広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

葉っぱキャラ

2009-09-30 19:33:11 | 津軽のいろいろ
ゆるキャラブームで最近はいろんなキャラクターが登場している。青森県津軽地方在住、あるいは北東北の高速道路・幹線道路などをよく通る方は、このキャラクターを目にしたことがあるかもしれない。
葉っぱが帽子をかぶって運転中
これもゆるキャラに該当するのでしょうか?
これは青森県弘前市のバス会社「弘南バス」のエコ運動のシンボルマーク。特に名前はない模様。
1年前の2008年10月から、「君なら出きるエコへのチャレンジ」として、業務運転中のエコドライブのみならず、それ以外の家庭などの場面でも節水・節電等に全社員あげて心がけようという運動。
 公式サイトでの紹介(gif画像) http://konanbus.com/top_gif/echo_drive_main.gif
だから、「エコドライブ」というより「エコライフ」の方が適切な言葉かもしれないが、乗合・貸切全車両の後部やイトーヨーカドー弘前店1階のバスターミナルにこのシンボルマークのステッカーが貼られている。
 貸切車と路線車
弘南バスは古い車両が多く、信号待ちなどで自動的にエンジンを切る「アイドリングストップ」機能付きの車両はとても少ない。対応していない車両でむやみにエンジンの停止・起動を繰り返すと、故障の原因になると聞いたことがあるが、そのためか弘南バスでは信号待ちではエンジンを止めない。でも、バスターミナルなどでは、到着してただちにエンジンを止めることが多く、この運動が浸透しているようだ。

僕ははじめはこのキャラクターの目つきが気持ち悪いと思っていたが、見慣れるとなかなかかわいく思えてきた。名前を付けてキャラクターグッズでも売り出してはどうかな?

一方、秋田県中央部のバス会社。
 
こちらも後部にステッカーが貼ってあり、「グリーン経営認証 交通エコモ財団」とある。
交通エコモ財団は「交通エコロジー・モビリティ財団」といい、交通機関のバリアフリーや環境対策を推進する組織らしい。大手鉄道会社も加盟している。
財団の事業の1つが、このグリーン経営認証。環境に対して客観的に見て一定の取り組みを行っている事業者を財団が審査・認証・登録する制度。

この制度は、バス会社の場合、会社一括で認証を受けるのではなく、営業所ごとに認定されるらしい。調べてみると、秋田のバス会社で認証を受けたのは秋田営業所だけ。残りの秋田東・臨海・男鹿・五城目の4営業所はリストに載っていないし、実際その4営業所所属のバスにはステッカーが貼られていない。
2年ごとに更新される制度で秋田営業所は今年初めに更新されているが、他の営業所では認証すら受けていないことになる。なんとも中途半端。
未認証の4営業所分は申請していないのか、審査で落っこちたのか知らないが、つまり秋田市内で見かけるこのバス会社の車両でも、半分以上はステッカーを貼っておらず、認定対象外ということになる。

そもそも、認証を受けていても乗客にとってはメリットは感じない(会社イメージが良くなり経営が安定するとか間接的にはあるのだろうけど)。認証や更新には手数料・審査料なんかをがっぽり取られるのかもしれない。認証を受けていなくても弘南バスのようにきちんと取り組んでいる会社もある。だったら、弘南バスのようにオリジナルキャラのステッカーの方で充分じゃないだろうか。


弘南バスに話を戻して、ほかにも弘南バスはしっかりしているなと感じる点がいくつかある。
弘南バスの車内には、乗客から意見を募る郵送料受取人負担のハガキが置いてある。さらにそれらの意見を定期的にまとめ、その返答とともに1枚の紙にしてバスターミナルに掲示している。
「お褒め/ご要望/お叱り」などと分類している
かつての秋田市交通局も「お客様の声ハガキ」を車内に設置していたが、返答の公開まではしていなかった。個人的には、送り主にさえしっかり対応すれば、他の客にまで公開する必要はないと思うし、掲載されている苦情の多くも「運転士の挨拶がない」とかあまりに基本的なことすぎる気もするが、真摯に利用者の声に耳を傾け、対応しているのはよく分かる。
メールで間違いを指摘してもちゃっかり修正してお礼のメールもよこさない(←シツコイですが)ような某バス会社とは雲泥の差。

また、この時は「運転士がマイクを使って案内をちゃんとしているかどうか」について限定の社外モニターを募集していて、少しでも利用者の声を聞き、それをサービスに生かそうという会社の意識の高さが分かる。(3か月間に10回バスに乗ってその状況をレポートすれば、3000円分の回数券をくれるそうだ)


会社の意識といえば、今年の春、弘南バスのダッシュボードに金色に光るものが置かれているのに気づいた。
 
写真を拡大してみると、黒い書類挟み(運行日誌などを挟むのだろう)に金文字で「企業理念/安全輸送最優先うんぬん」などと書いてあり、弘南バス株式会社の企業理念が書いてあるようだ。全車両ではなかったが、何台か同じように置いて走っている車両を見かけた。
ダッシュボードに置いて、対向車や通行人の目に触れることを前提として作ったものではないだろうか。自社とその理念に誇りを持っているからこそできることだと思う。何となく頼もしい。


何度も繰り返すが、地方のバス会社は厳しい経営状況に置かれ、どこも苦労している。だから、多くの人に利用してほしいし、政府や自治体ももっと関わってほしい。
でもバス会社側も、民間企業とはいえ、その地域の住民の足である公共交通を担っているのだから、現場の社員から内勤社員そして経営者に至るまで全社員が、自社を頼りにしている乗客がいることを忘れずに業務を行ってほしい。
僕にはそうした企業の意識が案内表示やクレーム対応に反映されているように思えてならない。
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弘前の選挙掲示板

2009-09-29 19:32:05 | 津軽のいろいろ
※関連記事はこちらこちら
選挙ポスター掲示場(掲示板)の設置場所は各市町村の選管が決めているそうだ。先日の選挙期間中に各地の掲示場を見て、その設置場所にはある程度の法則があった。
・市の代表駅クラスの大きな駅前にはないことが多い(秋田・大館・弘前・松江各駅前にはなく、出雲市駅前にはあった)
・市役所の近くには必ずある など
また、少なくとも秋田市の場合は、市立学校、市立保育所、コミュニティセンター、児童公園など市管轄の施設の前に多い。これは民家前など私有地に立てる場合は所有者の許可が必要だし、迷惑になるからではないだろうか。(ただし公職選挙法では「土地又は工作物の居住者、管理者又は所有者は、ポスター掲示場の設置に関し、事情の許す限り協力しなければならない」とされている)

そんな事情はどこの自治体も同じなのだろうが、青森県弘前市でヘンな設置方法を見かけた。
その1・ウラもオモテも
弘前公園から西へ1キロ。岩木川に近い新興住宅地の城西地区。
 
バスが通る住宅街を貫く道は、片側1車線ながらも中央分離帯や広い歩道があり、城下町弘前には珍しいゆったりとした道。大雪でも捨て場に困らなそう。
その道路上のあるバス停は、歩道を大きく切り欠いて設けられていて、バス停部分と本線の間にも分離帯がある。
その分離帯の上に掲示場がある(上の図の赤い部分)
しかも背中合わせで両面式!
つまり、バス停を向いている面と車道を向いている面がある。車道側の方がわずかに背が高い
道路管理者(市か県)管轄の分離帯だから、設置の手続きは楽だろう。設置作業も少し効率的にできるかもしれない。とても画期的な感じもするが、見る側からすればそうではない。
バス停側から
まず、歩行者やバス利用者にしてみれば、バスが通る道路部分を隔てて見なければいけないため、遠い。候補者の顔や氏名は分かっても細かな政策や公約を読むにはそれなりの視力や集中力が求められる。
さらに車道側はまったく無駄。信号待ちなどで止まるような場所でないから、車に乗っている人は高速で通過するだけ。反対側の歩道の通行人は2車線と中央分離帯越しに見るわけだから、とても遠い。ポスターが判読・判別できるだろうか。
こんな所に2枚も立てるよりも、普通に歩道沿いとか公園の前に1枚ずつ立てた方がずっといい。

その2・乱立地帯
弘前城趾弘前公園入口の追手門、洋風建築が移築された市立観光館、弘前市役所が集まる一角は、観光客で賑わう。外堀沿いの道路は車の通行も多い。
どこの市でも市役所の前には掲示場があるものだが、普通は1枚。でも弘前市役所周辺は異常といえるほど“乱立”(言い換えれば集中設置)している。
赤が掲示場、青は設置番号。ピンクの線は桜並木です
まずは市役所前の1つ南側、税務署前の小さな交差点。
民家の塀際に1枚。設置番号「9-5」
そこから北へ約60メートル。市役所庁舎脇の100円バスのバス停前に1枚。
設置番号「9-4」
さらに少し進んで交差点を左折。道なりでまた60メートルほどの「弘前市役所」の看板のある正面玄関入口に1枚。
設置番号「9-3」
さらに西へ60メートル。一般路線バスのバス停手前、市役所駐車場入口前に1枚。
設置番号「9-2」
わずか200メートル強の間に4枚もの掲示場があり、市役所敷地の2辺だけで3枚もある。秋田市で1か所から同時に2つの掲示場が見えた場所があったが、ここでは理論上は同時に3つ見えるはず(実際は木があったりして見えないかもしれない)。
車の量が多い地点だが、前車や信号注視が要求される地点だから、ポスターに目を留めるドライバーがどれほどいるかは疑問。通行人は観光客と弘前市職員が圧倒的に多いと思われるから、あまり意味がない。景観上もいいとは言えない。
全国的にこれほどの“掲示場乱立地帯”があるだろうか。弘前市内どこでも掲示場が多いのならまだ分かるが、例えば弘前大学周辺ではほとんど見かけない。市役所の手続きや設置業者の手間を“手抜き”しながら、法で定めた設置枚数(1投票区につき5箇所以上10箇所以内)をクリアするのために集中設置しているのでは?、と勘ぐってしまう。ここにこんなに存在する理由が思いつかない。
税務署の交差点と市役所玄関前の2枚あれば充分でないだろうか。余った2枚を住宅地や学生街(大学の正門前とか)に振り向けた方が、投票率向上につながりそうだけど。

