広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

広小路アーケード/新道標

2013-09-30 23:56:44 | 秋田の季節・風景
以前から何度も触れている(2011年11月の記事など)、広小路のアーケード撤去について。
老朽化や維持管理費用の負担(照明の電気代も商店街が負担していた)を理由に、撤去されることになったアーケード。(再開発エリア部分は、工事のために先立って解体済み)
新しい県立美術館がオープンし、エリアなかいちの再開発が完成したのと引き換えかのように、かつては秋田市の一大メインストリートだった広小路が単なる道になってしまいつつある。

今年2月13日付秋田魁新報秋田市地域面によれば、
・260メートルのアーケードを撤去し、一部の柱(高さ4メートル)は残してLED街灯を設置。全80本中、31本を街灯に転用し、残りを撤去。※さらにロードヒーティング(融雪装置)を道路管理者の県が設置【3日追記】柱は車道側を残し、外側はすべて撤去。
・工事費(街灯設置含む)は5811万円。経産省「商店街構造改革支援事業」から最大3分の2が補助。
・同型のアーケードのうち、独自に管理している木内前(旧協働社寄りの木内駐車場前も含む)と、エスカレーターと一体化して撤去できない秋田キャッスルホテル前の計100メートルは、解体されない。(=いずれも柱の色が違う区間)
・アーケードは1984年に商店街が約2億8千万円で設置。現在は年間300万円ほどの維持費がかかっていた。

西端からの眺め。
2011年6月

今年6月(撤去途中)
6月に西寄りから撤去が始まり、何年か前に奇抜な赤色に塗り替えられ、それが所々錆びた柱だけがにょきにょきと残る、奇妙な街並みとなった。
木内前交差点から西方向。ヤートセ祭の日なので人が多い。左の緑の柱の部分は、解体されない

解体工事は、車道・歩道とも極力通行止めにしない方針(夜間に行ったのか?)のようで、その意味では評価したい。再開発エリア部分では、歩行者に配慮しないメチャクチャな工事だったので…
その代わり、解体途中は痛々しい姿のアーケードの下を通ることとなった。
着工前の今年6月(向かい側はキャッスル~木内なので撤去されない)
先に屋根のドーム状の透明な部分などを外してから、残りが撤去された。
今年8月。「エリアなかいちOPENおめでとう」の旗が色あせて丸1年下がっていた

現在は、最後のブロックの千秋公園入口バス停や東北電力秋田営業所前の撤去にかかっていて、もう終わったかも。
着工前。柱に花などのイラストが貼られていた
ここは、アーケード解体前に路面にロードヒーティングを設置したのか、ブロック敷きからアスファルト舗装になった。
これからはバスを待つ人はつらくなる

アーケード撤去が終わった木内の向かい側では、残った柱にLEDを取り付ける工事が行われた。太くて赤い柱がどう変わるのかと思っていたら、
これで完成したの?
錆はだいぶなくなったような気もするけれど、色はそのまま。
先端にはLED。棒は旗でも下げるのか
違和感というかなんというか…
せめて色を替えるとかできなかったのでしょうか。

元からアーケードがなかったお堀部分には、茶色い街灯があった。その照明部分を撤去し、柱だけを残して、同型のLEDを設置したようだ。
こっちはそれなりの見映え

もう1つ、気になる部分。
上記の通り、木内の駐車場部分はアーケードが残る。その西隣、かつての協働社だったわずかな区間は、当然アーケードが撤去された。その結果、
断面が見えちゃった
これも格好悪いなあ。

【3日追記】タイムリーなことに、3日付秋田魁新報社会面に「アーケード撤去完了 LED街灯、歩道照らす」という記事が出た。
今月下旬には残りのLED設置が終わるそうで、計52本が揃うとのこと。
アーケードの柱の転用が31本、お堀沿いの茶色い柱の旧街灯からの転用は21本。1本当たりには5つのスポットライト型電球(LED)が付いている。


中心市街地周辺の他の話題を2つ。
産業会館跡地をちょっとした公園にする県の事業(前回の記事)は、とっくに完成したらしい。
 
左の写真は歩道橋から。竿燈まつり屋台村終了直後なので、消毒の石灰がまかれている。
ソーラー照明は、道路側の歩道橋直下に1基、奥側に2基設置された。
【2018年7月19日追記】この後、2015年9月から2017年7月の間のどこか(ストリートビューで確認)で、通路の南寄りに飲料の自動販売機が設置された。



2010年に秋田市の道路に立っている「道しるべ」を紹介した(そしてそれを某新報に…)。その後、再開発が完成しても、特に変化はなかった。
先週、中心部の2つの街区公園の道路沿いに、こんなものが設置されたのを発見。
公園内の角に立つのは

新しい道しるべ?
今までのものに比べると、少々安っぽい。
おそらく片面表示。英語表記はなし(うっかり間違うと、どこかのブログやそれを見たどこかの新聞に取り上げられちゃうからね)。
背が低くて雪に埋もれそうな気がするし、路上ではなく公園の敷地内なので、目立ちにくい。そもそも、道しるべを必要とする人があまり通らない場所じゃ…
道路上に設置するとなると、道路管理者や警察との調整が必要で制約もありそうだから、手っ取り早く秋田市管轄の公園内に立ててしまったのだろうか。
※他の設置場所についてこの記事末尾
コメント (2)
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弘前もストリートビュー

2013-09-29 23:29:24 | 津軽のいろいろ
前回に続いて、新たに公開されたストリートビュー。今回は弘前市について。
青森県は2011年12月から一部地域分が公開されていたものの、津軽地方側は青森市から藤崎町に入ったJR北常盤駅付近で終わっていた。また、今年3月には弘前公園内だけのストリートビューが公開されていた。
そんな状況から一転、秋田市と同様に弘前市も市街地では細かな道路まで一気にストリートビューに対応した。
撮影は今年5月(青森県内すべて)だそうで、秋田よりも短期間で撮影し、短期間で公開にまで至ったことになる。


では、弘前のストリートビューをざっと見たところからいくつか。
上記の通り、撮影は5月。3月末に紹介した、弘前駅城東口側の雪山(雪捨場)は、
まだ残っていた

津軽の5月といえば、
リンゴの花と残雪の岩木山
市内の至るところで、満開のリンゴの花を見ることができる。薄曇りの日が多く、岩木山がはっきり見えていないアングルのほうが多いものの、ある意味ベストシーズンの撮影であろう。(郊外の相馬地区などは、開花前と思われる画像もある)
上の画像の正面に岩木山を望む一面のリンゴ畑は、悪戸地区(の縦に長いうちの中央部辺り)。見ての通り、かなりの細道。しかも行き止まり。私道のような気もするが、がんばって撮影したようだ。今の時期だったら、リンゴ泥棒と間違われそう…


これも上記の通り、弘前公園は先にストリートビューが公開されていた。桜が満開の時期の撮影(2012年4月)で、一部は公園周辺の公道(の歩道)も見られた。
その部分は、今はどうなったかというと、
重複している(弘前市役所・弘前城追手門付近)
上の地図で、お堀沿いに青線が二重に引かれている。内側(お堀側)が2012年撮影で先に公開されていた、公園内のストリートビューの一部。自転車で撮影したためか、一直線でなく微妙にブレている。
道路中央部のまっすぐなのが、今回公開された車で撮影されたもの。桜の時期は過ぎているので、葉桜の画像。

ところで、ストリートビューの開始を伝える地元紙・陸奥新報の9月27日付オンライン記事。
弘前なども「ストリートビュー」対象地域に
追手門付近のストリートビューの画像も掲載されているけれど、桜が咲いている。つまり、今回新たに公開された画像ではなく、以前からの公園内のストリートビューを掲載してしまっている。
「【写真説明】ストリートビューで見る弘前市下白銀町周辺」とあり、別に「今回新たに公開された画像」と言っているわけでないから間違いではないのだろうが、誤解を与えかねず、この内容の新聞記事に添えるにはやや不適切な画像ではないでしょうか。
ちなみに、
これが陸奥新報掲載のストリートビューのアングル
上の画像で赤い矢印を付けたところに、ちょっとだけ看板が見える。これは、東奥日報弘前支社のもの。陸奥新報の画像ではギリギリ写っていないが、ライバルだからあえて外したのか?
これとほぼ同じ位置を、新しく公開された車道からのストリートビューで見ると、
枝垂れ桜は咲いているけど、ソメイヨシノは葉桜


下土手町の商店街は朝早い撮影らしく、ほとんどの店が開店前でシャッターが下りているのが、残念。
スクランブル交差点から


柴田女子高の円形校舎は、
これが限界
なぜか円形校舎の前の1ブロックだけ公開されていない。
円形校舎を避けるように裏道に回っている


弘前大学文京町地区周辺の“名所“も見られる。
まずは、バカヤローカーブ
西弘前側のカーブ入口。奥のアパートの壁の色が変わった(以前は白)
カーブが連続するだけに、マウスで視点を進めていくのがちょっと大変。(※上下カーソルキーでも動かせます)

そして、寒沢“スキー場”こと、寒沢の坂。
自転車を押して登る学生
大きな(?)変化に気付いた。
上の画像右側は電気屋さん。以前から縦書きの「SONY」という看板があったのだが、いつの間にか「N」と「Y」が取れてしまって、「SO」が残っていた。その状態で変化がないことは今年2月に確認していた。
(再掲)今年2月。上のストリートビューとは逆向き
それが、ストリートビューが撮影された5月には完全に撤去されてしまっていた。「MITSUBISHI」の縦の看板もなくなっている。お店自体は営業しているようだ。

坂の上の弘南鉄道大鰐線の踏切は、
 
ちょうど遮断機が上がって(電車の姿は見られない)、多くの学生が行き交うところ。
四六時中人通りがある場所ではなく、授業と授業の合間の時間帯かつ踏切待ちによってこうなったはずだけど、学生街らしい光景だ。


文京小学校・第三中学校前ですれ違う、弘南バスの「50501-2」号車の広告。
弘前市財政部収納課の広告
イラストの一家6人中、祖母と父だけ顔にボカシが入っていない。「付」「便」「確」「替」の文字にはボカシが入る。
ストリートビューでは、速度制限「30」の標識にボカシが入りやすい傾向があるなど、いろいろクセがある。


そういえば、ストリートビューを見て弘前市内は道幅の割に40km/h制限の道路がけっこう多いと感じた。
秋田市内は30km/hが多い。弘前で車がなんとなく怖く感じる(だからといって秋田では怖くないわけではないが)のは、道が狭いことのほか、これも原因かもしれない。

※この後、1年経たない2014年8月に、弘前市内の多くの画像が更新された。以前の画像も「タイムマシン機能」で見ることは可能。
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ついにストリートビュー!

2013-09-26 23:57:52 | 秋田の地理
ついに、いや、やっと、Googleのストリートビューが秋田市など秋田県内に対応した!
とりあえず第一報をアップして、後で追記します。

【以上、2013-09-26 19:51:21初回アップ。以下、23:57追記(記事の投稿時刻を変更します)】

※ストリートビューについての直近の記事
おそらく今日、東北地方北部日本海側のストリートビューが始まった。
これにより、国内において広範囲でストリートビュー未対応なのは、山形県庄内地方や新潟・富山県境付近だけになるのではないだろうか。

東北地方北部
今回始まったのは、秋田市のほか秋田県や青森県津軽地方の「市」部が中心。秋田県の各市、青森県弘前市や五所川原市の中心部がおおむね対応している。【正確な市町村数などは記事末尾の28日付追記参照
一方、青森県黒石市やつがる市、さらに秋田・青森のほとんどの町や村は、自治体内を通る国道など幹線道路のみ公開されていて、市街地は未対応。
静岡県でもそうだったが、ストリートビューは「市」を優先して公開し、大きな街でも町や村は後回しにする傾向があるようだ。
【28日追記】男鹿市の男鹿温泉や入道崎、由利本荘市鳥海町笹子など、失礼ながらけっこうな「田舎」も公開されている。これらは「市」内だからだろう。一方で、それなりの規模の町を形成している秋田県八郎潟町一日市や五城目町中心部、青森県大鰐町や鶴田町の中心部なんかは、おそらく「町」だからという理由で、ほとんど見られない。

撮影された時期(画面下に年月が表示される)は、秋田市は2012年秋、弘前市は2013年春。秋田市では昨年秋に撮影車の目撃情報が多く、まさにその時に撮影していたことになるが、だいぶ待たされた。

それにしても、自分の身近な場所がネットで見られるようになるとは感慨深く、時代の変化を感じるとともに、ちょっと怖い。
我が家周辺などは、まあ予想通りの映り方だった。でも、恥ずかしながら、僕自身の姿が公開されてしまっている!(自宅以外の場所で)
撮影車が走っていたのを見たことがあったのだが、その時。やや遠くて小さいし、顔にモザイクがかかっているので、僕を知っている人でも言われないと気づかないと思いますが。


では、ストリートビューの画像からいくつか。
上記の通り、秋田市の撮影時期は秋。具体的には仁井田など秋田市南部が9月、それ以外は10月が多く、まれに11月がある感じ。
ということで、9月撮影の仁井田では、
黄金色の田んぼ
稲刈り作業中の所もあり、遠くには太平山。秋田の秋らしい光景。
稲刈りが終わっている10月撮影の地域では、寂しい光景なのが残念。

紅葉の桜並木
紅葉が見られる場面も多い。同じ木でも、アングルによって撮影日が違うことがあり、紅葉と落葉した姿が混在しているものもある。
でも、上の桜並木は、奥羽本線泉踏切付近の自転車道。ここって歩行者自転車専用道(地域住民の車は入れる)のはず。あまり褒められた画像ではないのではないでしょうか。【28日追記】警察の許可を取って車両を入れた可能性もあります。

