眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

伝達

2006-04-28 | 
高架線の電線を
 シグナルが走る

  伝えたいこと
   拙い表現能力だけど
    かなり酔っ払っているけれど

    「愛している」

    伝達はまるでゲームのようだ
     意思がまるで伝わらない
      可笑しな独りよがりさ
       話の筋道もありゃしない

      伝えて
       貴方を愛していることを
        酔いどれの独白
         君は大丈夫 と云ってくれた

       伝えて
        どれだけ貴方を愛しているか

        夜の三日月に祈る
         どうか
          邪魔になりませんように

          ただ
           記憶の中
          貴方を愛している

         助けて
        と
        アイシテイルは
         なんだか
          よく似ているね

      君は寝ぼけ眼だった
     伝わるだろうか?

    大切に想うよ

   残されている
  時間の中で


   空
    業
     IMAJIN

「ベンツが欲しい」

       あたしも一応
        お母さんなの

        青

         伝達すべき言葉は
          ただ

        愛している

       鈍い痛みが走った

       ただそれだけ



  
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自己嫌悪の比率

2006-04-21 | 
それらが容赦なく
 降り注ぐ
  たらい回しにされた意識の錯誤
   今夜もあまり良い出来ではない僕は

  自己嫌悪の比率

   上昇し下降する
    甘美な夢には程遠い
     現実のしがらみといったら
      僕は中央分離帯を見落として
       反対車線に突っ込む

   これ以上失いたくない

    失笑を買い
     冷徹な模索で
      この言葉は却下される
       呆れた話だと
        一笑に付される

     大切な存在と
      その意識の変容は
       唐突に僕が存在しない世界を意味する
        タンブラーグラスでスコッチを飲み続けた
         悪い癖が
          また始まったらしい
        アルコールの匂いと
       見落とした定規と

     比率を正確に測るには
    現実的な日常から逃避し過ぎたようだ
   自己嫌悪は誰しもが持つであろうが
  今夜
 少しばかり飲みすぎた
二回吐いたが
 胃液しか分泌されない
  お願いだ
   人の煩悩が百八つ
    一つだけでもこの重荷を下ろして

     贅沢がはびこる深夜
      唐突に
       要らなくされた存在は
        がらくたなんだね 「マネキン ヒトノカタチヲシタ」

         舌を出す仕草が
          物怖じせず誰かを抹消す

     消されたんだよ

    深い溜息でピエロの帽子が笑う
   
   呆れ果てた戸惑いの中
  僕は疲れ果て
 自分自身が誰かに同じ仕打ちをしたことにキズケナイ
自己嫌悪の比率だけが
抽象化された馬鹿げた自意識の過剰分だけ上昇す

  何時か同じ風景と迷路に迷い込んでいる
 
   お願いだ

     大切なものを

      大切でいさせて

       神様

        そこにいるなら


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連絡網

2006-04-14 | 音楽
絆のひとつひとつが
 あまりにも美しく
  背筋が凍りつく

    どうして真夜中の波止場で
     男がサックスの練習をしていて
      どうしてその音色を聞き流しながら
       僕はウィスキーの小瓶に口をつけたのか?

     業

    僕らは曖昧なまま生活の一部に埋没する

   瞬間が永遠で無限だと
  ウィリアム・ブレイクが語りかけた

連絡網は緻密な打算
 在りもしない外国の住所に
  手紙を投函する

   しゃらん
    と鈴の音が聴こえ
     衣装に身を包んだ踊り手が
      まるで時間を切り取るかの様に手首を返してみせる

    明らかに
     彼女は舞台を世界の無限に変えた
      変容する時空間の再構築
     僕は暮らしを忘れ
      その所作に没頭した

       あるいは
        酒場のヴァイオリン弾き

         指が濡れると弾き違えるからと
          ぬるいワインをグラスに一杯

         画家のアトリエの粗雑なデッササン
          ステンドグラスの窓
           モデルになった十字架は

          連絡網は不可解極まりない

        いつでも連絡が取れるはずが
       いつしか
      忘却の彼方

     
       

  
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噴水

2006-04-08 | 
広い公園の中心に
 水の無い噴水がたたずんでいる
   広場の鳩が一斉に舞った
    僕は孤独を愛している振りをしている

  噴水の片隅に座り
   バスの発車時刻まで
    黙って灰色の空を眺めた

   本当はバスの時刻なんていらなかったんだ

    僕はそこに在る限りいるべきではなかったのだろうか?

