眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

記憶

2007-03-30 | 
  忘れるまえに
  記しておきたい
  忘れるまえに
  できるだけ
  記憶しておきたい

  僕には
  僕の場所が
  用意されているのかい?
  小さい頃から   
  不安だったけど

  あの夜は  
  しあわせだったね
  勝ったとか
  負けたとか
  誰も云わなかった

  記憶の周辺は
  にぎやかです
  それは
  とても清らかです

  でも
  それを見ている人の姿は
  なんだか
  哀しげです




     
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呼吸

2007-03-26 | 
ガラスのステンドグラスの窓は
 効果的に射し込む光を演出し
  思わず祈りの言葉を口ずさんでいる
   教会のミサ

    静寂に刻が消え
     風の音だけがただ流れさる
      禅寺の座禅

       空気が静かになったようだ
    
      呼吸がしにくくてさ
     ビルの屋上に立ち尽くす
    静かに呼吸する
   
   「呼吸しなさい」

   時期はずれのサーカス団の目玉は
    あの空中ブランコの少年少女と
     鏡の迷路
      コインを握り締め
       軽い興奮と共に入り口をくぐった夕暮れ時
        空想と現実が
         その境界線を見失う瞬間

         遊園地で
       誰も乗っていないメリーゴーランドが回る
      木馬は寂しげに虚ろな目をしている
     人間なんか乗らないほうがいいに決まってる
         それでも
       回らなくっちゃならない
        同じ場所を永遠に

      パントマイムが立ち尽くす
       瞬きひとつしない

      「呼吸しなさい」

       ビルの屋上で深呼吸した

      僕はサーカス団と旅に出たかった

     毎日にうんざりしていた少年の時間

      それでも回らなくちゃならない
        同じ場所を永遠に

       木馬が僕の目をじっと見つめてそう云った

       祈るべき何物を持っていないんだ

        同じ場所を永遠に



       
   
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地下鉄

2007-03-25 | 
街角の珈琲屋の路地を抜け
 地下鉄に通ずる階段を下りる
  排水溝の小さな隙間に
   煙草の吸殻を永眠さす
    まるで螺旋だ
     うずまき状の階段の形状は
      カップの黒に密やかに紛れ込む
       ミルクの白
        浸透圧が気になる処ではあるが

       階段を下りた瞬間
      人の波に意識を流される
     白昼堂々と行われた
    或る犯罪現場の装いで
   空気が薄く感じるのは刹那の間際
  現の奇妙なはからいは
 正当に打診された意識の混乱

   どうしてこんなに人が溢れているのだろう?

    意識が多すぎて困惑する感覚は
     公園で沈み込むひと時の休憩に救われるのだ
      人混みの座席は
       もう誰一人として座れそうも無い
        もはや
         君の居場所なんて売約済みなのだ
          野球の外野席だって満席なのさ

        視線と困惑気味の自我の要因は
         人混みの中に於いて
          ただ
           静けさを望んだ
     
           5分間でいい
            ただ
             静けさが欲しい

           地下鉄の座席

           居場所は混沌とした

           意識の嗚咽




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暫定的な暮らし

2007-03-05 | 
安穏とした日常に現を抜かし
 曖昧模糊とした世界に
  厳として存在す

 電子レンジの解凍時間がよく分らず
  半場 生肉のままの物体に噛り付く
   いるべき人がいないとゆうこと

  安定
 憧れはするが
  暮らしは
 どちらかといえば
  暫定的なもの
 地球の回転の中でふらふらと揺らぐ

  最近
 ため息ばかりついている
美味い酒にありつきたいのに
 人間という状況の
不自然さとめんどくささといったら

   デジャヴィウ
  下界の暮らしはこんなものさ
 いつもと同じ
  そうして
   変わらぬ不安としあわせ
  
   たまには一杯
  懐かしい顔をつき合わせて
 やってみたいもんだね
  少しばかりね
   帽子のかぶり方が気になるよね

    あなたがいないということは

      暫定的な暮らし

    不安を
  手のひらに握り締めて
   
   あの夏が永遠のものだと想っていた
    馬鹿な話だ
   暑いはずのこの島も
    冷たい風が
    乾いた皮膚の表情を撫でるだけ

     4ヶ月たったんだね

      蝉の声が
     狂ったように
    耳に残っているんだ

     夢を見たい
    



  
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