おまけ1・期日前投票への取り組み
秋田市では、期日前投票制度を工夫し、とても利用しやすいし、市役所や支所の前にも「当日ムリなら期日前投票を」という目立つ看板を掲げて宣伝していた。
弘前市では規模や予算・人員の都合はあるのだろうが、市役所正面には
真ん中の垂れ幕で8月30日が投票日なことを知らせるだけ。期日前投票には触れていない
期日前投票所は遠隔の支所以外は、市役所の6階と駅裏1.5キロの出先機関(総合学習センター)だけ。中心部では市役所(駅や学生街からは歩いて行きにくい)だけで、しかも6階。
駅の自由通路やショッピングセンターで済ませられる秋田市に比べると、弘前市は期日前投票への敷居が高いと思う。弘前市は、駅前の再開発ビル(旧ダイエー)の1階に市役所の窓口機関があるから、そこで実施できないもんだろうか。

僕は弘前市に対しては、昔住んでいた好きな町というだけで、住んでいるわけでも納税しているわけでもないのですが、選挙に関してはあまり親切でないな、と感じてしまった。

おまけ2・タロウさん
弘前市の衆院選投票区は「青森4区」。黒石市などのほか、青森市の一部(旧浪岡町)も選挙区で、青森市は地域によって2つの選挙区があることになる。
掲示場右上のポスターの候補者がジャーナリスト・ニュースキャスター(今はコメンテーターかな?)と同姓同名だ。3世議員で、元知事の息子。ジミン党から今回5選を果たした。

全国的にはキムラタロウさんといえば、フジテレビの夕方の番組の人を思い浮かべるが、青森4区の全域でフジテレビ系列局が映らない(再送信するケーブルテレビ局もない。例外で県境や沿岸の一部世帯では秋田テレビが映ると思う)から、津軽の皆さんはこちらを連想するんだろう。
もっともキャスターの方はNHKでニュースセンター9時などに出ていたから、津軽でも知っている人はいるだろうけど、僕たちの年代より上でないと知らないし、知っていても過去の人になってしまっているだろう。
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選挙ポスター掲示場

2009-09-28 20:32:27 | その他もろもろ
各地の選挙ポスター掲示場(掲示板)を材質別に分類してご紹介します。
●木目むき出しの合板
 秋田県秋田市、秋田県井川町、秋田県能代市、島根県出雲市

秋田市
僕にとっては見慣れたタイプだが、全国的には少数派?
能代市(停車中の列車から)
上の写真手前のプランターに「木都のしろ」とあるように、能代市は秋田杉の町(集散地)だから当然といえる。秋田市とほぼ同フォーマットに見えた。
 出雲市
赤文字があって、枠が違う。裏面のシールによれば、東京都江東区新木場の製材会社の合板のようだ。裏面は枠が十字に組まれていて(他の自治体は横方向だけが多い)、やけに頑丈な作り。

●表面が白い合板(裏面は木がむき出し)
 青森県弘前市、青森県平川市、秋田県大館市

全国的にはこれが多いのではないだろうか。無塗装を見慣れた秋田市民からすると、塗装する費用・手間・環境負荷の点から無駄に思えるけど…
弘前市
注意書きが右側にあり、区画の番号も右上から始まる。柱は白木だが、ツノのように掲示板より上にだいぶ出っ張っている。かっこ悪いし無駄じゃないだろうか。
弘前と同じ選挙区の平川市
フォーマットは弘前とほぼ同一。柱の“ツノ”は短くてあまり気にならない。シールによれば新潟県の製材会社製。隣の秋田県にも業者はあるのに…

●白いプラスチック板
 島根県松江市

ここも柱が出っ張ってる。記載内容は、同じ県の出雲市に似ている
柱などは白木だから、掲示板自体も白い合板かと思ったら違った。
裏面も白い 
左下にエコマークが付いていて、「プラスチックの再利用 R-PET 70% 使用後は回収・リサイクルされます」とのこと。

●表面が白い金属板
 愛知県半田市

市長選のもの

反射する 裏は銀色
合板よりやや薄く表面に光沢があり裏側は銀色で、金属製。脚も金属パイプでコンパクトに見える。
区画番号がシールで貼られているので、使用後は保管し、次回以降使い回すのだろう。同日選挙や市議会議員選挙では立候補者が増えて掲示板の必要数も増えてしまうが、それに対応できるだけ金属板を持っているのだろうか。不足分は臨時に板で対応するのかもしれない。


さて、前の記事でも書いたが、秋田市では「選挙に関係のない内容は掲示板に記載できない」ので秋田杉間伐材使用の旨を表示するつもりはないようだ。国が決めたことだろうから、全国どこでもそうかなと思っていたが、松江市はエコマークを付けている。ということは、松江市では「選挙に関係なくても小さなエコマーク程度なら表示していい」あるいは「エコマークも選挙の一環」と解釈しているのだろう。
また、半田市では「(この掲示場の前には、駐車をご遠慮ください)」と書いてあった。ポスターが見えなくなるから駐めないでということだろうが、公道の駐車取り締まりは警察の仕事だから、それを掲示場に記載するのは選挙に直接関係しているとはいえないと考えることもできると思う。
それほど厳密に国が指示しているのではなく、各自治体に判断が任せられている部分もあるようだ。秋田市の掲示場は、製品としての合板自体がエコマーク認定製品(裏面にシールが貼ってある)だから、松江市の例と併せて考えると、掲示板面にエコマークを付けても問題はなさそうに思える。地場産品のPRの場になりそうなのに、もったいない。

掲示板は全国どこでも同じと思っていたが、比べてみると個性がある。その地域や自治体の状況に応じて、材料の入手のしやすさ、設置・保管の手間や費用などが違うわけだから、違って当然だ。
日本という同じ国だが、気候・言葉・風習そして交通機関・テレビ番組・店など、細かく見れば同じものって一つもないのかもしれない。

2021年の秋田県内4市のポスター掲示場
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期日前投票と掲示板

2009-09-28 20:32:13 | 秋田のいろいろ
古い話ですが、選挙関連のお話です。
【すだれの陰で】
JR秋田駅東西を結ぶ自由通路「ぽぽろーど」
1997年の竣工時点では、西口側は駅ビルのすぐ西側、駐車場やバス・タクシー乗り場付近までしかなかった(上図ピンク色の部分)。2000年に西側(図下側)へ延長され、道路をまたいでイトーヨーカドー秋田店・西口広場まで延長されている(青の部分)。
1997年建設部分の西端は、南北それぞれに階段・エスカレーターがあるが、その外側にはガラス張りのベランダのような空間(図でオレンジ色の部分)があり、延長後も通路で分断されてしまったが残っている。
延長部つなぎ目付近から当初開業部分を見る

左端がつなぎ目。右が改札・東口方向
この空間、普段はあまり役に立っていないが、選挙期間中は北側が大活躍する。
バス乗り場から見た北側のベランダ
すだれが掛かっていて、物が置かれて人がたくさんいる。
 
ここは秋田市の期日前投票所になっていて利用者がひっきりなしにいる。
なんでも秋田県の期日前投票の利用率は全国トップだそう(だからといって当日投票を含めた投票率が高いというわけではない)。秋田県の人口の3分の1が住む秋田市が積極的に期日前投票を展開しているのも、その理由の1つだと思う。
庁舎前には期日前投票を勧める看板
期日前投票制度ができる前、不在者投票制度しかなかった頃は、市役所本庁舎と2支所でしかできなかったはず。しかし現在は(合併で秋田市になった雄和・河辺地区を除いて)5か所に増え、19時または20時まで投票できる。
その増えた2か所は、この「ぽぽろーど」と御所野地区の「イオンモール秋田(3階)」。中心市街地の駅と土日は異常と思えるほど賑わう郊外の大型ショッピングセンターに開設しているから、多くの市民が利用しやすい。
秋田駅東口隣接の「アルヴェ」には市役所窓口のサービスセンターがあるが、西口側からではわざわざ行く感じになり少し遠い。でもぽぽろーどは西口の通路に面した場所だから、立ち寄りやすい。僕も最近はここで投票している。
たまたま通りかかって存在に気づいたのか「入場券持ってきてないんだどもできるべか?(持ってきてないけど投票できるの?)」と職員に尋ねる人も見かけた。郵送される投票所入場券ハガキ裏面の宣誓書にあらかじめ記入して持って行くとスムーズだが、持って行かなくても現地で用意してある宣誓書に記入すれば期日前投票できるらしい(本人確認はどうするんだろう? ハガキはバーコードを読み取っていたけど)。そのための長テーブルも置いてあった。後は自宅の指定投票所で投票するのと同じ感覚。待たされることもまずない。【2022年7月2日追記・2010年代以降は期日前投票が浸透したのか、本来の投票日の前日などは、数十人が列を作ることも珍しくなくなった。】
投票所入場券裏面 ※2019年の入場券裏面はこちら
全国的には、駅や商業施設に期日前投票所を設ける自治体は増えているようだが、場所の借り賃や職員のやり繰りの問題もあるのだろうが、未だに役場と支所程度にしか設けていない所も多い。秋田市の期日前投票制度は手厚い方といえるだろう。
ベランダ部分から南を見る
ただしこの場所、本来は通路であって、ガラスや屋根は日差し除け&風雪除けで開閉しない。しかもベランダは西向きで冷暖房はない。
今回は珍しい8月の選挙。すだれのほか扇風機も持ち込んでいたようだが、温室の中で投票しているような暑い日もあったはず。
すぐいなくなる投票者はいい、市役所各部局から来ていた職員も数時間ごとに交代しているようだからまだマシ。おそらく窓の近くに座りっぱなしの3人の立会人の皆さんがいちばん苦しかったに違いない。

※通路の工事と選挙が重なった、2022年の状況

【選挙にしか使えないそうです】
さて、選挙ポスター掲示場(掲示板)。以前紹介した(こちらこちら)通り、秋田市では木目鮮やかな秋田杉の間伐材を使用している。
掲示板にその旨を記載するなどしてPRしてはどうかと秋田市選管に提案したのだが、「掲示場は選挙に使用するものであることから、それ以外の目的に使用することはできません」とのことだった。ただ、掲示板設置のマスコミ取材の際は宣伝してくれたらしく、掲示板が秋田杉間伐材であることを伝えた報道機関が複数あった。

