広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

離任式

2015-03-31 23:35:52 | 秋田のいろいろ
平成26年度は今日で終わり。
年度末といえば人事異動。明日から環境が変わる人も多いことだろう。
公立学校の先生の異動も4月1日付。異動内容(の新聞掲載)について、少々取り上げたいのですが、とりあえず置いておきます。
異動する教職員と前任校の子どもたちとは「離任式」が最後の別れとなる。その離任式について。
【2018年12月3日追記】千葉県の一部地域などでは、離任式のことを「辞校式」と称するそうだ。よそ者の感覚では、「辞」だと辞めることが強く意識され、退職でなく異動で移るだけの人も含むのは、どこか違和感がある。「その学校を辞する(そして退職または異動)」ということなんだろうけど。


まず、離任式の日程。
全国的に、地域や各学校ごと、あるいは時代による違いがあるようだ。

僕が知る限り、ここ30年ほどの秋田市立の小中学校は、次のように変遷している。
・4月4日(始業式と同日)
僕が小学校に入学してから数年間の1980年代前半頃。
新年度の登校初日である4月4日(日曜の時は5日)に、始業式に引き続いて実施。(新任式は翌日)

・3月31日
1985年前後頃からは、春休み中の3月31日を登校日として、離任式を実施。(新任式は始業式の日)

・3月30日より前
現在は、3月25日から30日近辺、31日よりも前に登校日を設けて行うようだ。
秋田県立高校も同じ頃に実施している。


考えてみれば、4月4日に離任式をやるのはおかしい。
4月1日をもって新しい所属先に移った人を、別の(以前の)場所で勤務させることになり、いろいろ不都合がありそう。
学校現場であれば、異動した先で学級担任を持つことになった場合、始業式の日に担任不在の事態になるし、校長、教頭など管理職の場合も、ややこしくなっていたのではないだろうか。
さらに、年度末で退職した人に新年度の離任式に来てもらえば、その分の給与を支払わないければならなくなるのではないだろうか。(当時はそこまでうるさくなかったかもしれない)
遠方への異動になった場合は、離任式に出席できない場合もあっただろう。

また、3月31日でなくなったのは、年度末の各種段取りが立て込まない日に前倒ししているのかもしれないが、31日に定年退職者への辞令交付式が県庁で行われるそうなので、それと重なるのを避けているのかもしれない。【2017年3月24日補足・県庁でなく、県内3エリアごとにホテルなども使って会場を分けて交付するようだ。いずれにしても31日に各学校と会場を掛け持ちするのは厳しい場合がありそう】


3月30日より前に実施すれば、上記の問題はほぼ解消される。
しかし、人事異動の公式発表日(今年は24日)よりは後にやることになるから、どうしても春休み中になり、短い春休みが1日減ってしまう。
秋田では、離任式以外には、夏・冬も含めて長期休業中の全員登校日という風習はないのではないだろうか。大昔(戦前?)は元日に登校していたそうだし、1974年の静岡県清水が舞台の「ちびまる子ちゃん」では夏休み中に全校児童が登校する日が描写されている。

地域によって(秋田県外)は、離任式は任意参加という学校もあるらしいし、その年度に卒業した生徒が出席できることもあるらしい。



もう1つがあいさつ。
離任式では、異動する教職員が1人ずつ、壇上であいさつを述べる。
言う方も、聞く方も、新任式のあいさつよりも思い入れが強いのではないだろうか。感極まって涙する先生もいたものだ。

そのわりにはあまり覚えていないのですが、僕が印象的に感じた、何人かの先生方のあいさつ。
・いいとも!
昨年書いたように、小学校を定年退職される先生が、児童に向かって「~してくれるかな?」と呼びかけ、「いいとも!」と言わせた。
教育現場の昭和元年頃生まれの人にも、笑っていいともが受け入れられていた証。

・絶叫とその次
中学校の先生。当時30歳代の男性。
「♪大阪で生まれた女やさかい」的(?)なオリジナルの歌を、壇上で絶叫するように歌った。
先生のお気持ちはよく伝わったけれど、次にあいさつに立たれた女性の先生が「感動的なごあいさつの後で、何をお話すればいいのか…」と戸惑っていたのがお気の毒に思えた。

・異動の意味
おそらく1993年度の県立高校の国語の先生。
県立高校の教員は、県立学校以外の秋田県教育委員会管轄の機関へも異動する。その先生は、秋田県立秋田図書館(当時)へ異動することになった。おそらく、司書の資格も持っていたとか、古文書に関する知識があったとか、そういうことを買われての異動だったはず。

その先生のあいさつはこんな言葉で始まった。
県立図書館へ異動することになりました。要するに“荷物運び”ってことなんでしょう
ここで、生徒に笑いが起きた。

現在では何のことか分からないので、説明。
現在の秋田市山王の秋田県立図書館は、1993年11月開館。
それ以前は、秋田県民会館の敷地内(現在の「ジョイナス」部分)に「秋田県立“秋田”図書館」として存在し、それが山王へ移転した形。
つまり、移転を半年後に控え、旧図書館から新図書館への引っ越し要員として異動するのだというジョーク。(実際にそうだったのかもしれない?!)

・水を飲む時は
離任式では、教員以外の事務職員や技術職員も紹介され、あいさつする。
技術職員とは、技能技師・技能主事などと呼ばれる、いわゆる用務員・校務員や給食調理員のこと。

市町村立の学校でも、先生は県が採用して県から給料が出ているが、技術職員はその市町村の職員が配置される。
秋田市立学校では、秋田市役所の技術職員なので、学校以外の秋田市の部局との行き来がある。

20年少し前に中学校の用務員さんが、秋田市水道局(当時)へ異動した。
この方のあいさつを今でもよく覚えている。
今度水を飲む時、『ああ、あの○○(ご本人の姓)が供給した水だな』と思って飲んでください

中学生には少々難しかったのか、みんな生真面目だったのか、あまり笑いは起こらなかったと記憶しているが、これほど簡潔明瞭かつ印象に残るあいさつがあるだろうか。
ご本人の異動先での職務への意気込みや、秋田市の上水道事業の利用促進の気持ちも伝ってくる。(とは言い過ぎ?)
僕は素直に、その後何度か「ああ、あの○○さんが供給した水なんだな」と思って、水を使った。
※異動先は、水道局の中でも仁井田浄水場だったはず。仮にもう1つの豊岩浄水場だったら、供給エリアと中学校の学区が重なっていないので、生徒が自宅で水を飲んでも「あの○○が供給した水」ではないことになる。(水の味は、取水位置などの影響から、仁井田より豊岩のほうがおいしいというウワサも?!)【2019年5月30日補足・その後21世紀までには、水の供給系統が再編されて、仁井田と豊岩の水が混合され供給されているようだ。】【2023年10月12日訂正・2023年時点ではやはり浄水場によって供給地域は分けられているようだ。】

用務員は学校に欠かせない職種ではあるが、一般に児童生徒とはあまり関わりがなく、残念ながら離任式のあいさつはおろか、名前すら覚えていないことが多いもの。でも、このあいさつのおかげで、この方のお名前を20年以上経っても覚えているのだから、言葉の力はすごいものだ。
【2017年4月24日追記】2017年度の秋田市の人事異動名簿に、この方のお名前があった。異動前後とも、上下水道局の上水道関連のセクション。今もなお、「あの○○が供給した水」を飲んでいるのだった。


それでは、新年度が良い年度でありますように!(?)
コメント (13)
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巨大掲示板/低い案内標識

2015-03-30 23:12:42 | 秋田の季節・風景
統一地方選挙に向けて、秋田市内に選挙ポスター掲示場(掲示板)が設置された。
設置作業は3月25日に始まったのが報道され、28日に設置作業をしている人たちが「あと2つだ」と話しているのを聞いたので、4日かかったようだ。(市内を区分して発注しているので、地域で異なる可能性あり)

設置箇所は前回が662、今回は637と、25か所(枚)減っている。
秋田市内を7ブロックに分けて設置しているが、河辺地区(56)、雄和地区(75)は前回と同数。それ以外の、平成の大合併前からの秋田市内の各ブロックが、いずれも数か所ずつ減らされたようだ。【31日追記】2012年末の衆議院選から減らされていた。この記事で自分で書いてたのに忘れていました。

秋田市では秋田杉間伐材の合板を使った無塗装の掲示板なわけだが、4年に1度の統一地方選では少々違う。
今回も前回・2011年と同じ仕様のものが設置された。(以下の説明は前回と重複します)
巨大掲示板
前回と同サイズの幅7メートル73センチ5ミリ、高さ2メートル25センチ(脚を含む・掲示板本体は182センチ)。

今は4月3日告示・12日投票の県議会議員選挙(秋田市選挙区)用の21コマのスペースが見えている。

現段階では周囲に余白が多く、知らない人が見れば無駄な空間が多い掲示板だが、これには仕掛けがある。
今見えている県議選用の掲示板は、本来の掲示板の上にラワン材を張ったもの。
県議選終了後、ラワン材をはがせば、下に次の秋田市議会議員選挙(19日告示・26日投票)用の64区画の秋田杉材の掲示場が現れる仕掛け。

2つ別々に掲示場を設置するよりは安上がりなんだろうし、2つの選挙の日程が重複しないことを上手く利用したアイデアである。他の市町村ではどうしているのだろう。
ただ、選挙全体の費用や手間を考えると、投票日を同日にしたほうがいいようにも思える。選管の人は大変だろうし、選挙カーがうるさくてしょうがなくなりそうだけど…

【4月3日追記】4月3日付秋田魁新報 総合面のコラム「杉」(元々は夕刊コラム)で「大きな掲示板」として取り上げられていた。
この方式になったのは2007年からだそうで、「2003年の統一地方選までは、(略)横並びで設置されていた。」
この方式にすることで「約1300万円の経費削減を図った」そうだ。


さて、秋田市の選挙ポスター掲示場の注意書きの文言は、長らく変わっていなかったが、おそらく今回から、ちょっとした変更点があった。【2019年3月24日訂正】2014年衆議院選挙からとのこと。
QRコード
「投票所案内」としてQRコードが印字された。
読み取ると、秋田市選挙管理委員会の「秋田市投票所案内」のホームページ(http://www.city.akita.akita.jp/city/coel/tohyojo_annai/default.htm)へアクセスできる。

白木の板にQRコードを印字したら、木目と重なって正常に読み取りできなかったり、あるいは泥が飛ぶなどして同じことにならないもんだろうか。
「『秋田市 投票所』で検索」と書けば済みそうにも思えますが…

※その後、市議選の時の様子、QRコードについても
※この次、2019年の選挙の掲示場



秋田市卸町の太平川に架かる県道28号線の太平大橋から、国道13号線・古川添交差点方向を見る。
(再掲)以前の光景
それが現在(撮影は2月中旬)は、
こうなっている
以前あった案内標識と街路灯(道路照明)がなくなっている。
さらに写真では確認できないが、街路樹のプラタナス1本と、融雪装置何かのボックス2つも消えている。
何やらあった雰囲気

Googleストリートビューより。右端の木以外はすべてなくなった
こうなったのは、1月下旬にここで交通事故があったため。
魁新報には小さく掲載されたのだが、近くにある某遊戯施設(全国チェーン)の送迎用マイクロバスが、ここに突っ込んだのだ。
詳細は分からないが、単独事故で、客(施設の利用客)が乗った状態で発生。幸い、大きなケガをした人はなく、歩行者や他の車両が巻き込まれることもなかったようだ。
ここは交通量が多い道路だが、事故発生が夜間だったため、被害が最小限で収まったのだろうか。