     正面には大きな美術館がそびえたつ
      欠けらも興味がなかった
       ひんやりとした空気
        コートのポケットに手を突っ込んでいる

    まだ10代だった頃の記憶
   在るべき筈のものが無いという空虚感は
  思春期の青さを痛く刺激する


  類義語は

 「動物のいない動物園」

   僕は感傷のカケラをポケットに
    手当たりしだいに突っ込む
     どうして噴水に水が無いのか考えもせずに

    噴水の底はひび割れた大理石
   
     老夫婦がベンチに腰掛けている
      女性がひとり本を読みふける
       僕の視線にきずいて
        彼女は微笑みながら会釈した

     閑散とした土地
    僕は道どころか
   言葉さえも上手く話せない

  
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フェンス

2006-04-06 | 
  救いを求めて
  救いに似たようなものにすがる
  しあわせを求めて
  甘ったるいショートケーキのような
  夢を買いあさる

  ハードボイルドは小説の中
  恋の夢は映画のワンシーン
  それ以上の現実(リアル)は
  食べ、眠り、排泄すること
  昔 夢見た事柄は
  とても大切だけれど
  誰かの記憶
  僕が忘れたこと
  君が失くしたもの

  僕は考える
  ある風景
  少年はおもちゃのピストルで
  はしゃぎ
  少女は浜辺にうちつけられた貝殻で
  買い物の真似事をする

  誰かれなく
  不安を口にしたがる
  よせばいいのに
  答えはないようなものだから
  それでも
  地続きの生を
  這いつくばってでも
  生きる決心をした

  それ以上の現実(リアル)は
  食べ、眠り、排泄すること
  優しいまどろみは
  ほんの一瞬の夢

  強さを求める人は時として滑稽だ
  雨に濡れた
  三本足の野良犬の方がはるかに強い

  うそつきの嘘
  うそつきの強さ
  叩き潰された
  夢や弱さや孤独だけは
  苦いけれど
  本物の味がする
  そんな気がする

  失われた風景の中で
  僕は思う
  「それいくら?」
  少女に向かって男が聞く

  フェンスごしの世界が
  フェンスを越える
  それでも
  生きる決心をした
  皆が涙ぐまないよう
  祈る為に


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記憶の残像

2006-04-04 | 
テープに
 何を吹き込もう
  言葉は意味を見失った

 「記録」は
  出来うるならば残さないが良い
   古すぎると鮮明すぎるし
    新しければ感情に歯止めがきかない

     まるでアクセルしかない
     特別にあつらえた危険な玩具だね
    片足を踏み込んだ感受性には
   どうやら耐えられそうも無い

 「記憶」は
  その点に関しては
   往々にして無難だ

   新しければ新しい程
    新たな小節が付け加えられ
     どうにか日々をやり過ごせる

      どうか
     明日という日が
    しあわせでありますように

   古い記憶は
  微かな日の斜光にも似た
 わずかな残像

  起きる度見落とす
   夢のようだ
    昨日の夢では僕は駱駝に乗った
     商人だったらしい

    記録は消したが良い
   消しゴムで
  あるいは黒板消しににて

   残されるのは
    歪曲され
   耐えることの出来る
    記憶の残像

   
    それだけで

  それだけでいいじゃないか


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意味

2006-04-03 | 
意味を探した
 困惑の時間
  僕はいつものように路に迷ってしまった

  路に迷った記憶
   友達が
    「ばいばい」
   と元気よく路地を駆け抜け
  気付くけば
 一人ぼっちで途方に暮れる夕刻
不自然なままに夕焼けが赤い
 
  呼吸に神経を集中させて
   楽に良きを出来なかった
    考えすぎはいけないね
      
     交通渋滞の苛立ち
      腹の減った
     冷蔵庫はからっぽの無神経さ
    それは罵詈雑言とおんなじなのだが
   ソーダー水を飲んだ

 意味を探すと
  路に迷ってしまうからね

    水と食料を忘れぬよう

   そうして

  羅針盤もね

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