広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

大鰐線廃止?

2013-06-30 23:20:17 | 津軽のいろいろ
青森県の私鉄「弘南(こうなん)鉄道」が、弘前市と大鰐町を結ぶ「大鰐線(13.9キロ)」を2017年3月で廃止することを検討していることが明らかになった。
※弘南鉄道は現在、弘前(JR弘前駅隣接)-黒石の「弘南線」と、中央弘前(JR弘前とは別の離れた場所)-大鰐(JR大鰐温泉駅隣接)の「大鰐線」の2路線を営業している。今回取り沙汰されているのは、大鰐線についてのみ。
※弘南鉄道とバス会社「弘南バス」は起源は同じだが、現在は資本関係はなく、さほど関係が強いわけではない。弘南バスでも弘前-黒石、弘前-大鰐のバス路線があるので、競合しているとも言える。


秋田にいると、情報源はネットだけで断片的にしか入ってこないが、各報道をまとめれば、
・27日に行われた弘南鉄道の定時株主総会冒頭のあいさつで、社長が「廃止する方向で検討している」と述べた。
・廃止は決定しているわけではなく、今回の株主総会の議案にも株主総会前の役員会の議題にもなかった。

・ここ9年間の累積赤字は2億3000万円で、この先4年間でも1億円近い赤字が見込まれている。大鰐線は「弘前電気鉄道」という会社から弘南鉄道が1970年に引き継いだものだが、それ以降、一度も黒字になったことがなかった。
・大鰐線の利用者数は1974年度の約389万8000人がピークで、2012年度は6分の1以下の57万6000人に落ち込み、約1050万円の赤字。もう一つの路線・弘南線は約240万円の黒字を確保しているが、今後、減収していく見込みだ。このため、16年度には売店売り上げを含む鉄道事業の営業損益がマイナスに転じるとしている。(読売新聞青森)
・社長は「公的支援を受けたとしてもいつまでも受け続けられない」(青森テレビ)

・社長は28日の東奥日報の取材に、廃止については社内で意思統一が図られていると主張。(東奥日報)
・廃止方針は「社長の個人的見解」(毎日新聞青森)
・同社は「社の決定ではなく、今後の対応を検討していく」「社長の発言は個人的な見解だが、大鰐線の厳しさを沿線住民、自治体に知ってほしい」(読売新聞青森)

今後の計画としては、
・常務は「まだ社内調整もしていない、今後、沿線住民に説明をしたり取締役会などで協議する」(青森朝日放送)
・今後、取締役会で正式に廃止を決定し、8月にも沿線の自治体に説明して理解を求めていくことにしています。 (NHK青森)
・社長の話では、利用者に配慮して、来年度から3年間は大鰐線の運行を続ける(NHK)
・JR奥羽本線や弘南バスがあるため、代替交通を用意する考えはない(NHKと東奥日報への社長の話)


周囲の反応は、
・株主総会では大鰐線の廃止について異論は出なかったという(NHK)
・弘前市など株主の自治体は委任状を提出して出席しておらず、社長発言への質問は出なかった。(読売青森)

・沿線の市や町、それに利用客に動揺が広がっている。弘前市の葛西市長は28日の定例会見で突然の廃止発言に怒りをあらわにした。また大鰐町の山田町長は困惑の表情を浮かべていた。(青森放送)
・弘前市の葛西憲之市長は「住民の足を守る公共交通機関の経営者として、我々に何の相談もなく、突然の発言は不適切で、憤りを感じる」と批判。大鰐町の山田年伸町長は「できる支援はしてきた。突然で困惑している。町づくりに交通機関は欠かせない。社長の真意を把握したい」と驚く。(読売新聞青森)
・28日の会見で弘前市長は会社側と存続に向け話し合う姿勢を見せた。また同日、大鰐町とともに担当者を同社に派遣し、早急な説明と大鰐線支援の方策を模索することを申し入れた。(陸奥新報)


まず、同じことを伝えていても食い違う点があり、いろんな書き方があるものだと感心してしまう。
まとめれば、会社としては細かく決めていはいないが廃止したい。それを聞いて沿線は驚いて反対しているという現状か。まあ、鉄道の廃止が明らかになれば、まずはたいていはこういう反応だろうけれど。



よそ者ではあるが、かつて沿線住民だった鉄道好きとしては、とても複雑な心境。※以下は、とりとめがなく勝手な個人の感想・意見です。
衝撃的ではあったが、やっぱり、というかついに来る時が来たかという感想。
昨秋、久しぶりに大鰐線に乗ったら、あまりに乗客が少ない(以前よりも少なくなった)のに驚いた。弘南線と比べると、列車本数は約半分なのに、1列車当たりの乗客は大鰐線のほうが明らかに少なかった。
弘前市内では、ほぼ並行する路線バスよりも少ない運転本数・高い運賃となっている区間(後述の実業高校前付近など)も多い。車両には冷房もない。
こんな状況では…
2005年7月の日曜日昼前の大鰐行き車内。後ろの車両は誰もいない
青森県内では、2012年3月で十和田観光電鉄が廃止されている。夏に廃止が突然明らかになってバタバタと1年経たずに廃止してしまった。沿線から大きな反対の声は出なかったという事情もあるだろうが、それにしても急な話だった。
それから、当の弘南鉄道大鰐線では、2008年に2つの駅名(関連記事)を変更することを直前になって公表し、一部で反発を受けたことがあった。
それらとは違って今回の廃止表明は、実際に廃止するまで3年以上の“猶予”はある。

やめると言い出した社長の言い分は、十和田観光電鉄の時は「行政が支援してくれなきゃ、やめるよ」という話で、今回の弘南鉄道大鰐線は「支援してもらい続けるというわけにはいかないから、やめます」ということで、弘南鉄道のほうが筋は通っていて潔いようにも感じる。

現状のままの形で大鰐線を残すのは、とても難しい話だと思う。
行政が支援するといっても、それは赤字の穴埋めであり、継続的に税金を使い続けるということ。(大鰐町長が言う「できる支援はしてきた」は駅舎改築のような周辺からの支援だと思う。大鰐線の存続には、赤字を埋めるという直接的な支援をしないといけないのでは?)【7月1日追記】公共交通機関には一定の公的支援は行うべきだと考えるが、採算が取れない現状において、他の代替手段があり、何より経営する側に続ける気がないのなら、無理に公金を投入するのは無駄遣いだ。
公共交通機関がなくなるのはけしからんといっても、実際問題として沿線住民・市民町民のどれだけが大鰐線を日常的に利用しているか。(陸奥新報の社説によれば「(2009年の弘前市による)アンケートでは、沿線住民の約6割が「全く利用しない」と回答している。」)

もちろん、ある程度の人口がある地域から公共交通機関を完全になくすのはいけないから、代替交通については充分に検討するべきだ。その点では、社長が言う「代替交通機関は考えていない」はまずいと思う。
社長の考えでは、大鰐線はJR奥羽本線と弘南バスによって完全に代替できるということになる。果たしてそうだろうか。

まず、弘前市街と大鰐町中心部の間の交通手段では、弘南鉄道大鰐線、JR奥羽本線、弘南バスの大鰐・碇ヶ関線が競合している。(弘前側の起終点は異なる)
本数では、弘南鉄道と弘南バスが毎時1本はあるのでJRより優位。運賃は、JR230円、弘南鉄道420円、弘南バス500円。所要時間はJRが10分強、弘南鉄道と弘南バスは約30分。弘前側発の最終時刻は、弘南バス19時00分、弘南鉄道21時30分、JR22時12分。
違いはあるが、弘前-大鰐間の移動に限れば、社長の言い分でもいいかもしれない。

ところが、途中の各駅における代替交通は、そう簡単ではなく、「3者が競合している」とは言い切れないのだ。
奥羽本線は途中に駅が1つ(石川駅=大鰐線の義塾高校前駅に近い)しかないし、弘南バス大鰐・碇ヶ関線は弘南鉄道とは離れた道路(大鰐線とは2キロ以上離れた地点もある門外・堀越経由)を通っている。(弘前市街から小栗山駅辺りまでなら、弘南バスの別の路線で代替は可能)
したがって、大鰐線の途中の各駅では、代替交通機関がない所が少なくない。
昨秋、津軽大沢駅の車両基地公開に行った時にも、近くにバス停がなく、大鰐線が唯一の公共交通機関だと感じた。
これらの駅から沿線の学校や弘前市内の病院へ通う人もいるだろう。そうした人への影響も承知で、社長の発言なのだろうか。
せめて例えば、弘南バス小栗山線(弘前駅-弘前営業所)の一部を、アップルロード経由で大鰐方面まで延長するとかしないといけないのではないだろうか。
【7月1日画像追加】Googleマップに関係する経路を加筆(バスの大鰐側の経路はあいまいです)。全区間において3者が競合しているとは言えない
それから、大鰐線がその輸送力を存分に発揮していると思われる通学時間帯。
弘前市内の大学や県立弘前高校は、大鰐線利用者のウエイトは低いし、東奥義塾高校にはJRの石川駅も近い。
そんな中、聖愛中高前(旧・城南)駅が最寄りである県立弘前実業高校と弘前学院聖愛中学高校は、生徒の大鰐線への依存度が高いのではないだろうか。大鰐線が廃止されてバスだけで全員をさばくには相当の本数(上記の通り路線の延長等も必要)・台数が必要になりそうだし、積雪期の遅延や学校行事などで下校時間帯がずれる場合の対応も必要だろう。
※現行の運賃は、大鰐線の中央弘前-聖愛中高前が260円に対し、弘南バスの弘前駅-実業高校前が210円とバスのほうが安く、本数も多いので、弘前市内側ではバスに転換しても簡単に受け入れられそうではある。



大鰐線では、2002年に大鰐町の「鯖石」駅を移転新築し、その隣の弘前市の外れに「石川プール前」駅を新規開業(弘前市が建設費を全額負担)している。
さらに2007年には、石川-義塾高校前間の奥羽本線の上をまたぐオーバークロスを架け替えている。
そうしたまだ新しい設備もあるのに、廃止されてしまうのはもったいない気がする。(2つの駅名変更の時も費用がかかっているだろうし)

大鰐線を鉄道のまま残すとすれば、架線を撤去してディーゼルカーにするのはどうだろうか。変電設備や架線の維持費が浮く。でも、車両をどこかから探さないといけないか。


当ブログもその1つではあるが、このニュースを受けてネット上ではいろいろな人による感想が流れている。
いろんな意見があるのは当然だが、申し訳ないけれど、実態を分かっていないというかちょっと引っかかったものがいくつかあった。
・大鰐線廃止の代替として、奥羽本線の石川-弘前間に駅を造ればいい
新駅設置自体はともかく、上記の通り、その区間において奥羽本線と大鰐線は相当離れて(直線で約2キロ)いる。道が直線でないので実際にはもっと遠く、代替には成り得ない。
・大鰐線廃止によって土手町の人出が減ってしまう
たしかに、大鰐線の中央弘前駅は土手町へのアクセスが抜群の場所ではある。
だけど、大鰐線で土手町に買い物に来る人なんて、無視できるほどの少なさだと思う。弘前市内で飲んで帰宅する人の足にはなっているかもしれない(上記の通り最終は21時30分発)
・弘南鉄道がIC乗車券も導入していないとは、やる気がない
ないのは「やる気」ではなく「必要性」と「資金」かと思う。
弘南鉄道を含む地方私鉄は、定期券での利用者が多い。導入したとしても、さほど乗客のメリットにはならないはず。IC乗車券導入には設備投資も必要。
IC乗車券は便利ではあるが、地方(の私鉄)においては、何が何でも必要なものではないと思う。
弘南鉄道では、フリー乗車券や弘前市内からの往復と大鰐の温泉施設入浴券をセットにした「さっパス」の発売、土日に大人と一緒に乗った子どもの運賃を無料にするなど、それなりに努力している。
これは弘前市の事業だったけれど、今年の弘前公園のさくらまつり期間中に中央弘前駅で下車した人は、公園の有料区画に無料で入場できるようにしたこともあった。
強いて言えば、冷房車を導入したり、大鰐でのJRとの接続を考慮したダイヤにしてくれたりすると良かったのだけど…


よそ者は、今後を見守ることしかできない。
土手町を後に土淵川沿いを走り、学生街と住宅地の中を抜け、さらにいつの間にかリンゴ畑の中にいるという、他の路線はない車窓の変化が楽しめる弘南鉄道大鰐線。
中央弘前の隣、弘高下(ひろこうした)駅

奥羽本線を越える。周りは田んぼとリンゴ畑
沿線で暮らした者としての感傷に過ぎないが、なくなってしまうのは寂しい。

【7月22日追記】その後、7月22日に社長が弘前市長や大鰐町長と会談し、2017年での廃止を撤回することを明らかにした。
これを受けて、一部では「廃止を撤回」とだけ伝える報道もあるが、そうではなく「2017年3月の」廃止を撤回、もしくは廃止の方針を「いったん」撤回ということのようだ。
とりあえず、廃止が遠のいたのは事実ではあるが…

取締役会での廃止提案は行わず、国や沿線自治体と協議会を立ちあげて存続を検討していくそうだ。
社長の話では、「大鰐線の存続の条件として、利用者が昨年度の57万5000人を下回らないこと(NHK)」。「補助金は受け入れず、利用客を増やす形で存続を探りたいと話している。(RAB)」とのこと。
(以上追記)



他の弘前周辺の公共交通機関の話題。
●田んぼアート駅
弘南鉄道のもう1つの弘南線のほうは、明るい話題。
田舎館村の「田んぼアート」の第2会場である「道の駅いなかだて」付近に新しく駅が造られていた。その名も「田んぼアート」駅。
その開業が7月27日(土)に決定した。8月1日の予定だったが、工事が順調なのと土日に開業イベントを行うために前倒しした。

ただし、第1会場である村役場にはけっこう遠いので、役場前を通る弘南バス(弘前-黒石線)で訪れるのがベスト。それに弘南線の車両も冷房がないから、真夏は相当暑いですよ(経験談)。
【7月1日追記】田んぼアートの2つの会場を結ぶ「シャトルワゴン」を運行する計画がある模様。また、駅は常設ではない「臨時駅」のような扱いで、停車する期間やダイヤ(朝夜は通過)が限定されるという話もあるが、詳細は不明。

●バス関連
6月25日に今年度最初の「弘前市地域公共交通会議」が開かれ、それを伝える26日の陸奥新報サイトより。
まず、7月中旬から弘前市が「まちなかお出かけパス事業」を開始する。これは「市中心部以外と中心部を結ぶバスに小学生以下の子どもと保護者が乗る場合に、子どもは無料で、保護者も100円と料金が安くなる。」という。要は市中心部と郊外を行き来する親子連れのバス料金の値引きだ。
ちなみに、盛岡市でもまったく同じ名称の事業しているらしいが、それは高齢者向け。

青森市営バスでは、既に小学生(青森市民のみ)のバス料金を無料にしている。秋田県大館周辺の秋北バスでも長期休み中に、運賃を小学生50円・中学生100円の均一にしている。(これらは子どもだけで乗っても適用)
秋田市の高齢者コインバス(70歳以上100円均一)の子ども版とも言えるが、弘前での高齢者優待制度は、弘南バスが65歳以上が半年27000円、年間45000円で全路線を利用できるパスを発売しているだけ。


もう1つ、7月27日にオープンする「ヒロロ」(旧・ジョッパル)。
それに伴い、「「ヒロロ前」など二つのバス停を同日から新設する土手町循環100円バスの路線変更を承認した。」とのこと。
詳細が分からないが、今年春に弘前駅周辺の経路とバス停名を「ジョッパル前」から「大町一丁目」に変更したばかりなのに、また変更するんだろうか。→下記追記参照。

【7月2日追記】弘南バスのホームページに「弘前駅前商業施設「HIRORO(ヒロロ)」のオープンに合わせ、土手町循環100円バスの運行ルートが変わります。」という告知がアップされた。
「いつから」変わるのかが明記されていないが、サイトにアップされた告知のファイル名からすれば、ヒロロのオープン日である7月27日から。
ルートは、
以前(今年3月まで)
 中央通り二丁目→駅通り→弘前バスターミナル→弘前駅前→ジョッパル前→大町二丁目
現行
 中央通り二丁目→弘前バスターミナル前(路上)→弘前駅前(降車専用・6番のりば)→弘前バスターミナル→弘前駅前→大町一丁目→大町二丁目
だったのが、今度は、
 中央通り二丁目→並木通りバスターミナル前(新設)→ヒロロ前(新設)→弘前駅前(降車専用・6番のりば)→弘前バスターミナル→弘前駅前→大町一丁目→大町二丁目
となる。

「弘前バスターミナル前」は再び通らなくなり(わずか4か月弱だった)、以前と同じようにヨーカドー西側の交差点を右折して並木通りに入るものの、バスターミナル内には入らず直進、ヒロロの角を左折して駅へ向かい、そこからターミナルへ入って終点になる。
2つの停留所が新設されるが、「並木通りバスターミナル前」はイトーヨーカドー西側の自転車置き場の辺りだろうか。曲がってすぐで、後続車に追突されそう… 駅へ急ぐ時は、ここで降りると早いかもしれない。

ヒロロ付近では、従来の向かい側にあったジョッパル前(現・大町一丁目)は残し、ヒロロ側の車線に「ヒロロ前」を新規設置。
並木通り→ヒロロ前→駅という経路を路線バスが走るのは、初めてだろう。
さらにヒロロ-駅-ターミナルでは、両側の車線を循環バスが通ることになり、これまたややこしい。

要するに、ヒロロの真ん前に循環バスを通したくて、こういう複雑な経路に変えたということだろうか。※続きはこの記事後半
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桜町で今でしょ!

2013-06-27 22:58:00 | 秋田のいろいろ
現在、「今でしょ!」が流行語になっている。
東進ハイスクール・東進衛星予備校国語科 林修講師の発言。
授業中の発言を抜き出して予備校のCMに使われ、それから派生してトヨタ自動車のCMになり、さらに「笑っていいとも」などのバラエティ番組に出演するようになって、流行したという流れのようだ。
※正確には「いつやるか? 今でしょ!」で1セット。林先生ご自身は「正確に覚えてくれている人は4割くらいしかいない」と話していた。

「今でしょ!」は意外な場所でも使われている。
間もなく行われる、第23回参議院議員選挙に当たって、秋田県選挙管理委員会が一般から募集した啓発標語の最優秀賞作品は、
今でしょう 日本を変える 一票を」。
秋田県にしては斬新な標語だ。



さらに、もっと驚く所に「今でしょ!」があった。
先週21日頃から、秋田中央交通の路線バスの車内放送が更新された。更新というのは主に広告。スポンサーの入れ替えがあったり、同じスポンサーでも内容が変わったりする。
市営バス当時と比べれば、中央交通では広告放送が少なくなった印象がある。これは、不況や広告料(市営バスが安かった?)のせいか、中央交通が広告主集めに熱心でないのか、あるいは放送方式がテープから音声合成に変わったためか、分からないけれど。
※市営バスの放送については、いずれ改めて記事にするつもりです。


保戸野と泉の境にあるバス停「桜町(さくらまち)」。
神田線、添川線、泉山王環状線が通り、おそらく各路線・上下とも同じ内容の放送だと思われる。
市営バス当時は、ちょっと離れたお茶屋さんの広告が入っていたかと思うが、移管後はどうだったろう。

先週から、桜町の放送がこうなった。(乗って録音したものを文字に起こします)
「次は桜町、桜町。お薬や介護のことで悩んでいませんか? 薬局に相談するなら、今でしょ! 土日も営業、ドライブスルーでも大丈夫。在宅介護対応の矢野薬局前でございます」

まさか中央交通のバスの車内で「今でしょ!」を聞くことができるとは!
再掲)薬局はまさにバス停の真ん前
鹿児島の路面電車などではラジオCMのような“演技派”の放送広告があるけれど、秋田のバスの広告はバス停名と同じ声で、どちらかと言えば淡々と読み上げる形式(全国的にこれが主流だろうけど)。
でも、ちょっとだけタメて、若干感情を込めて「今でしょ!」と言っているのがおかしい。
今まで秋田で聞いた車内放送の中で、いちばんインパクトがあるかも。

さて、林先生ご自身は、「今でしょ!」ブームはそう長続きしないと考えておられるようで、稼げるうちに稼いでおこうとしているようだ(という趣旨の発言をしていた)。たしかに、ついこの間のはずの「ワイルドだろぉ」なんか、すっかり忘れ去られている。
中央交通事業部広告課のホームページによれば、車内放送の広告の「掲出契約期間は、1年間単位でお願いします。」とあるので、あと1年間は桜町で「今でしょ!」を聞くことができるはず。その1年後には「今でしょ!」はまだ通用するだろうか。

【2014年6月9日追記】1年後・2014年6月の広告更新時をもって、桜町の「今でしょ!」は終了(薬局自体が広告をやめた)したとのこと。
1年前と比べると、「今でしょ!」ブームはかなり下火になったが、林先生ご自身はいくつかのテレビ番組でレギュラー・準レギュラーとして出演するなど、文化人タレントとしての地位は確立している。
【2015年5月3日追記】2015年5月時点では、薬局の広告は流れている(復活した?)が、ありきたりのフレーズ。
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パン2013.6

2013-06-26 23:24:45 | ランチパック
恒例のパンの話題。ランチパック・フレッシュランチ系ではないものばかりですが。
●ホットケーキ
たけやの「ホットケーキ」には、中身が違う商品が次々出ては消えている。
現在発売中なのは、
たけやホットケーキ バナナジャム&ホイップクリーム

たけやホットケーキ オレンジジャム&ホイップクリーム
今までは名称欄がなぜか「和生菓子」と表示されていたが、どちらも名称欄「洋生菓子」に変わっていた。
オレンジジャム&ホイップの中身。オレンジの皮らしきものが見える
ところで、バナナジャムというのも珍しいが、「オレンジジャム」って何? マーマレードじゃないの?
皮が入っていればマーマレードを名乗っていいようだけど…

ちなみに、イオンリテールのレシートでは
「HCオレンジ&H」何が何だか分からない
※バナナのほうは「HCバナナジャム&H」。イトーヨーカドーやマックスバリュ東北などでは半角カタカナを多用している印象だけど、イオンは全角を使いたがるようだ。

●カステラサンド
たけやオリジナル製品のひとつに「カステラサンド」というのがある。カステラとイチゴジャムとホイップクリームをパン生地で挟んだもの(でいいのかな?)。
6月にその派生商品が新しく発売された。
たけやカステラサンド はちみつ 475kcal
イチゴジャムの代わりにはちみつを入れたようだ。これこそ「洋生菓子」扱いのような気がするが「菓子パン」だった。
 中央部がカステラ

工藤パンでもカステラサンドがある

●ペイ
6月の謎の新商品。
たけやクリーム・ペイ 233kcal
「シュガーマーガリンとアーモンドがのったカスター風味のデニッシュパンです。」とあるが、「ペイ」って何? 「パイ」ってこと?
菓子パンにしては小さめ
味はそれなりにおいしかった。

●ドーナツ
いつからあるのか知らないが、たけやでもドーナツを売っていた。
たけやオールドファッション チョコ&シュガー 658kcal
名称欄はズバリ「ドーナツ」で栄養成分表示あり。チョコは片面にだけかかっている。
ローソンやセブン-イレブンでは1個100円くらいのドーナツを売っていたかと思うが、これは2個で100円前後。個人的にはこれで充分。【27日】ドーナツの大きさは、コンビニやミスドと比べてほんの少し小さいかもしれない。食感やチョコの量や味は充分で、なかなか本格的だと思う。
「Doughnuts Series/TAKEYA's original Doughnuts」
包装には「たけやドーナツシリーズ」とあるが、他の商品ってあるんだろうか?(あんドーナツとかはあるけど、それは違うだろう)

ところでたけやでは、1972年から短期間、ドーナツ専門店を経営していたそうだ。(「二〇世紀ひみつ基地」の今年4月29日「1972・秋田初のドーナツ専門店オープン・たけや製パン」より)
ひょっとしたら、その味を引き継いでいる商品なんだろうか?