なお、事故車両は施設のロゴ入りの専用車で白ナンバー登録だった。
事故発生直前のことだが、別のレンタカーで運行されているのを目撃し、施設のホームページを見たところ、点検だかメンテナンスで運休したとか書いてあった。その直後に事故が起きたのは、そのことと関係するのかどうかは分からないが。
事故車両は廃車になったらしく、代替として、他店舗で余っていたのかロゴ入りの神戸ナンバーのマイクロバスで送迎を再開。後に秋田ナンバーで登録し直されている。
白ナンバーではあるが、(少なくとも事故後は)運行業務を外部の会社(秋田県外)に委託しているらしい。

物損の状況からすれば、一歩間違えれば人命に関わる事態になっていたかもしれない。充分に注意していただきたい。


案内標識は、仮設であろう代用の標識が低い位置に設置されている。
小さくてローマ字表記がない。レイアウトは以前と同一
反射する材質で、仮にしてはちゃんとした標識。
でも、低いので左車線に大型車がいると右側の車線からは見えない場合があるし、遠くからは見えなくて(見えた時には車線変更が間に合わなくて)案内標識の役目はあまり果たしていない。

事故から2か月経った現在、街路樹は新しいもの(プラタナスじゃない?)が植えられたが、標識は仮のままで、照明も未設置のはず。
【4月25日追記】4月25日に新しい案内標識が以前と同じ形で設置されているのを確認。4月19日は未設置だったので、その間に工事されたことになる。照明は未設置。
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ナニワズ

2015-03-26 23:34:36 | 動物・植物
秋田市中心部にある千秋公園の“山”。
整備された城跡の都市公園としての一面もあるが、街中とは思えないうっそうとした林のようなエリアもあり、珍しい動植物に遭遇する機会があることを折に触れ紹介してきた。
本丸と二の丸の中間層(?)の南側斜面
今の千秋公園内は、雪が消え、大部分を占める落葉樹は芽吹き前。スミレなども咲いていない。(彼岸にお寺の庭で咲いていたけれど、あれは早咲き園芸品種だろうか?)
周りの景色は夏場よりよく見通せていいけれど、園内はこんなに殺風景だったっけ? と思えるほど茶色一色。
落葉樹の根元の周囲に葉を茂らせる低木があるのが、数少ない緑。その中に、小さい黄色い花を咲かせる低木を見つけた。
ケヤキの根元に
公園全体にまんべんなくではないが、斜面にその木が散在する一角があった。
手前はバッケ(フキノトウ) 左の赤い実はアオキ


木の大きさ、葉の雰囲気、花の形からすれば、ジンチョウゲに似ていると感じた。そう言えば、こういう植物の存在をどこかで聞いた覚えがあった。
調べてみると、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の「ナニワズ」という種のようだ。名前は初耳かも。

「オニシバリ」というよく似た近縁の別種もあるが、オニシバリは主に福島県以西に分布し、花色が淡く、葉の形も少し違うことから、千秋公園のはナニワズだと推定。
「ナニワズ」という変わった和名の由来は諸説あるので割愛。「オニシバリ」は樹皮が丈夫なので鬼を縛ることができる(できそう)から。
ナニワズもオニシバリも、夏の間は葉を落とすことから「ナツボウズ(夏坊主)」の別名があるそうだ。ナニワズは「蝦夷夏坊主」と呼ぶ場合もあるそうだ。両者が共存する地域はないようなので、方言的な呼び名で取り違えたり、混同される場合も多分にあるだろう。


何株かのナニワズの花を撮影し、後からパソコンで見ると、花の形が違う株があるのに気付いた。
 
ジンチョウゲなども同じなのだが、ナニワズは雌雄異株だそう。イチョウなどのようにオスの木とメスの木があるのだ。【27日追記】上でちらりと赤い果実が写っている常緑低木・アオキも雌雄異株。
花の中央にオレンジ色のものが見えるのが花粉を出すおしべで、それが雄花だろうから、それが咲くのが雄株、それがないのが雌株ということか?
上の2枚では、花弁(のように見える萼?)の形も違うようにも見える(雄花のほうが細い?)けれど、そういうものなのか、何かの勘違いなのか…

ジンチョウゲの仲間ならば、ナニワズも芳香がするかも。嗅いでみたいのだけど、千秋公園のナニワズは微妙に手の届かない位置に咲いていて、かなわなかった。(ジンチョウゲほど強くはないものの、芳香があるらしい)
【2016年3月21日追記】秋田市内のお寺に、鉢植えのナニワズがあり、花の香りを確かめることができた。ジンチョウゲよりはずっと弱く、クチナシの香りに少し似ている気がした。
※ジンチョウゲ、ナニワズ、オニシバリなどは有毒とされています。敏感な方はむやみに触れないほうがいいかもしれません。
※千秋公園のナニワズは、園路外の急斜面や、むやみに足を踏み入れると植生に影響を及ぼす恐れのある場所に生えているものがあります。観察時は注意と配慮をお願いします。

ナニワズの生えている場所は、早春の今は日光が当たるものの、夏場は日陰になるであろう場所。
笹やぶの中に咲くナニワズもあった
夏は葉を落とすそうだが、なるほど、こんな場所で夏に葉を付けていても無意味かもしれない。こういう環境に適応するために身に付けた能力(?)なんだろう。
落葉樹と言えば冬に葉を落とすという先入観を打ち砕かれた。
※落葉の季節が違っても、分類としては「落葉樹」に含めて良いようだ。ジンチョウゲは通年葉を付ける常緑樹。


現在のジンチョウゲ
秋田市内のジンチョウゲは、やっとつぼみが開き始めた段階。ナニワズのほうが先に開花するらしい。
なお、ジンチョウゲはもともと日本に自生しない。植えられているジンチョウゲはほとんどが雄株とのこと。
これも雄花のようだ
葉っぱはジンチョウゲのほうが硬そう。


千秋公園に(というか世の中に)こんな植物があったとは知らなかった。千秋公園も植物も、奥が深い。ただし、秋田市の過去の広報紙や公園課のホームページで紹介されてはいたので、僕が見ていなかった(目にしたけど忘れた)だけです。
早春に咲く花と言えば、フクジュソウ、クロッカス、マンサク、ロウバイ、サンシュユなど。黄色っぽい花色のものが多く、ナニワズも少し濃いけれど黄色。
千秋公園内では、アセビ(これは白い花)も咲いているそうだが、それとともに先陣を切って咲き出す花がナニワズなのだった。
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鈴和監修/チョコまん 他

2015-03-25 20:43:38 | ランチパック
春の彼岸が24日で明けた。
昨年の春彼岸は、秋田では彼岸に「だんし」なるものを供える風習があることを、恥ずかしながら初めて知った。
その後の秋彼岸に、秋田市内のスーパーを意識して見たものの、だんしは見かけなかったので、ひょっとしたら春限定のものなんだろうか。

今回は、今年の春彼岸のお供えものについて。
昨年「だんし」を扱っていたのは、イオン秋田中央店。今年も売っていた。
他にマルダイ、ナイス、いとく、マックスバリュ東北、秋田生鮮市場、ザ・ガーデン自由が丘西武、ドン・キホーテに行ってみたが、ずばり「だんし」という名の商品は確認できなかった。
しかし、多くの店で見た目はだんしとほぼ同じ「しんこもち」のようなものや、材料になる白玉粉やあんこが特設コーナーに並んでいたので、「だんし」の名はなくても、だんしと同じものを供えたいという需要に応えていた。


全国的には、彼岸といえば、おはぎ/ぼたもち。
※呼び分けなどについては昨年の記事後半参照。そう言えば、今春はサザエさんで彼岸ネタはなかった。

スーパーでは、惣菜コーナーで自前でおはぎ/ぼたもちを作ってバイキング形式で売るところもあるが、製菓会社のパック入りのものを売るところも多い。
上記「だんし」風や「彼岸だんご」は、中小製菓会社や秋田県外製が多い中、おはぎ/ぼたもちについては、たけや製パンが圧倒的シェアを誇る。

昨春のたけや製パンでは、大きさが違う「おはぎ」と「ぼたもち」をそれぞれ作っていた。
今春は、ホームページ、店頭いずれでも「おはぎ」だけ。「ぼたもち」は確認できなかった。
ホームページによれば、今年のたけやのおはぎは入数・味違いを含めると8タイプだが、原料や大きさに着目すれば2つに大別できる。

一般タイプと呼べばいいのだろうか、どこの店でもあったのが「秋田県産もち米使用 おはぎ」。ホームページでは「たけや おはぎ ~」としている。
こし、小倉、ごま、きなこがあり、組み合わせ違い・3個または6個入りの違いで5タイプが掲載されている。

もう1つが高級タイプと呼ぶべきであろう、こちら。
たけや あずきの鈴和監修 北海道産あずきのこしあんおはぎ 4個入り
ホームページでは「たけや 北海道産こしあん おはぎ」、商品のバーコード付近には「北海道産あずきのこしあんおはぎ」と表記。
ザ・ガーデン自由が丘でしか、見かけなかった。
ガーデンでは、一般タイプのたけやのおはぎも売っていた。1個当たりでは、こちらが100円なのに対し、一般タイプは75円。大きさは高級タイプのほうが少し小さい。※スーパーの惣菜のおはぎは、もっと大きくて1個100円程度?

「たけや謹製」の落款印風のマークが印刷されている。一般タイプでも同様だが、色が反転している。ヤマザキの「山崎謹製」の真似?(工藤パンでは「工藤の和菓子」と表示)

商品名が長ったらしく、秋田のことをあまり知らない人にはちんぷんかんぷんかもしれない。「ちょっと高級そうなパッケージで、ちょっと値段が高いな」程度で。
キーワードは「鈴和(すずわ)」。
秋田駅近くの秋田市民市場周辺にある、豆類の専門店。なのだが、秋から冬はきりたんぽを自家製造・販売する。炭火焼きのきりたんぽを経木に包んで、温かいものをバラ売りしてくれるのだが、とてもおいしい。
最近は、豆の消費拡大のために、子どもを対象にしたイベントを開催するなどしているそうだ。

たけやのおはぎでは「あずきの鈴和」としているが、個人的には「あずき」に限らない「豆の鈴和」というイメージ。鈴和のホームページでは「雑穀の総合問屋」としているし、大豆、インゲン、レンズ豆等々も扱っている。
たけやでは、少し以前に、鈴和監修のあんこを使ったあんパンも出しており、それに続くコラボ商品なんだろう。

ザ・ガーデンでは、「あずきの鈴和(中略)つぶあんおはぎ」もあった。一般タイプは「小倉」なのに、こっちは「つぶあん」。両者は厳密には違うそうだが、意識した商品名なんだろうか。
店頭では見かけなかったが、ホームページには「あずきの鈴和監修 北海道産あずきのきなこおはぎこしあん 秋田県産きな粉使用」も出ている。
分かりにくい商品名だけど、中にこしあんを入れて、表面にきな粉をまぶしたもの。あんこが鈴和監修北海道産で、きな粉(の豆ってこと?)は秋田県産。(「きなこ」「きな粉」と表記が揺れているのも意味があるの?)