また、選挙啓発ポスターが一部掲示場の空き区画に貼ってあったことにことについては「選挙啓発等のポスターについては、選挙管理委員会において必要と認めた場合には、候補者の選挙運動の妨げとならないよう配慮した上で掲示しております。」とのことだった。
じゃあ、秋田杉間伐材のPRも「必要と認め」ればいいんじゃないの? 広い意味で選挙啓発ととらえることもできなくはないのでは?
まあ、公平性が絶対に求められるものだし、おそらく総務省の決まりとか通達に基づいてやってるんだろうから、あまり目立つことはしない方がいいというのも分かるけどね。
※島根県松江市は違う解釈をしているようなので、別記事で。

【空きスペースで名前だけ】
今回の選挙の掲示場。秋田市全域のみがエリアの秋田1区では、5人が立候補。区画は8つあったので、今回も一部の掲示場では空いていた8番区画を有効活用していた。
今回は国民審査の名簿が貼ってある
掲示板内に立候補者以外(裁判官)の人名が書かれているから間違って裁判官の名前を投票されたりして、これこそ「選挙運動の妨げ」になりそうな気もするけど。それに裁判官の名前と任命日だけ見せられても判断のしようがないし、どうせ貼るなら全掲示場に貼ればいいと思う。
でも、従来は投票所で用紙をもらうまで対象の裁判官が何人なのかすら分からなかったので、投票所に行く前に人数や名前だけでも分かるというのはいいことだ(ちなみにYahooはサイト上で担当した裁判などの経歴を掲載していた)。

【1度に2枚見られます】
掲示場のだいたいの数は法律で決まっているようだが、最終的な数や設置場所は各選管が決めているそうだ。秋田市ではおおむねまんべんなく設置されていると思うが、いやに接近している場所がある。1点から2枚の掲示場が視野に入るのだ。
新国道の「川元小川町」交差点
茨島交差点の北にある旭橋を渡ってすぐの交差点で、付近は住宅地。写真では分かりにくいが、赤い○が掲示板。
 
 写真左は新国道に面した交差点角(設置番号5-37)。道路拡張準備のためと思われる空き地に立っている。
   右は交差点を西に曲がったNTT社宅前のゴミ置き場(設置番号5-35)。
特に理由もなさそうだが、両者は50メートルほどしか離れていない。設置番号を見ると「5-36」が飛んでいるけど、近くにもう1枚あるのだろうか?
※青森県弘前市で、ここ以上に掲示板が多い場所を発見したので、別記事で。
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9月の終わり

2009-09-27 19:27:16 | 動物・植物
※秋田の話ですが、動植物がたくさん出てくるので動植物カテゴリにします。
9月下旬になり秋晴れが続いている。秋田市郊外の田んぼは黄金色に色づいた。
 
品種によるのだろうけれど、もう稲刈りが始まっており、(兼業農家とか親戚に手伝ってもらう関係上)週末はあちこちで行われただろう。
秋田市仁井田の田んぼと太平山
そこから秋田駅など中心部を挟んで北西へ11キロ
秋田市飯島の田んぼと太平山
前も記事にしたように、秋田市内でも見る位置によって、太平山の姿が違う。仁井田も飯島も僕にとっては見慣れない形だ。

田んぼを見下ろせる小高い場所を探したけど、木が茂っていていい場所がない。足元でスルスルと音がした…
ヘビ!(右が頭)
1メートル以上はあるヘビが、鱗を輝かせてやぶに逃げていった。アオダイショウと並んで日本で一般的なシマヘビかな。
シマヘビなら何度か見たことがあったし、巳年生まれとしては、毒や攻撃性のないヘビなら嫌いじゃない(ただし病原菌を保有していたり、噛むこともあるのでご注意を!)。
そして、その近くに、太くて、シマヘビとは縞の向きが違うヘビがじっとしていた。大人のアオダイショウには縞がないはず。も、も、もしかして…
マムシかツチノコ?
怖くなって逃げました。
民家近くでは、ヒガンバナが咲いていた
秋田市ではヒガンバナを見ることは少ない。(秋田市の南隣、由利本荘市松ヶ崎が分布の北限という話を聞いたことがあるけど信憑性は疑問)

さて、中心部へ来て、千秋公園・大手門の堀のハス(大賀ハスではありません。前回の記事はこちら)。
 
実の方が多く、花はだいぶ少なくなったが、まだ咲いている。こんなに遅くまで咲くんだっけ?
後ろは県立美術館・平野政吉美術館
ケヤキの葉が紅葉し始めている。こちらはだいぶ早い。今年は山の紅葉が早いそうだけど町も早いのか。

近くの旭川。日差しのせいか川がとても澄んできれい。
所々で小さめの魚が群れている

縞模様があるけど鮎?
群れがあわてて逃げたと思ったら
コイが通過
いい季節です。
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この駅弁が好き

2009-09-25 20:42:17 | 各地お土産・食べ物
今回の旅行では、帰りのルート上で2つの駅弁を食べた。いずれも僕が好きな駅弁で、これが食べられるからこのルートにした、というのも実はある。
この2つはいずれもロングセラーの幕の内タイプ。新作や特産素材の駅弁もいいかな、と目移りしそうになるが、やっぱりこれを食べたくて、結局いつも同じものを買ってしまう。

【米原駅・湖北のおはなし(井筒屋)】1100円
滋賀県米原(まいばら)は、交通の要衝。「のぞみ」は通過するものの、北陸方面へ分岐する琵琶湖北岸の町。
国鉄末期(JR初期?)頃、東海道新幹線各駅で目玉になる駅弁を売り出す「新幹線グルメ」というプロジェクトがあった。現在はそんなシリーズ名は聞かなくなり、弁当自体が発売終了になったものもあるが、その米原版で現在も発売が続いているのが、この「湖北のおはなし」。「湖北地方の名産物を昔ながらの味に仕上げている、なつかしいおばあちゃんの味」というコンセプト。
数量限定(300個?)で午前10時? 発売開始らしい。でも、今まで昼前に行って買いそびれたことはない。米原駅は、新幹線ホーム、在来線ホームのそば屋、売店など、何か所も売り場があるので、探せばどこかで残っている可能性が高い。

表示欄は「幕の内弁当」と記載されているが、幕の内で片付けるにはもったいないほど手が込んでいる。包装からしてこの通り。
 
唐草模様の風呂敷(実際は不織布)に包まれ、紙やスチロールの箱でなく、木枠の箱をヨシのすだれでくるんだものが容器。
中味
色合いは地味だけど、なんていうか立体感があって手作りっぽく見えませんか?
まずご飯。米自体は秋田のと比べてしまうとどうしようもないが、手が込んでいる。下に桜の葉の塩漬けが敷かれたおこわで、季節により具材が違う。これは夏バージョンの枝豆。ほかに栗、黒豆、山菜と正月だけは赤飯というバリエーションがあるらしい。
そしておかず
説明書きによれば、粒コショウでローストした鴨肉が主役だとのこと。脇役もかしわの鍬焼き風、永平寺ゆかりのこんにゃく、ネギと油揚げのぬた、里芋など。卵焼きも既製品の小っちゃいやつでなく、大きくて手作り風だし、梅干しもカリカリでない高そうなもの。赤カブの漬け物も好きだ。幕の内なのに脂っこいものがなく、それでいてどれもおいしい。

ご飯の左上にサイコロがある。サイコロキャラメルではなく、口直しということで飴が1つ入っている。ニッキの味だったが、以前は醤油味だった気がする。サイコロは必ず「5」の目が見えるように入っており、「ご縁があるように」との願いが込められているそうだ。こういう細かな気遣いが素晴らしい。

【新津駅、新潟駅・鮭の焼漬弁当(三新軒)】990円
新潟駅では、神尾弁当部という業者と三新軒という業者が駅弁を販売している。
そのうち三新軒は、元々新津駅で駅弁を売っていたが、新潟と新発田(しばた)に支店を出し、後にそれぞれ独立して別の駅弁を作る別会社(新潟三新軒、新発田三新軒)となったようだ。しかし、様々な事情から、3社とも利用客が圧倒的に多い新潟駅に出店するようになり、現在は新潟駅では3つの三新軒の商品が買える。なお、新発田三新軒は現在は新発田駅では販売していないとのこと。

ここで紹介するのは、新津の三新軒の商品。包装には「本家」と書かれていた。ほかにも雪だるま型の容器の弁当が有名。

50年の歴史があるというこちらは、一見すると普通の幕の内弁当。あまり華やかでなさそうにも思えるが。
卵焼きの右にある物体がメイン
新潟の郷土食、「鮭の焼漬」といい、焼いた銀鮭を一晩秘伝のタレに漬け込んだもの。
これがとてもおいしい。ちょっとしょっぱい気もするが、ファンが多いらしく、焼漬を真空パックにしたお土産&おかず用製品も出している。(包装紙の裏面がFAX注文票になっている)
他のおかずもおいしい。卵焼きは、湖北のおはなしのとは違うが、これも大きな手作り風。枠にぴったっとジャストフィットしているのはコロッケ(公式サイトには「カニコロッケ」とあるけどそうだったっけ?)。
 
筋子と大豆、なぜかメンマ(竹の子の煮物)と缶詰パイン(ベビーパイン)も入っている。

そしてなんといってもご飯がおいしい! ササニシキなのかな?
これほどご飯そのものがおいしい駅弁は、ほかには秋田駅の「あきたこまち弁当(関根屋)」しか知らない(多少地元ひいきかも)。さすが米所だ。
おかずがなくても食べられるほどおいしいご飯だが、焼漬や筋子がしょっぱめだから、さらに進んでしまう。

見た目の質素さや味の濃さで、好みが分かれるかもしれないが、お値段も手頃だし、個人的には大好き。新潟の食べ物といえばこの弁当と笹団子といってもいい。

包装には、“デラックス”と書かれているが、廉価版があるわけではない(530円の幕の内はあるが、ただの焼鮭)。逆に、これを高価にした、いくらと焼漬をセットにした商品などもあるようだが、焼漬を味わうにはこれで充分。
僕が行った時は、新潟駅の新幹線改札口前の売店にはなく、在来線中央改札口前の売店で購入した。また、大宮駅と東京駅にある、各地から駅弁を輸送して売る「旨囲門」でも扱っている(入荷時刻は遅いはず)。さらに、秋田発着の特急「いなほ」の車内販売でも扱っているのを見たことがある。