ストリートビューは、撮影車が入れる公道なら、どんなに狭くても入って撮影する方針のようだ。もちろん、法規は守って。
例えば、平和公園のてっぺん、秋田駅東口や土崎駅のロータリー、大野四区のバス転換・待機場の中にも律儀に入って撮影している。(大野四区については微妙だが、入るなという掲示がないからいいのでしょう)
ところが実際には、上のように車が入れない道に入ってしまっていたり、逆にまだ入れる道なのにあっさりと引き返して(?)しまっている場所もある。
千秋公園二の丸広場でストリートビューが途切れる
千秋公園の表側(県民会館の下)から坂を上って、二の丸広場手前・佐竹資料館前までは、車が入れるので、上の画像は問題ない。
反対の裏側は、明徳小学校や千秋トンネルの上を通って、彌高神社脇まで車が進める。ところがこちら側のストリートビューは、明徳小の前で終わってしまっている。ずんずん進んでもらって、千秋公園内の景色を見たかった。→後に公開された

ストリートビューでは、地下道路やトンネルも真っ暗な映像が公開されるのが普通のようだ。
秋田市でも、節電で照明が間引きされている千秋トンネル、泉・外旭川の古いアンダーパス(狭い「ゆうれいトンネル」も含む。【29日追記】「6番・菅野地下道」だけは対象外)はもちろん、秋田中央道路の地下トンネル内も延々と公開されている。
地図上では、地上か地下かの区別がつかないため、
地下トンネルと地上の道路の線が重なっていて分かりにくい
また、上の地図の通り、山王大通り(愛称・竿燈大通り区間も含む)では、中央分離帯を挟んで両側がそれぞれ撮影・公開されているのが珍しい。(分離帯があっても、例えばけやき通りでは片側車線の映像しかない)

撮影から1年が経過しているので、この間に姿が変わったり、消えてしまったりしたものが、ストリートビューに残っていることになる。
昨年末にリフォームされた土崎駅駅舎は足場に囲まれた工事中だし、現在は解体工事が進んでいる広小路のアーケードはまだ健在。他にも、
一時撤去中(だけど入札不調による工事遅れでどうなるか)の秋田市役所前の花時計
今はセブンイレブンがある中通六丁目と通町は、
 
どちらも駐車場。

解体された「農林ビル」は、
足場を組んでいるアングルと

それより前の姿のアングルも

由利本荘市に飛んで、由利橋もまだ建設途中で、
仮橋から足場で囲まれた新しい橋を眺める

さらに、秋田市のJR東日本秋田車両センター。
手前の田んぼは稲刈り済み
右側に停まっているE3系って、
ひょっとして引退した(もう解体された?)量産先行車「R1」編成

いろんな記憶や思い出が残るストリートビューでもある。
弘前のストリートビューについて、別記事にするつもりです。

【28日追記】27日に、各地の地元紙などでストリートビュー開始が報道された。
今回は「秋田県、栃木県、三重県、和歌山県、山口県、大分県、佐賀県の 7 県においては、同県内の主な市街地のストリートビューを公開、また、青森県、茨城県内の対象エリアを拡大」(Google公式ブログより)。
秋田県は2012年9月~11月に撮影。以前からちょっと(国道108号線)だけ公開されていた湯沢市はエリアを拡大、残りが新規公開で13市9町2村。したがって、秋田県はいちおう25市町村すべてがストリートビュー対象地域になったことになる。
青森県は2013年5月撮影。3市1町でエリア拡大、6市15町6村で新規公開。青森県は40市町村あるので31/40。
【28日訂正】Googleの発表では、秋田県において「湯沢市」を「新規」と「拡大」両方に掲載してしまっている。したがって、秋田県で現在ストリートビュー対象地域なのは「大潟村を除く13市9町2村」が正当。
27日付秋田魁新報社会面では「25市町村に拡大」と見出しや記事で述べているが、間違っていることになるんじゃありません?
【10月9日追記】10月8日付秋田魁新報の1面コラム北斗星でも取り上げ、「県内では湯沢市の一部だけが対象だったが、先月末から全市町村の幹線道周辺や中心部の映像を見ることが可能になった。」としている。でも「全市町村」じゃないってば!
※2014年8月に、大潟村でもストリートビューが公開されるようになった。これで全市町村が対象になった。


ちなみに、“アキタ”の某週刊紙のブログ「Editor's Note」に、この件についてGoogle社から配布されたと思しきプレスリリースの紙の写真が出ている。
内容については、Googleの公式ブログと同じようだが、右上に赤文字で「解禁指定:9月26日11:00」と記載されている。それが公開が始まった時刻かもしれない。

※秋田のストリートビューのその後の変化
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黒い月見団子?

2013-09-25 22:59:31 | 秋田の季節・風景
今年の夏は、全国的には40度を越えたり豪雨の被害があったりして、良いとは言えない気候だったけれど、秋田市周辺に限れば、時々大雨が降ったくらいであまり暑くなく、過ごしやすい夏だった。
少なくとも、昨年、一昨年の夏よりは過ごしやすく、今年のアイスクリームや麦茶の消費量は少なかった。


今はもうすっかり秋で、9月19日は旧暦8月15日の「中秋の名月」。いわゆるお月見の日。
一昨年から今年までは、中秋の名月が満月の日とちょうど重なったものの、来年以降は満月ではない日が中秋の名月の当たっていて、次に満月と重なるのは8年後とのこと。

日本では、月見の日には、ススキを活けたり、いくつかの食べ物を供える風習がある。
供える食べ物は、里芋、枝豆、栗などで、場合によっては、中秋の名月以降の旧9月13日、旧10月10日の月見の日とともに、「供えるものを限定」することがある。「芋名月」「豆名月」「栗名月」と。
どの日が何名月かは、地域によって異なる。土地によって作物の収穫時期が違うから当然のこと。
gooの辞書検索「デジタル大辞泉」では、旧8月15日を「芋名月」、旧9月13日を「豆名月」または「栗名月」としているし、他には旧8月が「芋」、旧9月が「豆」(栗は無視?)だとか、山形県内陸部ではその逆で旧8月が「豆」、旧9月が「芋」だとか。
秋田県内でも地域差・家庭差があるかもしれないが、我が家では旧8月が「芋」、旧9月が「豆」、旧10月が「栗」
ところが、一般社団法人角館町観光協会をはじめ、いくつかの秋田県関係の人や組織のブログによれば、旧8月が「豆」、旧9月が「栗」というところもある。
要はいろいろ。


各名月において、共通で備えられる食べ物もある。「月見団子」。
でも、月見団子って秋田ではあまり供えない気がする。白玉粉や上新粉のような米粉が豊富にある地域だから、作っても良さそうなものだが。
団子の代わりということか、秋田では菓子店やたけや製パンなどが、「月見まんじゅう」を発売している。月見まんじゅうは、東北地方で比較的見られるようだ。【16日追記】山崎製パンでも月見まんじゅうを製造しており、秋田市内で売られていた。たしか仙台工場製。
月見まんじゅうの形状や色は月見団子に準じて白くて丸い(団子よりは平べったいかな)が、派生としてウサギをかたどって耳や目があったり、月をイメージした黄色いものなどもある。

月見団子に縁が薄い地域の人でも、テレビなど(例えば今年は月見の話はまだ放送されていないけど「サザエさん」)の影響か、「三方」にピラミッド状に積み上げられた、白くて丸い団子が供えられている風景は、まるで自分が実際に見たかのように印象付けられている人が多いのではないだろうか。


そんな中、びっくりする月見団子に出会った。
19日放送のNHK秋田の夕方のローカル番組「ニュースこまち」。中盤の簡易な気象情報コーナーで、「スタジオでもお月見をしています」といった感じで、ススキと月見団子が置かれていたのだが…
右の矢印付近の物体って?

真っ黒い団子で、串に刺さっている!?(さらに透明フィルムが巻かれている)
最初見た時、里芋? 栗? いや泥団子?と戸惑ったが、あんこで包まれた団子のようだ。串刺しの。
外見からして、秋田市内の某菓子店の串団子ではないかと推察(個人的にはここの団子は好き)。秋田局近くの秋田駅前でも購入できるし。

そりゃあ、一から月見団子を作っていられないだろうから、買ってくるのはいい。串刺しでフィルム付きなのも、それをバラすとおかしくなりそうだし、ほぼ真正面からのカメラアングルだとあまり分からない(鮮明な地デジでは分かってしまったわけですが)だろうから、そのままということかもしれない。

でも、よりによって表面にあんこがついた団子を月見団子にするとは。秋田の人の多くは、違和感を覚えるはず。
月見団子の形は、お月様をモチーフにしたものだと思っていた。新月じゃないんだから、黒い月見団子なんてあり得ないのではないか。
(もしかしたら、番組内で説明などがあって、それを聞き漏らしたのかもしれないし、僕が知らないだけで秋田県内でもそういう団子を供える場所があるかもしれない。そうだったら、以下はまったく無意味なものになりますが…)


ネットで調べてみると、地域によっては「黒い月見団子」が存在するのだった!
月見団子には地域性があって、静岡では「へそ餅」という平べったくて中央が凹んだ形(よくある白玉団子みたいな形)、名古屋ではういろう状【2023年9月29日追記・里芋をかたどったしずく形】、沖縄では「フキャギ」という大きな餅に炊いた小豆(あんこでなく)をまぶしたもの、関西では白い団子の一部にあんこを巻きつける(里芋をイメージしたとか、月に雲がかった様だとか)そうだ。(東日本方面では白い団子が多いようだけど、中にあんこを入れたり入れなかったり地域差があるという。形はまん丸でなくややつぶすとか、十五夜にちなんで「一寸五分」の大きさだとか、供える個数はその年の「月(旧暦では閏月があるので12か13)」の数にするとか「作法」もあるらしい)
そして、四国や中国地方では、串団子を供えるという。みたらしなどの場合もあるが、あんこでくるんだものが多いらしい。
すなわち、中国四国なら、NHK秋田局の月見団子はごく普通のものなのかもしれない。


だけど、ここは秋田。秋田県の県域放送なんだから、飾るのなら地域の実情に配慮してほしかった。
秋田局のスタッフなんて(と言っては失礼ですが)、全国各地出身で数年で異動してしまう若手職員、あるいは契約スタッフが中心だろうから、秋田の風習を知らなかったり、そこまで考えが及ばないのかもしれない。

スタジオに月見団子を飾ろうということになって、何も考えずに・知らずに「とにかく『団子』を買えばいい」と行動してしまったのか、その人が中国四国出身で「月見団子はこういうものだ」と思い込んで買ってしまったのか。
でも、報道に携わる人だったら、例えスタジオの飾り1つだとしても、詳しい人に尋ねるとか調べるとかしてほしかった。
配慮しなかったのか、配慮できなかったのか。残念な「黒い月見団子」だった。



ちなみに、秋田で団子といえば、時期外れだけど花見団子が変わっている。特に横手とか内陸南部かな。
見た目としては、平べったくて、表面がテカテカしている。テカテカなのは、薄い羊羹(あんこを寒天で固めた)でコーティングしているため。
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かなやの鮭飯

2013-09-24 22:42:23 | 各地お土産・食べ物
北海道旅行記(前回の記事)、今回は駅弁。
函館と札幌の途中にある長万部駅の駅弁「かにめし」は、1950年から続くもので、北海道の駅弁の中でも、あるいは全国にいくつもあるかにめしの駅弁の中でも、いずれも代表的なもの。
駅弁としては、長万部駅から遠くない森駅の「いかめし」が全国的には有名だけど、現地での入手のしやすさ(後述)や食事としての実用性からすれば、かにめしのほうが上ではないだろうか。(長万部駅には、別業者による「もりそば」もある)

長万部のかにめしの製造元は、「かにめし本舗かなや」。駅弁屋のほかにドライブインもやっていて、膳形式のかにめしを中学校の修学旅行で食べたことがある。
駅弁は、長万部に停車する特急「北斗」「スーパー北斗」の車内で予約購入することができて、便利。(事前に予約センターへ電話するか、当日の車内で長万部到着1時間前までに客室乗務員に予約。長万部で積み込んで、できたての温かいものを席まで届けてくれる)

今回の旅行でも食べたいと思っていたが、出火事故に伴う一部列車の運休で車内は混んでいるから、隣に人が来そうでゆっくり食べられなさそう。どうしようかと思っていると、意外な入手方法があった。
札幌市の大通公園沿いにある百貨店「丸井今井札幌本店」の大通館地下1階に、かなやの店舗があるのだった! そこで買うことにした。

荷物もあるし暑いので、札幌(地下鉄駅は「さっぽろ」)駅から1駅だけど地下鉄で移動。南北線と東豊線が並行しているが、気分で東豊線を利用。
東豊線大通駅で下車して、案内に導かれるままに丸井今井の中へ入ると、奇跡的なことにすぐにかなやの店があった! (よく分からないけど、南北線だと別のフロアにつながっている?)
デパ地下にあるお惣菜屋さんの1つといったたたずまいの店。

実は今回、かにめしも食べたかったけれど、長万部の本店と札幌の丸井今井でしか購入できない(車内では基本的に買えない)という、別の弁当も気になっていた。
店のショーケースには、各種弁当のサンプルが並んでいたものの、実物は、駅弁でおなじみのかにめしがあるだけ。

店の人に尋ねてみると、どこかへ電話をかけてくれて「10分ほどお待ちいただければ、お作りいたします」とのこと。別の場所で調理して持ってくる形式らしい。(タイミングによっては、もっと待たされたり購入できない場合もあり得るでしょう)

ということで頼んで、10分後にホカホカのものを購入。丸井今井のテナントなので、Edyや各種商品券が利用可能。
鮭めし弁当 840円
ホームページでは「鮭めし弁当」、掛け紙では「長万部名物 鮭飯」で「あきあじめし」とかなが振られている。
かにめしの掛け紙は青系統なのに対し、こちらは鮮やかな黄色。
あきあじめし
そう、これはかにめしの蟹を鮭に置き換えたバージョンなのです。

ご飯の上に、刻んだタケノコとともに、ほぐして炒った蟹or鮭が敷き詰めてあるのは、両者まったく同じ。錦糸玉子とグリーンピースが散らばり、漬物や缶詰のミカンなども共通。折(容器)も同じはず。

鮭飯ならではなのは、衣がついた鮭の切り身が載っていること。ホームページによれば「一度揚げてから甘辛のタレに漬け込んだ濃厚な味わいの鮭をトッピング」。
あと、かにめしではご飯の上にシイタケと梅干しが載るのに対し、鮭飯では紅しょうがが載っていた。

さすが、あのかにめしと同じ製造元が同じ製法で作っただけあって、おいしかった。タケノコの食感がいいアクセント。
切り身の鮭の味も好み(骨がまったくなくて食べやすかった)。これが楽しめる分、得な気分?!

かにめしとの価格差210円。秋田の大館駅の花善の「鶏めし」850円と並んで、コストパフォーマンスも味も抜群の駅弁ではないでしょうか。


でも、かにめしも食べたかったような…
そんな方には、同じ折に蟹と鮭、さらにホタテ2つまで載っけた「蝦夷めし弁当(1365円)」というのもあり、札幌店では予約なしで購入できるらしいです。


最後に、かにめしや鮭飯の名脇役。
折の隅っこに入っている海苔の佃煮みたいなヤツ。(上の写真では右下)
ワカメ、こなご(イカナゴ)、ヒジキ、蜂蜜、唐辛子などが原料で、海苔は使っていないそうだ。この佃煮だけを「おしゃまんべ物語」として商品化されていて、札幌店でも購入できた。
840円の瓶詰めもあったけど重いので、150g420円のパックを購入。
おしゃまんべ物語
お土産にしたら、好評でした。

駅弁屋がテナントとしてデパ地下に入るなんて、他には崎陽軒が東京駅の大丸に入っているくらいしか思い浮かばないけれど、こういう買い方も悪くない。

※旅行記の次の記事はこちら
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オオケタデ

2013-09-22 23:02:59 | 動物・植物
すっかり秋らしくなり、シュウカイドウ、シュウメイギク、ハナトラノオなど秋の花々が咲き始めた。
秋に咲くの野草の1つに「イヌタデ」がある。その名の通り、ヤナギタデ(いわゆる蓼)、ミズヒキ、ソバなどと同じタデ科の植物。
イヌタデ
淡いピンク色の小さくてかわいらしい花で、ちょっと花瓶に活けたり、絵の題材にされたりして親しまれている。花を赤飯に見立てて「赤まんま」と呼ぶこともある。
町中でわりと見られる植物であり、環境への適応力もあるようで、種子が飛んで繁殖して「雑草」扱いもされている。


数年前、イヌタデをでっかくしたような植物が存在するのを知った。
草丈は人の背丈ほど。花はイヌタデを派手にした感じ
葉や花の付き方は異なるものの、見るからにイヌタデの仲間。「巨大赤まんま」と呼びたくなる。
イヌタデの園芸品種か何かだろうかと思って調べると、正体が分かった。
通町にて。垂れ下がるように咲く
イヌタデと同属ながら、別種で「オオケタデ」という植物だった。
大きくて、毛が生えているタデ(イヌタデ)だから「大毛蓼」という、味気ない和名。(大紅蓼=オオベニタデという別名もある)
熱帯アジア原産で、元は薬用として日本に入って広まった帰化植物。雑草化しているものもあるが、観賞用に栽培もされる。

バスの回数券を使って、イヌタデとオオケタデの花の大きさの比較。
 イヌタデとオオケタデ

オオケタデは、秋田市内では通町の商店街や泉のハミングロードで見事に咲いている。それぞれの地元の皆さんによって、施肥など手入れをされているようだ。他にも民家の庭などでもたまに見かける。
泉にて
一年草だというが、毎年同じ場所で咲いている所もある。こぼれ種なのか、種を採って翌年に蒔いているのだろうか。

「大毛蓼」なんていう名だと、もじゃもじゃ毛が生えた「剛毛」の植物かと思ってしまうけど…
 イヌタデとオオケタデ
イヌタデは茎の途中はツルツルしているが、葉の付け根には長めの毛がある。イネ科「芒(ぼう、のぎ)」のように、花の先端にもある。
オオケタデは、茎にまんべんなく毛が生えているけれど、長くはなく「剛毛」って感じではない。(個体差もあるかもしれない)
植物の大きさからして「大」はともかく、この程度で「毛蓼」と呼ばれてはちょっとかわいそう。

同じ色のダリア(左下)と咲き競う

秋空の下、ナナカマドも色付き始めた
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札幌市営バスの車内

2013-09-20 23:58:56 | 秋田市営バス
バスの日なのでこの続きで、札幌市交通資料館の元札幌市営バス路線車の車内の様子。
前の記事は北海道旅行記としてのカテゴリーでしたが、今回紹介する内容は、秋田市営バスにも共通する点があるため、「秋田市営バス」カテゴリーにします。

まずは車内に貼られているシール類。
ポイ捨て防止もあるけど、その上の文字だけのシール
「吊手・保護棒におつかまり下さい」とある。
車内で握ってつかまるための棒(手すり)のことを、札幌市営バスでは「保護棒」と呼んでいたようだ。
耳慣れないけれど、定山渓の行き来で乗った、じょうてつバスの車内自動放送でも「保護棒におつかまりください」と言っていたので、市営バス以外でも札幌近辺などでは使う呼称なのかもしれない。
「社団法人北海道バス協会 会員之証」
全国的に2009年から日本バス協会の「会員章」としてNBAステッカーが貼られているが、そのローカル版がそれ以前から存在したのか。
このバスのキャラクターは「きょろたん」という名前だそう。今も同協会のホームページに掲載されているが、車両のほうはNBAシールに代わられてしまったかもしれない。

「冷房中は窓を開けないでください」「お年よりを大切にしましょう」
札幌市営地下鉄には今も冷房がないけれど、市営バスにはあったのか。
降車合図ボタンの上に「お年よりを大切に」。他の内容の車内マナーの呼びかけもあった。


次は、日野ブルーリボンの窓の下に注目。
窓の下というか壁というか
この車では、窓のすぐ下に、幅5センチ強程度の赤茶色に黒いラインが入った樹脂製の帯が取り付けられている。さらにその下には、座席と同じ布地の帯がある。

上の帯は、窓枠と壁の境目の部品ということだろう。上下方向に開閉する窓のバスで設置されるようで、メーカーによってデザインが違い、日野のものは古臭いと思っていた。(その後、平成に入った頃の製造分から、グレーのものに変わった。)最近のバスの主流の逆T字形の窓では、この部分にあまり特徴がなくなって(どれも焦げ茶色の肘掛け状)いる。
下の布は、存在意義がよく分からないが、二の腕から肩にかけてのクッションみたいなものだろうか。最近のバスでは必ず付いているみたいだが、秋田市営バスでは付いていた車両は1台もなかった。
2つの帯
展示されているブルーリボンは1987年製とのことだけど、このように古い帯と布製の帯が共存する車両があったとは知らなかった。布の帯はオプション設定だったのかもしれない。


次は、いすゞも日野も共通。
つり革(吊手)
1つの輪に対して、2つの紐がV字形につながる。激しく揺れる車内でも、安定してつかまっていられる。
秋田市交通局でも、1985年頃の導入車両(188号車辺り)から採用していた。
他には仙台市営バス、弘南バス、じょうてつバスで見たことがあり(※秋田中央交通にもあるが、それは市営バスからの譲渡車両)、最近は優先席前用として輪も紐もオレンジ色のもの(鉄道であるような)もある。※このつり革は稲垣工業製の「ダブルベルト」と呼ばれるもので、札幌市民のアイデアで製品化されたものだった。

さて、特に大型バスでは、車両後方で床が高くなる。それに合わせて、天井のつり革の高さが途中で変わっている。
高さが変わる途中にあるつり革は、斜めに取り付けられているのがおもしろい。秋田市営バスでもあったような気がする。
いすゞは、後ろ2つが斜め

日野はもう少し前寄りの2つが斜め


いすゞキュービックの天井
つり革の下がる棒の間に、別に2本の棒がある。これが保護棒か。秋田市営バスではこの棒は1本だけだった。
上の写真やさらに上の斜めつり革の写真では、天井から下がった、棒を取り付ける柱に降車合図ボタンが設置されている。
昔のバスは、天井に直接ボタンが付いていたものだが、いすゞ(と富士重工も)では、このように比較的早期から設置場所を変えて少し低くして、多少なりとも押しやすくなっていた。(今のバスはもっと低い位置にありますね)

上の写真でさらに気になるのが、天井の丸い物体。
日野ブルーリボンの天井。ボタンが直に付いている
丸形蛍光灯の照明器具は、よそのバスでもたまに使われているけれど、これは少し形状が違う。
展示スペースにもあった
中央にスピーカーを内蔵した室内灯だそう。札幌市営バスのオリジナルなんだろうか。
秋田市営バスでは、蛍光灯は直管形、スピーカーは円形の肌色または長方形の銀色のクラリオン製だった。


整理券発行器(小田原製だから「整理券機」か)
懐かしい、インク印字式。日本中探せば、今も使っている所がありそうではあるが。
秋田市営バスでも標準で使われていたタイプ(もう1タイプあったが)。久々に見ると、今の感熱紙式(秋田市の循環バス車内で紹介)の機械よりだいぶ横幅がある。
インクが薄くて数字が判読できなかったり、濃すぎて手に付いたりしたものだ。券番号が切り替わる時は「カチャッ」と大きな音がし、終点到着前などでリセットするときは「カチャッ、カチャッ、カチャッ…」とリズミカルに連続した。ハンコみたいなので印字していただろうから、それが動く音だろう。(他に券を裁断する音、印字済みの不要な券を内部で捨てる音もするはずで、感熱紙式でもかすかにそんな音は聞こえるが、電子的なプリンタっぽい音)
整理券機の銘板
電話番号や営業所所在地まで律儀に書いた銘板は、秋田市営バスでも見た覚えがある。※秋田市では、1991年度導入車両の1台(268号車)で感熱紙式が初めて採用され、翌年1992年度導入車両(の一部)までインク式が使われた。
銘板の「製造発売元」は小田原機器ではなく「小田原鉄工所」とある。
同社は1979年に鉄工所から機器に変わったようだが、これはそれ以前に製造された機械なのだろうか?(製造年は判読できず)だとすれば、この車両より古いから、別のもっと古い車両のものを再利用したことになる。
あるいはメーカー側で銘板のストックがあって、社名変更後も旧社名の銘板を使っていたのか。
【25日追記】小田原機器のホームページ「製品のあゆみ」によれば、この発行機は「小型、多区間対応」の「3型(3はローマ数字)」で、昭和42(1967)年発売。平成7(1995)年まで製造された。※このページでは「整理券機」ではなく「整理券発行機」と表記している。
札幌の車両では「整理券をお取り下さい」と表示されているが、ホームページの写真では「お取りください」となっている(書体や色は同じ)製品もあり、製造時期で異なるのだろう。
同社では、1965年に初の整理券発行機を発売。「紙の繰出し機構」の開発が難しかったそうで、プラスチックの札を使うもの。翌1966年には紙に印字するタイプが登場するも、券番号を昔のテレビのチャンネル状のダイヤルで設定するなど制約があったと思われる。そのさらに翌年にできたのが、この3型で、この段階で完成形に達していたと言えよう。
秋田市営バスの整理券について


運賃箱も小田原製で、比較的新しいもの。表示は「料金箱」となっていた。
小田急や青森市営バスでは、運賃のことを「料金」と呼ぶため、運賃箱も料金箱としている。札幌市も同様のようだ。(秋田中央交通では運賃だけど、なぜか1台だけ「料金箱」と表示している車がある)

建物内部の展示より。
古い料金箱
(説明などをよく読まなかったけど)これは路面電車で使われていたのかもしれない。
どちらも手動式らしく、投入すれば見える位置に留まり、レバーを動かせばガチャンと中に落ちる仕組み。もちろん、自動両替機能などない。
実は弘南バスの100円バス専用車両では、10年くらい前まではこういう運賃箱を使っていたし、福島の「磐梯東都バス」でも5年ほど前に見たことがある。(2社とも、写真左側のようなタイプだった)

テープ式AGS(車内放送用テープ再生装置)
秋田市の循環バスの記事で、音声合成方式の「オートガイドシステム」を紹介した。その前世代がこれ。型番は剥がれて判読できない。
札幌市では「1980年代初頭から採用されたタイプ」で、2003年から順次デジタル式(音声合成)に変わったとのこと。
そして、その、
車内放送用テープ
これはラベルが大きくて、テープの姿(中身)がよく見えない。
札幌市では、少なくとも1971年から4トラックテープ(車内用と車外用で2つのテープを使用)が使われ、後にこの8トラックに統合。よく分からないが「IC録音機能」もあったそうだ。
広告放送は1973年頃から始まったとのこと。

【21日画像追加】暗いですが、いすゞキュービックの車内
緑色系統の座席(柄や背もたれ形状は異なる)、窓の形など、どことなく秋田市営バスを連想させる。
左側の車椅子スペースの座席がないこと、右側の戸袋の所が現在と同様のロングシートになっていることは、秋田市営とは異なる。

以上、札幌市交通資料館のバス関係の展示でした。(地下鉄等の展示に関してはいずれまた)
鉄道はともかく路線バスの資料なんて、どこでもほとんど残らない(残さない、残せない、残れない)。秋田市営バスの資料や記録も、多くが消えていく運命なのだろう。
札幌市のように、運行していた所自身できちんと残せば、確実で貴重な記録として後世に伝えられるに違いない。(その意味では、札幌市でももう少し丁寧な情報収集や保管方法が必要なようにも感じたのですが…)
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札幌市交通資料館のバス

2013-09-19 23:18:44 | 旅行記
バスの日便乗記事。今回は北海道旅行記(前回の記事)の続きとして。
「札幌市交通資料館」という施設がある。札幌市交通局に関する資料や車両の実物を展示・公開する。札幌市交通局は、路面電車、地下鉄、バスの3部門があったが、バス事業は2004年に民間移管して撤退しているが、資料館にはバスに関する資料もいくつか展示されている。

資料館は、地下鉄(が地上を走る区間)の高架下を利用した細長い土地で、車両の実物は、路面電車10両、地下鉄5両、そしてバス4両。他の資料も含めて、バスの展示はさほど多くない感じだったけれど、全体的になかなか見応えのある施設だった。
施設全体や地下鉄関連の展示については後日(来月の鉄道の日あたり?)別記事にするとして、この記事ではバス関係を紹介します。
※天気の悪い日に高架下で撮影し、他の入館者もいたため、写りの悪い写真があります。