そう言えば、秋田でもおはぎのきな粉は緑の“あおばこ”ではなく、一般的な茶色いものを使うのが多い。

以前から折に触れて述べているように、たけやの和菓子のあんこは総じておいしい。だから、一般的タイプでも充分おいしいと思われる(今回は食べませんでした)。
じゃあ、高級タイプは、
たけやのおはぎはやや俵型?
やはりおいしい。大量生産ではない和菓子屋さんのおはぎだと言って出されても、信じるだろう。
まあ、「小さめの“普通に”おいしいおはぎ」に過ぎない気がしなくもなく、値段と比較すれば…という気がしなくもない。
もう少し、甘みを抑えて、あんこ(豆)そのものの味を楽しむ方向にすれば、より差別化されて高級感が出るかも。



そして、たけやさんの説明不足を指摘させてもらう。
秋田の人全員が「鈴和」を知っているわけではない。(秋田市外での知名度はどの程度なんだろう?)
知らない人にしてみれば、知らない人が監修する高いおはぎを好き好んで買う人がどれほどいるか。
鈴和そのものについて、そして北海道産のどんな小豆を使っているのかなどの説明がパッケージに必要だと思う。
それに、一般タイプでは「秋田県産もち米使用」と謳っているのに対し、高級タイプではもち米の産地が表記されていないというのも、なんだか中途半端。 高級タイプなら米の産地も表示して「とことん産地にこだわりました」という姿勢を出したほうがいいのではないだろうか。
せっかくコラボしているのに、これではもったいない。

※鈴和監修おはぎは2015年の秋彼岸にも発売された。買っていないので細部は見ていないが、春とだいたい同じはず。たけやの秋彼岸商品ホームページへの掲載はなし。【2018年3月23日追記】その後はなくなったのか、少なくとも2018年春彼岸にはまったく見かけなかった。
2019年秋のたけやと工藤パンのおはぎについて。



次は「お供えセット」。
イオン秋田中央店では、最近はお盆も彼岸も工藤パンの「お供え詰合せ(大)」を好んで仕入れており、今回もあった。600円程度で中身は以前と変わりない模様。

他の各店では工藤パンのものは見かけず、置いてある店ではどこもたけやのまんじゅう類のセットだった。
四角い容器で600円程度の大きいものと、楕円形の容器で500円弱のやや小さいものを確認(内容は後述)。大きいほうを購入。
たけや まんじゅう詰合わせ 5個入り
造花は工藤パンの色違い。こちらは余計な緩衝材みたいのが入っていないのがいい。

大きいセットでは5つの異なるまんじゅうがセットされている。いずれも、バラでも市販されているのを前に見たような商品だが、それぞれにバーコードや原材料表示がない。今はバラ売りしなくなったのか、セット用の別包装なのか。
挽茶まんじゅう・焼型まんじゅう
仏事で定番のまんじゅう。たけやの和菓子としても定番。焼型まんじゅうは、やや小型?

 たけやの桃山
食べるのは初めてかもしれない。
生っぽいというかやや柔らかめの桃山。中身の白あんの中に、ちょっとだけ栗が入っていた(?ような気がした?)。

栗型まんじゅう
容器の中ででーんと存在を誇示していた。
これも前にどこかで見たことがあったが、食べるのは初めてかもしれない。

いわゆる「栗まんじゅう」で、表面が茶色でテカテカ、下の方にケシの実が付いていて、栗の実をかたどっている。
大きさも厚さも相当あり、しかもいびつなのがユニーク。「Dr.スランプアラレちゃん」の「栗頭大五郎先生」を連想してしまった。

まんじゅうを振ると、中身が「カタカタ」と動く音がする。
皮とあんこの間に隙間があるからね
あんこに栗の粒は入っていないが、練りこまれてはいるのだろう。あまり栗の味はしないけど、きめ細かいあんこ。
皮はどこかパンのような感じもして、食べ応えがある。けっこう好きかも。


いよいよ最後。
僕はその存在を忘れていたのだが、包装を見ただけで、その存在のほか思い出もよみがえった。
たけやチョコまん
各地の他社でもあると思われる、チョコまんじゅうのたけや版。
少なくとも30年くらい前からこの包装だと思う。(Takeyaのロゴは変わっているはず)
 
皮はチョコレート色で、中身が真っ白な白あん。このコントラストも昔と変わらない。
味は、皮だけがチョコ味なわけで、商品名ほどチョコ味はしない。きめ細かい白あんの中にほのかに皮のチョコの味がするのも、昔と変わらない。

思い出というのは、子どもの頃、町内子ども会の集まりやPTAの茶話会のような、ちょっとしたイベントのお茶菓子の1つとして、このチョコまんがよく出ていたということ。
町のお菓子屋さんに依頼して1人分ずつ袋に詰めたものが配られる形式だったが、チョコまんはその常連だった。価格が手頃で端数調整に向き、和洋折衷で目新しいといった理由だろうか。
「チョコまん」という名にチョコレートたっぷりを期待して食べたら、チョコ味が皮だけで少々がっかりしたのも思い出。


なお、楕円容器の小さいほうのお供えセットは、小型のまんじゅう類が複数個ずつセットされ、計7個。
チョコまん2個、桃山3個と、「ピーナッツチョコ」とかいうのが2個。ピーナッツチョコは古めかしい包装で、これも昔見たような気がした。
たけやには、こういう隠れたロングセラーがほかにもありそう。全貌が把握できないのが惜しい。
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まるび

2015-03-24 23:48:11 | 秋田のいろいろ
※秋田県大仙市のマスコットキャラクターについて、よそ者がいろいろ述べます。批判する意図などはなく、ふと思った感想のひとりごとだと思ってください。

旧・大曲市などが合併して発足した大仙市も、今年で10周年。
それを記念したマスコットキャラクターが制定され、22日の記念式典で着ぐるみがお披露目された。

「中学生議会」で提案されたのがきっかけだったため、市内の中学生からデザイン案を募った。
決まったマスコットは、花火の街・大曲にふさわしく「花火の妖精」。花火玉、刈和野の大綱引き、市の花コスモス、市章などがデザインされている。
見た目は、よくあるマスコットキャラクターという感じ。

で、その名前。
まるびちゃん
だそうです。
秋田魁新報23日付地域面の記事を読む限り、命名者が誰(デザインといっしょなのか、別人によるのか)なのかは不明だし、由来も分からない。
おそらく花火玉をモチーフにした顔の「丸」い形と、花「火」から来ているのだろうけれど、個人的には、少々引っかかる名前。



ところで、「笑っていいとも」の後継番組「バイキング」。
その火曜日のコーナーに「有名人の行きつけ美容室」とかいうのがある(あった? 美容室でなく飲食店のこともある?)。
顔を隠した女性芸能人が、行きつけの店を利用する映像が流れ、それが誰なのかを当てる趣向。
そのコーナー内で、当てる対象の女性芸能人のことを「○美(マルビ。画面では○の中に美)芸能人」と称しているようだ。
こちらも「マルビ」。個人的にはやっぱり気になっていた。



どうして僕が「マルビ」に引っかかるのか、ご理解いただける、もしくはピンと来た方がいらっしゃるとすれば、30年前の記憶がある方だろう。
今では季節の風物である「新語・流行語大賞」の第1回は1984(昭和59)年だったそうだが、その流行語部門を受賞したのが「まるび」だったのだ。
正確には「まるきん まるび」。

イラストレーター・渡辺和博氏(1950-2007年)が「金魂巻(キンコンカン)」という作品の中で用いた言葉。
自由国民社ホームページでは、「現代の代表的職業31種に属する人々のライフスタイル、服装、行動などを、金持ちと貧乏人の両極端に分けて解説した。それを、○金(まるきん)、○貧(まるび)とネーミングしたところが秀逸。」
「日常会話の中にも頻繁に出てくる大流行語となった。」としている。

僕は当時小学校低学年だったので、「金魂巻」という発端となった作品は、今まで知らなかった。
2010年代の今、金持ちと貧乏と言えば、「格差社会」とか「貧困」とか重いテーマを連想してしまう。
でも、「金魂巻」の31の職業には、医者とか銀行員とか弁護士とかも含まれていたそうだから、単に経済的にまるきん/まるびということではなく、価値観とかライフスタイルも含めてということだろう。バブルに突入する直前のお話。

当時、「金魂巻」を知らなくても、「まるきん まるび」という言葉は、自分で使わないにせよテレビなどで聞いていたし、小学館の学年別雑誌(小学○年生)でも、そのパロディを見たような記憶がある。
そんなわけで、「まるきん」はともかく、「まるび」はマイナスイメージの言葉として僕の頭の片隅に残っていたようだ。だから大仙市のキャラクターやバイキングで同じ音の「まるび」を知って、引っかかったのである。



30年も前の流行語だから、知らない人・知っていたけど忘れてしまった人も多いだろう。(我ながらよく覚えていたとも思います)
まるびちゃんを名付けた中学生(?)は生まれる前だし、バイキングの制作スタッフも知らない人が多いのかもしれない。
だから、昔の「まるび」は死語になって、新たに別の(同音異義の)「まるび」という言葉が生まれたと考えるべきなのだろう。

一方、たった30年前とも言えるのではないか。誰もが「まるきん まるび」を覚えていないわけではない。
「貧」を連想する言葉だから、よりによって市のマスコットや女性芸能人に対して使うなど、もってのほかと思ってしまう人も、いるはず。
大仙市の上のほうの職員・一定年齢以上の議員やフジテレビの上層部などには、昔の「まるび」を知っている人もいるだろう。「『まるび』はちょっと… 別の名前にできない?」と思ったり言ったりしなかった・できなかったものだろうか。

大仙市民やバイキングの関係者・視聴者のみなさんが、「まるび」でいいと思われるのなら、よそ者が口をはさむ必要はないし、余計なお世話なのですが…
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デジアナ変換終了

2015-03-22 21:04:41 | その他もろもろ
テレビの地上波アナログ放送は、2011年7月24日で終了。東日本大震災のため延期された岩手、宮城、福島各県も1年後には終了していた。
しかし、その後も、ひっそりとアナログ放送は続いていた。

上のリンク先でも取り上げた「デジアナ変換」である。
2015年3月までの期限付きで、ケーブルテレビ局がデジタル放送をアナログ放送に変換して、加入世帯へ送信するもの。加入世帯では従来と同じく、アナログチューナーしか内蔵されないテレビや録画機器を使って、地上波放送を視聴できていた。
※自社制作のコミュニティチャンネルやBSなどは変換されないので、視聴可能チャンネルは減った。秋田ケーブルテレビ(CNA)の場合、区域外再送信のTBS系列・IBC岩手放送は変換された。
移行期に製造されたアナログ・デジタル両対応のテレビでも、(あえてやる意味はないが)デジアナ変換を見られた
デジアナ変換は、総務省が各ケーブルテレビ局に要請して実施したもので、どうも、そのための機器などに補助金も出ているらしい。
目的は、テレビの買い換えや廃棄を遅らせて、消費者や関係業界の負担を分散させること。

(この段落は以前の繰り返しで、総務省やケーブルテレビ局に対する苦言です)
しかし、CNAは、アナログ放送終了の1か月前になって、いきなり「デジアナ変換します」と公表し始めた。総務省では、少なくともその半年前に、CNAがデジアナ変換の実施事業者として決定していたのに。
当時の国民は、CMやエコポイントなどで「地デジ化」をさんざんあおられていたわけで、1か月前、あるいは半年前なら、既に対策済みの人が大部分のはず。そこに来て、「加入者はあと4年、アナログテレビが使えますよ」と言われては、ガックリくる。
中には、アナログテレビに外付けのデジタルチューナーを接続して地デジ化をした人もいたと思われるが、デジアナ変換されるのなら、チューナーは不要な出費になってしまうのだから。
税金が投入される事業でもあるのだから、やるのなら、充分に周知をしてほしかった。総務省にしてもCNAにしても。