奇抜な新製品もいいけれど、安心して食べられ、おいしい駅弁が末長く残ってほしい。
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大阪から秋田へ

2009-09-24 20:53:53 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
旅行最終日は大阪から秋田へ帰るだけ。鉄道利用で一般的なのは新大阪からのぞみに乗って東京でこまちに乗り換える全行程新幹線のルート。1219.0キロで7時間。でも高いしあまりおもしろくない。時間はあるので、少しでも節約したい。
そこで、東海道新幹線・北陸本線・信越本線・上越新幹線・白新線・羽越本線と日本海側を乗り継ぐルート、列車名(乗換駅)で示すと
(新大阪)ひかり(米原)しらさぎ(富山)北越(長岡)とき(燕三条)とき(新潟)いなほ(酒田)普通列車(秋田)
と6回乗り換えて7つの列車に乗るという我ながらすごいルート。873.6キロで約13時間。
細切れに新幹線に乗っているが、これは乗継割引を適用させ、少しでも特急料金を節約しようという魂胆。きっぷの枚数が大量になり、買う時や使う時、間違えそうだった。これだけ苦労した割には、厳密に計算したわけではないが、乗車券・特急券トータルでのぞみ・こまちと比べて4000円弱しか安くならないはず。(鳥取-秋田通しでの比較。自由席か指定席か等で増減します)まあ、好きでやってますので…
少し前の中央線快速、ではなくて大阪環状線
ほかにも関空や和歌山などに向かう電車も環状線内に普通列車として乗り入れてきて、にぎやか。慣れないと分かりにくいが、東京ほど人が多くないからできることだろう。
新幹線で滋賀県の米原(まいばら)へ。米原の駅弁はおいしい。後で紹介します。
名古屋発富山行きの特急「しらさぎ」
白鷺という種はいなくて、白い鷺の総称なんだけど、車体側面のロゴマークの
これは何サギ?
11両編成で福井や金沢まで結構な乗車率だった。立山連峰が見える側の席を選んで指定券を取ったのだけど、曇りで見えない。2時間半の乗車。
富山で1時間弱の待ち時間なので外に出る。
この旅行初めての本降りの雨
駅近くの富山市役所の展望フロアか駅裏の路面電車「富山ライトレール」に乗ろうかと思っていたが、この天気と思ったほど時間がなくて、駅前をうろうろするだけ。
ゆうちょ銀行かセブン銀行のATMを探して出金して、富山ライトレールがオリジナルお菓子第2弾(1弾はモナカ)として売り出した「チョコクランチ」を買いたかったのだが、ATMは駅近くにはなさそうだったし、お菓子は駅裏の窓口でしか買えなくなった(昔は駅2階のお菓子売り場で買えた)ようなので、やめた。富山も以前訪れていい街だと思うが、また来たい。
富山駅は昔の秋田駅のような地平駅(地上駅)。自動改札化されておらず、
昔ながらのずらりと並ぶ改札口
松江駅や鳥取駅より大きいし、昔の秋田駅より大きいかもしれない。
 
2014年の北陸新幹線乗り入れに向けて高架駅の建設が始まっていた。建物は姿を現していないが、3番線と4番線の間に空き地ができていた。
今度は金沢発新潟行きの特急「北越」に約2時間の乗車
「いなほ」と共通でJR東日本の車両が使用されていて、見慣れた車両に会えて少しほっとするけど、今日の行程はまだ半分以上残っている。
6両の半分が自由席なので空いていると思って指定券は取らなかった。予想通りだったが、新潟県内に入るとたくさん乗ってきた。
オール2階建て新幹線Max(E4系)。僕はこのデザインが好きです。
終点まで乗らず、長岡で下車して新幹線へ。かなりケチなお話ですが、長岡-新潟間で新幹線の自由席に乗る場合、途中の燕三条駅で特急券を分けた方が安くなる。ただ、それだと長岡や新潟の自動改札を通らないらしいし、ケチな客だと思われる(実際そうなのですが)のが恥ずかしいので、「本当に燕三条に用事があるんだ」ということにして、燕三条で途中下車。こうすれば自動改札も通れるし、本数の多い時間だったので待ち時間が少なく、30分ほどで後続が来る。それに僕は子供の頃から「つばめさんじょう」という駅名の響きにひかれて、興味のある駅だった。長岡からわずか10分で燕三条着。
“国鉄の新幹線駅”って感じ
上越新幹線開業時に新設された駅で、燕市と三条市の境にある。昔は周辺に田んぼしかなかったようだが、郊外型店舗が建ち並び発展したようだ。でも特に観光するような場所はなかった。
「燕三条駅を見る」という用事を済ませて、再び新幹線で15分。
新潟駅
長岡や新潟はSuicaエリアであるため、売店や駅ビルでも電子マネーとして使える。乗り換え時間でお土産やマツモトキヨシの商品をSuicaで買う。東京駅で1万円もチャージしていたので、便利でついつい使いすぎてしまいそう。
おなじみ「いなほ」で2時間強
車内販売はない。駅売店でSuicaで買った駅弁が夕食。秋田まで一気に行きたいところだが、このいなほは酒田止まり。酒田では15分ほどで秋田行き最終普通列車に接続。
この旅行の一番最初に乗った「N33.」編成に再会!
ワンマン運転でも良さそうだけど、乗務行路の兼ね合いなのか車掌が乗っていて「最終列車ですのでお乗り過ごしなさいませんよう、ご注意ください」なんて放送する。終点まで乗る僕には関係ないが、確かに、まだ21時台だけど既に深夜のたたずまいのこの辺の駅で乗り過ごしはしたくないね。
仁賀保・西目から羽後本荘、本荘から秋田は飲み会帰りの会社員などそれなりに利用客がいた。秋田まで1時間半。

ついに秋田へ帰ってきた。僕としては変化があって楽しくて、特に疲れなかったけど、普通の方にはおすすめしません。物好きな方だけお試しください。

今回もいい旅だった。初めての山陰は、秋田や東北とはまた違うのどかさだったし、松江や鳥取の街が良かった。逆に秋田の良さに気づいたこともあった。
旅行記はこれで終わりですが、次回以降随時、食べ物・お土産・各種小ネタをアップします。
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続・お寺ネコ

2009-09-24 18:33:31 | 動物・植物
秋の彼岸の墓参り。雨が降りそうだったせいか、シルバーウイークのせいか、いつもと同じ時間帯なのに人が少なかった。そして途中で雨に降られてしまった。先月のお盆も大雨だったなあ。
雨が降る直前、春彼岸にネコがいたお寺へ行くと
「ニャンだ? ヘンなニンゲンが来たよ」
いました! 今日は3匹。目に見えて大きくなったわけではなさそう。
「ジテンシャの影に隠れましょ」
このちょっと長くて色の薄い毛の三毛さんは逃げてしまい、白シマ(?)さんは触ると迷惑そう。
「にゃあ」
1匹だけ逃げずにこちらを見ていた。春に草やカメラに興味を示し、お地蔵さんの影から様子を伺っていた三毛さんだ。
声を掛けると、若干警戒しながらも、カメラのレンズに興味があるようで近づいてきた。(以後すばしっこいのと暗いのとで写真が撮れませんでした)
なでてやると寝っ転がったり、色っぽいポーズをしたり、指を甘噛みしたり人懐こい。手をひらひらすると前足で捕まえようともした。
若いから好奇心旺盛で、歳をとるとそうでもなくなるのかもしれないが、墓参りの楽しみができた。秋田のそれほど信心深くない家庭では秋彼岸の次は春彼岸まで墓参をしないのが一般的。雪が積もる冬を挟んで半年の間が空く。春に会えるかな?
※1か月半後の様子はこちら

一方、さわやかではあるが、日差しが強く、暑かった今日。上のお寺のそばにて。
道ばたのお宅の前に駐めてある自転車の下でお昼寝するニャンコ
日当たり・風通しがよく、車や人に踏まれることもなく安全だから、最高の寝場所だろう。
これは数年前から知っているネコ(たぶんオス)で、触らせてくれる。でもいきなり触って寝ている邪魔をしては悪いので、「にゃあ」と声を掛けると、薄目を開けて「むにゃ」と返事をしてくれたので、なでると、爪を出したり引っ込めたりして気持ちよさそうにしてくれた。もう帰るよ。
「さようニャら」
9月20日から26日は動物愛護週間です。
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ドンキ・ローソンその後

2009-09-24 18:29:57 | 秋田のいろいろ
ドン・キホーテ
長崎屋から業態転換したドン・キホーテ秋田店が先週金曜にオープンした(前回の記事)。連休中はかなり混み合ったようだが、今日の昼に少し覗いてみた。
周辺が渋滞するほどではないが、ひっきりなしに車が出入りし、駐車場も駐輪場もたくさん埋まっている。店内は人がひしめくほどではないが、最近の秋田では見なかった賑わい。レジは食料品などの1階と家電などの2階それぞれにあり(まとめて会計していいようだが)、1階は各レジに5人以上並んでいたが、2階ではほとんど待たずに会計できていた。

さて、ドン・キホーテといえば「圧縮陳列」だと思っていた。今日の目的はそれを確認しに行ったのだが、ぜんぜん。普通のスーパーがちょっと乱雑になった程度だった。狭さも感じなかった。「昭和末期の商品管理が悪いローカルスーパー(?)」を少し整頓したような感じ。
元長崎屋で面積が広いためか、火災事故を受けて自重しているのか、消防当局から指導があったのか、だいたひかるさんに「もう少し片付けた方がいいと思う」とネタにされたからか分からないけれど。

商品数が多く、面積も広く、目当ての商品を探すのは苦労しそう。家電製品は結構品揃えがいい感じだったので、久々に秋田市中心部にいろんな家電を買える店ができたという意味ではありがたいかもしれない(よく見てはいませんが)。
ドン・キホーテのレジの向かいに、秋田の老舗お菓子屋さんがテナントとして入っていて、そのギャップがおかしかった。

この店内だけを見ていると、数十年前の賑やかだった秋田市中心部の大型店の店内を思い出してしまった。お祭りやイベントもいいけれど、やっぱり中心市街地がいつも賑わっているのが、本来の街の姿だろう。

バス停名は今のところ「長崎屋バスターミナル」のままだから、車両の行き先表示も変わらず。
珍しく行き先表示がLED化されていない 電話ボックスのマークは変わった
でも、これは
前回危なかった「中」と無傷だった「ス」が脱落!!
「ホ」はかろうじて引っかかって※みたいだ。これじゃあ「 交※リー゛ィ クエア」だ。
「中」の残骸・・・
この表示はビルを所有するバス会社(大家)のもので、ドン・キホーテ(店子)側で手出しできないのだろう。でも建物の入口にあり多くの人の目に触れて、しかも自社の名前(の略称)を冠する表示。店子さんの心機一転のリニューアルオープンに併せて、大家さんも少し気とお金を遣って修理するなり、撤去してしまうなりできないのだろうか。
【10月21日追記】表示が新しくなっているのを確認。22日付けで記事にしました。

ローソン
ところで、8月上旬にオープンしたローソン秋田大町二丁目店にも遅ればせながら行ってみた。
ローソンでは、店舗の省エネを進めており、東北地方では8月以降オープンの店舗から、店内の照明を蛍光灯でなくLEDにしたそうだ。虫が寄ってこない効果もあるそう。
明るい昼間なので消してもらってもいいくらいの時間帯だったが、意識すると従来より暗いものの、買い物にまったく支障はない。照明以外ではトイレの入口が大きく取られ、通路も若干広い気がした。あとはカップラーメンが隅の方に置かれていたのが他店舗と違っていた。
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山陰蟹駅弁

2009-09-22 19:44:15 | 各地お土産・食べ物
旅行記本編でカニの話になったので、カニ駅弁の記事もアップします。

カニを使った駅弁は北海道など各地にあるが、炊き込みご飯風だったり中華風だったりいろいろある。山陰各地にもカニの駅弁は多いが、僕は1度、イトーヨーカドー秋田店の駅弁まつりで米子駅のかにめしを食べただけ。酢が利いた寿司風だったと思う。
今回の旅行では3つのカニの駅弁を食べた。各店が昔から作る、純粋なかにめしを食べて比較すればいいのだろうけれど、なかなか行かない山陰(駅弁大会でも秋田では買えるとは限らないし)だから、欲張って「カニプラス何か」の駅弁を選んでしまった。
以下にご紹介するのは、特に味に関しては僕の主観なので、あまりアテになさらずに。また、駅弁はいつ行っても必ずあるとは限らないので、現地に行っても入手できない可能性もあります。特にカニは夏と冬で商品が違うことが多いようです。
【松江駅・境港水揚げ蟹としじみのもぐり寿し(一文字家)】1100円

牛肉など地元食材を使った駅弁を豊富にラインナップしている業者。
これは松江開府400年と松江駅開業100年を記念した駅弁で、紅ズワイガニは境港産。松江の対岸とはいえ、隣の鳥取県で獲れたものを使うのはそれだけ結びつきが強いことの現れか。シジミについては特に産地の表示がなかった。

かにめしに郷土料理のしじみのしぐれ煮が乗っている。寿司飯の中にもシジミが入っているので「もぐり寿し」。
しぐれ煮は佃煮みたいなものだが、濃すぎず薄すぎずいいお味で、カニとも合う。カニはだいぶ酢が利いているが、僕は酢好きだからおいしかった。
おかずは漬け物、カニしんじょう、汐ふき椎茸という酢こんぶみたいなの。
【27日追記】持ち帰った包装に材料が詳しく記載されていた。一部を抜粋すると、
島根県産コシヒカリ、しじみは宍道湖産は価格高騰と安定供給の点から使用していない、かにしんじょうは境港産ズワイと白身魚と豆腐を蒸したもの、漬け物は頓原町の福神漬け「とんばら漬け」、酒・醤油・塩にもこだわっている。


【米子駅・吾左衛門弁当(米吾)】1220円

製造元の米吾(こめご)は米屋 吾左衛門鮓(すし)といい、鯖などの押し寿司が主力商品。おこわや以前食べたようなかにめしもある。
西日本の弁当には珍しくお手ふきが付いていたのはうれしい
これは同社の各種商品のダイジェスト版的な駅弁で、かにめし、鯖鮓、大山おこわが少しずつ入り、おかずも付いている。この手の駅弁は量も充分だし、旅行者にとっては、1つの駅弁で何種類分もの味が楽しめるのが楽しい。
 
秋田のヨーカドーで買ったのと同じかにめし。味もたぶん同じ。
鯖鮓もおいしい。1人で1本は多いし飽きそうだから、2切れでちょうどいい。どちらも酢が利いていた(松江よりは少し弱い?)。山陰は酢っぱいのが多いのか?
おこわは100%もち米らしいが、ふっくらした薄味の醤油味でおいしかった。

【鳥取駅・お好みかに寿し(アベ鳥取堂)】1250円
袋にもカニ
昭和27年に全国初のかに寿しを発売した業者で、カニ関連の駅弁が多いが、鬼太郎の駅弁などもある。
鳥取駅構内の両端に対面するように同じ売店があり、あまり意味がない気がしたけど、豊富に取りそろえてあり、買いやすい。
“元祖かに寿し”をベースに、ちらし寿し・細巻・にぎり寿しが入っている
これはあまり酸っぱくなかった。ちょっと飽きてしまったので、単品のちらしか、おかずとセットの方がよかったかも。

ほかにも山陰では出雲市、城崎温泉と豊岡(同じ業者)などにカニ駅弁がある。
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カニの町

2009-09-22 18:21:10 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
山陰の日本海側はカニが水揚げされる冬は、カニ目当ての大阪周辺からの観光客で賑わうそうだ。
数十分の待ち時間で駅前にちょっと出ただけの兵庫県香美町(かみちょう)の香住(かすみ)駅も、カニの町。駅前はカニだらけだった。まずはホームと改札口の上に、
カニ爪「きちゃったネ…香美町」 歓迎じゃなく「カニ迎」
カニ迎の下に「かにと応挙と香りのまち」とあるが、応挙は江戸時代の絵師 円山応挙のこと。町内のお寺に多数のふすま絵や屏風が残っている。
改札の外もカニばかり。
広告塔はもちろん駅舎にいろいろ…

観光協会の時計 この中に3つのカニ

タクシー屋根のあんどん! ポストの上
ポストの上はブロンズ像でなく、鏡面加工のステンレス(?)で投函口と垂直に(=駅舎と相対して)置かれているのがおもしろい。投函口側から見ると、厚さ5センチほどの平べったい側面しか見えない。
ここにもカニの爪
ホームのとは爪の形が違う(開いている角度や左右)。「またきてね/香美町」の「美」だけフォントが違うが、合併で2005年に香住町から香美町に変わったため。

1日1往復ある香住始発の大阪行き特急「はまかぜ」に乗る。はまかぜは西の浜坂、鳥取始発も1往復ずつあり、それらを合わせて香住ー大阪間では3往復ある。冬はその名も「かにカニはまかぜ」というカニ観光用臨時列車も運転される。
 
昔ながらの改札口で、発車案内も懐かしい「ザ・ベストテン」みたいなパタパタ式(正式にはソラリー式という)。

そしてこの列車が懐かしいと思う方もいらっしゃるはず。特に秋田などでは。
キハ181系という形式のディーゼルカーで、塗装はJR西日本独特の地味なカラーに塗り替えられているが、元は肌色とエンジ色の国鉄特急色だった。
1968年から1972年に製造され、1970年から1975年の奥羽本線電化直前までは、秋田-上野間の特急「つばさ」にも使用されていた。現在、この形式の車両を使う定期列車は「はまかぜ」だけ。2011年春に新型車両が投入されることになっているので、それもあとわずか。

自由席2両、グリーン車1両、普通車指定席1両の4両編成。奥羽線電化によりつばさで使わなくなった車両は、山陰や四国へ転属したのだが、僕が乗った先頭の「キハ181 12」もつばさで使用されていたようだ。僕が生まれる前に秋田駅に出入りしていた車両に、遠く離れた山陰で乗るとは不思議な感覚。

車内の座席などは多少リニューアルされ、秋田の「かもしか」レベル。
車内放送のオルゴールは「アルプスの牧場(チロル民謡)」。国鉄では、電車は「鉄道唱歌」、ブルートレインなど客車では「ハイケンスのセレナーデ」と動力別に曲目を分けていたのが、なんとも国鉄らしい。国鉄からの古い車両には国鉄から勤務するベテラン車掌がふさわしい感じだが、若い女性車掌だった。
エンジンの音がすごい割りには、スピード感がない。国鉄型の普通列車気動車よりは快調だけど。「スーパーまつかぜ」のような新型車両と比べるのはかわいそうではある。

香住発時点では車内はまばらだったが、30分弱で着いた城崎温泉からたくさん乗ってきた。大きな発砲スチロールを持っている人もいた。季節外れのカニか他の魚介類か?
城崎は文豪が訪れ、カニ、コウノトリで名高い、歴史ある温泉地。カニの駅弁がたくさんあるのだが、ホームに降りて買っている時間はないし、このはまかぜには車内販売が全区間でない。夕食は大阪までおあずけ。3時間も走るのだから、一部区間だけでも車内販売してくれてもいいのに…

今走っているのは、京都まで続く山陰本線。米子からずっと電車が走れない非電化区間だったが、城崎温泉から京都までは電化されているので、城崎温泉始発の電車の特急がたくさん走っている。うち大阪行きの電車の特急「北近畿」は途中から福知山線に入り、大阪のすぐそばの尼崎へ抜ける。
一方、このはまかぜは城崎温泉の先の和田山という駅から、播但(ばんたん)線という電化されていないローカル線に入り、姫路へ抜ける。大阪までは福知山線経由より播但線経由の方がちょっと遠回りになるが、途中下車しなければ福知山線経由で運賃・料金を計算していい特例があり、今回もそれを適用して購入している。昔、秋田から上野へ行く時にあったのと同じ制度だ。

日が沈んで暗くなってきた。播但線の山あいに入り、山に囲まれた川沿いの平野を進んでいたが、川の護岸が崩れたり、古い橋がW字にひしゃげているのが見えた。先日の豪雨の被害だろう。
姫路からは山陽・東海道本線を走る。新しい新快速電車の合間を縫って古いディーゼルカーが疾走して、大阪着。香住から3時間強かかった。
明るい時間で食べ物があればもっと良かったけど、国鉄型車両の走りは楽しめた。

久々の大都会、大阪。新幹線の新大阪が別にあるせいか、大阪駅は東京駅ほどごちゃごちゃしていなくていい。隣接の大丸で値引きの弁当を買って、ホテルへ向かう。
ホテルは大阪からJR大阪環状線で5駅の森ノ宮という駅のそばなので、帰りのきっぷのルートから外れる。そこで、Suicaを使って(JR西日本のICOCAの相互利用として)初めての電車乗車。電子マネー同様、こちらも便利。でも改札機にタッチするタイミング・時間の感覚がつかめず、後ろから次の人が来ている場合は気を遣う。また、改札機のディスプレイを見て処理が正常に行われたことを確認した方がいい。まれに処理が行われずに通過してしまうことがあり、そうなると次回面倒なので。
ホテルの部屋から。反対側の部屋だと大阪城が見えたのだけど格安プランだからしょうがない
翌日は秋田へ帰るだけ
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入り江を見下ろす駅

2009-09-20 20:40:03 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
ついに山陰を離れる。鳥取から東日本方面への移動は、現在は第3セクター鉄道「智頭急行」経由で太平洋側へ抜ける特急「スーパーはくと」で大阪・京都まで行くのが一般的。速くて安く、車両もきれい(おかげで智頭急行は3セク鉄道の中では全国トップクラスの収益を誇っている)。
今回は、鳥取からしばらく日本海側を東に進み、姫路へ抜ける路線で大阪まで行く、かつてのメインルートを行ってみる。今はこの経路で鳥取まで来る特急は1日1往復だけで時間が合わないので、途中までは普通列車に乗る。その途中にも寄りたい場所がある。

最初は鳥取始発の浜坂行きワンマン普通列車。32.4キロを45分。“国鉄色”と呼ばれるオレンジ色の2両編成で後ろは鬼太郎列車、男鹿線・五能線でおなじみキハ40系だったが、
前はちょっと新しそうな車両。
キハ33といい、JR発足直後に、不要になった比較的新しい客車(機関車に引かれて走る)に運転台とエンジンを取り付け、自力で走れる気動車(ディーゼルカー)に改造したもの。だが新造と比べて、思ったほどコスト削減効果がなかったらしく、2両しか造られなかったという珍車。僕は空いていた後ろに乗ったけど。

鳥取の東隣の福部駅までは11.2キロ、12分もかかった。秋田駅の北隣、土崎や東隣、四ツ小屋の両駅も結構距離があるが6~7キロ。県庁所在地の隣の駅が11キロも離れているのは珍しい。秋田では新駅建設の計画もあるが、鳥取はどうだろう。だいぶ山の中を走っていたようだけど。
途中から兵庫県に入り、海が近いようだが、車窓風景は田んぼと山ののどかな風景。もう稲刈りをしていた田んぼがあった。

終点の浜坂は、JR西日本鳥取支社と福知山支社の境界の駅。大阪行きの特急は浜坂発着のものも1往復ある。温泉やカニの町のようだが、乗り換えが2分しかないので、向かいのホームの次の列車へ。キハ40系2両編成のワンマン普通列車。
僕が乗る特急は、17.9キロ、4駅先の香住(かすみ)始発なので、このまま25分乗っていればいいのだけど、ある駅で降りて、1時間後の列車に乗ることにしている。雨ならやめようと思っていたが、なんとか大丈夫そう。
列車は途中で、かの有名な「余部(あまるべ)橋梁」を渡る。天空に架かるような高い橋だが、2010年までに架け替え工事が行われており、今の姿もあとわずか。はるか下に集落や入り江が見渡せる。
 

 
小さな川の河口に鉄橋を見上げる公園が整備されているようで、見物人がたくさん。
鉄橋のそばに餘部(あまるべ。鉄橋とは漢字が違う)駅があり、車で訪れる人までいる有名観光地(?)だけど、
僕はその1つ東隣「鎧(よろい)」駅で降りる。これがいい駅らしい
僕がこの駅を知ったのは昨年、テレビ東京の「田舎へ泊まろう」(秋田テレビでは土曜昼放送)というテレビ番組で見てから。駅から眺める風景に目を奪われた。
調べてみると、青春18きっぷのポスターや朝ドラ「ふたりっ子」の撮影地になったりして、風景の良さに定評のある駅らしい。
もちろん無人駅なので、運転士にきっぷを提示(途中下車だから渡しちゃだめ)して下車。
車体の色はえんじ色というかワインレッド。向こうに海が見えている

意外と山あいの場所だ
到着したホームと駅舎は海と反対側にあり、細い道に1日数本しか来ないバス停と数件の民家がある
駅舎。その向こうに線路2本と海がある
風景は海側のホームから見られるので、地下道で渡る。海側のホームに停まる列車は今はない。
ホームから海に向かって数段の階段があって

これ。テレビで見た入り江を見下ろす風景。
海の色は濃い青とエメラルドグリーンのグラデーションの「山陰の海の色」!
曇り空は残念だが、赤い灯台もあったりしていい風景。“海が見える駅”というのは五能線各駅をはじめ各地にある。でも“入り江”を“見下ろす”駅はあまりないと思う。ここは入り江の形、見え方、距離、高さが絶妙で素晴らしいと思う。
海を眺めるベンチも(もっとちゃんとした造りのもありました)

位置を変えると見え方が変わる

下の海沿いの集落の方が大きいようだ

特徴的な岩場と上の方に小さな田んぼが

下り列車が到着。かろうじて海と列車が入るアングル

下り(鳥取)方向はトンネルがあり、これを抜けると余部橋梁
ベンチに座って、鳥取で買った駅弁を食べた。絶景独り占めでいい気分だけど、風で飛ばされそうなのと、さっきは入り江の上をぐるぐる飛んでいたトンビが、駅の上まで旋回し始めた。弁当を狙われているようで警戒しながら食べた。
まだ時間があるので、海まで下りてみる。海の見えるホームに続いて畑があり、その途中の細い道を入ると急な坂
 
標高差が40メートルあり、何回か折り返してジグザクに下りていく
下の方では車道になった
中央にスプリンクラーらしきものが埋め込まれている。秋田県内陸部や北陸の豪雪地帯で消雪用として設置されるものに似ている。秋田市では見られないが、それほど雪が多くないからだと思う。
でも、日本海側とはいえ、ここでそれほど雪が積もるとは思えない。単なる凍結防止用だろうか。秋田ならロードヒーティングのパイプを埋め込む状況だが、工費や工法の関係だろうか。
矢印が駅。下りは楽だったけど、上りはきつそう
昔は、下で獲れた魚をケーブルカーで駅まで運んで出荷していたそうだ。
 下から見る入り江
漁協の出張所みたいなのとその前に自販機があったほかは、民家だけ。生活の場に立ち入ってしまったおじゃま虫だし、ネコに不審な目で見られて、居心地が悪くて早々に駅へ戻る。この入り江は駅から見下ろすのがいいのかもしれない。
やって来た列車で1駅。香住から特急に乗る
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循環バスくる梨を見習え

2009-09-19 19:32:27 | 秋田のいろいろ
今回の山陰旅行で訪れた松江市や鳥取市は、秋田市より小さな県庁所在地(いずれも人口20万人前後)だったが、路線バスは充実していた。以前の松江を見習えでは、時刻表などの案内方法を取り上げたが、今度は市街地循環バスについて、鳥取に見習うべき点を感じた。

以前の記事と重複するが、鳥取市の路線バス事情を整理すると
 ・民間の日ノ丸自動車、日本交通の2社が運行している。
 ・鳥取駅から県庁付近などまでの循環100円バスの運行範囲内では、一般路線バスも運賃100円。
今回は砂丘の往復にしか一般路線バスを利用しなかったのでよく分からないが、中心部が100円なのは便利だと思った(区間を越えるといきなり190円に上がってしまうけど)。循環バスを待つよりも本数が多いし、乗客の分散・路線バスの収入向上にもなると思う。エリア内に官公庁、公共施設、高校があるから、需要があるのだろう。そして、
 ・鳥取市が運行する100円循環バス「くる梨」がある。
以下はこの「くる梨」の話。
※「コミュニティバス」という言葉があり、厳密には運行主体などに定義があるようですが、本記事では単に「市街地をきめ細かく走る小型路線バス」程度の意味合いで使用しています。

僕は最初、「くる梨」を「クルナシ」と読んで意味が分からなかったが、正しくは「クルリ」。街をくるりと循環することと、特産の梨をかけた名称だった。
2004年から本格運行を開始し、現在は年間25万人が利用しているという。
左回りの赤コース・右回りの青コースの2ルート(各一周約30分強)があり、近接しながらもほとんど重複ぜずに何度も交差する、つかず離れずの道を通る。また、多くの一般路線バスが通るメインストリートの若桜街道は避け、その東西の道や細い道も通る。停留所は公共施設、病院、スーパーといった市民が利用する施設から、寺院や観光施設まであり、駅北側(一部南側)にあるものはほとんどカバーされているのではないだろうか。
赤と青はそれぞれ20分間隔で運行され、原則として鳥取駅前では赤と青が交互に10分ごとに発車している。赤と青のコースを微妙に変えることで、各施設のより近くに停留所を置けるし、急ぐ時や悪天候時は少し歩いて反対のルートに乗ればいい場合もあるだろう。
1乗車100円、1日券は300円。100円バスにはしては珍しく定期券もあり、1か月3900円。自社ポイントカードと定期券を交換するスーパーもあるようだ。
以上のようにルート、ダイヤ、制度どれもよく練られている。
なお、実際の運行は赤が日本交通、青が日ノ丸自動車にそれぞれ委託されている。車両は原則として赤青各2台の鳥取市所有の専用小型バスが使用される。
これがくる梨(赤コース)の車両
バスというよりワゴン車みたいな車だけど、各地でこの手のコミュニティバスとして使われる、日野自動車「ポンチョ」というノンステップ(段差のない)小型バス。由来は「PONと乗って、CHOこっと行く」コミュニティバスのイメージから。上の写真は2002年発売開始の初代。
こちらは2006年以降現行の2代目で、デザインが違う
初代はフランスのPSA・プジョーシトロエン製のシャーシ・エンジンに国産ボディを付けたもので、長さ5.8メートルで乗降ドアは1つ。座席は12席で、立ち席を含めて20人乗り。
2代目は純国産でエンジンが後部に移動し、バスらしいデザインになった。7メートルと6.3メートルの2タイプがある。座席は10席強、総定員は30人程度。
くる梨用は7メートルの長い方らしく、乗降口が2つ設置できるようになった。
ドアが開くと側面デザインが見えない!
ヘッドライトが軽自動車っぽいなと思っていたら、本当にダイハツ「ムーヴ」と共通の部品を使っている(日野もダイハツもトヨタ系列)そうだ。なお、テールランプは日野・いすゞの大型観光バスと同じ。

梨やウサギ、カニがくる梨のキャラクターとして公募で選ばれ、車体に描かれている。沿線の建物を描くなど、赤と青で異なるデザイン。
 
秋田市の駅東口、南通築地経由、泉山王環状線や、10年ほど前から弘前の弘南バスが中型車の代替として導入している、日野「リエッセ」という小型バスもあるが、それよりだいぶ小さく見えた。でもリエッセは定員が37名程度なので、ポンチョとそんなに違わない。
僕はここ数年、旅行先で、このポンチョをよく見かけている。コミュニティバスがある街はうらやましいが、おもちゃみたいなデザインに抵抗感があった。今回、鳥取旅行の最後で、初めてポンチョに乗る機会があった。

乗ったのは、青コースの新型車。8月に入ったばかりとのことで新車の匂いがするオートマ車だった。(赤コースには昨年導入)
ノンステップで乗り降りしやすいのはもちろん、意外に車内が広いし天井が高い。大型のノンステップ車では、タイヤが大きく車内に出っ張っているが、こちらはタイヤが座席と干渉しない位置にあり、運転席と客席最後部1列を除いてフルフラット。座席配置(オプションで数種から選べる)は横向きと正面向きの混在。
車内の造りも普通の新しい路線バスと変わらないし、明るい。外観もよく見るとかわいいかも。乗ってみたらとてもいい車両だと思い直した。
最後部の座席から撮影
乗った時点では満席で立ったが、途中で空いた。きめ細かく回るので乗り降りが頻繁で、まさに「PONと乗って、CHOこっと行く」。この車両サイズと座席配置でちょうどよさそう。

細い路地もスイスイ走るのは当然として、一部施設では正面玄関の車寄せに入っていくことにびっくりした。鳥取県庁本庁舎もそうで、秋田県庁で言えばスギッチ像がある玄関にバス停があるのと同じ。公道に出入りする専用レーンもあった。秋田市でこのような形式のバス停は、日赤病院くらいだろう。
小型バスだからできる芸当だが、20分間隔でバスが来ることを承知の上、バス停設置を許可した各施設の協力もある。

ところで、日本バス協会が全国共通の注意喚起シールを作って各社が貼っているように、走行中の車内移動は転倒などの事故の元であり、たいへん危険である。ただ、秋田や青森のバス会社は、そのことの周知がまだまだ不徹底だと思う。普段は何も言わないくせに、バス停停車直前に立った乗客に対してだけは待ってましたとばかりに「ほら! 危ないよ!」などと強い口調で言う運転士に秋田や青森で複数出くわした。危ないのは当然で走行中に立つ客が悪いのだが、相手は客なんだし言い方というものがあるでしょうに。

この時の青くる梨は、最後は僕以外の客はお年寄りだけになった。その1人が走行中に立ち上がりおぼつかない足取りで運転席へ行き「○○は通るの?」などと聞きはじめた。某地方のバスなら気まずい雰囲気になりやすいシチュエーションだ。
ところが、この青くる梨の運転士さん(日ノ丸バスの人)、(方言の言い回しは適当です)「××で降りてください。まだ(距離が)あるし、危ないので座って待っといてもえらますか。すんませんなぁ」と非常に丁寧。お年寄りが席に戻ってからも「○○にはバス停がないもんで、××で降りて道路を渡ってもらうことになりますねぇ」などと親切。
しかもこのお年寄り、降りる時にバスの下に荷物をぶちまけてしまった。某地方のバスなら舌打ちの一つでもされそうで、僕が立って行って助けようかと思うか早く、運転士が素早くサイドブレーキを引いて席を離れ、「大丈夫ですか?」と降りて行った。
僕がくる梨に乗ったのはこの1回だけだから、他の運転士がどうなのかは分からないし、地域性なのか、市やバス会社の教育なのか、運転士個人の人柄なのか、分からないが、気持ちよく利用できた。
初代青くる梨
秋田市では、バス会社のせいか、行政のせいか、市民の需要・関心がないのか、100円バスも市街地を循環するバスもない。今では秋田市より小さな街を含む、多くの都市で運行されているのに。
秋田市公共交通政策ビジョンには、路線バスの特定区間の定額化構想はあるようだが、循環バスはあまり具体的でないような気がした。また、再開発組合か何かが中心市街地活性化の一環で、無料「トラム」なるものを運行しようとしているようだが、駐車場や商店の利用者が主対象のようで、くる梨とは性格が違うと思われる。僕が知る限りでは、秋田市をくる梨のようなコミュニティバスが走る計画や構想はない。

でも秋田にまったく需要がないはずはないと思う。主要な路線バスは、ほとんどが秋田駅に一極集中し、正面の広小路・中央通りを直進するので、両通りを越えて南北を結ぶ路線はほぼ皆無。
一方通行なこともあり、停留所配置はあまり中心市街地での乗降を考慮していないものの、駅から乗って2つ目の木内前で降りる人がたまにいる。
また、市街地でもバス停から遠い地帯があり、特に千秋公園裏側(矢留町・北の丸)・南通などの住宅地や病院の多いエリアが該当する。例えば中通総合病院は、駅から1キロで病人やお年寄りには歩くのは辛いが、路線バスは朝に2本だけ。
聞いた話では、通町周辺から中通総合病院に行くお年寄りで、通町から大町五丁目まで路線バスに乗り、後は南通りを歩くという方がいるそうだ。これでは160円でバスに900メートル乗って、降りたらまた900メートルも歩かなければいけない。お年寄りには真冬や炎天下は危険だ。
バス空白地帯同士を横に結ぶ循環バスがあれば、こうした問題は解消できそうだ。

僕は以前から、秋田の街に循環バスが必要だと思っていたが、具体的なイメージが浮かばなかった。でもくる梨に乗ってみて、これこそ、秋田に必要な循環バスだと思った。
秋田市ではエコだと言って自転車利用を推進している(本意は自転車だけというわけではないのだが、取り上げ方が自転車に偏っている)が、寒冷地・積雪地であり、夏はそれなりに暑くて日差しが強い秋田では、年中自転車に乗るのはきつい。自転車に乗れない時は自家用車に乗れと言いたいのかもしれないが、エコという言い分と相反するし、渋滞や市街地衰退に拍車をかける。
それに、少なくとも僕には、将来歳をとってから自転車や車を安全に運転するだけの体力・精神力を維持する自信はないし、その時にタクシー代や運転手を雇えるほどの経済力を持っている自信も保障もない。そんなことを踏まえると、安く手軽に乗れる循環バスは必要だと思う。

以下は僕の完全な妄想に過ぎないが、例えば、以下の略図(東が上。一方通行等は無視しました)のピンクの線のように、
緑が既存バス路線(極端に本数の少ない路線は除く)・ピンクが循環バス一案
秋田駅・手形陸橋周辺・脳研センター・県民会館・木内前/仲小路の病院・通町・千秋公園裏側・秋田北高周辺・保戸野の病院・福祉会館・ドンキホーテ・寺町・横町・楢山の病院・中通総合病院・南通・市民市場・秋田駅
というルートなどどうだろうか。今は1日1本になってしまった路線バス「楢山・手形大回り線」に似たルートだが、定額で、路地や病院前まで行くきめ細かいルートにすることで需要はあると思う。
あくまでも一例であり、くる梨の赤青のように路線を微妙に分けたり、サティ、県庁・市役所、秋田大学付近まで範囲を広げたり、朝は駅から各病院までの直行便を運行するようなパターンも考えられる。

秋田は車社会で公共交通に無関心な市民は多いし、他都市の循環バスの便利さを知らない人がほとんどで、「今のバスでいい」という人もいるだろう。どのくらいの需要があって、事業として成立するかは未知数だが、検討してくれてもいいのではないだろうか。

ただし、日野ポンチョは1台1500万円とのこと。リエッセなどは1000万円あれば買えるので、ややお高い。秋田では積雪時も不安(ポンチョは会津若松市や千歳市に導入事例があり、寒冷地仕様があるそうだが)。
弘南バスの「土手町循環バス」では中古の貸切マイクロバスを転用(バリアフリーでは難ありだが)しているほどだから、ポンチョでなくてもいい。ともかく「足」を確保する必要があると思う。
コメント (4)
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鳥取城趾周辺

2009-09-19 17:25:11 | 旅行記
※この旅行記の1つ前の記事はこちら
※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
鳥取駅から1.5キロほどの所に、鳥取城があった「久松山(きゅうしょうざん、標高263メートル)」がある。その麓に県庁、市役所、学校など公共施設が集まっている。(ちなみに秋田駅から山王十字路までは1.8キロほど)
「とりぎん文化会館」数週間前にNHKのど自慢の会場になっていた
地元銀行の略称を冠するが、「鳥取県立県民文化会館」のことで、2008年からネーミングライツ(命名権売却)によりこの名称になった。NHKでも「とりぎん」と流れたくらいだから宣伝効果はあるだろう。
秋田県では、県立野球場や男鹿水族館の命名権を売ろうとしたが、条件や金額で折り合いが付かず、宙に浮いた状態のようだ。だったら秋田県民会館でやればいいのに。「あきぎん県民会館」とかいいんじゃない? ついでに秋田市文化会館は「北都文化会館」とか?
 
左は鳥取県庁本庁舎。秋田県庁本庁舎の色違いみたい。議会棟や県警本部を挟み、右の高い9階建てが県庁第二庁舎。

松江で銀行本店の展望フロアに入れてもらったが、たいていの町に同じ趣旨の建物がある。鳥取市ではこの第二庁舎がそうなので入ってみる。
無駄に広いものの立派なホールがあって入りやすい(たまにトイレを借りてます)秋田県庁第二庁舎と違い、鳥取の玄関は狭くて入りづらいが、展望室への案内があって安心。途中のフロアは秋田県と似ていて、防災関連部署や教育庁、会議室が入っていた。

9階には食堂があり、昼前なので混み始めていた。展望室はどこだろう?
展望室、たったこれだけ?
エレベーターを降りてすぐの「部屋」が申し訳程度の展望室だった。
狭い!
しかもブラインドが下りていて、防災関連の展示物が置いてあって、「展望」できない!
せっかく来たからには展望したいので、石原裕次郎のようにブラインドの隙間から覗く。
本庁舎や久松山(石垣も確認できる)が見えただけ
これはがっかりの展望所だ。秋田駅前のアルヴェ14階よりもひどい!
玄関に降りると「県庁食堂は憩いの広場」という掲示があり、昼時以外は9階食堂の一部を読書・学習スペースとして開放しているそう
ということは、食堂から他の方角も展望できたかもしれない。時間をずらせば。

鳥取城趾へ歩く。松江と同じくミンミンゼミが多く鳴いている。でもこの旅行中は30度以下でそれほど暑くなく、雨も降らずいい気候だった。西日本は9月でも暑いと思っていたが、今年だけ特別なのか、それとも日本海側だからなのか、秋田と違わない。

裁判所、森林管理署(旧営林署、ここでは大阪の近畿中国森林管理局の管轄)などがあり、すぐにお堀があって公園になっていた。城跡は「久松公園」。
博物館もあるが、時間があまりないので、重要文化財「仁風閣(じんぷうかく)」だけ見る。1907(明治40)年の皇太子(後の大正天皇)行啓時の宿舎として元鳥取藩主が建てたもの。外見や建てられた経緯が、松江の「興雲閣」に似ている。
 
150円で内部を見学。
 
外観やバルコニーは真っ白、内部は落ち着いた色調の豪華な洋館だが、「御寝室」の床だけは畳張りなのがおかしい。
特に素晴らしかったが螺旋階段。
 
支柱がなく、「ささらげた」という階段側面のケヤキの板で支えている、珍しいものとのこと。木材の軟らかなカーブが優しくきれい。

裏側は宝隆院庭園という江戸末期の庭園で、仁風閣の造りも違う(バルコニーが見える)。
また違った趣き
撮影場所に使われることもあり、この日もドレスを着た女性とカメラマンがいた。

公園奥を登ってみる。整備された仁風閣周辺と違い、うっそうと木が茂り、石段の段が高くて長くきつい。秋田の千秋公園の比じゃない。大汗をかいた。
何にもない

仁風閣や市街が見渡せる
建造物は一切なく、石垣と看板で跡地と分かる程度。まだ山の中腹だが、天守閣はもっと上にあった(江戸時代に焼失)らしい。30年以上前に天守復元の動きがあり、ロープウェーがあったそうだが、短期間で廃止された。今なら、かなり本気で登山しないと上にはたどり着けないのかもしれない。
まだ山の中腹といったところ?
仁風閣は良かったが、城趾は特に行かなくていいかもしれない。
帰りに乗った循環バスはとても良かった。秋田市でも見習うべきだ。
鳥取市も改めてじっくり来たい街だ。今日は少し遠回りしながら大阪へ行って宿泊
※鳥取のお土産についてはこちら
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鳥取砂丘

2009-09-17 22:17:29 | 旅行記
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※この旅行記を通して見たい方は、旅行記とお土産など複数のカテゴリーに入っているため、2009年9月の記事一覧からご覧ください。
鳥取市内の路線バスは、「日ノ丸自動車(日ノ丸バス)」と「日本交通(日交鳥取、本社は大阪)」の2社がほぼ同割合で路線を持っている。
松江市やかつての秋田市のように、公営バスと民間バスが共存する都市はわりとあるが、このように民間バス会社どうしが互角に共存しているのは珍しいと思う。ただし、25年ほど前に両社間で調整が行われたらしく、競合路線でもダイヤが重複しないように配慮されているようだ。※市中心部のバス事情を別記事で紹介します。

鳥取砂丘へは、季節や曜日によっては観光循環バス「ループ麒麟獅子」やボンネットバスが走っている(駅前はすべて0番乗り場発だった)が、9月の平日は一般路線バスのみ。
ボンネットバスに乗ってみたい… 日ノ丸バス
一般路線バスは鳥取駅と砂丘を結ぶ「砂丘線」が30分から1時間に1本運行されている。日ノ丸、日交の共同運行で、きれいに1本ずつ交互に担当している。なお、砂丘から500メートルほど離れた「砂丘東口」停留所を通る「岩井線」という路線が、30分に1本程度あるので、それを利用することもできる。
砂丘までは片道360円だが、僕が使っている周遊きっぷ山陰ゾーンでは、砂丘線に乗車できる。本当に使い出のあるきっぷだ。乗ったのは日ノ丸バス担当便。
始発の鳥取駅からたくさん乗り、大型車の全席が埋まった。ここでも個人旅行客が多いが、とりわけ若者、特に外国人が目に付いた。やっぱり「鳥取といえば砂丘」であり、山陰の一大観光地だ。

若桜街道を通り県庁前を曲がってしばらく進み、国道9号のバイパスに出ると、秋田市の割山とか新屋の7号線南バイパスみたいな雰囲気で海が見えてきた。
トンネルを抜けて、坂を上り下りするといよいよ砂丘。遠くに大きな砂山が見えた。大きい!
9月18日から行われる「砂の美術館・第3期展示」の砂像が作られていたり、砂丘地を利用したラッキョウ畑へ続く道も見える。鳥取の特産、ラッキョウは10月下旬頃に紫のきれいな花を咲かせ、見物客が多いらしい。境港では鬼太郎らしき絵が描かれた道案内標識があったが、ここでは同じ形式でラッキョウの絵が描かれ、たしか「らっきょう畑 Shallot field」と表示されていた。日本では、流通上、若採りラッキョウを「エシャレット」と呼ぶそうだが、植物学的には別にシャロット(エシャロット)という野菜があって、ややこしい。英語ではラッキョウはRakkyoらしいので、ラッキョウを知っている外国人がShallot fieldと聞いても、ラッキョウ畑と連想できるだろうか? ちなみに「鳥取市の花」はラッキョウ。

鳥取砂丘の中で観光地になっている部分だけでも広く(海に沿って東西に長い)、いくつかの施設や土産物屋があり、このバスは「砂丘センター展望台」「砂丘北口」という停留所を通る。
でも、砂丘のいちばんのクライマックスの部分に行くには、終点の「砂丘会館」で降りればいい(センターとか会館というのは土産物屋の名前)。
 
駅から約20分で砂丘会館着。車内放送では「お帰りの際も日ノ丸バスをご利用ください」と言っていたけど、時間的にムリそう。
この辺は鳥取市福部町といい、2004年までは福部村(ふくべそん)だった。つまり、昔は鳥取砂丘は2つの市と村にまたがっており、いちばんの見所は鳥取市外だったようだ。
 
バス停前の道路を渡ると、上りの階段とスロープがあり、「第3砂丘列」という高いところ(標高54メートル)に出る。あとはずっと砂で、そこから海に向かって下り坂(低いところで標高19メートル程度)になり、再び上り坂で波打ち際の直前に横に長い砂丘がある。これが有名な「馬の背」こと「第2砂丘列」(標高47メートル)。
浜だから、出入りは自由(夜は真っ暗とのこと)だが、階段に訪問者数をカウントするセンサーがあったり、「熱中症や裸足でのヤケドに注意」といった放送がエンドレスで流れたり、行政(国立公園だから環境省か)の管理はされていた。

植物や地質学的な観察をするとか、じっくり歩くのならともかく、馬の背のてっぺんまで登って戻ってくるのが定番コース。もっと簡単にここから眺めるだけという見方もあるけど、天気はいいしそれほど暑くないから行ってみよう。靴はウォーキングシューズ。
道のりは遠い
砂で歩きにくいので裸足になる人や、長靴を貸し出す土産物屋、足洗い場と自由に使えるサンダルを置いた公共施設もある。遠回りして馬の背まで行く馬車(有料)もあった。ラクダもいたけど、記念撮影用(有料)。

写真では砂の質感や高低差が分かりにくいと思うが、実際は壮大だった。砂だけで距離感が狂う。特に道しるべもないが、いちばん勾配の緩い部分が自然に通路になっている。所々に海岸性の植物が自生する群落があって緑に見える。遠くでパラグライダーをやっていた。
最後の上りがきつい
砂+上り坂は歩きにくい(だからと言って、裸足やサンダルの方が楽とは個人的には思わない。長靴は楽そうに見えた)。特に最後がなかなか堪えた。
馬の背を登り切って振り返る

砂と人だけ

海が見えた!
ちょうど10分かけて馬の背頂上に到着。あまり広くないから、近くに他の観光客がいて独り占めはできないが、海からの風が気持ちいい。曇り空のためか、海の色は秋田の日本海と違わない。
馬の背から海辺へ下りていく方は急斜面。真下に海を臨む感じ。波打ち際へ下りていく人たちもいたが、僕を含めて大部分の人は下りない。戻ってくるの(上り)が相当きつそうだから。
沖に島があり、東の方は磯?
砂丘の東は浦富(うらどめ)海岸というリアス式海岸で、島根の日御碕は出雲松島だったが、こちらは「山陰の松島」と呼ばれる景勝地のようだ。観光循環バスを使えば砂丘から行かれる。
左上が馬の背頂上。海岸へは急斜面
同じ道を戻るのも嫌なので、少しだけ脇にそれた場所を下る。
足跡があるけど、風紋らしきものが!
帰りも10分かかった。下り坂で少し靴に砂が入ってしまった。
 
帰りのバスは日本交通でやはり大型車。行きのバスで乗り合わせた皆様もいるが、それ以外の人もいて、大盛況。始発の砂丘会館で既に立ち客が出て、砂丘センターからもたくさん乗ってきて満員。旅行客とは少し雰囲気の違う人たちが何グループかいた。市内で看護学会の大会が行われており、その参加者のようだった。

雄大な風景を見て、歩いて体験できて来てよかった。夕刻は影ができて美しいそうだし、5~8月は海に日が沈む風景が見られたり、雪景色もいいとか。悪天候時は大変そうだが、また来て、もっとじっくりと見てみたい。
当然かもしれないが、ゴミが2つしか落ちてなかったのには感心した。同じ日本海側でも秋田の海岸はゴミだらけで恥ずかしい。

まだ、数時間残っているので、県庁前でバスを降りてみた
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