眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

人を愛するということ

2008-12-25 | 
交錯した路の真ん中で
 途方にくれた10年前
  路上のアスファルトの路の水溜りに
   小さな魚の影が
    水溜りに跳ねた

  路が続く
   僕は路地裏の
    忘れ去られた家の軒下
     雨宿りをした記憶の断片は
      偽造された世界の中心点

       路地裏のそば屋でかけを頼む

    雨だ
     降りしきる

    雨だ
     疲労に酒が優しいのさ

      何かを愛するということは
       
       思想、信念、権力、いわれない暴力の軋轢

   ねえ
    優しくたい
     妬み憎しみ嫉妬
      舌足らずな声で誰かを撫でる
 
      生きているからね

     母が夢を見た
      父と旅行に出る夢

      母は旅行カバンを全部忘れた

       父は
        今まで見たことが無かったくらい
         大声で嬉しそうに笑ったんだそうだ

   そしてこう云った

     「家に帰ろう」

      優しいね

     人を愛すると云う事

   確かめて

     何が大切なのかね





      
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

着信音

2008-12-23 | 音楽
僕は機械が苦手だ。
説明書なんて見たことがない。この間、仕事場でブレーカーが落ちたので、「治しておいて」と言われた。事務所に入ると、配電盤が二つもある。大きい奴と小さい奴。しばらくなやんで、大きいほうの配電盤を開くことにした。まるで昔話だ。
「大きい玉手箱と、小さな玉手箱。どちらにしますか・・・?」
それで、よくわからないまま、暗闇のなかでいちばんおおきなスイッチに手を伸ばした。スイッチを下ろした瞬間、事務所のパソコンの画面が全部落ちた。
これはただ事ではないことは、いくら機械音痴でもわかる。いそいで管理課の職員を呼びにいった。「スイッチ入れたら、パソコンの画面が真っ黒になって・・・。」職員は血相をかえた。「お前、なにしでかした!?」
僕が触った大きな配電盤はパソコン用の配電盤だったのだ。まあ、何事も無くすんだからよかったものの、いろんな方に「お前、スイッチさわるな。」と指導を受けた・・・。
友達の家に遊びに行った時。携帯の着信音の話になった。
友人はへヴィロックの信奉者だ。僕の着信音を聴いて、「ぬるい。」と一言。
それで、あたらしい着信音を設定することになった。
いろいろ悩んだ挙句、デヴィン・タウンゼントの叫び声を着信音にした。すぐに気ずくし、街中でもだいじょうぶ!イカスゼ!というのが友達の意見だったのだが・・・。
夜中に部屋で、酒でも飲みながらまったりしていると、突然、とんでもない叫び声が部屋中にこだました。死ぬほどびっくりした僕は、それが着信音だと理解するのに10分くらいかかったのだった・・・。デヴィンのシャウト、半端じゃないですよ。不意打ちで電話なるたびに、叫び声で心臓止まるかとおもった・・・。

それで妥協して、ラウウドスの「ブラックウィドー」に変えたのだが・・・。
電話鳴るたんびに、Taijiのベースと高崎の激しく歪んだ音がユニゾンでせまってくるのだ・・。へヴィだ。
気に入っているけどね。
メールの着信音は、今は懐かしき、ガーゴイルだ。友達がネットオークションで落札した。ここのヴォーカルさんの詩はなんか趣きがある。「ギ」と言う曲があるのだが、とりあえずドラムのイントロが終わると、「ギー!!!」と叫ぶ。これは懐かしいので取っておいた。おかげで、メールが届くたび、「ギー!!!」という叫び声がこだまする。いつまで耐えられるか・・・?



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風の吹く街

2008-12-14 | 
風の吹く街角で出会った
 柔らかな雲を眺めて
  空の清潔な青に身をゆだね
   そうして優しくあなたは微笑んだ

    どうか
     食事と睡眠を大切にね
      どんなに哀しいことがあったとしても

       僕は煙草に灯をつけた
        草原の大地は風に揺れる
         いつか花束を贈ろうね
          大好きな君へ

    どうか
     食事と睡眠を大切にね
      どんなに嬉しい事があったとしても

       眠れない夜に眠ろうと音楽を聴き
        泣きながら飯を食うひとを
         僕は誇りに想う
          たとえ怖くてつらくても
           そこに未来に似た物があるのだろうか?
            僕は想う
           
            喫茶店で珈琲を飲んだ
           気に入りのカップで暖かな記憶に包まれて
          あの頃の僕達は
         ただ楽しくて
        終わりが来るなんて
       誰もきずきやしなかった
      あの部屋で僕はでたらめな詩を描いてコードをつけ
     君が眠たげに歌ってくれたんだ
    