そんなデジアナ変換も、終わりの時が来た。
一般社団法人デジタル放送推進協会では、ホームページで「あなたのテレビ本当にデジタル?」として告知を行い、久々に地デジ化キャラクターの鹿の「地デジカ」が登場している。CNAのコミュニティチャンネルでも、地デジカが出るCMが流れていた。(コミチャンは上記の通りデジアナ変換されない。デジタルで見ている人に対して、他の部屋のテレビのことを気づかせる目的なんでしょう)

デジアナ変換は、2015年3月末で全国一斉に終わるわけではない。
同ページによれば「2015年3月までに終了」とあり、さらに「1月、2月、4月に終了する地域もあります。」だそう。

さらに、3月12日付秋田魁新報経済面によれば「県内では17日午後2時に終了する。」。
CNAのほか、由利本荘市CATVセンター、大館ケーブルテレビの3局がデジアナ変換していたそうで、一斉に終了した。
新聞記事では、CNAで「推計200~300世帯でアナログテレビが視聴できなくなる」、他2局は「サービスを受けている人が少数いるとみられる。」としている。
CNAの200~300世帯というのは、それらの家で「まったくテレビが見られなくなる」という意味ではなく、「その世帯でどれか1台でも映らなくなるテレビが発生する」という意味だろうか。
CNAのデジアナ変換画面。我が家では微調整していないせいか、チャンネルによってはちらつきが出た
デジアナ変換終了直前の頃は、画面の上下の黒帯を使って、終了を告げる黄色い文字が表示された。(デジアナ変換は、その意義からしてアナログ時代の4対3の画面比率での放送なので、16対9の横長テレビでそのまま見ると四辺とも黒枠が挿入された)
上段には「3月17日午後2時放送終了」。
下段はスクロール表示で「ご覧の放送は、まもなく観られなくなります。マル1デジタルテレビ購入 マル2地デジ録画機等購入 マル3ケーブルテレビへのご加入のいずれかの対応をお急ぎ下さい。お問い合わせは、秋田ケーブルテレビ 0120-…」という文面が、流れ続けた。問い合わせ先電話番号はCNAのもの。

デジアナ変換を見ていた人が、変換終了後に対処できることは3つ。
「アナログテレビをやめて、デジタルテレビに買い換える」「外付けチューナーやレコーダーなどを接続して、アナログテレビを継続使用」「ケーブルテレビ局と契約し、セットトップボックス(STB。要はデジタルチューナー)を借りて接続し、アナログテレビを継続使用」が想定される。
3番目については、デジアナ変換を見ている時点でケーブルテレビと既に何らかの契約をしていることになるが、STBをもう1台使えるようにするなどの「追加契約」をするという意味。

この3点について、デジアナ変換終了を告知する時と場所によって、順番や言い回しが異なるのが、気になる。
上記の通り、CNAの画面では、買い替え、録画機等、加入の順。「ケーブルテレビへのご加入」という表現が分かりにくく、「追加契約」とするべきだ。
CNAのホームページでは、STB設置、買い替え、録画機等。
CNAから加入者に送られたメールでは、買い替え、録画機またはチューナー購入、STB設置。
デジタル放送推進協会ホームページでは、ケーブルテレビ局と契約、買い替え、チューナー購入。言い回しは、こちらのほうが誤解しにくい。
統一感がないし、知識のない人は混乱するかもしれない。


17日14時になって、CNAでは予定通りデジアナ変換が終わった。
ぷっつりと停波するのかと思ったらそうではなく、地デジ終了直後と同じく、青画面に告知が表示されている。画面サイズは4対3で、左右に黒帯。音声やBGMはなし。
デジアナ変換していた各チャンネルとも同一(CNA側で入れているんだからそれで当然)
文面は、地デジ終了時に民放各局が表示していたものと似ている。問い合わせ先はCNAのほか、総務省のコールセンター(地デジ終了時と同じ番号)も表示されるので、総務省作成のひな形でもあるのだろう。
22日現在も同じ画面が表示されている。例えば31日まではこうなんだろうか?
【5月13日追記】その後、5月13日に思い出して見たら、完全な「砂嵐」になっており、送信が停止していた。


20日付秋田魁新報社会面で、「ケーブルテレビ「デジアナ変換」終了/県内3社問い合わせ2日で134件」と報道された。
加入者からの問い合わせが、デジアナ変換が終わった日とその翌日だけ(17・18日)で、CNA44件、大館63件、由利本荘27件あり、「19日現在も問い合わせがあ」るとのこと。
大館は「(問い合わせは)ほとんどが高齢者世帯からで、職員約10人が家庭を訪問し、対応チューナーなどへの接続作業などを手伝った」。

デジタル・アナログ両対応のテレビなのに設定や操作を間違えてデジアナ変換を見続けていたようなケースや、難視聴対策で自ら契約しないで意識せず視聴している世帯もあるのだろうが、デジアナ変換を使っていた人がそれなりの数存在し、そしてそれが終わったのを知らなかった人もそれなりにいたのか。
世の中にはいろんな人がいるということを忘れてはいけないし、何かをやる時はそういう人を取りこぼさないように配慮しなければならないもんだ。


それにしても、デジアナ変換の費用対効果はどうだったのか。
12日の記事の推計では、デジアナ変換を使っていたのは各ケーブル局当たり「200~300」もしくは「少数」。それだけのために、税金を含む費用をかけてデジアナ変換していたのはどうなんだろう。
事前に余裕を持って充分に周知すれば、もっと利用者が増えて、より意味があるデジアナ変換になったかもしれないし、逆に地デジ化キャンペーンをもっときめ細かく熱心にやれば、デジアナ変換などしなくて済んだかもしれない。



さて、この記事の写真のテレビ画面は、アナログチューナーも内蔵したデジタルテレビのもの。
地デジ開始が全国一斉でなかったこともあり、移行期間に発売されたテレビは、両方のチューナーを内蔵したものが多かった。家電エコポイント(2010年まで)があった頃のテレビは、たいていそうではないだろうか。
今にして思えば、アナログチューナーが無駄になるし、後の機種と比較して筐体の枠のサイズがわずかに大きかったり、チャンネル切り替えのタイムラグがややあったりする。エコポイントを当てにせず、ギリギリまでアナログテレビを使い続け、少しでも使いやすくなった後発機種を買ったほうが良かったかも…(日本の家電製品がわずかながらも着実に進歩していることは喜ぶべきだろう。4Kなんかより、そういう細かな使い勝手を改善してほしい)

そうした両対応のテレビのリモコンには、アナログ放送に切り替えるためのボタンがある。BSやCSに切り替えるのと同じように。
(冒頭の再掲)
写真はPanasonicビエラのリモコンで「アナログ」とある。他にシャープアクオスは「地上A」、東芝レグザは「地アナ」と表示していたようだ。

ちなみに、テレビのリモコンは、同じメーカーならば機種が違っても共通で使用できる場合がほとんど。でも、地上波のアナログとデジタルが関係するとどうなるか。【分かりにくかったので、23日に以下の文面を改訂】
メーカーによっては、リモコンのチャンネルの数字ボタン(1~12)を押すと、「アナログ」「デジタル」の区別なしに、チャンネル番号だけが送信されるので、その場合は問題ない。
Panasonicのテレビの場合、数字ボタンだけを押した時でも[直前に押していた放送種別と数字]が同時に送信されるようだ。単に「1」ではなく、[地上デジタルの1]とか[BSの1]とか。(そのせいで、直前に電子番組表を見た時とか、本体や別のリモコンで放送種別を切り替えた後は、意図しないチャンネルに切り替わってしまうことがある)(同社製のレコーダーやSTBでは、数字だけが送信されるようだ)
では、Panasonicの地デジチューナーのみ(アナログ非対応)のテレビに向けて、以前の機種のリモコンで[地上アナログ+数字]を送信するとどうなるか。
どうも、デジタル専用テレビでは[地上アナログ+数字]を受信しても、[地上デジタル+数字]と読み替えて動作するらしく、地デジのチャンネルが切り替わる。(ただし「アナログ」ボタンを単独で押した場合は、反応しないようだ)
したがって、昔の「画王」などアナログ専用テレビのリモコンを用いても、現行ビエラの基本的操作(電源や音量は元から同じ信号)は可能なはずだ(実際にどうなるかは未確認)。


アナログ・デジタル両用テレビでさし当たって少々困るのは、何かの拍子にリモコンの「アナログ」ボタンを押してしまうこと。
今までなら、いつの間にかデジアナ変換の映りの悪いものを見ていたということになるし、これからは砂嵐になってしまう。
この点は、対応できる機種もある。
ビエラでは「受信対象設定」という設定項目があり、そこで「地上アナログ」を「使わない」にすれば、リモコンからアナログ選局の信号を受けても、無視してくれる。
同様に、アンテナをつないでいないBS/CSでも設定可能
東芝レグザ(一部機種)では、「地アナ」ボタンだけをフタの中に入れて、押し間違いを防ぐ策が取られていたようだ。



今後は、アナログチューナー内蔵機器も、外部入力端子に他の機器をつないで、使い続けることはできる。
でも、その内蔵チューナーを使って受信することは極めて少なくなるだろう。昔のビデオデッキとかゲーム機から、外部出力端子の代わりに1または2チャンネルとかに出力する「RF接続」でもしない限り。

アナログ放送が過去のものになると見納めになるものがいくつかある。映像が二重になるゴーストや画面に雪が降ったような受信障害(デジタルの受信障害はモザイク状のノイズ)、停波時の「砂嵐」(※末尾参照)、VHF/UHFの区別(地デジは全部UHF)など。
※BSデジタル放送で大雨が降っている時に出るようなモザイク状の画面の乱れは「ベリノイズ」「ドロップノイズ」だそうで、「ブロックノイズ」と見た目は似ているけれど別物だそうだ。ブロックノイズはJPG画像を圧縮し過ぎた時に起きるヤツ。

地デジ化によって、ほとんどの地域で放送局(民放の系列局)とチャンネル番号の関係が統一された。NHK総合が1、Eテレが2、日テレ系が4、…と。
青森や名古屋では引き続き「1」が老舗民放局であるように例外もある(なんで変更しなかったんだろう?)ものの、かつては首都圏では2チャンネルが空きチャンネルだったとか、秋田放送が11チャンネルだったとか、はたまた地方ではUHF局をどのリモコン番号に割り当てるか世帯によって違っていたり、そんなものも過去の話。
電球・蛍光灯、二槽式洗濯機、ワープロ専用機、カセットテープ、ダイヤル式テレビ、レコードのような存在に、4対3のテレビ、ブラウン管テレビ、アナログ放送も含まれていくのだろう。
砂嵐 ※表示されているチャンネル設定はアンテナ受信とCNAデジアナ変換の中途半端な状態
アナログ放送を受信できる機器がある限り、砂嵐だけはもうしばらく“見られる”わけか。(砂嵐状態だと自動的にブルー画面になる機種もある)

【28日追記】28日に折り込まれたヤマダ電機のチラシでは、「お手持ちのテレビにデジアナ変換表示が出ていませんか?」「デジアナ変換サービスは3月までに終了します!」などと、秋田でまだデジアナ変換が見られるかのような文言が出ていた。
各地域の現状を把握せずに、全国一律で入れているのだろう。(一部地域では4月まで実施されることは記載されている)

【4月5日追記】アニメ「サザエさん」の磯野・フグ田家の茶の間のテレビは、2015年4月時点でも、まだ4対3画面どころか、ブラウン管式(と思われる分厚いボディ)で、昭和50年代前半頃まで多かった木目調ボディのいわゆる「家具調テレビ」。選局はダイヤルではなく本体のボタンを押すようだが、リモコンはない。
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竿燈街路灯LED化

2015-03-19 23:14:01 | 秋田の季節・風景
秋田市中心部の広い道路の街路灯のうち、(昭和最末期~)平成初期頃に設置されたものは、竿燈(の提灯)をモチーフにしたデザイン。その先端部について以前記事にしたところ、鉄鋼会社でこの街路灯(「多目的柱」と言うらしい)の設計を担当していたという方から「一番印象的(な仕事)だった」とのコメントをいただいた。
その街路灯に、変化が生じた。
夜の竿燈大通り・JTB前(2月11日)
上の写真でも、提灯型街路灯が点灯している。一部が消えているのは、東日本大震災以前から実施されている節電によるもので、故障などではない。
上の写真で、向かい側と手前側の街路灯で違いが生じているのだけど、どこが違うかお気づきでしょうか。
僕は、事情を知っていたのだけど、よーく見ないと区別できないし、それ以前にこの写真では判別不可能なのですが…
工事中
2月始め頃、工事が行われていた。
左と右で違うのですが…
工事では、街路灯の“提灯”に相当するボール状のものを取り外して、ほぼ同じ外見の別のボールに交換していた。ボールの中身(電球)も交換したようだ。
上の写真では、左側のボールが交換後・右側が交換前の従来のもの。
よーく見ると、取り替えられた左のものはボールが白くて中身が見えないが、右のほうは半透明で中が少し透けて見え、中心部の電球らしきものが分かる。

つまり、電球からLEDへの交換工事が実施されていたのだ。(現在は終了したと思われる)
冒頭の写真では、先に工事が行われたJTB(南)側がLED、未実施の向かい側は電球で照らされていた。
外見の形だけでなく、光・明かりもほとんど違いが分からない。
向かい側から。手前が電球、向こうがLED。言われてみればJTBのシャッター周辺の明るさがLEDっぽい?
従来の見かけを変えずにLED化しようと努力したのがうかがえる。中身の電球だけを交換すれば良さそうにも思えるが、従来の透けるボールのままではLEDの光が直射されてまぶしいので、直接見えない半透明のものに交換したのだろうか。あと、ボールが所々黒く汚れているものもあったので、老朽更新の意味もあったのかもしれない。


工事は、秋田県が発注したもの。※以下、数値等は県の入札資料より。
手形陸橋-脳研前-千秋久保田町-広小路-土手長町-二丁目橋-竿燈大通り-山王十字路-山王大通り-県庁西交差点の区間で実施。(二丁目橋以南の土手長町や県庁西以西の山王大通りは、一般型の下向き街路灯)
柱など金属部の色は、竿燈大通り区間だけがグリーンで63基、他がダークブラウンで17基、計80基(×2灯=160灯)が交換された。
※竿燈大通り~山王大通りは両側にほぼ等間隔で街路灯が配置されているが、他の区間は片側だけだったり、距離をおいて設置されていたりする所も多い。
※「山王大通り」は設定当初または現在も広義では、竿燈大通り部分をも含めた呼称。当ブログでは竿燈大通り区間に対しては「竿燈大通り」の名称を用い、「山王大通り」は山王十字路以西だけを指す狭義を採用しています。

中央通りにも、同型の茶色の街路灯が設置されているものの、秋田市道なので本工事対象外。市道側では元からランプの種類(色)が違うものが混ざっていたけれど、こちらはLED化計画はどうなっているのだろうか。

ボールは「グローブ」と呼ばれ、アクリル乳白色、質量2.4kg、直径508ミリ、高さ473ミリ。
LEDは昼白色で消費電力は124W(水銀灯300W以下相当)。
奥がLED、手前が電球。微妙に違う?

今までのイメージを損なわずに、低消費電力・メンテナンスフリー化したことは、素晴らしい。
ただ、この灯具は上空にも無駄に明かりを放出してしまうのが気になっていた。「光害」になりかねないし、後に設置された他の道路では下向きのものが採用されているのだから、グローブの上のほうを遮光性にするなどして、工夫できなかっただろうか。
それに、間引き消灯は、LED化後も継続しているようだ。消費電力がおそらく半分以下に減ったのだから、その分、少し点灯箇所を増やしてもいいのではないだろうか。県庁所在地の中心部なのだし、もう少し道路が明るいほうがいい(交通事故や犯罪防止の観点から)地点もあると思う。

なお、交換工事途中では、昼間に、かつ普段は間引かれている灯具も含めてすべてが点灯するという、珍しい光景も見られた。
【2016年11月25日追記】LED化後は、常に間引かずにすべてが点灯している模様。
【2019年12月15日追記】2019年時点でも間引かずにすべてが点灯している。ただ、電球時代から柱に貼られていた「節電消灯中」の表示がまだ残っている。
2020年度後半には、保守管理体制が変わった
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伊勢・愛知土産

2015-03-18 20:40:54 | 各地お土産・食べ物
伊勢旅行記の最後にお土産について。※旅行記の前回の記事
スーパーで売っているようなものを中心に紹介。

ぎゅーとら あおさのり
以前も触れた通り、伊勢志摩はアオサが特産。
地元スーパー「ぎゅーとら」のオリジナル商品の乾燥あおさのりが18グラム321円で売っていた。鳥羽市のメーカーが製造。
そう高くはないはずだし、品質も悪くはないはずだし、おいしかった。もっと買えば良かった。

「ぎゅーとら」とは変わった名前だけど、元は「うし虎」という精肉店。昭和初期に大阪で創業し、戦後伊勢に移転して、1960年代にスーパーを始めている。
ロゴマークはトラだけで、ぎゅー(牛)はいない(看板やレシートもこのマーク)
一部の店舗名が「ラブリー志摩店」など枕詞がつくほか、「エンジェル店」「ハッピー店」など地名がない店舗もあるそうだ。恥ずかしいしややこしいような…


三重県は、生産量で静岡、鹿児島に次ぐ、茶の産地でもある。
川原製茶 伊勢茶
東海地方では新幹線のホームをはじめ、あちこちで地元産のペットボトル入りお茶がある。
これは伊勢市の近くの内陸の多気町の製茶会社の製品。ぎゅーとらで95円。
最近流行りのやけに濁ったようなのではない、素直なお茶でおいしかった。


大内山のむヨーグルト、大内山フルーツ、大内山コーヒー ヨーグルト133円、他は92円
ご当地商品の定番、乳製品。
鳥羽よりも南、海に近い大紀町大内山(旧・大内山村)にある「大内山酪農農業協同組合」のブランドで、三重県内に限らず、東海地方では知名度があるそうだ。
四角いパックのものも、要冷蔵。
フルーツ牛乳(牛乳と言ってはいけないですが)の味は、オレンジっぽいけど少し違い、原材料名欄によれば「牛乳、砂糖、みかん果汁、…」。オレンジは使われていない。


以下は、名古屋のダイエーで購入。
サンジルシ しじみ汁
豆から作る赤味噌は、八丁味噌など愛知県特産のイメージ。隣の三重でもそのようで、桑名市の「サンジルシ醸造」は、味噌類は赤味噌しか製造していないようだ。
「サンジルシ」とは木曽三川を示しているとのこと。


名古屋銘菓と言えば、
やまざき ういろう 小豆、白 1個129円
「やまざき」とは、あの「ヤマザキ」、山崎製パン。ピンク色のと、たしか緑色もある。
秋田でも見かける、ヤマザキのようかんと同じパッケージ方法だが、ういろうのほうが少し大きい(幅がある)。
(再掲)やまざき煉ようかん小倉
ういろうは、ヤマザキが「製造者」として表示されているので、自社製造だと考えられるが、製造所固有記号はない。ということは、名古屋工場の限定商品なんだろうか?
首都圏では売っているような情報もあるが、東北では見かけない。【2015年5月3日訂正】秋田のタカヤナギ経営のスーパー「グランマート」の秋田市内の店舗で販売されていた!【2024年1月24日追記】同じく秋田のスーパー「いとく」でも白、桜色、抹茶を販売。2024年までに多くの商品が値上がりしたが、特売ではなさそうなのに税抜き95円と安い(減量する実質値上げ・ステルス値上げも、おそらくしていないのでは)。製造所所在地が記されており、白は同社伊勢崎工場製。栄養成分は1個当たり275kcal、炭水化物67.4gと、和菓子にしてはかなり高い。
表面には「山崎謹製」の落款印風マーク、裏面には、
「ういろう」のシール
(よそ者の感覚では)ちゃんとしたういろうの食感と味で、満足。
手軽に買えて、賞味期間は1か月以上あるので、いいかも。


旅行先とは関係ないですが、
坊っちゃんだんご 2個入り167円
松山名物の色違いのあんこが3つ串にささった団子。タルトなども製造する松山の「亀井製菓」製。
坊っちゃんだんごは、元からつまようじを串代わりにした小さいものだが、これはその中でも小さめか。
どこかで見かけたことがあるが、やはり秋田では簡単には手に入らないので、買ってしまった。


最後は、豊橋駅のキヨスクで購入。
新幹線改札内の待合室内にある、昔ながらの小さな売店スタイルのキヨスクに、地元商品として唯一、籠に盛って売られていた。
大あんまき
豊橋駅から新幹線で1駅隣りの三河安城駅の近く、知立(ちりゅう)市の銘菓が、「あんまき」もしくは「大(おお)あんまき」だそうだ。知らなかった。
複数の店が作っているそうで、これは「藤田屋」製。豊橋駅改札内での出張販売(袋入りでないもの)もあるらしい。
パッケージには「池鯉鮒」という「知立」の異表記である江戸時代の宿場の名が表示されている。

写真のパッケージに「あずき」とあるが、バリエーションがあって、キヨスクでは白あん、チーズ、カスタードも売っていた。
本店などでは、栗、抹茶、あんまきの天ぷらもある。小豆は十勝産を使用。

今回は、黒(あずき)170円、チーズ200円、カスタード200円を購入。内容量は黒が130g、他は140gと表示。
POPにも書いてあったし、キヨスクの人にも念を押されたが、消費期限は翌日限り。

小麦粉の皮であんこをつつんで、少し平べったく押しつぶした、どこにでもありそうな(「中華まんじゅう」とか)お菓子。
でも、皮もあんこも甘すぎず、おいしかった。

チーズとカスタードは、あんこもいっしょに入っている。こういうのは、よそでは見たことがない。
あんこのほうが多い
カスタードは予想通りの味だったが、チーズはサワークリームのようなさわやかな味だった。
藤田屋の大あんまきは、名古屋駅のキヨスクなどでも買えるらしい。覚えておこう。

伊勢旅行記はこれにて完結(のはず)です。
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みち銀跡/城バス停

2015-03-17 22:56:31 | 秋田の季節・風景
秋田市大町三丁目の「協働大町ビル」1階の一部に入っていた「みちのく銀行秋田支店」が1月16日で閉店した。
閉店後はシャッターが下ろされたものの、看板類はしばらくそのままだった。
(再掲)
2週間ほど経った2月始め、看板の文字が撤去されていた。
(再掲)

さらにその後、2月末には、シャッターから「家庭の銀行 みちのく銀行 秋田支店」の文字部分だけが消された。
ロゴマークだけが残る
閉店から1か月以上経ってやっと、ここがみちのく銀行であったことを文字で示すものがなくなった。

ただし、緑色の看板には、文字の跡から「みちのく銀行」と判読できるし、シャッターに残ったマークを知っている人には分かってしまう。
マークがだけ残した意味があるのかと思っていたけれど、3月上旬までに、
マークが消された(赤かった部分も同色で塗りつぶされたけど、文字があった中央部と微妙に色が違う)
同時にシャッター右の夜間金庫だった部分が、板でふさがれた。

緑色の看板だけは残っているが、ここが銀行だった痕跡はほとんどなくなった。

看板→シャッターの文字だけ→シャッターのマークと、小出しに消していったのは、みち銀が秋田から撤退する名残惜しさの現れだろうか?!
空きテナントはどう使われるのか。

※その後、2015年12月20日現在、特に変化なし。
※2016年1月下旬に変化が。この記事後半。



市営バスから移管されたものもあるとは言え、デザイン的に統一性が見られないものが複数混在する中央交通のバス停のポールを、ずっと前に紹介していた。
その中に、こんなものがあった。
(再掲)
ローマ字表記、広告入りで、白ベースにお城のようなものが描かれている。
市営バスが関わらなかった中央交通独自のポールのはずで、秋田市中央部を中心にわずかに設置されていた。
千秋公園入口(のうち0番乗り場の1本だけ)、大町二丁目上り側、中通一丁目(一方通行なので上りのみ)、中通二丁目(同)、そして飛んで外旭川の神田下り側の計5か所しか知らない。(他にあれば教えてください)【2020年5月21日追記】このほかにも、秋田市内にちらほらと城バス停が設置されていた(末尾にリンクがある2020年の記事のコメント参照)。いずれも広告入りで、2010年代中頃までに交換された。
再掲)千秋公園入口は取って付けたような構造。末期は広告がなかった

千秋公園入口は、2013年10月に乗り場が整理統合された際、ポールが一新されて撤去された。
そして、この週末に、大町二丁目の変化を発見。
(再掲)かつての大町二丁目

現在。手前から市営バスから移管されたサツキのイラストがある電照式(もともとバスロケなし)、中央交通オリジナル、羽後交通
以前と順番も入れ替わっているが、中央交通オリジナルが、
こうなっていた!
お城デザインではなく、他でもよく見られるようなデザイン(市営バスと共通デザインだった頃のタイプ)に替わっていた。
お城では板が真四角だったのが、これでは上辺がカーブしているので、ポール全体もしくは板ごと交換したのだろう。

そう言えば2月の強風の後だったか、表示板が壊れていた(折れたか取れたか)のを見たような気がした。
新しい表示板は、ローマ字はあるが、広告はない。
電照式のほうへ広告が貼られていた(両面とも)

さらにそう言えば、中通一丁目も、前から表示板が曲がっていたはず。そちらは?
やはり更新されていた
こちらは、ポールのほうに広告がある。
ローマ字の表示位置や日本語のフォントが、大町二丁目と違う。色も微妙に違うような…

じゃあ、中通二丁目は? ※昔「日赤病院前」だったバス停
やはり更新
中通一丁目と同じデザインで広告もあるが、広告主の電話番号はない(これは先方の意向か?)。
中通二丁目の表示板は、少しズレた位置で「中通二丁目」とカット文字があった上に、新たに地色と文字を貼り直したのが分かる。以前使っていた板を再利用したのだろうか。
【10月12日追記】中通二丁目のこのポールは、時刻表を入れる枠がない表示板だけのポール。だったら撤去して他のポールに広告を設置したほうがいいのでは?


お城デザインのバス停は、個人的には好きじゃなかった。
枠のわりに余白が多くて文字が小さくて視認性が悪いし、秋田にはこんなお城はないので、このデザインである必要性を感じなかったから。
神田がどうなっているのか見ていないが、残っているとすれば、貴重なポールになる。【18日追記】いただいたコメントによれば、神田も城から円形タイプの表示板(美短入口の使い回し)に交換されたとのこと。※この記事参照
これにより、城タイプのバス停表示板は“絶滅”した可能性がある。(どこかでひっそりと残っているのかもしれませんが)

ところで、新しくされた表示板は、上記の通り他でもわりと見るタイプなのだが、今回更新された3つは、書体や表示位置以外にも違う点がある。
どこかお分かりでしょうか?
(再掲)既存のもの
従来は、上段の緑色地の社名表示の上に、車輪をモチーフにした(元は鉄道会社なので)であろう社章というかロゴマークが描かれていたのが、今回更新分ではなくなっている。市営バスから移管されたもしくは最近更新されている円形タイプの表示板も含めて、社章がないのは珍しい。(更新前の城デザインにもなかったけれど)※だたし、社章がない表示板もそれなりに存在する。この記事中ほど参照。
(再掲)最近設置される円形タイプにも、社章はある
社章がないと緑のスペースが間延びして、頭でっかちに見えてしまうと思う。それに、中通の2つでは、ローマ字や広告シールの位置やサイズも適切には思えず、バランスが悪い。もう少し見映えに気をつかってもらいたい。
それにしても、この会社には「揃えよう」という意識がないのでしょうか…

社章については、後日また

※ここで紹介された四角い表示板は、2020年には役目を終えた
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2015ダイヤ改正

2015-03-16 23:48:51 | 秋田のいろいろ
3月14日に行われた、JRグループのダイヤ改正(及び同日実施のサービス等の変更点)について。
全国的には北陸新幹線(長野-金沢)開業が主役。
フル規格新幹線が、長い距離で、日本海側へ、さらに北陸地方初の開通というのは、鉄道史上大きな出来事である。
マスコミは9割方、金沢を取り上げるが、富山、さらにこれまでアクセスに難があった宇奈月温泉【19日補足・温泉へ行くには富山地鉄に乗り換えが必要】や長野県の飯山にとっても革新的な出来事であろう。

そう言えば、1985年3月14日に東北・上越新幹線が上野開業(大宮-上野)している。一番列車の生中継をテレビで見たのを覚えているけれど、あれから30年か。


東日本エリアでは、東北本線(宇都宮線)・高崎線・常磐線方面と東海道本線品川方面を直通運転する「上野東京ライン」開業も大きな改正点。
それに伴って、上野発着の常磐線の特急「スーパーひたち」「フレッシュひたち」が品川発着を含む「ひたち」「ときわ」に再編(指定席の制度が独特)。
【19日追記】上野東京ラインは、計画・工事初期段階では「東北縦貫線」と呼ばれていた。

東海道新幹線では最高速度が270km/hから285km/hに引き上げ。東京-新大阪が3分ほど短縮。


マスコミや愛好家には、北海道新幹線の工事本格化と車両老朽化で定期運行を終える上野-札幌の寝台特急「北斗星」、北陸新幹線開業も絡む大阪-札幌の豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の廃止も大きな話題。
北斗星廃止は「ブルートレイン」廃止をも意味するが、ブルートレイン=寝台列車ではないので、ブルートレインでない寝台列車は残る。また、「北斗星」は完全廃止でなく臨時列車化。

全国的に報道されないが、先日も触れたように、北陸新幹線開業の影で上越新幹線接続・北越急行線回りの「はくたか」などの特急が廃止(列車愛称は北陸新幹線で使用)されたり、JR並行在来線を転換した新たな第3セクター鉄道が開業したりといった動きもある。

ダイヤ改正日とは前後するが、3月1日のJR東海の名古屋近郊の「武豊(たけとよ)線」の電化、5月30日に予定されている、塩釜・松島付近で東北本線と仙石線を結ぶ接続線を設け、ハイブリッド気動車(電化方式が違うので、気動車で簡単に済ませるのだろう)が直通運転する「仙石東北ライン」の開業も、鉄道史上では重要事項だろう。


ここから秋田地区のダイヤ改正。小規模なダイヤ変更が中心で、全体的に大きな変化はない。
秋田新幹線は東京との間が1分短縮程度。
羽越本線では、12時半に新潟を出て秋田に16時に着く羽越本線の特急「いなほ5号」が13分も短縮される。
【26日追記】新潟止まりの下り「いなほ」の時間が繰り上がったことにより、羽後本荘駅方面の接続改善が1か所。
「いなほ9号」が新潟17時38分→酒田19時46分だったのが16時54分→19時03分となり、秋田行き普通列車(酒田19時06分→秋田20時54分)に接続。(新潟→秋田がジャスト4時間00分)
秋田行きの「いなほ」は既に終わった時間であり、もう1本後の酒田止まり「いなほ11号」は前から秋田行き普通列車に接続していたが、もう1本増えることになり、改善ととらえていいだろう。
【2016年3月31日追記】1年後の2016年3月26日の改正では、いなほ9号の時刻が繰り下げられて、新潟17時17分→酒田19時31分となった。普通列車秋田行きは酒田発19時08分で、再び接続しなくなってしまった。(以上追記)

1年前に廃止された「あけぼの」代替として、毎日運転の臨時列車扱いで運転されていた、奥羽本線の特急「つがる」の1号と10号も、引き続き臨時列車扱いのまま継続。

普通列車の主な変更点。
・羽越本線の朝夕の秋田発上りの時刻移動
秋田発17時台~19時台の羽後本荘行きと酒田行き計3本が、20~30分程度時間変更。
秋田発9時49分発酒田行きは8時58分発に。羽後本荘までは「いなほ8号」の前を走る。

男鹿線昼の下り1本減便
秋田14時41分発・男鹿15時36分着(2両編成で車掌乗務だったはず)を廃止。10時と12時に続いて、ここも2時間列車が空くことになる。
なお、秋田→追分では、元から10分前に八郎潟行きがあるので、影響は軽微。

花輪線朝の下り減便、快速「八幡平」各駅停車化・(一部)区間短縮
盛岡発一番列車(いわて銀河鉄道内でも始発列車)→大館着三番列車だった、盛岡5時41分発・大館8時30分着普通列車を廃止。
大館着一番列車の始発を荒屋新町から鹿角花輪に変更(短縮)、二番列車の始発を鹿角花輪から盛岡(5時07分発)に変更(延長)。
改正前の二番列車と廃止された三番列車は、時刻が35分しか空いておらず、近すぎたのだろう。ちなみに四番列車は10時着。

盛岡16時36分発・大館19時16分着、大館11時13分発・盛岡13時40分着の快速「八幡平」を各駅停車に。さらに大館発は鹿角花輪止まりに短縮。

これにより、花輪線は全列車が無名の各駅停車になる。大館-盛岡を通しで運転するものは6往復。
花輪線の快速?(と見かけは同じですが、奥羽本線の大館-秋田の快速を、花輪線の車両が代走した時の撮影)
快速「八幡平」としては1985年に運転を開始。一時期は弘前発着もあったし、2000年までは2往復あった。
車両は各駅停車と同じもので、2008年まではキハ58(上の写真)またはキハ52、現在は比較的新しくて高性能のキハ110系が使われていた。
花輪線の普通列車は2両編成が基本だが、快速八幡平は堂々の4両編成での運転がメインだった。乗客が多いからというよりも、車両のやり繰りのためだったのではないだろうか。

僕は、花輪線を全区間通して乗ったのは、2000年前後に2度あっただろうか。その時に、1度は快速八幡平に乗ったはず。
大館-盛岡における各駅停車と快速の所要時間差は30分程度。どちらにしても高速バスには及ばず、快速であるべき理由や需要は高くなかったのかもしれないけれど、愛称の付いた列車が走らなくなるのは寂しい。

グリーンアテンダントサービス廃止
「はやぶさ」「はやて」「こまち」で、グリーンアテンダントによるサービスがなくなった。
グリーンアテンダントとは「グリーン車のお客さまへのサービスを専門に行うスタッフ(JR東日本リリースより)」、つまり客室乗務員。
首都圏の普通列車のグリーン車にも乗務しているけれど、あちらは車内検札がメインで片手間に車内販売をする。新幹線では、お客におしぼりや飲み物を配るのが大きな業務だったと言えよう。

「はやて」運転開始の頃に始まったシステムだったか?
「やまびこ」などのグリーン車には乗務しないので、同じ値段で飲み物がもらえる「はやて」などのほうがトクだと思ったものだ。

車内販売と同じ「NRE(日本レストランエンタプライズ)」が行っているが、車内販売スタッフとは制服が違う。秋田新幹線では、どういうわけか、たまに普通車の通路を歩いていたり(車内販売員との連絡用務?)、手籠で「かもめの玉子」だけを売りに来たり(最近はなかった?)ということもしていた。


僕はグリーン車に乗れる安いきっぷで、2回ほどグリーン車を利用したことがある。貧乏性だからどことなく落ち着かなかったけど。
飲み物はたしかコーヒー、紅茶(レモンまたはミルク)、緑茶、オレンジジュース、リンゴジュースから選べ(おかわりもできる)、乗車時間が長いせいか「こまち」では使い捨てスリッパもくれた。
グリーンアテンダントがいなくなれば、こうしたサービスもなくなるということなのだろう。

「はやぶさ」ではグリーン車より上位の「グランクラス」ができたから、そちらとのいっそうの差別化の意図があるのだろうか。
しかし、グランクラスがない秋田新幹線では、グリーンアテンダントサービス廃止は、単なるコスト削減でしかないように思える。4時間も乗るのに、座席がちょっといいだけでグリーン料金を取られてしまうのは、庶民にはもったいなく感じる。

・JR貨物
秋田のJR貨物の貨物列車では、機関車の変更が2点。※ネット上の情報を参考にさせてもらいました。
秋田県を通る日本海縦貫線(羽越本線~奥羽“北線”)の貨物列車は、1972年の電化以来、ほとんどすべてをEF81形電気機関車がひいてきた。
(再掲)
2008年からは新型のEF510形も姿を見せるようになり、徐々に交代が進んできた。
(再掲)
今改正では、EF81が来るのは秋田貨物駅(秋田-土崎間)が北限、かつ秋田貨物駅まで来る(新潟以北)のは1日1往復だけになったようだ。
EF81がひいていたトワイライトエクスプレスもなくなったので、奥羽北線(秋田-秋田貨物を除く)をEF81が定期的に走ることはなくなったと言えそう。
※今後も、同区間でEF81が貨物列車の臨時列車や代走を担当する可能性はあるし、JR東日本のEF81は不定期ながら時々走行する。


一方、大館駅には新たにEH500形が乗り入れるようになったそうだ。青森・弘前方面から南下して来て、折り返して戻るダイヤが1日1往復。
EH500形。2両くっついているのではなく、これで1台
EH500形は、2両の機関車が背中合わせに連結されたような超大型の電気機関車。仙台を拠点に首都圏-函館で太平洋側をメインに貨物列車をひいている。
以前から、青森から奥羽本線に入って弘前までは来る運用があったが、それが延長された形だろうか?

EH500は、初期に製造された(9号機まで)ものがエンジ色のような暗い赤色、以降はEF510のような明るい赤色に塗装されている。忘れてはいけないのが、愛称とロゴマーク。
「ECO-POWER金太郎」

上の写真のEH500-7号機は、秋田貨物駅で2011年春に撮影したもの。
東日本大震災直後のしばらくの間、仙台から避難してきたのか数台のEH500が秋田に滞在していたのだ。
こんなに大きな機関車だから、線路や架線の規格上、奥羽本線には入れないかもしれないし、秋田の現場の人たちでは動かせないと思っていたが、この通りちゃんと入線できるし、パンタグラフを上げて自走していて、ちょっと感動した。

だから、秋田県内にEH500が来るのは、今回が初めてではない(他にも代走で来たことがあったらしい)が、定期列車としては初だろう。
かつては蒸気機関車が3重連であえぎながら越えた矢立峠(現在は線路は付け替えられている)を、金太郎印の巨大な電気機関車が駆け抜けることになる。

※翌2016年春のダイヤ改正では、富山のEF81の定期運用が消滅し、EH500がさらに1往復増えて秋田貨物駅まで来るようになった。



以下、ダイヤ改正周辺の話題。
・もう1つの「北斗星」
廃止された寝台特急「北斗星」は太平洋側回りなので、過去の不通時に何度か秋田を通ったくらい。乗ったことのある県民も少ないだろう。
秋田県民にとってなじみがある「北斗星」は、秋田魁新報の1面コラムの「北斗星」。

コラム「北斗星」でも、寝台特急「北斗星」廃止は気にかけていたようだ。
14日付は筆者(57歳の論説委員のはず)のブルートレインの思い出を綴り、「「さよなら北斗星」などと聞けば、同じ名を掲げる小欄は感傷的にならざるを得ない。」と結んでいる。

列車名は1988年登場(それ以前には使われていないはず)。
魁のほうは1980年から現在まで使われているが、それ以前、1947年のごく短期間だけ、同名のコラムが存在したという。(今年の元日号紙面より)


・「トワイライトエクスプレス」の大事な場所
トワイライトエクスプレスは秋田県内を通過していたが、時間は深夜で、乗客が乗り降りできる駅はなく、やはりなじみが薄い。(秋田駅では乗務員交代の「運転停車」あり)
しかし、トワイライトエクスプレスの行程上、ある意味重要な場所があった。
潟上市昭和にある奥羽本線の大久保駅である。

ここで、上りと下りのトワイライトエクスプレスどうしがすれ違う。(上下で運行日が違うので、すれ違わない日もある)
時刻は日付が変わった頃で、乗客どうしが手を振り合ったりしたそうだ。

14日付秋田魁新報社会面では、全国版のダイヤ改正の記事とは別に、「上り、下り“競演” 大久保駅で惜別」として記事にしている。大阪と札幌を12日に出発した、最終列車どうしのすれ違い。
「下りが午前0時16分、上りが同18分に相次いで到着。」「約80人」が集まり、「多くの鉄道ファンや地元住民がラストランを見届けた」。
写真によれば、委託駅で無人状態だからか、見物人がホームに入ることができたようだ。

テレビでは、秋田駅2番線の下り札幌行きの最終を見届ける人の様子が伝えられていた。上りが秋田駅に着くのは、旅客列車の発着が終わった後なので、改札が閉まってホームに出られないはず。

僕は「トワイライトエクスプレス」は遅れて運行しているのを、たまたま数度見たくらい。
あとは、上記のように日付が変わった頃に秋田駅付近を走行する音を、布団の中でよく聞いていた。EF81形電気機関車の力強くうなるモーター音と、それに続く客車の長さを感じさせるカタカタという音に、夜汽車を連想したものだ。
もっと夜中、あるいは早朝にふと目を覚まし、EF81がひく貨物列車の音が聞こえたこともあった。EF510の貨物列車では、列車全体の車輪の音は聞こえるものの、機関車のモーター音は性能の違いによるのかあまり聞こえない。そのせいか、寝ている時は(耳に届いたとしても意識できずに)気づかないことが多いようだ。


・西日本の車掌
寝台特急「日本海」では、JR東日本エリア内にも、JR西日本(大阪)の車掌が通しで乗務していた。
見慣れた東日本の乗務員とは違う制服で窓から安全確認するのを見かけたり、乗った時は関西なまりの案内を受けたりして、長距離列車ならではの光景だった。
「トワイライトエクスプレス」でも、青森までは西日本の車掌が乗っていたそうで、トワイライト廃止によって、西日本の車掌さんは青森にはもう来ない。

今改正時には「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」でも他社区間へ車掌が乗り入れるのが廃止されたそうで、国鉄時代から続いていた、車掌の長距離越境乗務はなくなったそうだ。



新幹線金沢開業などについて、後日続くかもしれません。→こちら
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いぶりがっこポテチ/カルミン他

2015-03-15 20:33:12 | 各地お土産・食べ物
最近のポテトチップスは塩とかコンソメ以外に、いろんな味付きのものが期間限定・地域限定・店舗限定で発売されている。
個人的には、酢とかニンニクなどの味付けのポテトチップスが好きなので、たまに食べる。

何年か前から、東北地方各県ならではの味のポテトチップスが、カルビーから期間限定で出ていた。青森の味噌とかニンニクとかがあったはずだが、このシリーズはカルビーの公式サイトには一切掲載されていなかった。
3月9日から、そのシリーズ初の秋田県の味のものが発売されている。(青森の「スタミナ源たれ」味も出ていた)
ポテトチップス 秋田いぶりがっこ味 58g 321kcal
「オススメ! 東北の味」というシリーズ名らしい。
「秋田県に伝わる素朴な味わいを再現」とあり、裏面にはいぶりがっこの説明もある。パッケージは秋田市の竿燈まつりの絵。
検索したところ、埼玉県東松山市の「ポテトフーズ関東工場」製で、ジャガイモは十勝産らしい。

「いぶりがっこ」とは、秋田県内陸南部に伝わる、ダイコンやニンジンをいぶしてから漬けた漬物。(パッケージ裏面では「秋田県内陸部の伝統的な大根の漬物です。」としている。)
燻製のような独特の味わいがあり、秋田県外の人でも好む人が少なくない(嫌う人もいるでしょうけど)。

カルビーのホームページには一切、情報がないので、3月5日アップの朝日新聞デジタルより。
「東北と関東、甲信越地区のスーパーで販売する。」→コンビニでは売らないってこと?(カルビーではそういう販売場所の区分がされることもある)
「4月上旬ごろまで販売予定。」
「想定価格120円前後。」→この週末、マックスバリュでは84円で売っていた


いぶりがっこそのものをチップスにした「イブリップス」は、秋田県内の業者が製造販売しているそうだけど(食べたことはない)、ポテトチップスのいぶりがっこ味というのは、カルビーでは初めてだそうだが、それ以外でも初ではないだろうか。
袋を開けると、酸っぱいような、かつどこか燻製っぽいにおいがする。見た目は普通のポテトチップス。
味は、ちゃんといぶりがっこの味がする。

においと同じく、時々発売されて、個人的に好きな「フレンチサラダ味」のような酸味も、わずかに感じられる気がした。

原材料名欄を見ると、「ローストオニオンパウダー」があるのが意外。他には、「粉末しょうゆ」「かつおぶしエキスパウダー」「くん液」辺りが、いぶりがっこっぽい味の正体か?
「粉末大根」が入っているのが律儀。大根そのものの味もしているのでしょう。

いぶりがっこの味がもう少々強くてもいいと思ったけれど、強すぎてもダメなんでしょうかね。
いぶりがっこが好きな方なら、おおむね満足する味だと思う。いぶりがっこの味を知らない方には、「ポテトチップスの燻製」と思って食べたら、悪くはないのではなかろうか。
特段、秋田県内産の農産物とか県内企業の製品が使われているというわけではないのかもしれないが、秋田らしい製品ではある。



この場を借りて、大手メーカーのお菓子の話題。
明治(旧・明治製菓)の清涼菓子・タブレット菓子(錠菓)「カルミン」が、今月いっぱいをもって製造を終了するという。
もちろん知っていて、食べたこともあったけれど、このニュースを知るまで、存在をすっかり忘れていた。久々に購入してみた。マックスバリュでは62円。
スーパーによっては置いていない店もあったけれど、元から扱いがないのか、終売を知る客が買って売り切れたのか?
カルミン
パッケージに表記があるように、カルミンは94年前の1921(大正10)年発売開始。
商品名は「カルシウム」と「ミント」が由来で、同名の色素とは無関係。
原材料は「砂糖、植物油脂、ゼラチン、骨カルシウム、…」。
Wikipediaによれば、現在は明治のシンガポール法人が製造し、日本の明治が輸入している形だそう。包装では明治が「販売者」となっている。
内容量は24gとなっているが、15個入り。表が銀色・裏が白の紙でまとめて包んで、それに青緑地に赤と黄色で商品名が書かれた包装紙を巻き、さらに薄いフイルムで密封されている。
フイルムやバーコードなどは別として、基本的には長らく変わらないスタイルなのだろう。少なくとも僕が子どもの頃から。
 
久々に食べたので忘れていたけれど、開封のしかたを間違えてしまった。写真のように一気に全部開けてしまうと、食べ残しの保存が少々面倒になる。
端かららせん状に銀色の包装を剥いて、1個ずつ食べるのでした。
表面は少し光沢があり、中央がくぼんで、片面だけ「MS」の刻印。「Meiji Seika」?