以下はたけや以外。
●高級品
クリームパンにいろいろあれど、ヤマザキのクリームパンは安くておいしいと思う。
しかし、今年3月頃から「しっとりとした食感 湯捏(ゆごね)仕込み」と表示され、生地の食感が変わって(個人的には前のほうが好き)、若干小さくなってしまった気がしている。

全国的には前からあったようだが、こんなヤマザキのクリームパンを秋田で初めて見かけた。
ヤマザキ高級クリームパン 330kcal 仙台工場製
高級というわりには98円で売っていたので、普通のクリームパンと変わらない。
十勝産牛乳を使ったクリームとのこと。
 形も中身も普通
味は、たしかに少しリッチな感じがしなくもないけれど、系統としてはヤマザキの普通のクリームパン、それも以前のものと同じ。ヘンに高級品感を装うことなく、しっかりした作りで好き。


●実りベーカリー
ローソンのオリジナルのパンは、「とっておき宣言」というシリーズだった。
それがいつの間にか(4月から)リニューアルされて「実りベーカリー」に変わっていた。
実りベーカリーのメロンパン

こうしたパンは、ヤマザキ系列の製パン会社に製造を委託しており、秋田や青森ではたけや製パンや工藤パンも製造している。
とっておき宣言時代は、ヤマザキ、たけや、工藤パンの自社製品の扱いになっていて、製造者名やバーコードも各社のものだった。

実りベーカリーではこの点が変更されたらしい。秋田のローソンで売っていたメロンパンの場合、
製造所固有記号KD=工藤パン製
従来はなかった製造所固有記号が表記され、裏面には
販売者 山崎製パン
つまり、ヤマザキブランドのクリームパンや一部ランチパックと同様、「ヤマザキの製品を、工藤パン(やたけや)に製造委託している」という形のようだ。
ヤマザキの各工場で製造した分は、「製造者 山崎製パン」表記になっていると思われる。

【7月14日追記】ローソンのスイーツ「ウチカフェスイーツ」シリーズでも、同様に販売者が山崎製パン、製造所固有記号がTK(たけや製パン)になっていた。
【8月19日追記】「ウチカフェスイーツ」の別商品では、製造者欄がたけや製パンで、製造所固有記号なし。バーコードはローソン独自のもの(4903423~)になっていた。
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湯沢線にさらに/教育研修車 他

2013-06-25 23:32:58 | 秋田のいろいろ
また、バスの話題をまとめて。
●高速湯沢線にさらに
秋田と湯沢を結ぶ高速バスの羽後交通担当便に、今春から新しい車(といっても貸切車両の転用)が1台入っていた。
さらに先週後半には、
この車が!
「秋田22 い401」というナンバーの日野セレガ。
春から入った「319」と近いナンバーなので、同様に貸切車両から転用されたと考えられる。
【26日追記】秋田市交通局が導入した車両では、350番代(秋田八丈塗装のワンロマ車)を1992年秋に導入しているので、319や401はその前後に登録されたと推測できる。
 
それにしても、今までの車両からすれば、かなりのグレードアップ。
3月に全便が古い車両で運行されたのが遠い昔のことのようだ。(あれは古い車両の引退記念だったのだろうか…)

今までの車両はどうなったのか分からないが、羽後交通側では2台で湯沢線の全運用をまかなえる(予備は必要だけど)ので、これで世代交代がなされたと見ていいだろう。
これによって、中央交通担当便との設備的な格差が解消された。
※中央交通担当便でも、こけし塗装の日野セレガが使われているが、製造時期が違うためか羽後交通のほうが顔つきが若干丸っこい。
元秋田市交通局の貸切車両で、秋田市中央公民館「やまびこ号」(教育委員会管轄)に転用されている車両と近い形式かもしれない。

【7月28日追記】7月28日に、従来から(路線バスっぽい)の「758」が使われていたのを見た。やはり旧式の車両もまだ使われることがあるようだ。
【2015年7月31日追記】その後、401と同型の日野セレガ「315」も高速湯沢線に入るようになり、予備も含めた3台が揃った。315は以前は田沢湖に所属していたとのこと。


●319の活躍
今度は中央交通。中央交通にも「319」というナンバーのバスがあって、臨海営業所所属の大型一般路線バスであることは何度か紹介している。
川崎鶴見臨港バスの中古で、富士重工ボディのいすゞ車。

古い割には好んで使われているらしく(あるいは単に何も考えずに配車しているのか)、通常の新屋・割山方面の路線以外でも目にすることがある。
秋田駅東口と御所野のイオンモールを結ぶシャトルバスは、日曜日は一般路線バスの大型車を使うことになっているらしい。2台使われるが、秋田営業所と臨海営業所で1台ずつ受け持つようだ。
5月下旬には、
後ろ姿ですが臨海「319」と秋田「977」。中央交通の新旧いすゞ大型バスの競演?
「977」は秋田営業所唯一の大型路線バス(ノースアジア大学シャトルバス専用車を除く)。
ノンステップバスをこんな用途に使うのはふさわしくない(お客から運賃をもらう路線バスにこそ使うべき)と思ってしまうが、977は土日は路線運用に入らないみたいなので、遊休車両の活用ということなら、まあ納得。(ノースアジア大シャトル専用車を使う手もありそうですね)

大型バスが多い臨海営業所では、以前はノンステップのエアロスターをシャトルバスに使うことがあったが、最近はそうでもない。元市営バスの車両もよく入っているし、このように319も入る。

さらに、昨日は、新国道経由五城目線に319が入っていた。
五城目線は五城目営業所と臨海営業所で担当している。
五城目営業所担当便ではごくまれに大型バスが入ることがあったが、臨海営業所担当便は最新のノンステップ中型バス「904」が限定して走るようだ(車両購入に補助金が出ている関係か)。
その904が点検中だったのだろうか、319に白羽の矢が立って代走したようだ。

でも、何でまた319なんだろう。
それだけ信頼が厚い車両なのかもしれないが、普段は中型バスで間に合っていて、普段はノンステップバスなんだから、小田急中古のノンステップのどれかを入れれば良さそう(過去には実績あり)なものだが。
あえて古い大型にした理由が分からん。

ということは、319は南は御所野や大森山の上から北は五城目まで広範囲を走り回る、中央交通で特筆すべき車両ということになる。この活躍はいつまで続くことだろう。


●教育研修
中央交通の路線バス車両が、こんな表示を出して走っていた。(うまく撮れなかったですが)
「教育研修車」
今年の4月頃に初めて目撃して、2度目。
今となっては系統番号がなく、正方形のゴシック体が並ぶ表示自体が珍しいけれど、「教育研修車」とは耳慣れない言い回し。

バス会社が採用した新人運転士の練習のため、専用に車両を仕立てて走行することがある。全国的には、その時は行き先表示に「教習車」と表示することが多いようだ。
何年か前、中央交通の教習車らしき用途で走る車両を見たことがあったが、その時は「秋田中央交通」の表示だったかと思う。
それに、営業所の統合や新規路線開設に当たって、(新人でない)運転士が経路を覚えるために走っているバスも、社名表示だった。


今回見た「320」は、秋田営業所所属の中型バス。
走っていた道は、秋田営業所が担当するバスは1日数回しか走らない場所で、かつ旧・秋田東営業所担当路線だった。運転したり客席に乗っていた人たちは、失礼ながら新人には見えなかった。
したがって、以前から秋田営業所に所属する運転士が、旧東営業所担当だった路線も運転できるよう、その経路を習得するための「研修」だったのかもしれない。

LEDに系統番号を入れる時にでも、こういう用途に「教育研“修”車」の表示を加えたのだろうか。
ぜひとも「中心市街地循環バス」の表示も入れてください。
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スモークツリー/デンドロビウム

2013-06-24 23:00:31 | 動物・植物
秋田市内某所の道路に面した民家の塀から、路上にこんな植物がはみ出していた。
もくもく?
低い木で、綿ぼこりの塊のようなピンク色のものが付いている。

話には聞いていた「スモークツリー」に違いないと直感した。
綿ぼこりみたいなのは花が咲いた後に花の柄が伸びてできる「穂」状のもので、それを煙に例えて「スモークツリー」とはよく言ったものだ(煙よりは綿ぼこりにより近いと思うけど)。タンポポの綿毛のように、種を遠くへ飛ばすのが目的らしい。
別のお宅で、同じくらいの大きさの木に白っぽいような黄色っぽいような(ススキの穂みたいな色)スモークツリーが咲いているのを見かけたが、それが元々のスモークツリーの花色。赤系統の花は変種もしくは園芸品種のようだ。

ところで、当ブログで用いる動植物の種名は、原則として標準和名を記載することにしている。
じゃあ、「スモークツリー」の標準和名は何だろうと調べたが、分からない。別名としては「カスミノキ」「ケムリノキ」「ハグマノキ(ハグマ=白熊=ヤクの尾の毛のことだそうで、仏具などに使うらしい)」などがある。

この植物はウルシ科。あまりかぶれることはないらしいが、剪定時などは注意したほうがいいかもしれない。
ヨーロッパから中国原産。雌雄異株で、花穂がスモーク状になるのは雌株だけ。

スモークツリーの名は知っていたが、花の咲く時期に見かけなければ気付かなかった。時期的には、ヤマボウシの花が終わりかけ、アジサイが咲き始める頃に咲くということか。
スモークツリーは他のウルシ科植物と同様、紅葉がきれいだそう。



冬に、我が家でそれなりに管理していた鉢植えの蘭、シンビジウムが咲いた
ほかに「デンドロビウム」も1鉢あるのだけど、5年間ほど葉っぱが茂るだけだったのが、
咲いた!(現在はほぼ終わりました)
デンドロビウムの1つ「セッコク」が日本に自生するそうなので、ある程度(葉っぱだけが茂る程度)は育つのかもしれないが、花芽を作らせるようにするのは難しいらしい。

どうして今年花が咲いたのか。
シンビジウムの時も挙げたように、昨夏の猛暑とちょっといい肥料に変えたのが原因だろうか。
デンドロビウムは、夏から秋にかけての管理にコツがある(シンビジウムほど放ったらかしではいけない)ようなので、そこに気をつければ来年も咲いてくれるかも。
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羽越線を走るE6系

2013-06-23 21:01:52 | 秋田の季節・風景
秋田新幹線の新型車両「E6系」電車の新製投入が続いている。
通常、メーカーの工場ででき上がったJR東日本の新幹線の車両は、トレーラーと船を使って、仙台の新幹線総合車両センターへ輸送・納入される。
E6系も今まではそうだったが、9番目(量産先行車を含めて)の「Z9」編成からは、在来線の線路を使って輸送する「甲種輸送」で秋田車両センターへ直接納入する方法も行われるようになった。
「甲種輸送」は、車両をJR貨物による貨物列車の扱いで運ぶもので、JR貨物の機関車やハイブリッド車両(こちらこちら)が甲種輸送されるのを以前に紹介した。


新幹線と在来線では、レールの幅が違う(標準軌と狭軌)上、トンネルや橋、途中駅のホームなど構造物の幅が違う(在来線のほうが狭い)から、フル規格の新幹線車両を在来線の線路を使って輸送することは、物理的にできない。
ところが、レール幅を広げただけで構造物は在来線規格のミニ新幹線では、その車体幅は在来線と同じなので、「台車」を履き替えれば在来線で甲種輸送できる。ミニ新幹線車両E6系ならではの納入方法ということになる。
なお、E3系の時も、一部は甲種輸送されたが、わずかな幅の違いで北陸本線のどこかの駅のホームに車体がこすれて傷が付いたことがあったかと思う。また、秋田に到着する日は天候が悪い日が多く、見に行かなかった。

甲種輸送の予定は「鉄道ダイヤ情報」という愛好家向けの雑誌(大きな書店ならたいてい置いている)にダイヤが掲載されるので一般人でも知ることができるし、今はネットで情報が広がる。
今回は、神戸の川崎重工で完成したE6系が、東海道線、上越線、羽越線などを通って足掛け3日かけて秋田まで運ばれた。
5月31日発と6月21日発の2回行われ、いずれも神戸を金曜日の午前中発、秋田に日曜日の昼過ぎに到着するダイヤ。週末に近畿・中京・首都圏と大都市を、斬新なデザインの車両が走行するとあって、狙って見た人・たまたま目にした人、それぞれ多くの人々に注目されたようだ。

6月2日着は「Z9」編成だったが僕は見に行かなかった。
今日23日着は「Z11」編成が予定通り輸送されているとのネット上の情報を得て、羽越本線・羽後牛島-秋田間の住宅地の線路沿いで待つことにした。天気もほぼ晴天。
※抜けている「Z10」編成は日立製作所製(E3系には日立製車両はなかった)で仙台に搬入されたとのことだが、もう10編成を突破してしまった。

どこで情報を得たのか、何組かの親子連れなどが線路沿いに出ていた。
羽後牛島駅で数分間停車するダイヤが組まれている。直前に上りコンテナ貨物列車があるので、羽後牛島で交換するようだ。
コンテナが通過した後、再び踏切が閉まり、羽後牛島を発車したであろう機関車の警笛が聞こえ、やがてEF81形電気機関車のヘッドライトがゆっくりと近づく。(通常の列車よりは遅いが、思ったよりは速い)
「EF81 633」牽引
JR貨物所有の初期型のEF81は、昨年、改番が行われたので、「633」号機は元「33」号機。
逆光気味の場所で、古い機関車と新しい車両の明暗差、そもそも前からは機関車に隠れてよく見えないけれど、普段は走らない場所を新幹線が走っていると思うとすごいし、どこを走ってもE6系は目立つ。

見に来ていた子どもたちは「スーパーこまちだよ。すごい!」と騒ぎ、機関車はサービスで「ピッ!」と軽く警笛を鳴らしてくれていた。
鼻先がだいぶ汚れていますな

連結部に注目
新幹線と在来線(の機関車)では連結器が違うため、間にアダプターのような「中間連結器」を挟んでいるのだろう。
ホースもつながっていて、これはブレーキ用。自走しないものの、止まる時はE6系側でもブレーキが作動するようだ。

 側面はピカピカ
最近の新幹線は、車体間の連結部がすっぽりと「幌」で覆われていてE6系もそうだけど、輸送中は幌がない。
それに車輪の辺りもスカスカして見える。上記の通り、本来とは違う仮の台車を履いていて、レール幅は仮台車の方が狭いので、その分だけ台車が奥まった位置にあって引っ込んで見えるのだ。
さらに、E6系では台車部分も防音のため覆われているそうだが(今日まで気付かなかった! 後の写真参照)、その覆いもない。
パンタグラフは黄色いテープでぐるぐる巻きにされていた。

後部連結器もむき出し。同様に中間連結器やホースが付いている


そのまま歩いて秋田駅まで行ってみたら、到着したE6系Z11編成は2番線に入っていて、EF81が切り離されたところだった。
楢山の秋田車両センターへ入るには、進行方向が変わるので、反対側にディーゼル機関車「DE10 1187」が連結された。このDE10はJR東日本の所有。この段階でJR東日本に引き渡されたということなのかな?

この時、反対側の12番線には、14時10分発の「スーパーこまち12号」が入線している(Z3編成だった)。だから、
2本のE6系が秋田駅の両端に!
日曜日でもあり、自由通路にはスーパーこまち見物の人が多かったが、2番線にもE6系がいて、それが何を意味するか分かっただろうか。


12番線で撮影しているのはほとんど女性だ

仮台車。番号が振られている

スーパーこまち12号が発車。台車(車輪)が覆われて見えない

その後、11番線に「こまち29号」として到着していたE3系が車両センターへ引き上げた直後、2番線のZ11編成も車両センターへ向かった。

車両センターで台車を正式なものに履き替え、幌など装備を施し、近々営業運転に入ることだろう。

E6系は24編成(24本)投入される計画なので、あと13編成が未完成。そのうち何本かは、また甲種輸送されるかもしれない。



E6系が増備される一方でE3系は減っていくわけで、E3系の量産先行車で特徴的な外観だった「R1編成」もついに引退することが、先週JR東日本秋田支社から発表された。
それによれば、「他のE3系車両とはライトの位置や、先頭部分の形状が異なることから、鉄道ファンの間では「R1」と呼ばれ親しまれておりました。」とのこと。

7月20日(土)の秋田12時57分発「こまち36号」が、R1編成のこまちとしての最終運行で、秋田駅でセレモニーなどを行うという。(実際には、東京到着後折り返し「やまびこ215号」が最終運行になると思われる)
引退後はどうなるのだろうか。
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バスの話題

2013-06-20 23:31:13 | 秋田のいろいろ
バスの話題をまとめて。
●循環バスに初登板
秋田市中心市街地循環バスは、運行開始以来、3台の車両が限定して使われてきた。
小田急中古の寸詰まりいすゞエルガミオの「834」と「835」、それに日野リエッセの「129」の3台。
運用は2台でまかなえるので通常は834と835が走り、週末などはどちらかが抜けて129が入ることも少なくない。

ところが今日は、
「211」! ※不慣れなカメラで慌てて撮影したので、こんな写真です。
いつもの3台以外の車両が循環バスを担当しているのを初めて見た。
211は秋田営業所所属の(寸詰まりでないフルサイズの)エルガミオで、ワンステップ。中古ではない中央交通生え抜きの車両。車齢としては小田急中古の寸詰まりよりは新しいか。
秋田市が広告主の「秋田らしさをデザインしたラッピング」が施されたうちの1台で竿燈のデザイン

循環バス史上“最大(最長)”の車両であり、初のLED式行き先表示搭載の車両ということになるが、行き先は「秋田中央交通」と表示。自由に表示できるLEDなんだから、循環バスのデータを入れておけばいいのに…

この車でもあまり違和感はない(正面から見れば寸詰まりとの違いはない)し、竿燈のデザインで秋田市中心市街地らしいし、これはこれで悪くないかも。
【21日追記】211は、車内前方の床が低い部分の座席が、窓を背にして座るロングシートになっている、通常と異なる座席配置の車だった。廃止された旧雄和町の循環バス「ユーグル」専用車だったと思われる。背もたれが直角で薄っぺらで座り心地が良くないけれど、乗車時間が短い中心市街地循環バス向きの座席配置と言えるかもしれない。

もう1台はどの車が使われていたかは不明だけど、どうしてこんな事態になったのかは察しがつく。

募集していた車体デザイン(リンク先中ほど)が決定し、7月頃から新デザインになる予定なので、その作業(ラッピングシートの貼り付け?)が行われているのだろう。
834と835で同時に作業が行われているのか、あるいはどちらか片方が作業中でもう片方が点検や故障で運行できなくなり、211が駆り出されたと考えられる。(明日以降も観察すれば分かってきそうなので、追記します)
なお、6月18日は834・835とも運行していた。
【追記】その後、21日(金)~28日(金)は毎日129と211で運行。※23日はヤートセ秋田祭のため、10時以降は通町~交通公社前をカットして(木内前→北都銀行前の経路で迂回)運行。
【28日追記】27日更新の秋田市交通政策課のホームページによれば、7月6日(土)にエリアなかいちで表彰式を行い、7日(日)の始発から新デザインの車両で運行するとのこと。

新デザインの実車が登場したら、改めて紹介するつもりです。※こちらの記事にて


●EV泉ハイタウン線
今月上旬(リンク先中ほど)、秋田県が主体となって作って試験中のEVバス「ELEMO-AKITA」が、泉ハイタウン線(旧称・泉秋操線)の行き先表示を出して待機しているのを目撃した。
実際に泉ハイタウン線で営業運行したのかは不明だが、その後、通町を走っていたという目撃情報(遠ざかる後部なので行き先表示は確認できなかったとのこと)を得た。

今日、中央交通のホームページが更新され、「EVバス(電気バス)の路線バス運行について」というのがアップされた。
来週の24日(月)~26日(水)に、泉ハイタウン線の9・11・14・16時台の4往復を担当するという。
【23日追記】その後、23日の時点では「【26日(水)は、午前中のダイヤのみ運行予定です。】」とひっそりと追記された。

4月に2日間、臨海営業所線で行われた試験的な営業運行と同様のものであって、本格的な営業運行ではないだろう。
4月の時は新聞には載ったが中央交通側からの発表はなかったので、掲載してくれたのはいいけれど、こんな情報より、前はやっていたのに最近はやらなくなった、迂回運行やダイヤ改正の変更点について、ホームページに載せてほしい!

この週末は「ヤートセ秋田祭」に伴い、通町近辺で迂回が発生するのですが…(バス停には掲示がある)

【7月11日追記】7月11日付でホームページが更新され、再び泉ハイタウン線をEVバスが走るとのこと。
7月16日(火)から19日(金)の毎日2往復。ダイヤは2通りあって、16・18日は14時台と16時台、17・19日は9時台と11時台。
【8月28日追記】その後、ホームページでの告知はなかったが、8月28日に泉ハイタウン線を走っていた。
この事業に関連して、バス停側でも変化があった。
10月から本格運行されることになった


●ご意見
秋田駅西口バスターミナル建て替えは、地盤の工事中で、構造物はまだ見えてこない。※直近の記事(リンク先末尾)
建て替えに当たって、中央交通としては珍しく、ホームページで一般からの意見を募集していたが、工事が始まってもまだ意見を募集し続けていて、いつまでやるのかと思っていた。

今日、久しぶりにホームページを開いていみると、「新バスターミナル、バス停設置に関するご意見」と微妙に言い回しが変わっていた。
「現在建替中の秋田駅西口バスターミナル内に設置される新しいバス停について、皆様方からのご意見を募集いたします。」などとあるが、抽象的で何を知りたがっているのか、僕には理解できない。
「バス停について」と言われても、バス停のポールのことなのか、乗り場の割り振りや配置のことなのか、ベンチや待合室などバス停周辺のもののことなのか、いろいろある。
いっそ「なんでもご意見箱」にしたらいかがでしょうか。

【7月6日追記】7月6日付秋田魁新報、秋田市/県央地域面に「建て替え工事の臨時バス停 利用客「分かりにくい」 秋田中央交通 屋根設置検討も」という記事が出た。
案の定、一部利用者から臨時バス停の分かりにくさや屋根がなかいことに対する不満が出ているというもの。
中央交通では「案内する職員を6~8人配置」しているとあるが、最近は警備会社に委託した誘導員は別として、社員はあまり見かけなくなった気がする。
また「8月上旬の後期工事開始に合わせ、屋根の設置も検討しているという」そうだ。梅雨が明けてから、屋根設置ね…(日差しよけとしての意義はあるけれど)
※続きはこちら


●ついに1000達成
バスが付けるナンバープレート「秋田200 か」は「989」など4桁に近づいていたが、ついに1000を越えた。
18日に、空港リムジンバスに「10-07」という車両が入っていた。貸切塗装で、三菱の1世代前のモデル。後部にトイレが付いている。
実はリムジンの車両にも小田急の中古が入っていて、10-07もその1台だと思われる。
先に入った「951」とおそらく同型
【8月13日追記】中央交通では路線用の中古として「10-03」「10-04」が導入。秋北バスには貸切用の中古で「10-02」が入ったのを確認。
【2017年12月31日補足】上記、10-03は三菱エアロミディで男鹿営業所配属。10-04は元小田急のいすゞエルガで秋田営業所配属。
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明田富士山

2013-06-19 23:32:06 | 秋田の地理
秋田駅から南へ500メートルほどの所に「明田(みょうでん)地下道」というアンダーパスがある。かつては「明田踏切」があった。
そこから少し離れた南東側一帯が「東通明田」という町名。かつては「楢山字明田」だったそうだ。「明田」は小字に過ぎないはずだが、秋田市民には浸透している地名。

東通明田の南端は太平川が流れていて、対岸には一つ森公園の山や金照寺山がそびえる。
秋田駅から太平川までは、ずっと平らで高低差のない土地が続くのだけど、一つ森公園に続くかのような丘が1つだけ存在する。
それが「明田富士山」。標高35メートルで日本山岳会により「日本一低い富士山」として認定されている。秋田駅から直線で1キロの所に、富士山があるのです!
※「明田富士山」の名称は地図には記載されていない。
※ちなみに、秋田県南秋田郡大潟村には標高0メートルの「大潟富士」があるけれど、それは人工の築山。

地図サイトには明田富士山の所に「楢山明田近隣公園」と記載されているが、秋田市建設部公園課の都市公園のリストには載っていない。公園の指定を解除されたのだろうか?(「楢山明田“街区”公園」は東通館ノ越にある別モノ)
てっぺんの眺めがなかなかいいと話には聞いていたが、登ったことはなかった。近くを通ったので、“初登頂”に挑んだ。

明田富士山周辺は、道が狭い。特に西~南側は車がわりと通るので注意。
“登山口”は1つだけ。秋田駅から行くと裏側に当たる、太平川沿いの車が入れない道にあった。(才八橋から上流側に進んだ所)
隣は民家。立派な門をくぐって登る
お寺みたいなの(法華堂)の横を通り、お稲荷さん(明田稲荷大明神)の鳥居をくぐり、木々に囲まれた狭い階段で上へ進む。
階段はけっこう急だったり足元が悪い箇所がある
「山登り」とまではいかないけれど、千秋公園(標高約40メートル)を上るよりは大変。

途中に平坦な場所が2箇所あって、ベンチが置かれたり、秋田市の公園にあるのと同じ注意書きがあったりする。
で、あっけなく、
登頂成功!
てっぺんはそれなりに広い縦長の土地。奥に「富士山大権現」が祀られている。
奥から振り返る
地面には凹凸があるので、走り回ったりはしないほうがよさそう。
「日本一低い富士山」の標柱
外側には木があるが、そのすき間から北~西側の風景、すなわち秋田市街地を見渡すことができる。
この辺りに他に高い山や建物はないので、新鮮な眺めだ。
西側。左奥が大森山。新屋の美大や仁井田の南高校も見える

北西側。秋田市中心部
クレーンは建設中の中通総合病院、山王の気象台や県庁第二庁舎、海沿いの風力発電の風車が見える。(写真には写っていないが、ポートタワーセリオンや男鹿半島の山の一部も見えた)

北側。東通の家並みと秋田駅や駅前のビル、その向こうに平和公園(千秋公園はビル群に隠れて見えない)
ここからだと、秋田市の都会的な部分を見ることができる。山のふもとは低い住宅で、奥に高いビルがあってその対比がおもしろい。
格子状に無機質に住宅が連なるだけのアルヴェ14階のケチな展望コーナーより、ずっと見応えがある。

明田富士山の西側のふもとには、線路が走っている。すぐ近くを奥羽本線・秋田新幹線・秋田車両センターへの回送線、少し離れた所には羽越本線。
家並みの間に途切れ途切れだけど、けっこう列車の姿を見ることができた。羽越本線のほうも、太平川の橋を渡るところが見えるようだ。望遠レンズを使えば、街並みを縫って走る列車を撮影できる

山のふもと太平川の才八橋と楢山大元町地下道の上を通るE6系

ちなみに、以前下から撮影した、ここを通るE3系。
再掲
これがE6系だと、
鼻先だけで道幅ギリギリ

秋田駅に入線

帰りもあっという間に下山できた。
登山口に明田町内会による説明板があった
鎌倉時代辺りに「富士太郎」という豪族の館(城)があり、当時から富士権現を祀っていたので、富士山の名が付いたらしい。富士大権現は「木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)」だから、富士山本宮浅間大社と同じ、本格派だ。7月1日がお祭りだそうで、もうすぐ。

登山口の反対側(秋田駅側)の道路沿いに「富士山登口案内図」があった。
周辺に神社や墓地がいろいろある
「楢山尋常小学校跡地」とある。明治16年に「楢山」と「築地」の学校が統合し、現在に続く「築山(ちくざん)小学校」ができたそうだが、その楢山側の学校がここにあったのだろうか。
明田郵便局も近くにあるし、昔はここが明田の中心地だったのかもしれない。

秋田市中心部において新鮮な体験ができた明田富士山登山だったけれど、秋田市の公園でおなじみの擬木の標柱が見当たらなかったし、階段もさほど手入れされていない感じ。やはり都市公園ではないのだろうか。とすれば、地元の皆さんが管理しているのかもしれないが、大変なご苦労だろう。


駐車場はたぶんない。山の中には照明はなく、ひと気もない(日曜日だったけど登山中に誰とも会わなかった)し、上記の通り足元の悪いところもあるのは注意。
登山口までのアクセス
・秋田駅東口から約1.5キロ。明田郵便局を目標にして、山のふもとを反対側へ回りこむ(右=西回りでも左=東回りでも距離は大して違わないが、川に突き当たったら左折して川沿いに進む西回りのほうが分かりやすいかも)
・秋田駅西口から築地経由桜ガ丘線または築地経由ノースアジア大学線 「才八橋」下車、徒歩200メートル(橋を渡って右折し川沿いに進む)
・秋田駅東口から桜ガ丘線またはノースアジア大学線/西口から明田経由桜ガ丘線 いずれも「明田郵便局前」下車、徒歩500メートル

【23日追記】タイミング良く、6月22日に本家富士山がユネスコの世界文化遺産に認定された。
それを伝える23日付秋田魁新報社会面には「県内「日本一低い富士山」知名度アップに期待 関係者らから喜びの声」という記事も掲載された。
「静岡県富士市の富士商工会議所が1988年に「日本一低い富士山」と認定している。」そうで、「秋田市民有志でつくる明田富士山愛護会」という組織があるとのことなので、その会員が維持管理しているのだろうか。
記事では大潟富士にもついても少し触れている。「95年に造成された」とのこと。

【7月2日追記】7月2日更新秋田経済新聞「秋田の標高35メートルの「富士山」で祭事-地域の安全願う(http://akita.keizai.biz/headline/1775/)」によれば、
「7月1日、地域の安全などを願う「富士大権現・稲荷大明神祭典」が開かれた。」「かつて東通明田地区の住民が開いていた寄り合い「一日講」を引き継ぎ、現在、周辺地域住民らでつくる明田富士山愛護会が1987(昭和62)年から開く祭典。」
「「愛知県内に標高31メートルの『富士』もある」(静岡県庁の担当者)」

※桜が咲いた様子は、この記事中ほどに少々

【2015年7月1日】2年に1度、本家富士山の山開きに合わせた7月1日に、頂上で安全祈願の神事が行われるそうだ。2015年に開催。
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週刊東北ゼミナール

2013-06-18 23:24:16 | その他もろもろ
先週、ケーブルテレビでIBC岩手放送のローカルニュースを見ていたら、「山浦玄嗣(はるつぐ)さんにバチカン有功十字勲章(6月13日)」というのがあった。
岩手日報のサイトも参考にすれば、バチカン有功十字勲章は「聖職者ではないカトリック信徒に贈られる最高の栄誉。」で「記録のある1967年以降、日本人で25人目」。
勲章を受けた気仙沼市の医師である山浦氏(73歳)は「気仙地方の方言に誇りを持って研究し、聖書を(方言に)翻訳した功績や、医師として住民のために働き続けたことなどが評価された。」という。


僕は20年ほど前に、山浦氏の存在と、山浦氏が気仙沼方言を「ケセン語」として研究・普及していることをテレビ知って印象に残ったのだが、その後はお見かけすることはなかった。
一昨年、東日本大震災直後のテレビ(NHKだったか)で少し取り上げられていて久々に見て、そして今回改めて羽織袴姿で勲章を受ける山浦氏の姿を見ることができた。歳は重ねられたが、お元気そうだった。


さて、今回は、その山浦氏を知った昔のテレビ番組について。
かなり記憶があいまいで、ネット上の情報も少ないので、記憶違いも多いと思います。正しい情報をご存知でしたら、教えてください。

そのテレビ番組名は「週刊とうほくゼミナール」。※「とうほく」はひらがな表記が正式
平成初期=1990年代前半にNHK仙台放送局が制作し、東北6県で放送されていた。少なくとも1989(平成元年)6月には始まっていて、1995年にはまだ放送していた気がする。
総合テレビで週1回、金曜日か土曜日の19時~20時台に30分間の放送で、日曜朝に再放送していた。(途中で放送日が変わったかも)

ジャンルとしては教養番組。
番組を学校に見立て、「1時間目 国語」といったように校時と教科名で区切っていた。
各コマでは、VTRもしくはスタジオに専門家が登場し、その“教科”の東北地方に関係する講義をする。
その講師の1人が山浦氏だった。いつも気仙沼の漁港を背にして話をしていたと思う。

スタジオには一般の観覧客(年齢層は高めか)を入れていた。出演者は、司会に当たる「学級担任」とゲスト(番組内での呼び方は忘れた)の2人だけ。講義の前後に、担任とゲストで内容についてやり取りをした。
「学級担任」はNHK仙台放送局のアナウンサーが担当し、途中で交代したので少なくとも2名いた。後期は肥土貴美男(あくときみお)アナウンサー(後に青森局などへの異動を経て、現在は再び仙台局)だったはず。
最初の担任は川野一宇(かわのかずいえ)アナウンサー(仙台勤務は1987~1992年)か加治章(かじあきら)アナウンサーだった気がする。

スタジオゲストは、高橋克彦(作家・岩手県出身)、田部井淳子(登山家・福島県出身)、山谷初男(俳優・秋田県出身)の各氏などで、各教科の講師を兼ねることもあったかもしれない。井上ひさしや浅利香津代も出たかもしれない。
講師は山浦氏のほか、津軽三味線の高橋竹山氏のような著名な人から、秋田県立高校の日本史の先生(定年退職直後だったか【19日追記】当時まだ現役の方だったような気もする)のような人までさまざま。

番組のテーマ曲は、初期はビートルズの「When I'm Sixty-Four」の歌なし版=オリジナルによく似ていたが、主旋律も入っていたので単なるカラオケではないはず(なんでこの曲を選んだんだろ?)。後期は宮沢賢治作詞作曲の「星めぐりの歌」を伴奏控えめ・男声独唱でゆっくりと歌うもの。各校時の最初には学校のチャイムのように短くアレンジしたメロディも流れた。


僕は熱心に見ていたわけではないが、ケセン語など東北にもいろんな文化があること、各ゲストや「星めぐりの歌」のことを初めて知り、印象に残る番組だった。番組がコーナー(教科)に分かれていて、飽きずに見られた。
そういえば、最近は「東北学」などと地域を多角的・総合的に研究する学問(地域学)が出ているが、番組の内容はその走りとも言える。それに番組を校時で区切るのは、1991年10月放送開始のフジテレビ「たけし・逸見の平成教育委員会」、番組内で授業を行うのは2004年開始の日本テレビ「世界一受けたい授業」に通じるものがある。NHKのローカル番組がそれらに先駆けていたとも言えよう。


当時と現在を比べると、「東北6県で放送する番組(ブロック番組)」は減っている。
現在、ニュースや震災関連番組を除いて定期放送されているのはNHK金曜夜の「クローズアップ東北」「東北Z」くらいではないだろうか。「硬い」内容で、30分以上の「長い」番組のイメージがあり、僕は見ない。
昔は、NHKでは「東北アワー」や「みちのく小さな旅→東北小さな旅(ウイークエンド東北内のコーナーでなく、独立した番組)」など、内容はバラエティに富んでいた。
民放でも、金曜夕方に「FNNとうほく金曜ニュース一番星(1992~1994年)」という情報番組があったし、テレビ朝日系の土曜正午の情報番組、秋田テレビからネットしていた「クボタ民謡お国めぐり」も最近終わってしまった。

特に秋田県民はその傾向にあると感じるのだが、仙台や東京しか眼中になく、他の東北各地には興味を持たない人が多い。だけど、大都市ではない隣県にこそ学ぶべきことが多いのではないだろうか。東日本大震災後の今、東北の中での各地の結びつきをもっと大事にする必要があり、目を向けるべきだと思う。
今こそ、ご近所の県と理解し合い協力していくためにも、「週刊とうほくゼミナール」のような気軽に見られる東北ブロックのテレビ番組があってもいいのではないだろうか。
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路面の矢印

2013-06-17 23:46:17 | 秋田の地理
路面に表示される「道路標示」について。
交差点手前にある矢印は、目にする機会が多い。
こういうの
矢印の方向に進みたければ、その車線に入りなさいということ。
正式には「規制標識」の1つの「進行方向別通行区分(110)」という名称。「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」には「車両通行帯の設けられた道路において、車両が交差点で進行する方向に関する通行の区分を指定すること」などを意味するとある。

交差点近くの路面の矢印には、見た目は同じでも、また違うものがある。
1車線の所に左右矢印
この道路は片側1車線なので「車両通行帯の設けられた道路」ではない。だから「進行方向別通行区分」の矢印ではない。
これは「指示標示」の「進行方向(204)」で、「車両が進行することができる方向であること。」を意味する。

上の写真の交差点では、正面が一方通行の出口なので直進することができない。
だから、矢印によって「右と左に進むことはできるよ」つまり「直進できないよ」と教えていることになる。

「進行方向」の矢印は「車両が進行することができる方向を示す必要がある地点」に設置する(設置できる)ことになっていて、少なくとも秋田県では、上のような一方通行の出口と交わる交差点に多い印象がある。
進入禁止の道路標識があるのだからそれを見れば分かることで、親切というかおせっかいな矢印とも言える。秋田だと路面に雪が積もれば見えなくなるし。


さて、おそらく最近新たに引かれたのだと思われる、こんな矢印があった。
左折・直進・右折
3方向の矢印なんて初めて見た。何かの樹のイラストのようにも見え、ヘンな感じ。
これが標示されている場所は、
仲小路の十字路(アトリオンから西に進んだ東北電力の裏付近)
おそらく、昨年の歩道の整備が終わった後から今春にかけて引かれた矢印だと思う。(整備前にはなかったと記憶している)
矢印が引かれている仲小路自体は東から西への一方通行であるが、西進する側に引かれているこの矢印がある側からは3方向に進むことができる。そんなことは当然のことなのに、どうしてわざわざ矢印を引いたのか?

その理由は、おそらく矢印が示す右側(北側)の道。
右折して北側の道を見る
北側の道は、東北電力の車庫などとホテルドーミーインの駐車場出入口の間を抜けて、広小路へつながる。
この付近を地図サイトで見ると、
Googleマップより。星印が路面に矢印が標示されている地点
上の地図に赤い丸を付けたように、Googleマップやマピオンなどの地図サイトでは、現時点では広小路から仲小路へ南進する一方通行の道として示されている。

ところが実際には、三方向矢印がある通り、仲小路から広小路への北進もできる対面通行の道路。
北側の道から交差点を見る(左右が仲小路、左に三方向矢印がある)
上の写真の通り、直進と右折の矢印が2組ある。1つは道の真ん中に薄れて、もう1つは左寄りに。
さらに、停止線と「止まれ」の文字は道幅いっぱいに引かれている。

ということは、この道は前は一方通行だったのが、最近になって解除(対面通行化)されたらしい。
僕は以前は気にも留めておらず、まったく気付かなかった。

したがって、仲小路を進む車に対して「右折することもできるようになりました」すなわち「右側の道は一方通行ではなくなりました」と周知するために、あえて3方向の矢印を引いたのだろう。
【18日追記】↑というのは、好意的な推察。もう1つ。北側が一方通行のままだと思い込んで、直進と左折の矢印を引いて(発注して)しまい、引いた後で対面通行に変わっていたことに気づき「仕方ないから右折矢印を付け加えてしまえ! そうすれば間違いじゃなくなる!」と誤魔化した可能性もありそう。(白線は融かしたり削ったり、黒いのを塗ったりして消すこともできるようだけど、矢印を1つ加えた方が楽そうだし)

でも、この道の一方通行が解除されて恩恵を受けるのは、ホテルドーミーインの駐車場に出入りする車(これは不慣れな旅行客が多いだろうから、親切ではある)と東北電力の車両くらいではないだろうか。
それ以外でどうしてもこの道を通らなければいけない車は少ないと思われるし、実際に北進する車は南進に比べてあまり見かけない。この区間に特に店などはないし、広小路へ出るのに信号がないので。(仲小路を1ブロック先へ進めば、信号のある交差点伝いで広小路へ出られる)
※広小路へ出入りする箇所では、歩行者に充分注意して運転していただきたい。

ほかにも3方向の矢印ってあるものでしょうか。※仲小路の矢印のその後
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E653系が来た

2013-06-16 23:38:10 | 秋田のいろいろ
昨年秋の報道によれば、今年から順次、秋田・酒田-新潟間の特急「いなほ」の車両が替わる(485系→元「フレッシュひたち」のE653系)ことになっていた。
その後、新たな発表も報道もなかったが、この週末にE653系が秋田に来ているという情報をネット上で見たので、楢山の秋田車両センター(旧・南秋田運転所)へ行ってみた。
いました!(肝心のE653系が柱で隠れていますが)
秋田駅寄りの道路から見える所に、パンタグラフを下げて停まっていた。
同じ線路の後方には、元リゾートしらかみ・青池(初代)編成だった「クルージングトレイン」。新幹線側にはE6系がいる。

秋田に来ているE653系は7両編成で車体下半分が緑色(「霞ヶ浦と帆曳舟」をモチーフにした「グリーンレイク」)。連結器カバーの【17日訂正】連結器下の電気連結器に編成番号「K304」と表示。

ネット上の情報によれば、E653系の中には新潟に“疎開“されているものがあり、その1つがK304編成だった。秋田まで自走して来たのは金曜日で、到着後はずっと車両センターに留置されている模様。
E653系は、昨年秋に酒田まで来たことはあったらしい。また、ずっと前(10年くらい?)には、団体列車として秋田に来たことがあった。

さらに、現在、郡山総合車両センター(旧・郡山工場)においてE653系の1本に塗装変更が施され、敷地外からその新塗装が見られるという。全体に黄色というかクリーム色系統で、それに濃い色で不規則な曲線のラインが入ったような塗装で、「いなほ」転用に向けたものと考えられる。(車内の改造も行った可能性がありそう)


といったことを踏まえれば、新潟から秋田までやって来たのも「いなほ」に使うのを前提にした動きだろう。
具体的には、各駅のホームなどに不具合が生じないかの確認、運転士の訓練、ひょっとしたら秋田総合車両センター(旧・土崎工場)でも塗装変更などの工事を行うのかもしれない(土日は土崎工場はお休みのようなので、週明けまで待機しているのかも)。
公式な発表はないけれど、変化は近いようだ。
去りゆくE3系と新しきE653系

【6月27日追記】6月26日にJR東日本新潟支社から「特急「いなほ」の車両を一新します!」がリリースされた。
「2013年秋頃から一部列車に投入開始(順次拡大)」で7両×8編成を投入。車両はE653系「1000番代」と呼ぶらしい。1号車をグリーン車に改造。
現在の485系6両のいなほがグリーン車16席、普通車366席に対し、E653系7両では18席、410席となる。

編成が短縮されず7両1組のままなのが意外だったし、1両がまるまるグリーン車になるもの予想外。しかも、グリーン車は最近のJR東日本の列車では珍しい1+2列の座席配置であり、座席間隔も広くてパーテーションまで設置された、とてもゆったりしたものになるようだ。

【6月29日追記】その後、秋田に来たK304編成は工場に入ったり新潟に帰ったりする気配はなく、秋田車両センターに滞在して秋田駅との間で時々行ったり来たりしている模様。28日には秋田駅東側の留置線に入っていた。おそらく乗務員の訓練に使われていると思われる。こちらの記事後半。
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地下横断歩道

2013-06-13 23:06:34 | 秋田のいろいろ
秋田市内にある、歩行者用が道路を横断するための地下道について。正式には「地下横断歩道」と呼ぶらしい。
秋田市にある歩行者用地下道といえば、昔は秋田駅前(西口)の今のぽぽろーどの下にあったのも代表的だったし、茨島交差点の大規模な「バラロード」もインパクトがあるけれど、ここは歴史・まとまった数・通行者数からすれば竿燈大通りの地下道たちでしょう。
(再掲)大町東地下道
1971年(当時は山王大通りの一部だった)に、「H(変則的な形のもある)」型4か所(大町東・大町西・旭北寺町・山王の各地下橋)、「I」型の二丁目橋地下橋の計5つが造られた。
当時のここは、歩行者が道路上を横断することが禁止(自転車専用信号機・横断帯のみだった)されていて、地下道は不可欠な存在だった。
老朽化や汚れに伴い、1995年の竿燈まつり直前に地上の出入口や内部のリニューアルが行われて現在の姿になり、それと前後して自転車横断帯の一部が歩行者も渡れるものに変えられた。2007年の秋田中央道路の地下トンネル開通に伴い、H型の1つ「旭北寺町地下道」が廃止(トンネル避難口に転用)された。
(再掲)内部
現在は同じ交差点で地上の横断と地下道での横断の両方ができる地点もあり、多少信号待ちがあっても地上を渡る人が多い。昔ほど、地下道は重要でなくなっている。
地下道出入口が歩道を狭めていて自転車とぶつかりそうな場所もあるし、漏水(?)も発生している。酔っぱらいなどによって汚されることもあるし、さらに、千秋トンネルなんかよりよっぽど幽霊が出るんじゃないかと思えてしまうような痛ましいことが、内部や周辺で何度か発生してしまっている。
この記事後半も参照

上の地上部と内部の写真はリニューアル後の姿なわけですが、1995年以前はもっと古臭いものだった。
2月ほど前、大町東地下道を通ると、
右側に何か落ちている?

壁が剥がれていた!(工事のため剥がしていた?)
剥がれたところを覗くと…
これって!!
クリーム色の細かい正方形のタイル。これは、リニューアル前の地下道の壁だ。
つまり、以前の壁はそのままで、そこに新しい壁を貼りつけたのだった。
リニューアル前と比べて、内部はきゅうくつになった感じがしていたが、実際にわずかながら以前より狭くなっていたのだ。
地上の出入口部分はまったく別物に建て直したので、以前の面影はない。
※この後の竿燈大通りの地下道関連(タイルや横断可能箇所)についてはこちら
【2014年10月22日追記】
産経新聞によれば、2014年10月17日、この地下道(のどれか)で、壁面下部のパネルのすき間に子猫が挟まっているのが発見された。
秋田中央警察署の署員5名が1時間かけて救出し、ネコは第一発見者の知人が引き取ったとのこと。
ほのぼのとした話題ではあるが、地下道の構造や管理体制の不備が招いた事態と言えなくもない。(以上追記)


ところが、竿燈大通りの地下道のリニューアル前の雰囲気を、内外ともほぼそのまま今に残す地下道が、比較的近くに現存する。
楢山登町の県道28号線(通称「南有楽町通り」)の「刈穂橋東」交差点にある、「登町地下道」。かつてはここに「いとく」があった。
近隣には地下道が一切ない“孤高の存在”であるためか、リニューアルされずにいる。
「H」型。やはり現在は地上も横断できるようになった

出入口。竿燈大通りも昔はこんな感じだったはず
地上部はコンクリートが汚れているし、地震でもあったら若干不安な気もする。
竿燈大通りもこんな表示だったっけ?

いざ中へ
竿燈大通りのより、やや「深い」のか、天井の高さや通路幅などのスケール感が竿燈大通りのとは違うし、タイルの色はピンク~肌色がかっている。
でも、中の雰囲気は以前の竿燈大通りのによく似ていると思う。
階段を下りてから道路横断部へのアプローチ(=「H」の縦棒)が長い箇所もある

道路横断部分は幅が広い
竿燈大通りより通行者数が少なく、酔っぱらいなどマナーの悪い人はいないためか、内部は古いけれどまあまあきれい。
「火災報知機 消火栓連動」とある非常ボタンがあるけど、作動するのかな。竿燈大通りのにはない


秋田市内にある、このほかの地下横断歩道は、牛島~仁井田の国道13号線や四ツ小屋の空港道路のが思い浮かぶ。これらは、昭和50年代にできたもので、外観は茶色系統で、階段の傾斜が緩く(途中で向きが変わるのが多い)・自転車用スロープがあり、時代の変化を感じさせる。
それと同じ設計思想なのが、秋田駅からいちばん近い地下道であろう「千秋地下道」。
(再掲)千秋トンネルを背にして。奥左が手形陸橋
千秋トンネル通り(市道)が県道28号線(脳研・手形陸橋の通り)にぶつかる丁字路交差点「千秋城下町」にある。
出入口は「H」型に配置されているものの、千秋トンネル側にしかないので、市道を横断することしかできない。(その市道には地上の横断歩道がない)県道を渡るには以前から信号機がある。
2010年には秋田市によって冠水警報装置が設置されている。
奥が千秋トンネル

昭和50年代らしいデザイン
この地下道も、カーブのある歩道を塞ぐように出入口が設置されているので歩道は狭くて見通しが悪く、さらに冬は近隣の屋根からの落雪で雪山ができてしまう箇所がある。

ほかに、以前は千秋トンネルから県道へ右左折(特に手形陸橋へ左折)する車から見ると、地下道出入口によって遮られて、県道の横断歩道を横断する歩行者に気づきにくい欠点があった。この点は、手形陸橋側の出入口の車道側の壁を透明板に替えて見通しを良くしたことと、信号機を歩車分離式にして、車の右左折と歩行者の横断を同時にできなくすることでおおむね解決できているようだ。
※ただし、右左折車側の青→歩行者の青というサイクルのため、右左折車が黄~赤信号で無理に突っ込んでくれば、歩行者が危険な状況にさらされることになる。横断する人は充分に注意するとともに、運転者には法を守った自覚ある運転をしていただきたい。
 透明板化に伴い「千秋地下道」の表示も違うものになった


そんな千秋地下道だが、今年度後半(一説には今年12月?)から撤去されるという。
既に近隣・周辺の町内会などには伝えられているらしいし、(秋田市ではなく)県が撤去に関する業務の入札を行なっている。
交差点が歩車分離信号になったこともあり、地下道をなくして市道側にも横断歩道を設けたほうが合理的だ。県道の拡張工事の計画(拡幅用地は地下道と反対側に取られているけれど)とも関連するようだ。

かつては「交通戦争」対策として、歩行者が空中の歩道橋や地下道に追いやられた。
次にバリアフリー対策や老朽化で、歩道橋の撤去がだいぶ進んだが、それが地下道にも及びつつあるということだろうか。歩行者が歩きやすい道・街になってほしい。

【2014年1月17日追記】その後、撤去工事の入札は行われた模様(結果は不明)。しかし、2014年1月17日現在では、工事が始まる気配はない。
【2014年3月28日追記】年度末になっても、地下道はそのまま。
【2014年4月7日追記】2014年度になって早々、改めて撤去工事の入札が公告された。
2014年6月2日から工事が始まることになった。
【2014年6月5日追記】撤去の報道によれば、この地下道は1978年の市道開通時に県が設置したものとのこと。維持管理(冠水警報装置設置や清掃作業)は、秋田市が行っていた。

※秋田市内の別の地下横断歩道
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旭川沿いの変化

2013-06-12 23:47:53 | 秋田の季節・風景
秋田市中心部の旭川に架かる通町橋の北東一帯。千秋公園の西側との間の土地に今は高層マンションや県職員住宅、そしてアパホテルに名前が変わった旧ホテルはくとがある。
かつては、ここ(アパホテルの向かい辺りか)に秋田市役所があった。

まず、そこから北へ向かう、「鷹の松」や旧栄太楼旅館前を経て千秋トンネル通りに至る通り。
鷹の松を背に通町橋方向
通町橋より南側は道路の片側が川に面しているが、こちら側は道路と川の間にも建物(アパホテルなど)がある上、高い建物が多いので、道幅の割には圧迫感のようなものを感じる。
鷹の松と通町橋の中間辺り
マンションほど高くはない、古い建物が集まっている部分がある。建てられたのは市役所移転の前後くらいだろうか。
上の写真右側は5階建ての「秋田県環衛会館」。外壁からすれば相当古そう。※この後、こんな変化があった

その向かいは、外壁はきれいだけど、新しくもなさそうな3階建て。
何のビル?
ここはかつては国民金融公庫→国民生活金融公庫だった。現在は「日本政策金融公庫」に再編されたこともあり、解体された農林ビルに入っていた機関ともども、「北都ビルディング(旧・北都銀行別館←あけぼの銀行本店←秋田相互銀行本店)」に移転している。
道路に面した掲示板には国民生活金融公庫を示す「JFC」のロゴが出ているが、それ以外に看板類はなく、空きビルになっているようだ。
※このビルのその後については、こちら


旧国民生活金融公庫のビルから、間に駐車場を挟んで南隣の茶色いビルも古そう。
高さは国民生活金融公庫と同じくらいだが、4階建て
これは「渡辺整形外科医院」なんだけど、
解体されていた!
変わった工法で解体するようで、外から一挙にぶっ壊すのではなく、先に内部を空っぽにしている。

正面から見ると2階までが空になっているが、後ろのほうは4階まで壁が一部なくなっている部分がある。
北隣はサンクスが入る「オリンピア千秋公園」。これは7階建てで1992年2月築とのこと

ここの風景もまた、変化することになる。
【10月11日追記】その後、解体が終わって更地になり、左隣(生活金融公庫側)の既存の駐車場と一体化(駐車場が広がった)した。
【2023年10月1日追記・上記2つの隣接ビルのその後のまとめ
国民生活金融公庫は、移転してきた保育園に転用されて2017年頃まで使用。その後、整形外科跡も合わせた敷地に新園舎ができて、ビルは解体された。


最後に、通町橋を越えて南に進み、広小路と交わる、一丁目橋・大町公園橋辺り。
左が公園橋・右が一丁目橋。両端に写っている建物の話題
上の写真右が、一丁目橋たもとにある、看板が強風で飛んで川に落ちたのを紹介したビル。
かつては「菅新(すがしん)」という洋服店だったのだが、看板が飛んだ後、秋田市に本社があるレトロ居酒屋チェーン「ドリームリンク」のものになり、レトロなアイテムの保管場所として使われていた。
それを一般に公開することになり、6月9日に「川端角のレトロ博物館」としてオープンした。(日曜日のみ開館)
建物の外観は以前のまま残されている。

そして、写真左の比較的新しそうな建物。
ここの1階には貴金属・銀線細工の「竹谷本店」が入っていて、いつの間にか美容室に変わっていた。(ビルの壁面や通用口には「竹谷本店」表記が残っているので、所有者などは今も竹谷本店かもしれない)
ところが、5月29日で美容室が退去して、1階は空き店舗になった。【2015年6月16日追記】美容室の看板を撤去した跡に「JEWELRY TAKEYA」の文字が判読できる。
美容室は、直線で500メートルほど離れた中通三丁目、池永小路と中通小学校裏の通りが交わる交差点角にあったガソリンスタンド跡に、エステサロンと統合した新たな店として開店した。
※ガソリンスタンドは、消防法改正に伴って古いタンクが使えなくなったのに伴ってやめたのだと思われる。南大通りのファミリーマートになった所と同様に。

博物館ができたのはいいけれど、美容室の跡、それに閉鎖同然のイーホテルショッピングモール(旧AD)の活用、ほかには星辻神社裏に商業施設ができるとかいう話もあった。いつも同じ結びですが、どうなるやら。
※2015年6月現在、美容室跡は空いたまま。
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IC乗車券の地方への導入

2013-06-11 23:02:58 | 旅行記
すっかり普及した電子マネー。
といっても、鉄道会社などの交通系電子マネー(IC乗車券)は、秋田県など地方においてはあまり普及していない。
秋田の状況を2009年10月に記事にしたが、それ以降は、電子マネーとして使える店が少し増えた(生鮮市場や秋田駅ビル)程度で、乗車券としては相変わらず使えず、変化はない。
※こんな状況なのは秋田「だけ」というわけではなく、JR東日本エリア内では首都圏、仙台・福島、新潟以外の各地で共通だし、他社でも似たようなもの。

今年3月23日から、全国の多くのIC乗車券が相互利用できるようになり、それに伴ってその相互利用先のさらに相互利用先も一部で使えるようになったので、Suicaがあれば名古屋、福岡、静岡などの地下鉄・私鉄やバスにも乗車できるようになった。将来的には、札幌市や仙台市の地下鉄、広島電鉄とも相互利用の計画がある。(電子マネーが既にあるのにSuicaと相互利用の計画がないのは、関西のバスや富山、鹿児島くらいのようだ)
そんな動きも、地方は蚊帳の外。こんな点でも、大都市と地方の格差が広がってしまう。
人口が少なく、公共交通の利用者(新幹線や定期券以外)も多くない地域において、各事業者がIC乗車券の設備投資に躊躇するのは分からなくもないけれど。
そんな中、IC乗車券について、気になる報道や情報をいくつか目にした。


まずは、いつの間にか確実視されてしまっている来春の消費税率引き上げへの対応。各所で報道されているからご存知の方も多いはず。
消費税込みの鉄道運賃は、1円刻みでは煩雑なため10円単位で設定されている(鉄道の運賃自体が、そもそも距離を区切って10円刻みでもある)。これを覆して、来春の消費税増税時には、IC乗車券での利用時の運賃に限って1円刻みにする-つまり現金とICで異なる運賃を適用する-ことを、JR東日本など複数の鉄道会社が検討しているという。当然、IC乗車券のほうが安くなるのだろう。

これを報道した一部テレビ番組において、「乗客が適正な消費税額を支払うことになるので、歓迎」といったコメントをする出演者がいたが、それはIC乗車券が使えるエリアでのお話。ICが使えない地方では、同じJR東日本エリアの同じ運賃体系が適用される路線なのに、差がついてしまう(選択の余地なく高いほうの運賃を払うしかない)ことは眼中にないようだ。
別の報道では、「IC乗車券を持たない乗客やエリア外の乗客の不公平感をどうするかが課題」と言及する所もあったが、それもやはり東京の視点なのか、いまいち盛り上がらない感じ。増税まで残された時間は少ないのだから。
※首都圏と地方で運賃体系が同じこと自体、おかしいという向きもあるかもしれない。地方のほうが列車運行にコストがかかるだろうから。しかし、この点については、既に「幹線」と「地方交通線」という2つの運賃体系が存在している(国鉄時代にできた制度なので見直しの余地はあるかもしれないが)。
そこにICかどうかで差をつければ、さらに差がついてしまうことになるし、そもそもICの件は消費税分をどうするかが目的のはず。消費税増税を口実に地方から多くのカネを取るのでは、それは便乗値上げだ。

地方の側でも、鉄道にIC乗車券が導入されることに現実感がないのか、あきらめているのか、まったく話題にならない。
と思っていたら、青森県の「陸奥新報」が5月9日付の記事「地方でもIC乗車券を/JR東社長前向き」と5月30日のコラム「冬夏言」でこの件を取り上げていた(冬夏言は全文を公式ホームページで見られます)。
詳細は分からないが、5月8日の定例会見において社長が「「将来的には地方線区でもIC乗車券をもっと利用してもらえるような方式を取り入れたい」との展望を語った。」そうだ。これは初耳。
その記者会見で具体的にどのような話があって、JR東日本がどう考えているかは分からない。「地方にIC乗車券を導入する(=エリアを増やしたり拡大したりする)」という直接的な表現ではなく、「もっと利用してもらえるような方式」とまどろっこしい。もしかしたら、オレンジカード発売終了時に望んだように、自動券売機でのきっぷ購入にSuicaを使えるようにするとかだろうか。(そうだとすれば、消費税分はどうなるんだろう?)
※その後、2013年12月時点での動き

ちなみに、冬夏言では「小さな駅でも駅員の目が行き届いている大都市圏とは異なり、本県は無人駅も少なくない。」ので、今から対策を考えないといけないと結んでいるのだが、それにひとこと。
首都圏でも郊外には無人駅はあるし、仙台、名古屋、静岡など比較的多く無人駅が存在するエリアでもIC乗車券は導入されている。無人駅用のカードリーダー(簡易改札機)というのがあるし、ワンマン列車では車内で運転士にカードを見せ下車して、それにタッチすることになっている。(バスのように車内の運賃箱にリーダーをつければいいような気もするが、路面電車以外の鉄道では一般的でない)
再掲)JR東海・富田浜駅(三重県四日市市)の簡易改札機(ゴミ箱みたいな装置。JR東日本のは脚が細くてスマート)
青森や秋田でも、無人駅に簡易改札機を設置するのは難しいことではないはず。問題点を強いて挙げれば、潮風や吹雪、寒さで故障しやすそうなことか。


次は、現地以外ではほとんど報道されていない情報。
5月15日にJR東日本仙台支社と盛岡支社から「BRTへのICカードの導入について」というリリースがあった。
BRTとは、東日本大震災で被災して不通になった気仙沼線と大船渡線の一部区間を、専用路を走るバスで仮復旧しているもので、8月3日からそれらでICカードが使えるそうだ。

JR東日本のICカードといえば「Suica」。SuicaはPASMOなどとの相互利用でバスでも使えるのだから、これはBRTでもSuicaが導入されるのかと思ったが、そうではなかった。
Suicaとは別の「odeca(オデカ)」という名のカードを新しく立ち上げるという。
このodecaとやらは、Suicaを含む他のIC乗車券との相互利用、店での電子マネーとしての利用、クレジットカード(ビューカード)でのチャージは、どれもできない。回数券的な仕組みやPASMOの「バス特」のような割引特典もなさそう。
これでは、BRTだけの閉鎖的なIC乗車券であり、メリットはスムーズに乗降でき、紛失再発行・履歴印字ができることくらい。

JR東日本としては2つめのICカード乗車券が誕生することになるが、どうしてSuicaではないのだろう。
どうせなら、東北本線などの周辺のJR線、宮城交通や岩手県交通などの一般路線バスも巻き込んでSuicaエリアを拡大すれば、観光客の呼び込みや既にSuicaエリアである仙台との行き来に活用できそうにも思うのだが。
相互利用先が多いSuicaでは、それらに対応する装置・ソフトの導入や利用料みたいなのがかかり増しになり、その負担を嫌って、安く上がる独立したシステムにしたのだろうか。

JR東日本が率先して地方の鉄道にSuicaを導入してくれれば、その土地の各バス会社や私鉄も追随しやすくなるかもしれないと思っていたが、odecaの登場を思えば、そう簡単な話でもないのかもしれない。
青森の弘南バスでは、10年ほど前にICカード乗車券を導入すると言い出したことがあった。当時はSuicaもさほど普及していなかったので驚いたが、結局撤回されて(立ち消えて?)現在に至っているという例もある。首都圏の磁気式バスカードとPASMOのように、IC化によって特典の割引率が下がってしまうことも考えられる。
こんな具合にハードルは高そうなので、諸手を挙げて、地方(の特にバス)にIC乗車券を導入してちょうだいと思えない気持ちもある。

【2015年1月15日追記】2015年3月から、BRTでodecaと並行してSuicaとその共通利用カードが使用できる(BRTで完結する乗車とチャージ)ようになる。引き続き、odacaをSuicaエリア等で使用することはできない。こうなるんだったら、odacaの存在自体意味がないことになってしまうような気もする。



最後は、以前乗って便利さに感心した鳥取市の循環バス「くる梨(くるり)」から。
今年4月から、3つめの「緑コース」ができたほか、電子マネーでの運賃の支払いが可能になったという。
使える電子マネーは、IC乗車券すなわち交通系電子マネーではない。楽天Edy、WAON、iD、QUICPayという、本当の(買い物をするための)電子マネー。珍しいケースだと思う(少なくともWAONでバスに乗れるのは全国初らしい)。

基本的に店のレジでしか使われない電子マネー専用のカードと違い、IC乗車券は改札口の通過やバス乗降時の瞬間的で確実な読み取り・引き落としが要求されるため、よりシビアな仕様(カードに埋め込まれたアンテナの配置とか)になっていると聞く。
だから、ICカード乗車券を電子マネーとして使うことはできても、電子マネー専用カードで乗り物に乗るのは難しいと思っていた。

実際にくる梨でどういう装置が使われていて、エラーが発生していないかどうかは知らないが、下車時に一律100円を引くだけの単純な仕組みだから、実現できたのだろうか。(整理券方式・後払いの地方の一般路線バスでは、乗車時のタッチで整理券の番号をカードに記憶させ、降車時にそれを元に運賃を差し引かないといけないから、そういう複雑なことには対応できないかもしれない)
交通系でない電子マネーを使うことで、定期券とか相互利用に関してはきれいさっぱり除外して、コストを下げたとも考えられる。くる梨の沿線にはイオンがあるので、WAONを利用する人は多そうだし、こういうやり方もアリなんだろう。思い切った発想の転換に、また感心させられた。


さて、秋田や青森でIC乗車券で鉄道やバスを利用できる日はいつ、どんな形で実現するだろうか。

【2015年6月27日追記】2020年の東京オリンピックを控え、国土交通省が全国すべての都道府県でIC乗車券を使えるようにすることを計画。2015年4月に鉄道会社や有識者からなる検討会を発足させ、同年夏までに方向性を示す。
結局は各事業者が導入費用を負担することにはなりそうだが、やっと青森、秋田などでも使えるようになるかもしれない。

※2016年になって、秋田のバスで導入のきざし(?)が。
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思い込み・謎の歌

2013-06-09 23:52:49 | その他もろもろ
「歌詞の思い込み」と「意味が分からない歌詞」について、昭和の藤子アニメの主題歌から。(記事中敬称略)

●念力…
1980年代には、藤子不二雄原作の多くの漫画がテレビ朝日・シンエイ動画によってアニメ化された。
その1つが「怪物くん」。テレビ朝日では1980年から1982年まで放送された。1968年にはTBSがモノクロでアニメ化したそうなので、アニメとしては2代目ということになる。
※怪物くんは今は「藤子不二雄A(正確には○にA)」原作になっているが、当時はコンビ解消前だったので「藤子不二雄」名義。

秋田でも「怪物くん」は放送されていた(ABSかAKTかで)はず。
だけど、僕はまだ幼稚園に入ったかどうかで小さかったこと、それに作品の怖そうな印象もあったのか「放送されていた記憶」はあるけれど「しっかりと見た記憶」はなく、ストーリーなどは知らない。
その後、1986年だったかと思うが、大みそか夜の特番(当時のテレ朝では、大みそかに「ドラえもん」などアニメ特番をするのが定番で、ABSがネットしていた)のオムニバスの1つとして「怪物くん」が放送されて、唐突に感じた記憶はある。

そんな僕が、アニメ「怪物くん」に関してかろうじて覚えているのが、主題歌(オープニングテーマ)「ユカイツーカイ怪物くん」。
主人公の声優である野沢雅子が歌い、作詞:藤子不二雄、作曲:小林亜星、編曲:筒井広志。
藤子先生ご自身が主題歌を作詞するのは、当時わりと多かった(むしろ、そうでない「ドラえもんのうた」などが例外的)。小林亜星が藤子アニメの曲を作ったのは珍しいかも。編曲の筒井広志が作中のBGMも担当。
2010年にはドラマ化されたのに伴い、挿入歌として主役の嵐の大野智が歌った(編曲:ha-j)そうだが、聞いたことはない。

「♪カーイカイカイ カーイカイカイ 愉快痛快 怪物くんは…」という軽快な詞とメロディの歌だけど、僕はそのサビ(?)の部分について、重大な勘違いをしていた。
「♪念力 ?????? ピキピキドカーン! たちまちおつむが…」の部分。(2番もほぼ同じ)

僕は「念力 シュウシュウ」。すなわち「ピキピキドカーン」に続く効果音(念力が出る音?)かと思っていた。
ところが正しくは、「念力 集中」だそうだ。
念力を集中した結果、ピキピキドカーンということだったのか!

これに気付いたのは、「子どもの歌大全集」みたいなCDに収録されていた、別歌手によるものをたまたま聞いて(ネットでの試聴)。
それを知って改めてオリジナルを聞いてみると、なるほどたしかに「しゅうちゅう」と歌っている。
伴奏とのバランスなのか「SHUU CHUU」の「C」がやや聞こえづらく、僕の頭が勝手に「S」に置き換えて「SHUU SHUU」にしてしまったようだ。(声優界の大御所に失礼ながら、少なくとも別歌手版のほうが明確に「C」が聞こえる)

なお、ネット上にはごく一部、同様の勘違いをしている人がいる。


●あめたら?
意味の分からない歌のフレーズ。
「キャプテン翼(高橋陽一原作)」のオープニング「燃えてヒーロー」の「♪あいつの噂でチャンバも走る」の「チャンバ」も永年の謎で複数の説があった。しかし、2009年に雑誌「Sportiva」のインタビューにおいて、作詞者の吉岡治が「婆ちゃん」を業界用語風にしたものであると明らかにし、解決している。

僕が知りたいのは、やはり藤子不二雄A作品の「ウルトラB」。
テレビ朝日では、オムニバス形式の「藤子不二雄ワールド」などの1作品として1987年から1989年に放送された。
「ドラハッパー(ドラえもん・忍者ハットリくん・パーマン)」などと言われた藤子アニメブームが収まりつつあり、コンビを解消してAとFに独立(分裂?)したり、今までと毛色の違う作品がやや乱立したように感じていた頃であったが、僕はいちおう見ていた。

その主題歌「バビバビバビブー ウルトラB」。歌い出しは「♪遠い星から やってきた 謎と不思議の赤ん坊」。
作詞:藤子不二雄A、作曲・編曲:菊池俊輔という、藤子アニメの王道。これも主人公の声優である三田ゆう子(忍者ハットリくんのシンゾウの声でおなじみ)が歌う。

歌詞はgoo音楽などで知ることができる。
ただ、この情報もちょっと不正確かもしれない。歌い出しが「謎と不思議“な”赤ん坊」になっているのだ。
僕の記憶でも、今、CDを販売するサイトの試聴で聞いてみても、「謎と不思議“の”赤ん坊」と歌っているし、そのほうが日本語として自然ではないだろうか。

問題は、最後のフレーズ。
歌詞では「あめたらバビバビ あかんビー」となっている部分。今、聞いてみても、そう歌っているように聞こえる。

バビバビとビーを抜いて考えれば「あめたら あかん」と言っていることになるが、どういう意味なんだろう。
「なめたらあかん」だったら、「赤ん坊だからといって軽く見ちゃあかん」という意味で通るけれど…
北海道の方言で食品が腐って悪くなることを「あめる」というそうだけど、それでも意味が通らない。

30年越しの謎なのですが、どなたかご存じないでしょうか?

【2018年9月24日追記】上記の通り、1980年代のテレビ朝日の藤子アニメでは、主題歌や挿入歌の作詞を藤子不二雄が手がけたものがある。そして、1980年代後半には、藤子不二雄の2人がAとFに分かれた。
分かれた後、それぞれの作品の作者は、共同名義からAとFに区別して表示されるようになった。では、それらの主題歌はどうか。
2017年放送のNHKBSの歌番組「新BS日本のうた」で「忍者ハットリくん」が歌われた時は、字幕の作詞者は「藤子不二雄A」であった。
しかし、日本音楽著作権協会に登録されている「作品データベース」によれば、作詞者は「藤子 不二雄」。「ユカイツーカイ怪物くん」など他の作品も登録されている限りは同様(ウルトラBは未登録の模様)。単に登録変更をしていないだけかもしれないが、楽曲の著作権上は、藤子不二雄は分裂していない。
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