    公園のベンチの行き場の無い哀しみ
   僕は憶えている空に投げた雲を
  青い道化
 舞台に立ち尽くし
身じろぎもせず息をついた
 手品使いのカードはほんの少しだけ
  余分なしあわせ ふしあわせ
   めぐり合わせる
    あの日と同じように
     めぐる日があるなら
      どうか許して欲しい
       訳もなく祈った
        
        ねえ
         たぶん今日という日は綺麗だよ
          憶えていて
           いつか君に花束を送ろう
            
            大切なこと

             食事と睡眠をしっかりとってね

              どんなに哀しいことがあっても

               どんなに嬉しいことがあったとしても

                生きることは素敵さ

                 見えた光景を忘れないで

                  光がさんざめく街角
                   風が通り抜ける
                    世界は美しい

                 ねえ
                憶えていて
               いつか君に花束を送ろう
              それまで

             待っているからね

            風の吹く街



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蝉の抜け殻

2008-12-09 | Weblog
石畳の坂道を登って、街並みや港が見渡せる高台。
寮はそんな所にあった。
僕らは多感な時期をそこで六ヵ年過ごした。
やっと手に入れたウォークマンで音楽を聞き流しながら、僕は図書館室で本をあさる休日をすごしている。
当時、僕の愛読書は多岐にわたった。ルドルフ・シュタイナーやコリン・ウィルソンの「アウトサイダー」を読み、坂口安吾をつまみに金子光春に泥酔した。
ウィリム・バロウズのサイバーパンクが最先端で、SF小説で知ったシュミッツやアン・マキャフリーで想像力を膨らます。
夏目漱石や鴎外の娘、森茉里が好きだった。懐に「イリュージョン」を持ち歩く。
そうして、コナン・ドイル。
ああ、「シャーロック・ホームズの冒険」

誰もいない事を確認しつつ、窓際で煙草に灯をつける。
一服している僕は、中庭の木陰で動く友人の影にきずいた。
  
  「獣医になりたいんだ」

少年だった彼は動物が大好きだった。
昆虫の採集に余念がなかった彼は、暑い日差しの中、今日も宝物を探して地面を掘り返していた。声をかけると、本ばっかり読んでんじゃないぞ~、と軽く手を振った。
ジャコ・パストリアスのカセットテープを聴いていた僕を彼がどついた。

  大物だ!見ろよ

友人の指先は土がついた蝉の抜け殻を自慢げに掲げていた。

  それ、どうすんの?

  おまえ、文字で遊んでどうするんだ?

まあ、彼の云う通りだ。
蝉の抜け殻を探すのも、本で夢を見るのも同じことだ。
時間をつぶすのに丁度いい。
意味なんか無かった。思春期のていたらく。

久しぶりにかって少年だった彼と飲んだ。
髭をはやして長髪だった。
仕事場で大丈夫か?と尋ねると、誰も文句いわないんだ、と云った。
彼は獣医にはならなかった。
彼の横には婚約者だという、素敵な女性が笑顔で微笑んでいた。

  蝉の抜け殻、って覚えてるか?

 おぼえているさ、今は取らないけど。

変わらない。
 意味なんてない。今も。
  ただ好きなだけ

   蝉の抜け殻

  石畳の坂の上

 それ、どうすんの?

かつて呟いた自分自身の言葉がやけに痛い



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

君と僕

2008-12-01 | 
指先でそうっと記憶を吟味する
 ギターの弦が傷んでいる
  早めに張り替えなくては
   司会が開演の挨拶を
    声高らかに告げたのだが
     舞台の幕が上がらない
      司会者が右往左往し
       出演者が不機嫌そうに控え室にもどった

        ブランデーを舐めながら
         もらったチョコレートを齧った
          こんな僕にでも
           優しさを恵んでくれる
          世界に感謝し
         甘さを抑えたチョコレートのほろ苦さは
        人の温もりと柔らかさが包み込む
       僕は哀しいくらいに幸せだった

     世界は流転し
    いつか終末を暗示させるだろう  
   それでも雲は流れゆき
  世界が繋がっている事を示唆する

    君と僕の世界は繋がっているんだね

  指先が切れた
   絆創膏を何枚も巻きつけ
    皿洗いをした日々
     行きつけのショットバーで
      三杯目のスコッチを飲み干す
       ふいに青空の下で風になびく
        真っ白なシャツを想い出したんだ

      この現実の界隈では優しさは得てして凶器だ
      安易な優しさで君を失ってゆく
      僕はおせっかいすぎるのだろうね

      色即是空
      空即是色

      因果律は次の生まれ変わりを運命を予感させ
      来世は出来るなら
      このままでいたい
      このままが

   チョコレートを齧った

    薄暗くした部屋の窓
     カーテンで光を遮断する

      大丈夫かい?

       世界をざらっとした感触で吟味する

        どうやら

         幕は上がらないらしい


          君と僕


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする