眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

よくある出来事

2006-01-30 | 音楽
あるミュージシャンが活動を終える。
或る時期に流行り、もてはやされ、それから・・・。

僕は彼女のポップでシュールな歌詞が大好きだった。いま想えば、音楽は彼女のなかの何がしかを表現する、ひとつの手段だったんだ、と素直に感じるんだ。
2枚のフルアルバムを残して消えてゆく。
いや、彼女は自分自身に戻るだけの話かもしれない。
飾らない、イメージの世界の偶像からの脱却。
肥大した自己の再構築。

   等身大の自分に帰る。
    それだけのお話だ。

  世界はひどく矢継ぎ早だから、忘れる事に慣れきっている。
   誰がどうなろうとかまっている暇なんてないのかもね。

でも。
自分が素敵だな~と感じる方々が何処かへ行ってしまうのは、やはりひどくつらい。何かを置き忘れた気分になる。

    初恋みたいなもんだ。
     いつか
    名前さえ忘れてゆく。

忘却の果てに、どれほどの素敵な感性が磨耗されたのだろう?

彼女は彼女としての名前を捨てる。
よくある出来事のひとつ。
たぶん、彼女の繊細な感性は、音楽や音楽それ自体に内包された制約に飽き飽きしたのかもしれないし、それで作られた寓話化された自分の存在に価値を見出せなくなったのかも知れないね。

  空はずうっと繫がっているから。
   いつか彼女の作品に触れる機会があるのかも知れない。

   たのしみにしていよう。

    すこし寂しいけれどね。
     ありがとう。
      今日はきみの唄で眠るよ。


        またね。




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紅茶

2006-01-28 | 
紅茶を入れて飲んだ
 普段 あまり飲まないけれど
  今日は紅茶だ

  なるべくなら
   渋ければ渋いほど良い
    連れが
     「こんな濃ゆいの飲めるか」
      と、顔をしかめるくらいのね

    余り詳しくは無いけれど
     今まで飲んだ紅茶のなかでは
      「ウバ」
      というのがとても美味しかった

     多分
      遠い異国の葉っぱなのだろう

    紅茶をストレートで飲みながら
     優しい音楽を眺める

   友達がね
  音楽をプレゼントしてくれてね
 それがまた素敵なのさ
会ったことはないけれどね
 僕はこの友達に
  何度も救われているのさ

   そんなこと云うと
    笑うかな?
     優しい音楽は
      いつだって疲れ果てた
       僕の気に入りの音楽

     紅茶を入れた
      香りが良いよね

      琥珀色の美しさ

      透きとうる世界

      たまにさ
       ややこしいよね
        生きるということは

      でも
       絶望するほど悪かない
        わりと好きなんだ
         生きるのは

       音楽と暖かな紅茶の
         午前二時

      なんだか  
       しあわせなんだ

        雑居ビルの孤独
         ビルの谷間の古いアパート

     畳がそうとう痛んでいた
    滲みが取れる訳も無い
  途方に暮れるだろう

 紅茶を入れて一服
煙草でも呑むのさ
  
  大好きな音楽に
   ゆっくりと包まれて


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青い月

2006-01-26 | 


   寒いよ
    
    誰か暖めて

     天空にひそむ

      青い月




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2006-01-19 | 
ギターケースの鍵が
 開かない夢を見た
  どうしても開かないんだ

  幾つか鍵を持っていた

   いつか
    鍵の入っている場所にいた

   僕らは鍵を手にしているのだろうか?
  もしかして
 もう失くしてしまったのではないのか
持っている筈の
 そんな鍵が
  どうしても見つからない

  扉が閉ざされたままで
   
   ハンバーガーショップの冷凍庫に入ると
  物凄い寒さで
 友達が悪戯で
重い倉庫の扉を閉め
 鍵をかけた

  けっこう寒いんだね

        ねえ
         この世界から抜け出す
          鍵は
           何処にあるんだろうね

            とりあえず
           ギターケースをどうにかしないとね




  
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白昼夢

2006-01-18 | 
何処かへ落ちてゆく気がしないか
 始めはゆっくりと
  そして
   だんだんと

  意識を失った牡鹿は
   自分のからだを
    訳もなく傷つける

   名を呼ばれる
    実存しない名前と
     12の頃から
      狙われていた 夜の月

   話しかけてくる意味は
    夜中に
     突然
      窓から入ってくる

   涙ぐむ瞳
    誰が誰の為に
     何を想い溜息を吹きかけるのだろう

   白い粉より冷たく
    虚空を眺めた
     代表者の詭弁は
      汚れ無き誰かを地に落とす

    守りきれない足音を想い
     こだまする声に
      耳をふさぐ

     
          透きとおる冷たい朝の早すぎる空気
           新聞配達の音
           
           まるで
          まるい地球儀を抱きしめた
         タロットカードの女神の様
        運命を操る
       彼女は
      深い緑の森の中

    隠れ家を探し当てる
   
   ヘンデルとグレーテル

  醒めない夢は君達から

「起きなさい」

スープの匂いが立ち込める暖炉の部屋

「起きなさい」

  仕事の準備をしなければ
   手早くしかも確実に
    
    夜明けだ


            
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消しゴム

2006-01-09 | 
壊れた玩具
 消しゴムで
  消せない
   ボールペンの文字に
    びっくりしたんだ

  大切なものを
   忘れてしまう

   大切な人の匂いが
    薄れ行く
     記憶の曖昧さが

    こわいのは
     大切だったもの

     消しゴムで
      消えないものが
       欲しい


  
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夜景

2006-01-08 | 
優しい雨が
 彩る
  冷めてゆく
   オルゴールの音色

口笛を吹かそう
 渇いた
  灰色の中に

   船が出てゆく
    深夜便の汽笛がゆっくりと鳴り 
     深く居たたまれない
      音色を奏で始める

    淋しいか
     しびれた左手に尋ねる
    淋しいと
     冷えた右手が答える

     全てが
      石の様な記憶になるなでに
       まだまだ長い時間がかかるのだろうね

    切ないか
     擦り切れたジーンズに
      尋ねる
    切ないと
     不安の影が
      虚ろに答える

     罪の無い日々

     揺れ動く回廊

     灯りが震えている

     四角い窓から眺める

     夜景の港






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2006-01-01 | 
白い雲に揺らぐ
 光線の斜線に
  何故か当惑する日々の行く末

  ワインを注いだ
   グラスの白に
    紅い線が流れた

   ノートのワンシーン
    未だ語られぬ言葉達が
     困惑した僕を
      軽く舌を出す仕草で
       物憂げに垂れ込むのだ

   友人の部屋で
    グレッチの
     真っ白なホワイトファルコンは
      いつしか煙草のヤニで
       クリーム色に変色し染まる

     運命論者ではないが
      決して生かされる奇跡を
       わざとらしいとは想わない

      林檎に埋もれた部屋で寝てみたいと
       少女が夢見る
      葡萄じゃいけないのかい?
       と尋ねる僕に
       彼女はしらりとした一瞥をくれる

        「あなたは 何も わからないのね。」

        手向けた花は

         真っ白だ

         いずれ

          汚れ
           薄らぎ
            現実に磨耗されるにせよ

              悪いことではないよ

            そうさ

            決して

              悪いことではないさ



     
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