交通資料館の門を入って、最初に出迎えてくれるのは電車ではなく、バス。
丸っこいマイクロバス
昭和38(1963)年11月三菱重工(当時は三菱自動車はなかった)製。27人乗り。
郊外や山間部の輸送用として4台導入したうちの1台。その後増備して23台になったものの、昭和49年でなくなったという(この車両自体も昭和49年3月廃車)。

Wikipediaによれば、「新三菱重工」製。現在に続く「ローザ」の初代モデルで、そのデザインから「だるまローザ」と呼ばれたそうだ。
丸っこくておもちゃみたいでかわいらしい
現行のローザもどちらかと言えば丸みを帯びたデザインだし、屋根に突き出た行き先表示なども同じで、通ずるものを感じる。
ちなみに弘南バスのローザ「31906-5」。2007年式(現行モデルと同じかな)

薄れた行き先表示は「円山動物園」と書いてあったようだ
星は札幌市章。ガラスの下には「FUSO」の表示があったのだろうか?
一方、後部は
かなり独特。人の顔(頭)みたいだし、切れ長のランプは初めて見た
車内にも入れた。
 
運転席も客席もシンプル。床は板張り、座席はビニール張りのコの字配置(三方シート)、つり革なし。
入り口ドアには「ワンマンカー」の表示があったので、これでワンマン運転していたこともあったのだろう。小さいバスとはいえワンマン機器がなくては大変そう。

秋田市交通局では、道路が未整備の住宅街向けとして小型バスを1975年に導入し、現在も運行されている。弘前の弘南バスでは、現在はローザをはじめとする小型バスが主流となって活躍している。


その次は、
ボンネットバス
昭和30(1955)年5月いすゞ・川崎航空機工業製。62人乗り。
※現地の解説板にある「川崎航空機工業」製は誤りで、正しくは「金沢産業」製だそう。金沢産業は後の日野車体工業。川崎航空機は後のいすゞバス製造。現在は両者は統合して「ジェイ・バス」になっている。
運行された期間は長くなく、サービスカー(事業用車ってこと?)に転用されたものの、昭和39年に廃車された。

これはどこかで見たことがあるような典型的なボンネットバス。濃い青とオレンジの塗装が独特。
車体に「402」と数字が書いてあるけれど、あまり古くなさそうな書体。秋田市営バスのに似ている。
ボンネットのフタに丸に「ISUZU」の見慣れぬマーク

後部。このライトの形はなじみがある
市章は側面に付いていた。

車内。
 
こちらもシンプル。運転席の横(ドアまで)だけロングシートで、他は2人掛けでつり革なし。
床は前が板張りで、後方は鉄板。2人掛け座席の形状は現在のものとさほど違いはないが、よく見ると肘掛けや取っ手の配置がおかしい。
元サービスカーだったとのことなので、いったん座席が撤去されたり床が張り替えられたりして、廃車・展示に当たって、復元したのかもしれない。現役当時とは違っている可能性がありそう。


残り2台。以前は、ステンレスボディに天窓が付いた独特の貸切車両が展示されていたそうだが、状態が悪く、2006年に撤去。
代わりに、札幌市営バス最後の日まで走っていた2台の大型路線車両が展示された。
おなじみ「いすゞLVキュービック」
塗装は1990年代中頃以降に使われたものらしい。市章はなく「ST」のロゴが入る。
この車は1994年式だそうで、秋田市営バスから中央交通に譲渡されて今も走っている車両と同年代。内外の仕様もよく似ている。「低床車」と表示されているが、ツーステップ。
真四角で一枚窓が特徴
行き先表示は「貸切」。秋田市営バスの「貸切」と同じ書体のようだ。

「IK COACH」製(上は「ISUZU」のはずだけど剥がれた?)
上のほうで出てきた「川崎航空機」はその後、川崎車体→アイ・ケイ・コーチ(いすゞが出資した)→いすゞバス製造→ジェイ・バス(日野と統合)と変遷した。LVキュービックは、川崎車体~いすゞバス製造にかけての3つの時代に製造されているはず。

もう1台は、
日野ブルーリボン。向かって右側のミラーが大きいのが札幌市バスの特徴か?
キュービックより古い1987年製で、最初のマイクロバスと同じ塗装。これも市営バス最終日まで走っていた。
時期的には、秋田市営バスで塗装が変わった頃だから、202~204号車と同型だろうか。


長くなるので、今回はここまで。続編で車内などを紹介します。
※旅行記としての次の記事はこちら
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ぐるる車内

2013-09-18 23:55:44 | 秋田のいろいろ
9月20日はバスの日なので、ストックしていたネタから。この記事に続き、「ぐるる」車内について。
7月から新たな姿に変わった、秋田市中心市街地循環バス「ぐるる」の2台の専用車両は、小田急バスの中古で、中型バス・いすゞエルガミオの車体長が短いバージョン(現在は製造終了)。
小田急の中古がおそらく6台程度秋田に来ていて、ぐるる用以外の車は、現在は男鹿営業所のローカル路線や秋田市南西部の「豊浜ふれあい号」(秋田中央トランスポート所属)で使われている。

エリアなかいちでの展示の際は、「834」の車内も公開されていた(? たぶん)。「バスまつり」と同じ形だが、他に誰もいなかったので、じっくり観察することができた。


前ドアの銘板によれば、1999年9月製造の「KK-LR233E1」という型式。もう1台の「835」も同じ。
いすゞ自動車ホームページによれば、1999年6月の発売当時の東京地区での希望小売価格は、1千95万円。(ちなみに通常サイズはワンステップで1千240万、ノンステップで1千500万。エンジンはどれも225馬力の「6HH1-S」)
いすゞ自動車といすゞバス製造の2つの銘板があり、それぞれに製造番号が記載されているが、834と835で連番だった。製造以来、ずっと共に使われてきたということになる。

前から見た客席
幅は普通の中型バスと同じだけど、やはり短さが際立つ。
座席は写っているだけで全部。正面向き1人掛けが4つ、窓を背に座るロングシートが2名分(優先席ではなく「シルバーシート」のシールが残る)、床が高い後部は2人掛けが4つと最後列に5人。着席できるのは19名ということになる。
後ろから

車いすスペース
1人掛けのうち2席は、車いすスペース兼用の折りたたみ式。折りたたみでない普通の1人掛けの座席は2つしかなく、いずれもタイヤの上。以前も書いたけれど、この頃の小田急の座席は背もたれのクッションがとても薄く、座り心地は良くない。
【2014年8月5日追記】この座席は「天龍工業」製だった。一部の座席裏に「テンリュー工業」のシールが貼られていた。同社は秋田市営バスの分厚い座席など、多くの乗り物の座席を手がけているのだが、この車のは粗悪だ。

今まで気付かなかったけれど、吊り手(つり革)がとても少ない。運転席側に4つ、ドア側に2つの6つだけ。縦方向のポールも少ない。取り付けられる座席が少ないので仕方ないけれど。

窓ガラスの広告
窓ガラスのシール式広告は、「あきた駅前内科外科クリニック」と写真の中通総合病院などの「社会医療法人明和会」がスポンサー。予備車を含む3台すべてに、運行開始時から掲出されている。
「平成25年11月新病院オープン予定」とあるけれど、もうすぐ。そうしたら広告は貼り替えるのかな。(正確には「中通総合病院の新病棟オープン」じゃないだろうか)
【2014年1月25日追記】12月から新病棟が稼働。↑この広告も張り替えられ、病院創業60周年のシンプルなデザインのものになった。

中ドア
前ドアでは一般的な折り戸が中ドアにも使われる。30年くらい前のバスやその少し後でも大都市のバスでは、中ドアも折り戸だったが、今は引き戸が一般的。車体が短くて戸袋設置に制約があるためか。
「扉が内側に開きますので」「ご注意ください」という注意書きは、小田急時代からのもの。(表示がない車両もあったはず)
2017年には中ドアに広告が貼られた

【10月6日追記】この車両は、非常口(運転席側のいちばん後ろ)の幅がとても狭い。用が足りるか心配になるくらい。

取って付けたように整理券発行器が置かれている。それは当然のことで、今は中ドアは乗車口だけど、小田急時代は降車口だったわけで、秋田に来てから設置されたのだから。(それにしては配線など上手に処理している)
必ず整理券を取るよう「何卒ご協力のほど」などと掲示があるが、これは循環バスだけの掲示。均一料金だから乗客にしてみれば意味がない整理券だけど、秋田市やバス会社にしてみれば乗車人員や利用実態(乗車バス停)の把握のために整理券が必須だからでしょう。
発行器のメーカーは、中央交通標準の「小田原機器」製か(同社では「整理券機」と呼んでいる)。昔は濃すぎると手に付いてしまった赤や青のインク式だったけど、これは黒印字の感熱紙(サーマルプリンタ)式。

整理券の話が出たので、ワンマン運転に欠かせない「ワンマン機器」に注目。特記以外は、中央交通に来てから設置されたものだと考えられる。
運賃表示器
均一運賃の循環バスでは運賃表示器はいらないが、一般路線バス時代のものが残っている。
でも、専用塗装になってしまっては、もう一般路線に入ることはないだろうから、撤去してもいいようにも思う。(弘南バスの100円バスでは運賃表示器を「次の停留所名表示器」として使う車両もあるが、撤去された車両もある)
循環バスに使われるようになってからは、表示部を隠すように、運賃についての注意書きが張られている。
連絡先が「秋田市まちづくり整備室」とあるけれど、同室は5月で廃止された。同室の電話番号は、主要業務を引き継いだ企画調整課にぎわい創出担当に引き継がれたようだが、循環バスに関しては交通政策課に引き継がれているので、書き換えるべきだと思っていたら、この数日後、連絡先を交通政策課とした紙に替わっていた。【23日追記】連絡先変更と同時に、循環バス専用一日乗車券についての案内が書き加えられる等、文面も一部変更された。

運賃表示器は8セグメント【2014年1月12日訂正】7セグメントLED3ケタ【19日訂正】4ケタ×50コマで、(紙で隠れているが)左端に縦書きで運賃の変わる停留所名が表示されるタイプ。整理券番号は1~50。(弘南バスでも同型を使っているが、券番号は最初が「なし」なので最後は49番。他に「0」から49までのものも存在すると考えられる)
2002年まで「三陽電機製作所(ブランドはSLight)」という社名だった「レシップ」製で、「DFA-9000-5000」という型番だと思われる。本体サイズ250ミリ×746ミリ。
中央交通でも弘南バスでも、ごく最近製造されたこの型の運賃表示器は、枠が黒くて、券番号の書体が違うので、これは古いタイプのようだ。廃車から移設したのかも。

最近は液晶ディスプレイの運賃表示器が出現し、LED式の生産をやめたメーカーもあるようだが、レシップはまだ販売しているようだ。
ただ、中央交通では、レシップの液晶式に更新するつもりらしいので、LED式は徐々に減っていくと思われる。(まだ使えるんだから無理して替えなくてもいいのに)

運転席
【2014年7月13日追記】上の写真では、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)のレバー類が見当たらない。昔のバスでは普通乗用車と同じ位置に同じ形状のものだった。2000年以降のバスでは「ホイールパーク」装備が義務付けられたため、それに対応してハンドル左側に上下方向に動かすレバーが付いている。しかし、この車では、ホイールパーク義務付け前の製造ためか、レバーが異なるようで、運転席右側(窓側)に従来のパーキングブレーキと似た形状で小型のレバーがあるようだ。エルガミオの中では珍しい仕様だと思われる。トラックでは現在もこのタイプのレバーが主流らしい。(以上追記)

運賃箱も、中央交通標準の小田原機器製のいちばん安いヤツ。(最近は、これが製造中止になったのか、同社製の薄型のものを設置した車両も存在する。)
両替は100円バスなんだから、100円玉だけ出せば良さそうなものなのに、実際には50円玉1枚と10円玉5枚も出てくるらしい。設定を変えられないのだろうか。

ハンドル左側
運転席には各種装置の設定器が並ぶ。
この車両に限らず中央交通のバスはゴチャゴチャと多い印象で、しかも車両によって位置が異なり、運転士は大変そう。
上の写真左側はオージ製の「全自動巻取機EM-92 MX・6」。行先表示器の設定をするもの。この車両は行先表示器が幕式だから「巻取機」だが、中央交通の多くのバスは幕式からLED式に交換されたため、それらには別の設定器が設置されている。テンキーの部分がだいぶ使い込まれているので、もしかしたら小田急時代からの装置(あるいは中央交通の他車からの移設)かもしれない。
下に「834号車方向幕」「06循環バス、07回送、08中央交通」という紙が張ってあるので、その数字を入力すれば自動的にそのコマで停止するようだ。なお、835のほうは各コマが「02、01、82」と数字が異なっている。

右上は小田原機器製の装置。整理券の設定器のようだ。
右下には「SLight」のロゴがあり、これは運賃表示器の設定器。

運転席の右側
中央のスイッチはドア開閉。前側の装置は自動放送の設定器、後ろ側は運行中に使う自動放送の操作スイッチ。いずれもクラリオン製。
昔の車内放送は8トラックのカセットテープをガチャガチャ入れ替えていたものだが、今はこの設定器に路線ごとに決められた数字を入力すればいい。
設定器
ラベルで隠れて見えないが、「AGSコントローラー RCA-224」のようだ。AGSとは「オートガイドシステム」。
中央交通では上の写真のように「臨海→駅 301011/駅→臨海 301012」というラベルが貼られている車が多いようだ。
おそらく、臨海営業所線を走る時はこの数字を設定すればいいのだろうが、なんでわざわざ本体に貼っているんだろう。回送代わりの同路線において、すぐに設定できるように?
ただ、ぐるるの車両は以前も含めて臨海営業所に所属したことがなく、同路線は走らないはず。臨海所属だった廃車から移設したのだろうか。
【2017年10月25日追記】2017年10月時点の臨海営業所所属の古い一般路線用中型車・秋田22い701では、この位置に駅~車庫間の設定番号が貼ってあった(書体は違う)。「車庫」とは秋田営業所のことだと考えられる。ということで、やはり、突発的に所属営業所でないほうの営業所と秋田駅西口を営業運行することになった場合、スムーズに対応できるようにしてあるのだろう(行き先表示はどうしてる?)。

運転席の天井近くには、
「オートガイドシステム CA-2010A」
これが自動放送の大元のようだ。現在は後継機種が出ている。
左側に音声データを入れたメモリーカードでも入れておくのだろう。車内と車外の音量は、ここで調節するらしい。

クラリオンの「オートガイドシステム」とは、車内放送を軸に、バス運行に関わる各種機器を自動で制御して、労力を軽減する狙いらしい。8トラテープの時代からあった概念のようだ。
テープを使っていた秋田市営バスや、今の中央交通では、始発で整理券や運賃表示器を正しく設定しておけば、運行中は放送に連動して変わっていく。「これより運賃が変わります」→ピッ!という風に。始発での設定と途中での放送を入れるタイミングを間違わなければ、便利な装置。
5年ほど前までの弘南バスでは、これらがまったく連動しておらず、運転士は走行中にも、整理券や運賃表示器を手動で変える操作をしなければならず、大変そうだった。現在は、クラリオンからOEM供給されたレシップブランドの同じシステムを採用しているようだ。

中央交通のやり方では、始発時に放送、運賃表示器、整理券、行き先表示と4つの設定をそれぞれしなければならない。
しかし、AGSをフル活用すれば、始発で放送装置だけをセットすれば、他の機器にも転送される仕組みになっていたり、ドア操作や速度に連動して、放送さえ自動で流れるシステムもあるらしい。

いすゞ自動車ホームページより
いすゞのエルガミオの紹介ページの運転席の写真は、左側のパネルに何もなく、すっきりしている。
撮影用仕様車だからということなのかもしれないが、クラリオン製AGSコントローラーらしきものは設置されている(赤矢印)。おそらく、AGSコントローラーに全機器が連動しているのだろう。

こんな装置は高そうだし、中央交通の場合は各機器のメーカーがバラバラなので、相性が悪くて連動させられないのかもしれない。

※昔のバスの車内や機器については、札幌市営バスの記事参照。
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孤高のマックスバリュー

2013-09-17 23:33:26 | 旅行記
日本国内には様々なスーパーマーケットが存在する。ローカルスーパーから全国チェーンまでいろいろと。
北海道に行った時、日本中でただ1つのスーパーがあるとのことで、行ってみた。我ながら物好きです。※北海道旅行記の直近の記事はこちら

それは、「マックスバリュー恵庭(えにわ)店」。
それだったら全国各地、あちこちにあるじゃないかって? 秋田なら広面とか茨島とか。

いえいえ。それは「マックスバリュ」。ここで言っているのは「マックスバリュ“ー”」と最後が伸びる。
じゃあ、「マックスバリュ」はイオン系列だけど、その「マックスバリュー恵庭店」は何者か。マックスバリュをパクった?
いえいえ。マックスバリュー恵庭店も、ちゃんとしたイオングループのスーパー「マックスバリュ」の一員なのです。

どういうことかというと(Wikipediaを参考にしました)…
「MAXVALU」の店舗ブランドが初めて登場したのは、1994年10月の岩手県の店舗。その時は「マックスバリュー」と伸ばしていた。
その後、「マックスバリュー」が次々と開店していったが、1998年11月開店の店舗からロゴを変えて「マックスバリュ」と伸ばさなくなり、以後、「マックスバリュー」だった既存店舗も順次「マックスバリュ」に改称されて今に至る。

今のマックスバリュの看板などのロゴは、枠で囲ったブロック体の「MaxValu」の「V」の右上が枠の外に突き出ているもの。一方、「マックスバリュー」当時は、全部大文字で手書き風の「MAXVALU」だったそうで、そういえば以前、旅行先で見かけて記憶がある。

そんな経緯があって、「マックスバリュ」に改称されずに、現在ただ1つ残っている店舗が「マックスバリュー恵庭店」ということらしい。

※秋田のマックスバリュ東北運営の店舗では、1990年代はどれも「ウエルマート」だったはずで、2000年前後から「マックスバリュ」化された。したがって、秋田では「マックスバリュー」を名乗った店舗はなかったと思われる。


マックスバリュー恵庭店の運営会社は、「マックスバリュ北海道」。(伸ばさない)
同社経営の他店舗は、もちろん「マックスバリュ」。

公式サイトでは、
マックスバリュ北海道ホームページの店舗一覧より抜粋
サイトの店舗一覧では、「マックスバリュ○○店」は単に「○○店」と記載されている。(ザ・ビッグなど異ブランド店舗はブランドから記載)
マックスバリュー恵庭店も、「恵庭店」と掲載されている。
ところが、クリックして詳細を見ると、
なるほど。確かに「マックスバリュー」
左上には現行ロゴが出ているが、地図の中では旧ロゴで「マックスバリュー恵庭店」になっている。
【18日追記】地図内では、「36」も「46」も国道のような逆三角形っぽいマークになっているが、正しくは36号線が国道、46号線は道道なので、46は六角形でないといけない。(国道46号線だったら、秋田・岩手の県境の道だ)


では、現地へ。
マックスバリュー恵庭店があるのは、北海道恵庭市。
快速エアポートで札幌と新千歳空港を移動する時、新札幌-北広島-恵庭-千歳と停車する、その恵庭。札幌市の南方にあるベッドタウン。
百万都市に連なるベッドタウンというと、線路沿いに延々と家並みが続くのを連想しがちだけど、そこは北海道。市と市の間には、原野や牧草地みたいなのが広がる。

マックスバリューの最寄り駅は、恵庭から1駅札幌側に戻った「恵み野」駅。快速は停車しないので、1時間に3本ほどの普通列車に乗り換え。(※今回はフリーきっぷを使ったので、行ったり戻ったりできた)
恵み野は駅東側のニュータウン開設に伴って、1982年に開業した駅。ニュータウンはガーデニングの街として知られ、民家の庭を開放している人が多いという。
駅東側はイトーヨーカドーがあったりするが、目指すマックスバリュは西側。橋上駅舎から西へ出た。
 恵み野駅西口
西側はロータリーはあるけれど、何もない!
といっても、周りにはほんとうに何もないわけではなく、すぐ南側からは住宅街が続く。恵み野ではなく、恵庭市本体の住宅街の北端ということだろうか。
その南方向へ向かって、線路沿いに進む。適当な所で線路から離れて、西へ進めばマックスバリューなのだが、目立ったランドマークがなく、駅側からは店の裏側に出るので迷わないかと心配したものの、あっさりと到着できた。駅から15分ほど。

秋田などのマックスバリュにもよくある、異業種の店舗が隣接して駐車場を共有するショッピングモール形式。
ショッピングモールは道道46号線に面しているが、モール自体が他の店舗に隠れるようにやや奥まって位置する。ショッピングモールは、道道側からオートバックス、ホーマック、マックスバリュー、セリアという配置。オートバックスが混ざるのが珍しい。
で、これがマックスバリュー恵庭店。
看板は旧ロゴ
入口のドアは、
ほんとに「マックスバリュ“ー“恵庭店」だ!

平屋の店内には「ツルハドラッグ マックスバリュ恵庭店」が同居。他には最近まで(【11月4日追記】8月18日で閉店?)マクドナルドが「マクドナルド 恵庭マックスバリュー店」という名称で入居していたそうだが、この時は撤退して空き空間になっていた。
マックは正しく「マックスバリュー」だったようだけど、ツルハは「マックスバリュ」という名称のようだ(ツルハドラッグ公式サイトより)。
他のテナントはなく、インストアベーカリーもなかったはず。(とすると、秋田のマックスバリュは、どこも写真屋、アイス屋、ミスドなどあって同居店舗が充実している)
【9月24日訂正】恵庭店には、インストアベーカリーはあったのを思い出したので、訂正します。一般的なインストアベーカリーは、スーパー部分の手前の右か左にあるかと思うが、ここはいちばん奥の惣菜とか精肉、鮮魚売り場があるような並びにあった。

店内は、どこにでもあるマックスバリュ。(品揃えや商品の配置が運営会社の方針なのか少し違って戸惑うのは、どの店でも同じこと)
トイレなどは新しくはないというか、わりと古そう。「マックスバリュー」のままだから1998年以前に建てられたのは確実だけど、もう少し古い(それ以前は別の名称だった)ような気がする。
レジの台数はあまり多くなく、セルフレジはなし。

興味があったのが、「マックスバリュ“ー“」であることがどこまで徹底されているか。ツルハドラッグは間違っているし。
外にあった店長名の掲示は、
ありゃ。「マックスバリュ恵庭店」になってますよ!
自分で自分の名前を間違っちゃあ、いけません。

でも、感心なことに、見た限りで他は「マックスバリュー」で統一されていた。
惣菜のラベルの製造者名は「マックスバリュ北海道株式会社 マックスバリュー恵庭店」だったし、レシートも「マックスバリュー恵庭店」(カタカナは半角)。
上は函館市の「堀川店」のレシート。こちらは「マックスバリュ」が全角、URLの最後のスラッシュの有無が異なる
※ちなみに、秋田市内のマックスバリュ東北の各店舗のレシートは、「MV港北店」「MV茨島店」「マックスバリュ広面店」と、統一されていない。

マックスバリュー恵庭店にも、イオン銀行ATMとwaonステーションが設置されていたので、ひと通り使って、それが履歴にどう表示されるか調べた(←ほんとに物好き)。
上からレジでの決済、ATMでの現金チャージ、waonステーションでのポイントチャージ
イオン銀行ATMは「MV恵庭」、レジとwaonステーションでは「恵庭店」と表示されてしまい、「マックスバリュー」の名は出てこなかった。

最下段の函館の堀川店も「マックスバリュ」が省略されてしまっている。
一方、マックスバリュ東北の店舗は「MV茨島店」などと「MV」を店名に冠して表示され、静岡のマックスバリュ東海の店舗は「MV」が付かない店舗名のみだった。おそらく運営会社によって異なるようだが、イオン本体と区別できるようにしてほしい。

色あせてきたマックスバリューの看板
孤高の存在のマックスバリューは、いつまで存在するのだろうか。
看板を替えて、あとはレジとかを少しいじれば済みそうなので、天下のイオンさん(のグループ企業)にしてみれば、すぐにでも「マックスバリュ」にできそうな気がする。
あえてこのまま残しているのか、あるいは大掛かりな店舗改装時期まで待って変更するつもり(ザ・ビッグなど他ブランドへの転換もあり得そう)のか。

旅の途中のくだらない寄り道でした。
【18日補足】↑「くだらない」としましたが、個人的には楽しめました。
それから、ブログやツイッター等を見ていると、恵庭店以外のマックスバリュを指して、「マックスバリュー」と表記している方々が多数いらっしゃる。
上記の通り、かつては「マックスバリュー」だったことや伸ばしたほうが言いやすいことによるのだと思う。当分はこんな調子だろう。
考えてみれば、どうしてイオンは「マックスバリュー」を「マックスバリュ」にしたんだろう?(いただいたコメントの通り、プライベートブランド「イオントップバリュ」も、1994年の発足時から2000年のリニューアルまでは「トップバリュー」だった)

※旅行記の続きはこちら

【2021年6月18日追記】気が付けば、この店も「マックスバリュ恵庭店」に変わってしまっていた。2021年時点では建物は同じで、店内リニューアルや看板交換がされているようだ。
1997年開店で、2015年2月28日に大規模リニューアル、2019年4月11日にもリニューアルされていた。2015年の告知ですでに「マックスバリュ恵庭店」となっているので、その時に変更されたかもしれない。
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ランチパックSHOP

2013-09-15 15:04:43 | ランチパック
当ブログでは「ランチパック」カテゴリーを設けていますが、その流通形態が特殊な秋田県(と青森県)では、選択肢が限られてしまい、最近は単なる「パン」カテゴリーとなってしまっていました。
そんな状況を打破すべく、東京に行ったついでに以前から行ってみたかったある場所を訪れました。久々のほんとうにランチパックの記事です。

その場所は「ランチパックSHOP」。
ヤマザキランチパックだけを集めて販売する店舗で、大阪に1店舗、東京に2店舗ある。(他に千葉県市川市にある「ヤマザキプラザ市川」でもまとまって扱っているのかな?)
先にできたのは大阪で、2009年に近鉄の大阪阿部野橋駅構内にオープンしたのだが、いつの間にか「阪急うめだ本店(百貨店)」の中に移ったようだ。
東京には、2012年に秋葉原、今春、池袋に、いずれも鉄道駅の改札口近く(改札の外)に開店している。

池袋店はJRの北口だから分かりやすそうな場所、秋葉原は「TX秋葉原店」といって、つくばエクスプレス(TX)の地下駅構内にあるらしい。
僕は以前、秋葉原に行って、JRの駅構内だけで迷った(山手線・京浜東北線と総武線が直交するため混乱する)思い出があるし、TX側は地下駅だからGoogleのストリートビューでもよく分からない。
でも、今回の行程上、池袋は遠かったので、秋葉原店に挑戦した。

なお、池袋店とTX秋葉原店では、扱い商品が異なる模様。
公式ホームページでは、池袋は「定番商品からご当地ランチパックまで、充実の品揃え」。秋葉原は「定番商品からご当地ランチパックまで、関東で手に入るランチパック全商品を販売」「他のエリア限定商品も不定期に入荷」とある。
公式フェイスブック(ID所有orログインしなくても閲覧できるのは、ありがたいというか企業なら当然なんだけど、それができない企業が多いんだよね…)では、月ごと・店舗ごとの扱い商品を教えてくれている。
※もちろん、売り切れや工場・輸送の都合で欠品の場合もあるでしょう。場所や営業時間等は公式サイトで確認願います。

JRで秋葉原に着いてランチパックショップに行く場合、4つある改札口のうち「中央口」から外に出る。電気街とは山手線・京浜東北線を挟んで反対の東側。
そして、つくばエクスプレスの「A2」出口(入口)から下に降りれば、改札口があってそのそばにランチパックショップがあるというのだが、そのA2出口の位置が、地図でも現地でも分からない。
少し離れた「A1」出口からでもたどり着けることは事前に把握しており、中央改札口を出て右を向くと、すぐに「TX01」という赤い表示が見つかったので、そこから入った。
中央口を出て右を向いた光景。矢印がA1出口
中央改札を出て右側にも左側にも「A1」があるようだ。左に出て線路側に少し戻ると「交通広場」というのがあって、そこに「A2」があるらしい。

