽譜を手に入れて老後のレパートリーに加えたい。ミニコンサートもあったそうで、高田さん、暴れまくっていたらしい。
聴きたかったな~。
「といぼっくす」というアコーステックユニットのメンバーでもあるそうだ。

ガットギターには、スチール弦にはない魅力があって、凄く素敵だ。

それにしても神田 智子って何者なんだろう?

なんだか親密な歌声で酔っ払ったとき聴くと気持ちよく酔っ払える。

あの歌声が僕はとてもとても好きなのだ。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音楽会

2010-05-17 | 
誰かに蹴られた。
ベットの中で毛布に包まっていた僕は、一瞬何がなんだかわからなかった。
そして次の瞬間、僕の毛布は無残にも引き剥がされたのだった。
「あなた、まだ寝てるの?いいかげん起きてよね。」
窓から差し込む陽射しがまぶしい。僕はあたまを抱えてうずくまった。
「今日は音楽の練習の日!あなた、またお酒のんでたんでしょう。」
少女が手荒く、水の入ったグラスを差し出す。そうとう怒っているようだ。
「私との約束より、お酒のほうが大事なんでしょう?」
「そんなことないよ、どっちも大事さ。」
彼女は完全に呆れて、自分のギターケースを開き始めた。
僕もさすがにベットから起き上がり、水を一息で飲み干して自分のギターケースを開いた。

少女はソプラノ・ギターを調弦している。
ソプラノ・ギターは普通のギターより一オクターブ音域が高い。ボディはずいぶんと小柄だ。
彼女によく似合う。
少女は、音を確かめるようにコードをシャラン、とならした。まるでオルゴールのような繊細な響をしている。僕もギターを引っ張り出し、調弦を始めた。
一弦の音、ちょうだい、と云うと彼女は黙って、ポーン、と音をくれた。
「あなたね、音楽するのとお酒飲むのとどっちが好き?」
「お酒飲みながら音楽するのがいちばんすき。」
少女はその言葉を完璧に無視した、完全に怒らせてしまったようだ。
僕も黙って調弦に集中した。

「何から弾く?」
僕が云うと、なんでもいい、とぶっきらぼうに彼女はこたえた。
もちろん僕のほうが悪いので、それ以上何も言わずギターを弾いた。ソプラノ・ギターのメロディーが、それにあわせて流れてくる。

幸せな午後のひととき。
僕らは音を紡ぎ合わせる。窓の外には、青い空が広がっている。
音楽会まであとすこしなんだから、ぶつぶつ少女がつぶやく。
酔いがまだまわっているようだ。
音に包まれて、僕はしあわせな気持ちにひたった。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サイン

2010-05-04 | 
大切な何かを見つけたこの街で
 柔らかな風の中に見失ってしまった
  風景が凝縮された記憶なら
   僕らはそれを変わり果てた大地に
    永遠に失ってしまったのだ
     
    戻れぬ郷愁は忘れな草
     揺れたはずの白い雲
      暖かな陽射しの記憶は
       全てをして完全なる記憶のフィルムのうちに
        完全などありはしない
         つよい人間なんていやしないのさ
          ビール瓶のふたをテーブルのへりで器用に開けてみせ
           あの頃の風景が前頭葉にパルスを送るだろう

            それは君の記憶だよ
           レッテルを貼られる前の
          工場で完成される前の
         未分化なままのそれ
        存在の百分の一
       あの図書館の窓から笑って見せた封印
      蝉の抜け殻を自慢げに収集した
     若きファーブル少年
    やがて寒さが君の宝物を奇妙に氷結させてしまうだろう
   記憶は氷柱の中
  ツエッペリン号は墜落したのだ
 多くの夢の残骸を共にして

最近、よく眠れないんだ。
 夢を見る。
  
  君が呟く

      夢?
       
       どんな夢なんだい?

    起きる夢さ、笑うなよ。

それが僕と君との最後の言葉

  君は大切な何かを見つけ
   この現実から起きたのだろう

     僕ときたら

      相も変わらず

       夢の中に沈殿した

        理科の実験途中のビーカーのでんぷん質

         チャイムが鳴る

          次の授業は美術だ

           デッサン用の画用紙と鉛筆を準備して

            今は消えてしまった

            風景の君を留めておこう

             キュビズムの字体で



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする