眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

零ー青

2014-07-16 | 
信仰を持たぬ者の祈り

 許して

  この様にして

   僕は此処に現に存在す

    助けて

     願わくば

      この観念の領域で

       救って

        境界線上の出来事

         お願い























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ピアノ

2014-07-08 | 
絶対はないよぜったいにね
 
 そう云って君はピアノの前に座った
  鍵盤を呆れるくらい眺めてから
   そっと音を紡いだ
    まるで深い森の中を永遠に彷徨うような演奏だった
     君の指先はけっして技巧的では無かったけれど
      紡ぎ出される旋律の幾つかは
       とても親密で僕の心を哀しくさせた
        まるで
         まるで終わってしまったパレードの様に
          空き地に集う野良猫たちが優しく眠るそんな夜
           テントの片付けに余念の無い
            ワイン臭い息を吐くブランコ乗りや
             赤鼻の道化師たち
              全ては終わってしまったのだ
               あの暗黙の領海に於いて
                投げ捨てられた煙草の吸殻  
                 手のひらの数枚の銀貨

                 君が云う
                暑い夏の夜
               炎天下のグラウンドで
              飽きもせず世界を想った
             
             乱反射する逆光
            遮断された意識
           酩酊する余念
          たぶん嵐が来る
         何時かの記憶
        
        星は見えないよ
       永遠の天体観測には
      赤ワインは欠かせない
     抱きしめたボトルの数だけ君は微笑んだ
    天窓を覗く僕に
   けっして存在しないサーカスの旅団が手招きする

  行こう
 あの窓から逃げるんだ
旅に出るんだよ

 黒猫のハルシオンが優美に指揮棒を振る白夜
  いっそ零れ落ちた涙の数だけ
   沈黙の度合いは増す
    あの哀しげな旋律
     永遠に追いかける影の歩行
      一足ずつ慎重にステップを踏んだ
  
       絶対はないよ、ぜったいにね

        君の声が木霊する昨日
         一週間は矢継ぎ早に通り過ぎるのだ

          可笑しいよね
           金曜日はあるのに銀曜日が無いのは
            くすくす君が微笑む
             あのピアノの演奏が
              耳朶を優しく舐める
   
               行こう
                旅に出るんだよ

                 旋律が流れ
                  いつか僕等は旅人となった

                  風の流れを頼りに
                   我々は永遠を探した
                    永遠を愛した最果ての国

                     ピアノの音が転がった夜


                      行こう


                       旅に出るんだよ












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