地下駅といっても地下鉄の駅のように狭くはなく、がらんと広くて天井が高い空間。上野駅の新幹線ホームほどだだっ広くないし、当然古くもないけれど、殺風景。

ところで、僕は何度か首都圏に訪れている。子どもの頃、最初に行った時は、見るものすべてが初めて見たようでびっくりしたものだったが、今は「相変わらず人が多いな」「いつも新しい建物ができているな」とは感じても、人が多い日本の首都なんだから当然のことで、別に驚きもしなくなっていた。
だけど今回、久々にびっくらこいたものがあった。

それは「高速エスカレーター」。
A1出口とつくばエクスプレスの改札口の間は、エスカレーター(もしくは階段)を2本乗り継ぐのだが、その一部が「高速エスカレーター」になっていた。通常の1.5倍速・毎分45メートルの速さで動いているらしい。(正確には、「高速エスカレーター」という製品があるのではなく、時間帯を区切って通常エスカレーターの運行速度を速くしている形)
乗ってみると、たしかに速く感じる。乗っている途中は黙って立っていればいいから通常と同じだけど、乗り降りする時は、充分注意しないと危険だ。
高速エスカレーターと並行して、通常速度のエスカレーターもあり、選択できるようにはなっている。不安な人はそちらに乗ればいいのだが、ここは表示が少なかった。知らずに高速のほうに乗ってしまって、怖い思いをする人がいるだろう。
一般的なエスカレーターは、決して速いとは言えない速度で、もどかしく感じることはあり、通勤客などは高速エスカレーターが重宝されているのだろう。でも、そんなものが必要とされて作られてしまう街・東京って…

2本目のエスカレーターの先は、改札のある広い空間。
右奥の階段が「A2」につながるらしい
階段・エスカレーターを降りてすぐのところにある青いのが、夢にまで見た(?)
ランチパックSHOP!
隣は合鍵・靴修理屋とファミリーマート。
店の姿は写真で見ていたが、かなり小さい。そして新しい地下駅の空間にあまりマッチしていないような…

店の外には、簡易なテーブルと椅子があって、そこで食べることができる「ミルクスタンド形式」だそうだけど、ここではあまり食べたくない。
店員さんは1人いたが、レジは中と外に1台ずつ。ラッシュ時などは混雑するのだろう。
こっち向いてる人はパネルのゴーリキさん
僕が行ったのは昼前で、他に3組の客がいた。小さな子を連れた女性のほかは、男性。皆さんけっこう熱心に商品を選んでいたので、“ランチパッカー”(ランチパック愛好者のこと)でしょうか。

店内は、ランチパックのラスクや飲み物があるほかは、ほんとうに全部ランチパック。
店内の棚5段に整然と並ぶほか、外にも並んでいる。
定番商品も含まれるとはいえ、惣菜パン系・菓子パン系20種類じゃきかないだろう。秋田県じゅうの店を回っても、こんなにたくさんの種類はない。

商品1種が2列以上に渡って置かれているので大量に在庫があって、品切れにはなりにくそう。しかも商品の回転が速いのか、消費期限まで余裕がある。価格は標準価格。
店の上には「ランチちゃんパックくん」(店内奥にサインがあるけど、ゴーリキさんの?)


3種類を購入。
ポイントカードがあるそうで、作りますかと聞かれたけど、そこまで頻繁には来ないのでお断りしました。
PASMOの電子マネーで決済できるので、互換性のあるSuicaも使用可。Suicaポイントは付かない。(池袋店はSuica電子マネーとして決済できるようだけど、ポイントは?)
レシートのヘッダーの店舗名は活字で、「ヤマザキ」や「ランチパック」のロゴはなかった。
袋はロゴとランチちゃんパックくん入り

ランチパック 黒豆&ホイップ 兵庫県産丹波黒豆の蜜漬け使用 1個156kcal 大阪第一工場製
これが不定期入荷の他地域商品のようで、店の前に積まれていた。他には新潟の黒崎茶豆クリームがあった。【16日追記】フェイスブックによれば、この2商品は9月8日から14日の限定販売だった。1週間ごとに他地域からの輸送商品は変わるようだ。
秋のわくわくプレゼントの点数シールが2点であるように、菓子パン系ランチパックにしては高い価格。丹波の黒豆だからね。
中は、
大粒の黒豆が10粒ほど
味はお節料理の黒豆そのまま。蜜の甘さがおいしく、ホイップとも合う。アンパンの派生だと思えば、別におかしくない組み合わせか。


あとは関東の製品なので、東京では珍しくもないのかもしれないが、秋田では見たことがないもの。
ランチパック 梨ジャム&レモンホイップ 市川の梨入りのジャム使用 1個144kcal 松戸工場製
「ふなっしー」で有名な船橋市の隣の市川市も、梨の産地のようだ。山崎製パンの創業地でもある。

梨のジャムというのも珍しいけど、それにレモンクリームを合わせるとは。
クリームは黄色い
梨とレモンも合わなくはなかったけど、レモンは必要だったのかな。味を整えるためとかだろうか。
梨ジャム
梨ジャムは和梨のじゃりじゃりした感じも分かって、おいしい。梨ジャムだけでも悪くなさそうな気がした。


ランチパック 千葉県産びわジャム&ホイップ 千葉県産びわのジャム使用 1個145kcal 千葉工場製
これは「新発売」シールがあるから9月発売。他の2つにはなかったので、8月以前から出ていたのだろう。
JA安房のびわのペーストが入ったジャム入り。ビワのジャムも珍しい。
びわジャム
甘酸っぱいビワの味がする。もうちょっと味がはっきりしてもいいかもしれない。


ランチパッカーとしては、これからも東京へ行った時は、ランチパックSHOPは要チェックです。
【2023年3月26日追記・ランチパックショップのその後について】大阪は2014年、池袋は2021年、秋葉原も2023年3月でいずれも閉店。ランチパック専門店はなくなった
コメント (8)
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徐行/E5系乗車

2013-09-14 21:12:57 | 旅行記
前回に続いて、E6系初乗車。
秋田新幹線(田沢湖線)では、秋田・岩手県境付近において大雨により土砂が流出したため、8月9日から11日まで運休した。その後は、その箇所で徐行運転が行われていて、若干の遅れが生じている。

上りこまちの車内では、秋田駅発車時から「復旧工事は終わっているが安全確認のため、田沢湖-赤渕間で徐行運転を行うので、盛岡到着は3~5分程度遅れる見込み。すれ違う反対列車の関係で、さらに遅れる可能性もある。」といった放送がされていた。
「田沢湖-赤渕間」と言っていたが、仙岩トンネルを含み県境を越える両駅間は18.1キロもあり、北海道以外の在来線では最も駅間距離が長い区間。そこを全部徐行するわけではない。【26日追記】秋田駅改札口の到着案内では、徐行区間を「雫石~田沢湖駅の一部区間」と案内している。赤渕駅は秋田新幹線が停車しないためか。

実際には、岩手県側に入ってから、赤渕駅直前の数キロほどの区間で徐行した。
線路の左側が山の斜面、右の木々の向こうに志戸前川という川が見え隠れする場所。
 
復旧工事跡らしき箇所が複数あり、流木が多数集まっているのも見えた。

予定通り、3分ほど遅れて盛岡着。
車内放送では「仙台には時間通りに到着する」と案内していた。盛岡の停車時間で取り戻せるのだろうか。ホームページや各駅(首都圏の駅や車内でも)では、「下り盛岡~秋田の一部」に遅れが生じているとだけ案内している。

盛岡では、前に停まっている「はやて」と連結するため、2度停車して3度目の停車時にドアが開くのは、E3系と同じ。
盛岡駅ホームの停車位置目標
「秋」がE3系、「Z」がE6系用の停止位置だと思われる。

盛岡駅には、
E3系が前照灯を点けて停まっていた
このE3系は「R3」編成だから、初期に製造された車両。検査期限の関係か、古いものから廃車というわけでもないようだ。
E3系の後ろには、
E5系U21編成が連結されていた
※連結部の中間に当たるE3系↓とE5系↑の尾灯がそれぞれ点灯しているので、厳密には連結を解除した状態のようだ。
なんとも奇妙な組み合わせ
E3系は「回送」、E5系は盛岡止まりの「やまびこ」の表示を出していた。

この後、僕が乗る「やまびこ」もこのホームから出るのだが、いったん改札を出た。
再びホームに戻ると、さっきから停まっているE5系が折り返し上り「やまびこ」となり、E3系はいなくなっていた。
改めて、乗車したE5系「U21」編成
E6系とは似ているようで違うが、どちらも鼻が長い。向こうのホームのE2系が、まるで昔の丸鼻の0系新幹線かのように時代遅れに見えてしまった。

E5系の側面
最近の新幹線は、パンタグラフは小型化され、その周りに騒音防止のカバーが付いている。
上の写真の通り、E5系はでっかい板みたいなカバー。シンプルな構造だが、色がグレーで車体に不釣合い。色をなんとかすれば良さそうな感じ。

車内へ。
E5系の先代に当たるE2系の車内は、良くも悪くも特徴がないシンプルなものだった。E3系と比べると、無機質。でも、フル規格サイズの大柄な車体と相まって、すっきりして広々としていた。
それでは、E5系は、
フル規格車両は長い!
E2系と比べると落ち着いた雰囲気。照明が柔らかいのと、座席の色ためか。
でも、全体的にはシンプルな印象だし、E6系と比べると無機質。
E5系でも可動式枕が装備
座席の色はグレーで統一されているが、濃いグレーと薄いグレーが互い違い(?)に配置されている。
E6系と同じ、ファスナーの原理で上下する枕が装備され、枕カバーは白からE6系と同じベージュに変わった。


先代のE2系の座席は、こういうのだった。
八戸開業時に製造された「J51」編成
E2系の座席の柄は、暗めの色(青、紫、緑など)に不規則な柄が入るカジュアルというかどことなく毒々しいもの(でもうるさいとかドギツイ感じはしない)。座席形状はE3系と異なり細長い感じで、腰から背中にかけての湾曲が大きくて包み込まれるような感覚がして、わりと好きだった。
3人掛けの大きな座席を回転させるため、標準で座席がやや前のめり気味になっていて、特に3人掛け中央のB席は前傾角度が大きく、ボタンを押さなくても座って背もたれに力をかけるだけで、自動的に少しリクライニングする機構を備えていた。
※E2系は製造時期や使用路線によって、内装に差異がある。

E5系の座席
E6系と同じく、やはり窓の小ささが目立ってしまう。
あと、背もたれがとても薄っぺら。
写真では分かりづらいけれど、E5系で画期的なのが、座席間隔が104センチに広がったこと。
東海道・山陽新幹線は国鉄時代の100系で既に104センチだったが、JR東日本の各新幹線車両は98センチであり、E6系でさえ同じ。わずかな差ながらも、たまに東海道新幹線に乗ると、足元がとても広く感じられるものだったが、ついにJR東日本の新幹線でもそれが味わえる。
座席の3人掛け各席の横幅も拡大されたそうで、真ん中のB席は46センチ(E2系は43.5センチ)、A、C席は44センチ(同43センチ)になったとのこと(2人掛けD、E席は44センチ)。

座り心地は、E2系から受け継いだ背もたれの湾曲によるホールド感は多少あるが、やはりE6系同様にどこか安っぽい座り心地。ぺらぺらしたような。
E6系同様座面スライドはしないリクライニング。E6系と違うのは、リクライニングすると連動して座布団が前にせり出して来ること。
昔の特急(485系など)の「簡易リクライニングシート」を連想してしまった。(簡易リクライニングはON/OFFだけで途中で止められないが、E5系はどの角度でも止まるフリーストップリクライニングです)

背もたれの装備
キノコみたいな突起状の取っ手、小物掛け、テーブル、網袋、ペットボトルホルダー。窓下の壁には、コンセントが1つある。
E6系と違うのは、取っ手の形状と網袋に輪っか状の紐がないこと程度。
E2系では、テーブルと網(上のほうの写真で分かるが、底が抜けていて「袋」ではなかった)しかなかったので、充実した。

荷棚はE2系、E6系同様、板状。E6系と同じく、荷物の置き忘れを防止するであろう金属の帯(荷物が映って見える)が天井にある(E2系ではなかった)。棚から天井までの高さは、E6系よりある。
テーブルの裏に貼ってある注意書きは、E6系と同じく座席回転時にテーブルをたたむこととキーボード操作音などで迷惑かけるなというものと、「枕は上下に動かすことで高さを調節できます。」。
なんでE6系には枕の使い方を表示しないんだろう。


現時点の最高運転速度は、E5系単独で走る「はやぶさ」は320km/h、「スーパーこまち」連結時は300km/hで、それ以外(はやてややまびこ)は従来と変わらない275km/h。
だから、「やまびこ」運用では余力があるのかもしれないが、乗り心地はなかなか良かった。
新しく採用された車体傾斜機能はよく分からなかったが、高速走行時も安定して静かに感じた。発車時が滑らかかつ力強いのは、E6系と同じ。
※乗ったやまびこはE3系やE6系を連結しない、単独走行だった。E3系を連結した場合は、E3系の性能に合わせて起動時の加速度を抑えるシステムになっている。

というわけで、E5系とE6系を比較すれば、なんといっても足元が広いのは大きなメリット。選択できるのなら、僕だったらE5系を選びます。


上野駅にて。
E6系Z2編成とE5系U16編成の連結列車(回送)
地下駅で見ると、ボディの光沢が妖艶。特にE6系のライト周りの銀色の辺り。
ホームに入線するときの音は、従来の車両よりも派手で鋭く未来的(?)だった。

さらに上野では、
久々に「East i」に遭遇!
ホームの発車標には表示されなかったが、自動放送と肉声放送では「回送列車」と呼ばれていた。少なくとも10分ほど停車して、下り方向に出発していった。

East iはE3系がベース。
2001年製造なので、時期的には秋田新幹線用E3製の後期導入分(2002年以降)の直前。発車時のインバータ音からすれば、前期型に分類できそう。
E3系の前期導入車両が廃車になれば、E3系一族(East iは厳密にはE3系ではなく「E926形」だけど)でいちばん古いのがEast iということになるだろうか。
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秋大全面禁煙撤回

