眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

始まりの終焉

2013-12-05 | 
哀しみの色に滲んだ青の洞窟
 水面の波から身を隠し
  そっと深海へ手をのばす
   やがて呼吸音以外なにも聴こえなくなるのだ
    世界は静謐な静けさで
     僕の意識を奪い去り
      白昼夢の石畳の坂道に於いて
       風景画のデッサンに余念が無い
        窓の外へ身を乗り出し
         突然空の青さに泣き出してしまいそうなのだ
          予感を孕ます
           残暑見舞いには
            何処かの誰かの近況が興味深く報告され
             補修した記憶で
              差出人の名前を思い出そうとするが
               決して想い出せない

               空間が歪み
              魚の群れに餌をまく
             群がる魚群は
            手のひらに影を残す
           忘れ去られた風景
          想い出せない記憶
         我々は群集と呼ばれる
        哀しみの色に滲む空間
       冷たい水の中でただ呼吸の音に
      敏感に反応するのだ

     世界の呼吸
    光が差し込む洞窟で
   君は持ち出し禁止の書籍に目を通し
  文字を写本して悪戯に僕に舌を出す
 紅い舌が皮肉に笑い
僕等は世界の呼吸について深夜零時まで考察する
 お休み罪深き者よ
  今夜も見捨ててしまった
   呼吸に合わせて胸元が上下する
    空が青すぎるのだ
     名前が想いだせない
      だがしかし
       名前など確かに存在したのだろうか?
        記号でしかない発音に
         僕等は固有の存在価値を見つけ出そうと努力する
          本当は深海の底に全てが置き去りにされているのにも関わらず
      
           どうしたの?
          レモネードを舐めながら少女が尋ねる
         からん、
        と氷の音がした

       探しているんだ

      僕の手が震えているから
     少女は優しくささやく

    パレードはあの街の広場よ
   野良猫たちが教えてくれたわ
  
  すっとんきょうな声で猫達が歌う

 さあパレードだあの街の向こう
そこでまた始まる
 始まりはいつもあの空の向こう
  
  暮らしは楽になったさ

   でもあの夢をよく見るんだ

    始まりはいつもの広場よ
    
     忘れないで

     少女の声が木霊する

     時間に遅れないで

     記憶に追いつかれる前に



      青




     予期された




    始まりの終焉


















コメント (2)
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