眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

色と計画

2009-01-25 | 
記憶の表皮を爪で掻くと
 薄いピンクの一枚の皮膚が
  赤く滲んだ血液と共に
   軽い眩暈にも似た傷口を作った

    「口に入るものと
       口から出るものに気をつけなさい。」

      どうして僕の口からは
       こんな言葉しか出てこないのだろう?
        疲れていらいらとしている
         穏やかな誰かさんみたいな
          甘い綿菓子の様な夢が出てきやしなかった

          誰かを想う優しさも空虚だ
         いちばん近いひとに
        罵詈雑言を浴びせた深夜の出来事
       水のない噴水で誓った約束は
      安易に消え去る
     甘えているのだ君や貴女や神さまや
    僕は少し僕自身が嫌いだ
  
  まんべんなく訪れるちょっとしたいさかいは
 無言の重圧でぺしゃんこにされた廃車置場のスクラップ
雑草の緑の葉っぱの表皮が笑う
そんなことで、なんてね
 
 記憶は甘美で僕を「居場所」から離さない
  僕は立ちどまり
   信号機の色が変わるのを
    ただイライラと待ち続ける歩行者の雑踏
     足元に転がるビー球は水色だった
      嗚呼
       愚者である現世の僕の存在は
        ひどくみっともない
         全くのところ
          何一つ噛み合いやしない

          神さまの

          神さまの計画表を覗き見したい

          やっぱり
          日曜日はおやすみの日なのだろうか?

          赤い花が微笑んだ

          おやすみ


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冬に

2009-01-15 | 
憂鬱は
 熱の冷めやらぬ白昼夢
  空は重く垂れ込め寂しい

  壊れた時計
   ブラウン管の映像劇
    ギブソンのレスポールを持った
     ランディー・ローズは美しかった

      洒落たステップを踏む老夫婦
       マドラス酒場の窓から
        港から鳴り響く汽笛の行方

        浮かれた熱病
       パーティーのその後の予感
      空気が震え窒息しそうになる
     駄目だ
    前提とされた安息など
   何処にも見当たらない

  赤いカーペットの上に
 ワインの染みをつける向こう
僕等はまたいつか会えることを誓ったんだ
 守られない約束はとてもとても切ない
  世界の在り様を咀嚼できず
   優しさをもって
    皮肉な笑いに泣き崩れた
   
     冬なのさ

    友人が呟き
   空気の重さが少しだけ輪廻する
  門構えだけが美しい奇妙な洋館は
 部屋が12もあって驚くのさ
優しさが記憶を醗酵させる
 部屋の扉をひとつずつ開けてみるんだ
  その数だけ「世界」が解放され
   哀しみの枠が是正される

     寒いんだ

   重く垂れ込めた空
    
  守られぬ約束ほど
 
   憂鬱な烙印はないね

    冬なのさ


インフルエンザを羅漢して
    タミフルを服用する

     38度5分の発熱で
      蒸発される体内の水分



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残留思念

2009-01-11 | 音楽
電線が青い思念を届けてくれた
うっすらとした夜明け僕は何度も手紙を書いた
届くはずのない手紙の存在は
まるでブーゲンビリアの紫の色の様に悲しく美しくて
途方に暮れた深夜
ただ君に会いたい
電線から青い連絡網が派生する
今夜は三日月だから
君を愛している
なけなしの小銭をかき集めて切手を貼った
どうせ永遠に投函されることの無い残留思念
ねえ

こんな世界でも
なんだか美しく感じるのはウィスキーの酔いのまどろむ窓際の冬の景色だからだろうか?こんな世界と奇妙な君に問い掛けてみる

僕は可笑しいね

化粧を落としたピエロ 道化師の口紅の赤のまま
ホットドックをほおばった

夢と現実が観賞用にかき混ぜられる朝

投函されなかった手紙は残留思念

遠い記憶

ヴァイオリンの音色において

君の不在に
ピエロはおどけて見せるだろう

夢を見ている

忘れ物の

残留思念




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ライムチューハイ

2009-01-08 | 
唇を噛んだ
 握り締めた手のひらは
  意識に食い込んだ爪跡

   教えてよ
    お願いだからさ

   残像が決して消えること無い
    
    kokoro ga kowareru
bokurano alivai

「  さん、勿論貴方にも理解シテモラワナケレバナラナイ」

     かようにして
    感情は鈍磨された
   或いは
  鋭敏に知覚さる

 様子を伺い咳をする
  サナトリウムの要領で
   一時の倦怠を仰いだ

                修理工がスパナを放り投げた
     
                  お手上げだね

                 庭のバナナの木
                葉っぱの手入れを怠った

   何時からだ?
    呆れた物腰で
     社会に不穏を撒き散らす
      赤いのれんを潜り
       密集した常連に紛れて
        鳥皮とライムチューハイを手に入れた

   アンヴィヴァレント
    其処に君の存在が懸かっている
     不特定多数の誰かが
    そう問題提起した

  教えておくれよ
 どん底の底辺にむしろも敷かず這い蹲る
一瞬の導火線
 爆弾処理班が危険な賭けに出た

   少しばかり疲れた
    今日の一日はね

     あんたさ
      もう一杯やりなよ
       考えてばかりいないでサ

       ややこしい思考回路が熱を持つ

        冷やしてやりな
         薄緑色をしたライムチューハイ


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らんぷ

2009-01-04 | 日記
「何がほしいの?」
尋ねられると突然、答えに困って苦笑いでやりすごす。

ずうっと昔、夢と現実の境目がなかった地平で、僕はいろいろなものを欲した。
もしも又、サンタクロースを信じることができたなら、僕は枕元の靴下を用意して何を願うのだろう?

僕は君に会いたい、とココロからそう想う。君に会えない時を持て余している。
そうして、そのうち君が誰なのかさえ分からなくなってしまう。

君は学校の夕映えのグランドだろうか?いつか見た街角のらんぷだろうか?魚の化石の影、想いをはせていた声、しぐさ、優しさ。もちろんヒステリックなざわめき、真夏の暑い昼下がり、クーラーの利きすぎた狭い部屋でくるまる白いシーツの哀しみも。

ただ、ときどき想うんだ。
絶望的な郷愁のなかであの日に帰りたいと。みんな同じだ、同じように考える。

酒を飲む。そうして想う。君に会いたいと。古い無声映画の白黒のフィルムの雰囲気に似て。
みんな懐かしい記憶だ。
それを押し殺して暮らしている。日々は流れやがて記憶は薄れてゆく。想いを込めて作ったはずの曲ももうとっくに忘れてしまった。

子猫の鳴き声、なじみの店、いつか離れてしまった仲間、雨のなかの三本足の野良犬。
いつまでも夢を見ている。
君は街角の地面にしゃがみこんでいっしょに吸った煙草を憶えているのかな?

君は何処かの街で暮らし、あるとき祈りの言葉を捧げるだろう。銃声のなかでまどろんでいるだろう。瓦礫のなかで助けを呼ぶ。戦闘機の爆音の下で、聞こえもしない詩を口ずさむ。
情報の波にのまれ、静かな音にきずけない。戦う勇気が君を現実のオトナにした。

どうか許してほしい。僕がこうなったのを。
僕は僕の路を歩く、ゆっくりと。
そんな夜道は寒くてやりきれなかったよ。ただ君の思い出が、暖かならんぷの灯りのようで嬉しかったんだ。

  君に会いたい


コメント (2)
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