2013-09-13 23:58:04 | 秋田のいろいろ
秋田大学の学内は、全面禁煙となっている。
そのため(?)、大学関係者(学生・院生等や教職員)が門の外の公道上に出てきて喫煙する行為が日常的に見受けられていた。ストリートビューにも写ってしまっている。

このような状況では、たしかに「学内の禁煙」にはなっているが、これでは門を通って出入りするタバコを吸わない大学関係者の受動喫煙になるばかりか、公道を歩く近隣住民など一般市民にとってはいい迷惑だった。さらに、本来の狙いの1つであるはずの、学生や教職員の健康増進にはまったくつながらない。(さらに厳密には、道路の目的外使用として道路交通法違反になる可能性もあるのではないだろうか)
門の近くに、缶を使った灰皿が置かれているものもあり、それが撤去される気配もなく、すなわち大学側が路上喫煙を黙認していたのではないかと思えてしまうフシもあった。そもそも、路上喫煙は1人2人、1分2分のことではないので、学長など大学の偉い人、施設管理や学生担当の職員の視界にも入っていたはず。それなのに、特に対処はされていないように見えていた。
健康増進法第25条を守るべく、とりあえず制度を作って無理やり押し付け、その後のフォローをしないでしまっていたのではないだろうか。


ところが、9月13日付秋田魁新報社会面によれば、同月中に手形キャンパス内に喫煙所を3か所設置することになったという。全面禁煙から一転して、「分煙化」されることになる。
新聞記事によれば、
路上で喫煙する大学関係者について「地域住民から電話で苦情が寄せられたのは今年5月。」「これまでも(中略)地域からたびたび指摘があった」。
学内で検討し「「地域に開かれた大学を目指す中で、市民の声にしっかりと対応していかなければならない」との意見で一致。現実的な対応を優先し、喫煙所設置を決めた。」
「大学の担当者は「苦情に対応するための苦肉の策。じくじたる思いはある」」
喫煙所は暫定的なものであり、学生への啓発を強化して、喫煙者がいなくなれば「いつでも撤去できるよう、屋根付きの簡易な建物とする」
とのこと。


タバコを吸う大学関係者が一定数いる現状では、妥当な対処だろう。
ただ、2010年4月の全面禁煙から今まで3年間経って、かつ外部からの指摘を受けて、やっと重い腰を上げたかという感想になってしまう。(しかも、決定・設置まで3か月以上かかっていることになる。今は秋休み終盤で学生がキャンパスに戻ってきている頃だと思うが、もう少し早くしていれば、夏休み中に工事を終えられたのでは?)

記事は、2003年から禁煙になっている医学部のある本道キャンパスについては「苦情などは寄せられていないという。」と結んでいる。
しかし、たしかに最近は見かけないが、以前は学内(=可能性としては附属病院を含む)から出てきて路上で喫煙する者(服装や年齢からして入院患者や学生、医療関係者ではなさそうだった)を何度か見たことがある。本道キャンパスは住宅からは距離があって、医学部や病院に用のある人以外はあまり通らないので、苦情に至らなかったというだけではないだろうか。


さて、となると同様に門の外に出て喫煙する者が見受けられる、弘前大学文京町地区。
どうしますか?
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E6系初乗車

2013-09-12 23:57:27 | 秋田のいろいろ
北海道旅行記もまだ途中ですが、秋田新幹線E6系電車に乗車する機会があったので、先にアップします。
「スーパーこまち」でなく「こまち」として運転されるE6系に、秋田から盛岡まで乗車した。(在来線区間なので、スーパーだろうがなかろうが、特急料金や運転速度は同じ)
こまちは全席指定だが、秋田-盛岡の区間内を利用する場合は、通常期指定席料金の510円引きで、空席に座ることができる「特定特急券」制度がある。自由席がないことへの救済策。秋田-盛岡は2290円-510円=1780円。
ところが、利用した日は閑散期。指定席特急料金が200円引きになる。さらに、「えきねっと」で指定席を予約して券売機で受け取れば「えきねっと割引」が適用されて、秋田-盛岡は300円引き。
つまり、2290円-200円-300円=1790円。なんと、特定特急券との価格差はわずか10円になってしまうのです!(さらにえきねっとのポイントが50円相当付く)
ということで、座席指定を取った。ちなみに、秋田-盛岡の乗車券は2210円なので、合計ジャスト4000円。

初めて乗ったE6系は、日立製作所製の「Z4」編成。6月4日に大宮止まりで運転されていたヤツだ。
大曲側先頭・普通車17号車の「E621」形
反対側の先頭車11号車は、日常的に東北新幹線と連結するので、自動でカバーが開閉する連結器が収まっている。こちらの大曲側の先頭車は、通常は使用しない(非常時しか使わない)ので、E3系では自動開閉のカバー(縦方向の割れ目)がなく、フタがついているだけ。E6系の量産先行車でもそうだったはずだけど、Z4編成では反対側と同様の割れ目がある。電動で開閉するのかどうかは分からないが、量産化で構造が変わったのだろうか。
少し高さを変えれば、また違った表情
外観は何度か見ているけれど、やはりカッコイイ。

まだ新車のニオイが漂う車内へ。
予約時にいちばん空いている車両を選んだら、17号車だったのでさらにその隅っこを確保。
17号車は鼻が長い分、8列しか席がない。定員32名。
黄色い座席が目に飛び込む
客用ドア・デッキは16号車側だけで、逆側の端はどん詰まりで運転台へのドアがある(この点はE3系16号車でも同じ)。
※次の大曲駅での方向転換(スイッチバック)に備えて、秋田始発の時点で座席は後ろ向きにセットされています。
運転台側からデッキ方向
E6系普通車の車内は、「実り豊かな秋田の大地をイメージし、「稲穂の中を分け入るときの高揚感」を味わえる空間。腰掛を黄金色の稲穂に、通路を田んぼのあぜ道に見立てました。」。
通路の床面には、イネの葉のような模様が入っている。デッキへのドアのガラスには、
稲穂

ちなみに、E3系の車内。
再掲)改めて見ると窓が大きい!
E3系では、座席は黒系統(15・16号車は青系統)で、壁や天井はグレーがかった白。
天井の模様や荷棚の支柱が目立って、少しうるさくも感じた。

E6系では、壁や天井は(E3系よりは黄色っぽい)白系統。妻面(デッキや運転台へのドアの周り)は明るい木目調。E3系ではここは黒い木目だった。
E6系は窓が小さくなっているものの、第一印象としては、すっきりと明るい車内に感じた。

荷棚(網棚)は板状のもの。E3系も板状だったものの、置き忘れを防止する目的と思われる、水玉模様の入った透明な部分があったが、E6系ではそれがなく、天井に鏡状の金属の帯が伸びていた。荷物を置くとそれに映って、荷物の存在が下から見て分かるので、やはり置き忘れ防止のためだろう。
車体の断面形状のためか、荷棚の高さ(=荷棚から天井までの荷物を置くスペースの天地方向)がやや小さいように感じた。

では、座ってみましょう。
E6系普通車の座席。やっぱり窓が小さいな…
黄色地に濃くて細かい模様が規則的に入る生地のほか、肩の部分が前にせり出したり、頭の部分が上下に動く枕状になっているのが特徴的。一見すると、今までの普通車座席よりグレードが高く、グリーン車っぽく感じなくもない。
座席の間隔は98センチで、E3系の12~14号車と変わらないが、なんとなく少し広くなったような感じもしなくはなかった。(E3系の15・16号車は91センチ)

ここでおことわり。
座り心地、乗り心地には感じ方に好みや体調による個人差があるでしょう。また、座席業界のトレンドや各鉄道会社の方針や好みもあるようです。
座り心地に関する僕の好みとしては、腰が弱いので腰のフィット感・ホールド感がしっかりした、やや硬めのものが好きで、その点ではここ10年ちょっと間のJR東日本の座席は気に入っていた。背もたれが高めで、周囲と適度に隔離された感じがするのも好ましかった。

E6系の黄色い座席は、見た感じでは、今までのものと同様かそれ以上に厚さがあってどっしりとしているかのよう。
ところが、座ってみると、妙に「軽く」感じてしまった。クッションがスカスカしていて薄っぺらいような。系統としては、JR東日本らしいホールド感があるにはあるんだけど、今までとはちょっと違うというか。
E6系に限らず、さらなる速度向上と効率化が求められている新たな新幹線車両では、車体を軽量化するため、窓を小さくして座席を軽くするのが流行っているようで、その結果なんだろう。
小さい窓と枕
可動式の枕は、グリーン車ではE3系など15年ほど前から採用されている。何度か使ったことがあるけれど、ふかふかして使い心地が良かった。普通車では、JR北海道の指定席で使われ始めた程度。
北海道のにしても同じだったが、E6系においても普通車の枕では、グリーン車の枕には及ばないようだ。動かせることはいいとして、クッション性には期待しないほうがいいかも。

枕とそのカバーは、ベージュ色。
E3系のヘッドレストカバーは、黄色いものが使われているから、新調したことになる。
ちなみに、E3系こまちで自由席があった当時は、青い座席の自由席が黄色いカバー(現在と同じ)で、黒い座席の指定席はオレンジ色のカバーだったはず。それ以前は枕カバーといえば白しかなかったから、とても斬新に感じたものだった。

枕が上下する仕組みが不思議だったが、E6系普通車ではファスナーを使っているようだ。
常に閉じた状態のファスナーを背もたれ本体に2列に縦に並べ、コマが枕側に付いている模様【ファスナーの機構についてはコメント欄参照】。動かすと、ファスナーを動かしているような手応えと音がする。今後ずっと使っていると、2つがズレて傾いたり、ファスナーが壊れたりしそうだけど、大丈夫でしょうか。
E3系などのグリーン車の枕では、もっと滑らかに上下するような気がしたので、仕組みが違うのかもしれない。
枕は、車内整備時はいちばん下の位置で揃えられていた。枕が上下することについての説明書きはなく、知らない人は知らないままの可能性がある。(E5系には説明書きがある)

それから、JR東日本の特急の座席で標準化しつつあった、ボタンを押して座布団を前後させて任意の位置で固定できる「座面スライド」機能は廃止された。(E3系では後期製造分にのみ搭載)
E3系前期製造分やリゾートしらかみなどと同じ、背もたれが倒れるだけのリクライニングに戻ったことになるが、座面スライドは僕は使ったことがない(動かしても差が分からない)し、経年でガタつく場合もあるようなので、これはなくてもいいかもしれない。

背もたれを後ろから
背もたれ裏側のアイテムは、小物掛けフック、テーブル(5kgまで【2017年3月21日追記】東海道新幹線N700系では、見た目はさほど違わないのに倍の10キロまでと表記)、網袋、ペットボトルホルダーと、一通り揃う。
リゾートしらかみの新しい青池編成と同じ構成。E3系後期車と比較すると小物掛けが新設されて、フットレストが廃止された。
テーブルに貼られた注意書きは「列車内では、キーボードの操作音など、まわりのお客さまのご迷惑とならないようにご配慮ください。」と「シートを回転する時にはテーブルをはね上げてください。」が今までになかったもの。前者は時代の変化、後期はスイッチバックで途中で向きが変わる秋田新幹線ならではのもの【訂正・E5系にもありました】か。

そして背もたれ上部の取っ手。
E3系の前期車では、元自由席だった15・16号車にだけ、「L」字を90度回転させたレバー状のもの。E3系後期車では、全席に側面に「コ」の字のものが設置されていた。他の形式では、キノコみたいなものもある。
E6系では、かなり大型のあまり見たことがない形状のものが採用されている。つかむ部分の幅や高さからして、大きいからといって別段つかまりやすいというわけでもないと思うけれど。

さて、網袋のことですが。
昔の秋田の特急列車(製造当初の485系電車)では、テーブルがなく大きな網袋だけが背もたれに付いていた。何かと便利だったが、E3系の前期車では、テーブルは付いたものの網袋が廃止されて、代わりに太いゴムベルト(ゴムパッチン用みたいな)になった。
ゴムベルトでは、車内誌やペットボトル1本くらいなら挟むことができるものの、網袋よりは用途が限られてしまった。それが不評だったのか、E3系の後期車では網袋が復活している(昔のより浅くなった)。
E6系でも網袋は踏襲されたのだが、
右側のぴょんとはみ出た輪っか状の紐は?
最初見つけた時、網の紐がほつれているのかと思ってしまったが、そうではない。紐でなく、伸縮性のあるゴムひもが別にちょこんと付いているのだ。
これに何かを引っ掛けて使うためなんだろうが、その「何か」が何か分からない。何だろう?【2022年10月10日追記・「傘」らしいのだけど、不安定そう…】

あと車内で目新しいものといえば、
フルカラー化(従来は3色)&大型化された文字情報装置
発車前などは2行で表示でき、それでもE3系などの従来の装置よりも文字が大きい。かろうじて明朝体っぽく見える書体は同じか。
1行表示は巨大な文字
主に発車後は大きな文字で1行で表示。東海道新幹線のと同じだろうか、昔のワープロ専用機を思わせる明朝体。
車体が長いフル規格新幹線では、このぐらいのサイズでないと後ろのほうから見えないけれど、この8列しかない17号車では、かなり大きく感じた。
文字色は、停車駅など列車の案内に関するものは白色文字(従来はオレンジ色主体)。ニュースや広告のたぐいは、従来通りオレンジ色で表示される。

さて、乗り心地。※秋田-盛岡の乗車なので、在来線区間に限っての話。新幹線区間ではまた違うでしょう。
悪くはないが、E3系とそんなに違わないかな。静かといえばそうだけど、E3系もそんなにうるさくはないはずだし。カーブなどで「ごりごりごり」という音が床下から聞こえたが、E3系でもそうだったっけ?
発車時に動き出す時は、E3系以上に滑らかで、かつ力強いと思った。

E3系では、先頭車の運転台寄りに座っていると、運転席の音(レバーの操作音や各種機器の警告音)が聞こえてきたものだった。E6系は構造上、客席と運転席が離れている(ドアの向こうがすぐ運転席ではない)ためか、車掌との連絡用ブザー以外の音は聞こえなかった。


