眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

夏の陽炎

2007-04-24 | 
ワイン持ってけ、sherbet.
先生がボトルを指差す
  グラス一杯分あるぜ
   寝酒にしな

  郵便屋さんを待ちわびたのは
   全体 いつの頃だっただろうか?
    世界の色素は沈着し
     根無し草の地を這った

    皿洗いもまんざらじゃなくなった頃
     僕の指はがさがさだった
      「主婦湿疹。」
     誰かが笑った
      楽器を触ると
       割れた指に痛みが走る

     試行錯誤の現実は
    決して甘い物ではなかったが
   それでも
  夢があった
 ありきたりの言葉だね

   連続されるフィルムを映写機で回す
    音のない画面に
     誰かが声をあて
      なにがしかの意味を繋ぎ止める

       100万光年離れているとしよう

        残像は記憶

        実態はもはや消えてしまっているよ
         天体望遠鏡
        レモネードの夏の名残

       この夏流行った曲など知らない


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三本目のビール

2007-04-24 | 日記
退屈な昼間にビールを飲むのは素敵だ。
昔からの密やかな夢であり楽しみだ。
今日は良い天気だ。発泡酒の出来合いの酔いは、僕の脳みそを開放させる。

 嫌な奴は誰にだって必須事項。
  だから、大好きな音楽でも流して縁側で
   暑い日差しの極楽往生。

 極楽。

 昼間の三本目のビール作りは、まるで夏休みの午後。
  届かなかった地平。
   少女と遊んだ影踏みの残像。

 サトリアーニがスチュアート・ハムとジョナサン・ムーバーと残したライブアルバムを聴く。最近、聞いていなかったな~、なんて思う十何年前は。
 
蘇る、刹那の記憶。
 ひっく。
  完全に酔っ払っている。
   いやな事なんかぜ~んぶ忘れてさ。
    酔っ払い。
いいね~。
    酔っ払い。
 精神の酔いどれ。左翼も右翼もこっち側では酒を飲む。
  三本はちょうど良い頃合い。
   文句を言われるには、ちとはやい。
    いい気分の一歩手前。
     悪くない。

  酔いどれに似あう生き方。
    音楽。
人それぞれさ。
 思想も哲学も、血の滲む孤独とないがしろにされた不安から生まれた。

  音楽は。素敵さ。
クラッシックもジャズも演歌もハードロックや打ち込みのデジタルも。
 ブルーズもコヶットなシャンソンもボサノバも。
  繫がる回路。
 まわる酔いに合わせて、溝端さんのギターが心地よい。

ディ・メオラ、パコ、山下和仁、ジョー・パス、ジャコ、管野、
  ランディー、マイケル・シィエンカー、ロバート・ジョンソン。

   素敵だ。

    浅井健一。


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ノスタルジア

2007-04-21 | 
陳列された世界が
 ショーケースの中で冷笑している
僕らは半ば絶望的な面持ちで
 諦めにも似た虚像を
ポケットの中のありったけのコインをかき集め

 買おうとしているのは
夢か希望か人の生き死にか

  「ノスタルジア」

たぶんそこが僕の生まれた処
 たぶん始まりの場所で終わるべき帰る場所

  何時かの暑い真夏の午後
少女と迷路にも似た石畳の街の路地を
  彷徨い歩いた
影は キリコの絵の様に 長くのびた

現実から乖離し
 幻想に垣間見る
瞬間
僕とあの子の記憶は
 遠すぎて見失ってしまったんだ

街並みが街頭の灯りで青い音色を唱える夜
地下街はまるでパレードだ
  やがて店のシャッターが時間どうりに下りる

  奇人たちの夜はこれから
ピエロが笑い 大道芸人たちの
口から吐かれる炎 ジャグリング 
  オルゴールの音がそっと
回転木馬がまるで
 地上が定期的な周期で回る様に

  あれほど待ち焦がれ
   夢見た世界は
 遠く遥か彼方
  何処へいってしまったのだろう
 あの気持ちも
少女も 
 一癖も二癖もあった気のおけない仲間達も

 たぶん
おそらく
 「ノスタルジア」に
   帰ってしまったんだね
僕は螺旋階段にしゃがみ込み
 震えながら待っているんだよ
  いまだって

   煙草とワインの空瓶だけが
     増えている
      願いが叶うなら
       いっそのこと



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ジョン・クーガー・メレンキャンプ

2007-04-11 | 音楽
その夏はとてもとても暑かった。
フレズノという町に一ヶ月いた。何もない町だ。待ってもバスやタクシーはいっこうに姿をみせず、僕らは強烈な陽射しの中、トボトボと歩いた。飲み物の自動販売機もない。やっとの思いで辿り着いたマクドナルドで、バケツみたいな巨大なカップのコーラを飲んだ。

「なんでフレズノなんて、畑と砂しかない所にいったんだ?一ヶ月もあんなとこにいたら退屈でおかしくなるぞ?」
サンフランシスコ在住の従姉妹は信じられない、と方をすくめてた。

このどうしようもない町で、唯一、ラジオから流れてくる音楽だけが楽しみだった。

この時期、ラジオから流れてくる沢山の音楽の中に気にいった曲があった。
ジョン・クーガーの 「check it out」。

すぐにこの町唯一のショッピングモールで、喋れない英語を必死に使いレコード屋の定員に、「ジョン・クーガー!」と連呼した。

彼のテープを手に入れ、僕はウォークマンで一夏中この曲聴き続けたのだった。
初めていったアメリカは、だから僕には彼の歌声しか記憶に残っていない。
でもとてもいい曲だ。

彼は今はどうしてるのかな~?
ほかのミュージシャンのプロデューサーとして敏腕を発揮している、とも聞いた。
でも、ほんとうにいい曲だ。
「check it out」

夏が近ずく。
ビール片手にまた久しぶりにこの曲を聴くことにしよう。





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ささやかな

2007-04-09 | Weblog
ささやか演奏
 大きくも無い
  小さすぎる訳でもない
情熱を内に秘め
 大切なものをこっそり教えてくれるように
  音を紡ぐ

密やかな優しさ
  主張せず
   押し付けもしない

  振り切れない想い
 白黒のフィルム
  夢 
 現実
  白昼夢
   踏み潰された 煙草のフィルターの
 みじめさ
  痛み 吐き気 眩暈

 そうして
   やるせない自己矛盾
  好きになってあげないといけないのにね
   自分を

ささやかな演奏
 僕は一人きりでテーブル席につき
ウィスキーを頼んでちびりちびりと
酔いがまわりはじめ
 僕はまどろむ
どん底に突き落とされた
  自己嫌悪からささやかな感情が
 僕のこころを弛緩させてくれる

ささやかさというのは
 それが優しさであっても 哀しみであっても

耳元で息をひそめて話した

  ささやかに

   愛し 愛されたい

  疲れたときには

   ぐっすり眠ろう

       悪い夢が訪れませんように



 
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バドワイザー

2007-04-03 | 
遠い南の小さな話
 空気の中
  魚の影が笑い鳥たちの飛翔が
   まるで夢の続きだとため息をつく
    昔話の石畳は城へと続いているのだ
     いまだってね

    かつて
     海の果ての太陽の登るほうを指し示し
      ニライカナイと呼んだ
       海の幸を神に捧げ
        音楽と踊りで世界に祝杯を挙げた
         遠い昔の物語

         小さな船で海に乗り込んだ
        「海人」と彼等は呼ばれた
        世界は戦火を免れたが
       何故か武器だけがたくさん残された
      戦闘機の爆音と人込みの喧騒
     選挙を告げる演説の声は
    あまり美しくは無い
   黒テントで囁くように唄う
  森田童子の声はあんなに哀しかったのに
 
 バドワイザーおくれよ
  キンキンに冷えた奴を
   
   煙草を揉み消した
    ブーツなんていらない
     さんだるが丁度良い
      アスファルトに刻まれる人間の輪

        屋上の物干しの白いシャツが風に揺らぐ
         空はこんなにも青かった
          雲が知らん顔でゆっくりと流れ行く

           こんな風に暮らせたら

            仲間と浜辺でビールの空き缶を作る

             バドワイザーおくれよ

             こんな風に暮らせたら




  
 
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