初めてのE6系乗車は、あまり居心地は良くなかったのが正直な感想。
実はこの時、体調がやや優れなかったことも原因だと思うのだけど、座席の座り心地が思ったほど良くなかったことに加え、窓が小さかったり(閉所恐怖症ではないのですが)、ずっと乗っていると座席の色がややドギツく感じられたりしてしまった。
裏を返せば、それだけE3系の完成度が高かったのだろうか。


この後、「はやぶさ」にも使われるE5系にも初乗車しました。盛岡までの車窓の模様などと併せて、別記事にて

【13日追記】書き忘れていたこと。
E6系には、パソコンや携帯電話充電に使えるコンセントが、各列の窓下・床近くの壁にある(2席につき1口だから、実質的に窓側席の人用)。緑色LEDが点灯。電圧変化や停電がある旨の注意書きあり。(盛岡駅に出入りする高架の坂の途中など、電源が切り替わる箇所があり、そこでは瞬間的に停電する可能性がある)

最後に、秋田新幹線におけるE3系とE6系の普通車の座席周りの装備の違いをまとめておきます。
E3系前期製造車 / E3系後期製造車 / E6系 の順。
座席回転方法 肘掛け後ろのレバー / ペダル / ペダル
背もたれの手すり 15・16号車のみ上部に「L」 / 側面に「コ」 / 上部に大型
座面スライド × / ○ / ×
肘掛け表面 レザー風のクッション / プラスチックそのまま / 同左
フットレスト × / ○ / ×
ペットボトルホルダー × / ○ / ○
小物掛けフック × / × / ○
網袋 ゴムベルト / ○ / ○


【14日画像追加】E3系の前期製造車の元自由席(青いシートが91センチ間隔で並ぶ、15・16号車)の写真を追加します。
(いつもより広角で撮影。右側の座席はリクライニングした状態)
網袋代わりのゴムベルト、背もたれの取っ手、肘掛け表面の加工などが分かる。肘掛けの下にカバーが付いているのも特徴。
座席間隔が狭い分、窓の間隔(幅が狭い?)も12~14号車とは異なる。

【16日改めて追記】
ネット上で感想を拾ってみると、「E6系の座り心地は、E3系よりも良くなった」という声が多いようだ。(車両そのものの「乗り心地」と混同している可能性もあり得るけれど)
僕は1回だけ乗っての感覚なので、次に乗ったらまた違う感想になるのかもしれない。でも、あまり期待しないほうがいいようにも思います。
次の記事で取り上げる通り、座席間隔はE5系のほうが広くてゆったりしているので、両者を選択できるフル規格新幹線区間なら、あえてE6系を選ばなくてもいいかと…

※その後、2度目の乗車の際(フル規格区間を含めた長時間乗車)は、また違った印象を持ちました。
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車内放送広告

2013-09-11 23:17:09 | 秋田市営バス
6月下旬から、秋田のバスの車内放送の広告に「今でしょ!」が登場した。
バスの車内放送広告は、広告主は地元のお店などローカル色にあふれ、その内容は個性的なものが少なくない。(労働相談の「一人で悩んでいませんか。行こうよ連合に」のように、全国共通のものもたまにあるけれど)

最近は、昔に比べて車内放送の広告が減っている(経済状況のほか、放送がテープから音声合成に替わったという技術的な理由もあるはず【末尾※印参照】)けれど、かつての秋田市営バス時代も含めて、放送広告の話題です。
※市営バスの放送そのものについては、いずれ別記事にしたいと考えています。この記事は放送広告のこと限定で。
※記憶に基づくので、細かな言い回しは違っているものがあるかと思います。時期によって微妙に異なっていたこともあります。

全国的に、バス停名の案内に続いて流れる広告は、ある程度パターンが決まっている。
神奈川中央交通(小田急系列)グループの広告会社「アドベル」のホームページ(http://www.advel.co.jp/advertising/busstop/index.html)によれば、「~前でございます。」「~へおいでの方はこちらが便利です。」「~においでの方は○○○でお降りになると便利です。」などがあり、たしかに秋田でも似たようなもの。


先日、「今でしょ!」を確認する時、添川線下りに秋田駅から桜町まで、放送に耳を傾けて乗車した。
9つのバス停のうち広告があったバス停(カッコ内は広告主)のは、千秋公園入口(山田相談薬局、西東北日野自動車)、通町(通町クリニック)、通町二区(山田相談薬局)、桜町(矢野薬局)の4停留所・5広告主だけ。(同じルートの神田線でも同じ内容のはず)
市営バス時代は、木内前やすわ町でも広告があったのになくなっているし、通町はスポンサーが替わって(昔は高砂堂や金物の通町山下など)いる。時の流れを感じずにはいられなかった。

本格運行化に伴って中心市街地循環バス「ぐるる」でも広告が流れるようになったが、全バス停中、千秋公園入口(笹原内科医院)と木内前(松岡内科クリニック)の2つだけ。
上記の神田線・添川線と重複する区間でも、広告はそれとは違うし、一般路線の放送広告や車内掲示広告はあり、前を通るようになった中通病院の広告がないのは意外。
運行本数(=放送回数)や広告料金の都合なのだろうが、車内放送広告の仕組みはけっこう複雑なようだ。


では、広告の内容を見て(聞いて?)みましょう。
●交通安全キャンペーン
まず、秋田市のバスの放送広告の常連、バス会社にしてみればお得意様。通町の商店街(厳密には大工町。所在地は大町一丁目)の「山田相談薬局」。
最寄りバス停は「通町二区」としているが、バス停が移動する前の通町二区にしてもわりと離れているし、道路拡張によるバス停移動で、今はさらに遠くなっている。(通町のバス停の変遷)むしろ将軍野線の旭北栄町のほうが近い。

山田相談薬局では、20年以上前、通町二区を将軍野線しか通っていなかった(後に泉秋操線が運行開始され、バス停移動で神田線なども通るようになった)当時から、放送広告をしていたと思う。
「次は通町二区」に続く放送のほか、秋田駅前の次・通町二区の3つ手前の千秋公園入口(旧・公園前)で流れる、交通安全キャンペーンの提供もしていて、通町二区を通らない一部路線でもその名を聞くことができ、そちらの印象が強い乗客も多いかもしれない。(千秋公園入口は一方通行区間なので、片道しか流れない)

※過去にさかのぼって、常に通町二区と公園前の両方で広告していたかは不明。(どちらか片方だけの時期があったかもしれない。)それに、市営バスがあった当時、中央交通でやっていたのかは乗ったことがないので知らない。
千秋公園入口も通町二区も、市営バスがなくなる最後まで通っていたバス停ではあるが、市営バス最後の一時期(1年半とか1年?)は、放送広告そのものがまったくなかった。(広告費の精算の問題か)中央交通移管後、広告放送は再開されたが、上記の通り広告が減ったり、広告主が替わったりしたものも多い中、数少ない、市営バス当時とほとんど変わらない広告が今も流れている。
今はこんな内容。
・通町二区
みなさまの健康に奉仕する『山田相談薬局』へおいでの方はこちらが便利です
・千秋公園入口
『青だけどきちんと見ようね右左』この標語は、みなさまの健康を応援する通町二区『山田相談薬局』の提供でございます」(これに続いて西東北日野自動車)

千秋公園入口の広告は、通町二区を通る路線のほか、新屋線など通町二区は通らない(けど通町は通る)路線でも流れている。
一方、中心市街地循環バスの千秋公園入口では、こう替わっている(西東北日野自動車はなし)。
『手をつなごうみんなの願い交通安全』この標語は、みなさまの健康へのお手伝いをする大町二丁目下車『笹原内科医院』の提供でございます
おそらく、通町を通らない路線では、こちらが使われている(循環バス以外の一般路線では、西東北日野自動車も流れるはず)のではないだろうか。昔は全部山田相談薬局だったような気もするが…

交通安全標語の部分は、更新のたびに違うものが使われてきた。他のバス会社でも、同様の標語の放送がある所があるようなので、広告代理店が絡んでいるのだろう。
どうも、全日本交通安全協会と毎日新聞社が毎年公募している「交通安全年間スローガン」の過去(だいぶ以前のものもある)の優秀作から選ばれるものが多いようだ。
現行の「青だけど~」は昭和62年のこども部門警察庁長官賞、「手をつなごう~」は出自不明。

ここ数十年で他に記憶にあるのは、
「よく見たね車来ないね渡れるね」平成元年総理大臣賞歩行者向け
「手をかそう小さな子どもとお年寄り」昭和50年総理大臣賞歩行者向け(※オリジナルは「ちっちゃな子ども」だが、小さなと言っていたはず)【下の追記参照】
「安全は目から耳から心から」昭和62年佳作こども部門
「安全は人と車でつくるもの」昭和42年佳作運転者向け

現在は、「この標語は~」と「~の提供でございます」と言っているが、市営バス時代は「このキャンペーンは~」、「この交通安全キャンペーンは~」、「~がお送りしています」、「~のご厚意(ご協力?)でお送りしています」など言い回しが異なっていた。

【2016年6月11日追記】2016年6月11日の神田線では引き続き「応援する山田相談薬局の提供でございます」で、標語が「手をかそう小さな子どもとお年寄り」に変わって(昔に戻って?)いた。日野の広告はそのまま継続。
【2019年10月28日追記】2019年10月27日の新屋西線[通町は通らない]では、「この標語は」「応援する山田相談薬局の提供でございます」、標語はまた変わって「青だけど~」。※2019年10月から「発車します。ご注意ください」「バスが停まるまで席を立たないでください」が「発車します。おつかまりください」「バスが停まってから席をお立ちください」にそれぞれ変わるなど、決まり文句の差し替えが実施された。


●気になる言い方
言い回しの変化といえば、中央交通移管後に始まったと思われる千秋公園入口の西東北日野自動車の広告。今は、
降りたバスのすぐ前や後ろの横断は非常に危険です。横断歩道を渡りましょう。『西東北日野自動車』からのお願いです
以前は、交通公社前で流れていた(したがって、通町や有楽町経由では流れなかった)ように記憶しているが、「横断歩道を渡りましょう」ではなく「横断歩道を渡る習慣を身につけましょう」だった。
「身につけましょう」だと、お前らはそんな常識も知らんのかとバカにされているように感じたから、表現を変えたのかもしれない。
【2015年4月2日追記】2015年4月に県庁経由大川反車庫行きに乗ったところ、県庁市役所前で「渡る習慣を身につけましょう」という「秋田いすゞ自動車からのお願い」が流れた。コメント欄の通り、昔はいすゞで身に付けましょうだったそうなので、いすゞと日野の違いなのかもしれない。【2018年1月6日追記】2018年1月時点でも同じ。
【2018年11月22日追記】2018年10月には、どこのスポンサーか忘れたけど「バスが発進してから横断歩道を渡りましょう」に変化。

他にもちょっと気になる言い回しで、(最近は放送自体聞かなくなったが)中央交通の身内の秋田中央観光社(旅行代理店)の「土曜、日祝日も営業しております」(「土曜、日“曜”、祝日も」もしくは「土日祝日も」とするべきじゃないのか)や、同じく身内の中央タクシーで時期によって「GPS自動配車システム」と「GPS自動”車”配車システム」があり、聞くたびにもやっとしてしまった。


●懐かしの@市営バス
なぜか記憶に残ってしまっている、市営バス当時の広告から。いずれも現在は流れない。
豊富な品揃えの『まるい呉服店』前でございます」(牛島東一丁目?)
『ハッピーレンタルでおしゃれに変身』あなたの衣装室『レンタルブティック セシリア』前でございます」「カルテによるきめ細かい指導。『新星ゼミナール』へおいでの方はこちらが便利です」(すわ町)
『カラオケジャンボ』、『焼肉レストラン大昌苑』前でございます」(有楽町)
※正しくは「カラオケ広場ジャンボ」らしいが、1990年代の放送ではたしかに「カラオケジャンボ」と言っていた。また、関西のチェーン「ジャンボカラオケ広場」とは無関係と思われる。

●懐かしの@弘南バス
ここで秋田を離れて、同様に放送広告が減っている弘前の弘南バスから。
なお、弘南バスでは「~へおいでの方はこちらが便利です」に相当するのが、「~へご用の方はこちらでございます」。
アパート、マンションのことなら『よつば不動産』。不動産のエキスパート『よつば不動産』へご用の方はこちらでございます」(住吉入口。ひょっとしたら下りだけ?)
音声合成化以前の弘南バスでは、車内放送を自前で録音していたらしく、津軽なまり気味のような独特の節回しのアナウンスが特徴だった。よつば不動産の広告では、それが顕著に感じられた。

●弘前でも秋田でも
最後に、ローカルなスポンサーなのに、秋田と弘前で同じ広告主のものが流れていたことがあった。内容は異なった。(どちらも現在は流れていない)
秋田(市営バス)では10年少し前の一時期だけ流れていたかと思う。
美容形成、医学レーザー脱毛の『はらクリニック』は、弘前駅前にございます」(木内前)
なんと、秋田とは無縁の弘前のクリニックが秋田に広告を出し、それがなぜか木内前で流れていた。初めて聞いた時は、驚いた。

これが弘前では、
皮膚科、美容形成外科『はらクリニック』へご用の方はこちらでございます」(弘前バスターミナル前のはず)
弘前では、皮膚科であることを最初に述べており(「皮膚科」のアクセントが独特だった)、弘前駅前の1つ先のバスターミナル前にあるとしている。(イトーヨーカドー西側の並木通りを渡った所にあるので、駅前よりも「バスターミナル前」が妥当だろう)
秋田市から皮膚科治療のために弘前に行く人はいないだろうし、秋田の人に弘前バスターミナルと言っても分からないから、ターゲットに応じて内容を変えていたのだろう。

※2014年頃になると、弘南バスでの放送広告が復活し、大幅に増加していた。広告が減ったことに関して、音声合成の技術的制約はなかったようで、単に各社の方針・営業努力のせいだったのだろうか。

ほかにも忘れているユニークな広告があるはず。どんな放送広告があったか、覚えている方はいらっしゃるでしょうか。
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