久しぶりにカルミンを手にして食べた感想は、「1個が大きい」「味が薄い」ということ。昔(僕が子どもの頃)からこうであったはずなのに。
そう思った原因は、最近主流になっている清涼菓子のせいだと思う。ここ15年くらいで普及した、フリスクやミンティアなどは、ずっと小粒で味(刺激)が強い。ミンティアは50粒で7グラム。

カルミン製造終了の理由は明らかになっていないようだが、もしかしたら、昔は子どもから大人まで食べられていたカルミンが、新たな競合商品の登場で大人が買わなくなってしまったことが一因かもしれない。

90年以上売られているだけに、幅広い世代になじみがあるようだ。団塊世代の人は「小学校の遠足のおやつに持って行った」と話していた。
僕は、遠足には持って行っていないと思う。携帯性の問題。
上記の通り、カルミンは紙で巻いただけなので、食べかけの状態で持ち運ぶには難がある。
一方、同じ明治が昭和50年代中頃から発売している「ヨーグレット」「ハイレモン」は、カプセル薬のようなパッケージだし、1964年発売のカバヤ「ジューC」はフタ付きのプラスチックの筒。味も違うが、携行性ではこれらのほうが優れていると言える。(個人的には遠足はいつもヨーグレットだった)
カルミンの包装形態を変えて、時代に適応させようという動きにはならなかったのは、明治のこだわりでもあったのだろうか。

ずっと食べていなかったものが、なくなるからと騒ぎ立てるのは好きではないけれど、カルミンというお菓子が存在したことを、ここに記録しておきます。



3月で終わりといえば、ネスレ日本の缶コーヒーも。
大塚と提携して、同社の自販機で発売されていたものの、契約解除することになり、撤退することになったそうだ。
これも、ずっと飲んでいなかったけれど、学生の頃は西弘商店街かどこかに自販機があって、時々飲んでいたような記憶がある。

その頃は、明石家さんまがCMに出演していた。さとう珠緒と共演(1997年頃)したり。
商品名の「サンタマルタ」、「モンテアルバン」、キャッチコピーの「つこてる豆がちゃう。」、サウンドロゴの「♪ネスカフェの缶コーヒーネスカフェの缶コーヒー」なども、過去のものとなる。
【16日追記】ネスレの缶コーヒーは発売元が大塚。大塚がアサヒとの提携に鞍替えするため契約解除になった。ネスレが直接発売している、ペットボトルなどは継続発売されるそうだ。
※具体的にはこの記事にて
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行き先表示間違い

2015-03-12 23:49:34 | 秋田のいろいろ
3月9日、秋田の中央交通の公式ホームページのトップページに「南ケ丘線での方向幕の間違いについてのお詫び」が掲載された。(3月11日までは掲載されていたが、12日夜には削除されている)
※「方向幕」とは行き先表示のこと。かつては布やフイルムに印字した「幕」だったので、現場や愛好家の間では、LED化された今もそう呼ばれる。

その内容は、
その日、朝9時10分秋田駅東口発県営南ケ丘住宅行き(403系統・南ヶ丘線)の同社路線バスにおいて、方向幕を間違えたまま発車・運行。乗車できなかった客からの指摘を受け、15分遅れで代車を運行した。
原因は、運転士の誤操作であり、「今後は、全営業所に出発地での運行路線と機械の再確認を再徹底」する。
というもの。
※ホームページや以下の報道では「南“ケ”丘」と大きいケを使っているが、その由来であるニュータウンの名称は小さいヶの「南ヶ丘」が正当のようだ。「みなみがおか」という地名は存在せず「上北手百崎」「上北手猿田」の各一部。


翌10日付の秋田魁新報社会面でも「行き先誤表示 路線バス運行」とニュースになった。目立ちにくい位置だけど、それなりに大きい記事。さらに後追いで、11日付の朝日新聞秋田版でも報道。
報道で新たに分かった情報とその補足。
・誤って表示した行き先は「大平台三丁目」。
 →東口発着だとすれば大平台三丁目行きは422系統・横森経由桜ガ丘線。事象が発生した時刻近辺では9時30分発がある。
・南ヶ丘にある県立聾学校の生徒2人を含む、少なくとも4人が乗車できなかった。
 →聾学校の授業は始まっているであろう時間帯だし、登下校の時間帯には自前(3支援学校共通)のスクールバスが運行されているので、こんな時間の路線バスで通う人がいることが意外だった。専攻科生とか、学年末で時間割が変則的だったりして、遅い時間に学校に行く人なのだろうか。
・運転士(64)が、(行き先表示器設定器の)6桁の番号を間違って入力したのが原因。
 →間違ったというのは、「押し間違えた」のではなく、見間違い・勘違いなどで「別路線(大平台行き)用の番号を入れた」ということだろうか?
・代車のバスには10人ほどが乗車。
 →南ヶ丘線はこの後、夕方までない。残りの6人は他路線(9時30分発御所野行きなど)に乗るつもりで待っていたら、たまたま代車が来たから乗って、途中で降りた人だったのだろう。
以上は魁より。さらに朝日によれば、
・東口を「乗客が1人もいないまま出発」
・「(客が東口乗り場にある)案内所に連絡して発覚」
・「行き先表示や車内放送を制御する6桁の番号入力を誤った」 →この件は後述

東口発桜ガ丘線大平台三丁目行きの表示。当然、これでは南ヶ丘に行くとは思えない

これを知った第一の感想は「対応が早い!」。
ホームページには、発生当日の夜早い段階で掲載されていた。その日のうちにおわびと今後の対応まで外部に出すとは、この会社にしてはスピーディーすぎる。


あとは「少々仰々しい」。
このような間違いはあってはならないことだし、乗れなかった客にしてみれば不安や不愉快な気持ちにさせられ、場合によっては予定変更を余儀なくされただろうから、直接の謝罪は当然するべきだ。ただ、これほど大々的に外部に公表しなくてもいいような気もした。(その姿勢は評価するべきか)

昨年だったか、僕はこのバス会社の路線バスが誤った行き先表示で運行しているのを見かけ(見ただけで乗ってはいません。それに乗り損ねた客はいなさそうだったし、今回のように複数路線がからむ複雑な場所ではなかった)、その旨をバス会社側へ伝えたこともあったが、今回のような対応はなった。
また、この会社に限らず、この手の誤りは、全国各地で散発的に日々発生しているに違いないはず(後述)だが、ホームページや報道ではほとんど取り上げられないと思う。

今回は、車内放送が聞き取れず行き先表示に頼るしかない、耳の不自由な人が乗る路線であったから、特に大きな影響が出てしまった。
ひょっとしたら学校側などから公式な抗議があったのかもしれない。それを受けて、このような対応になったのかなと、勘ぐってみたり(あくまで推察です)。


そのほか、いろいろと詮索。 ※長ったらしいのでヒマで物好きな方だけ読んでください。
・朝日新聞によれば車内放送は?
中央交通の発表と魁の記事では辻褄が合っていたのだが、朝日新聞を見ると引っかかる表記があった。
朝日では「行き先表示や車内放送を制御する6桁の番号入力を誤った」としている。これは、「行き先表示」に加えて「車内放送」も「入力を誤った」と読み取れる。
それならば、車内放送も大平台三丁目行きが流れて間違わないと辻褄が合わない。
そうだとすれば、「行き先表示を誤った」という表現では不足で、「行き先表示と車内放送を誤った」としないとおかしい。

さらに、車内からは確認しづらい行き先表示だけを間違ったまま運行するのならともかく、運転士がバス停通過に合わせて進めていく車内放送を間違ったまま、正しい経路で運行するというのは考えにくい。
南ヶ丘線と桜ガ丘線は、東口を出てすぐ次のバス停からまったく別の経路を走るので、いくらなんでも延々と違うバス停名を流しながら運行できるだろうか。

とすれば、路線自体を間違った。つまり、南ヶ丘線を運行するという自覚がまったくなく、桜ガ丘線を運転するのだと思い込んで、行き先表示も車内放送も運転経路も全部桜ガ丘線でやってしまったというのなら、まだ話は分かる。でも、それだと「行き先表示を誤った」では済まされず、「行き先表示も放送も経路も誤った」言い換えれば「南ヶ丘線を勝手に運休した(そして桜ガ丘を勝手に増便した)」ということになってしまう。

中央交通と魁が過小に伝えているのか、朝日が事実と異なる余計なことを書いてしまったか、どちらかになる。
ただ、朝日のほうが正しいとすれば、その朝日自身が「行き先表示しか間違っていない」と受け取れる表現を見出しや他の文でしているから、朝日自身の記事の中で矛盾してしまっている。ということで、朝日が間違っているように感じられる。
以下、中央交通の発表と魁の記事に従い、「行き先表示のみを間違えた」ということで話を進めます。

・乗り場は?
ホームページや報道では取り上げていないが、東口の乗り場は、南ヶ丘線は2番、桜ガ丘線は1番と隣同士だけど別。
運転士がどのように勘違いして、どちらの乗り場でドアを開けたのかにもよるが、どうだったのだろう。
行き先表示が「大平台(桜ガ丘)」で2番に入ったのなら、その時点で客から指摘があっても良さそう。
1番に入ったのなら、行き先表示だけでなく、全部(車内放送や走行経路も)間違わないと、これまた辻褄が合わなくなる。

・桁数が多い!
行き先表示は、運転席の設定器に路線・行き先ごとに決まった番号を入力すれば、前・側面・後ろとも切り替わる。
報道によれば、その桁数は6桁だそうで、思っていたより多い。これでは、入力を間違えたり、よく確認せずに思い込みで打ち込んだりする運転士が出てしまいそう。
昔は、ビデオ録画予約の「Gコード」というのがあった。最大8桁で、間違うととんでもないチャンネル・時間で予約されることもあった(エラーになることのほうが多かったはず)。ほかには通信カラオケの曲番号は6桁くらい。録画予約やカラオケは、画面でその結果が表示されるが、バスの行き先表示では、その場ではどう表示されるか(車外で見ない限り)確認できない。

かつての秋田市営バスのフイルム式の行き先表示では、数字は3桁だったはず。行き先表示の種類(コマ数)は200弱ほどだったと思う。
中央交通のLED行き先表示では、秋田市内のほか、男鹿、五城目のローカル路線や、受託しているコミュニティ路線の表示も全車両共通で表示できるようだが、それだって1000コマには満たないだろう。
機器の仕様上6桁にしかできないのかもしれないが、3~4桁に減らしてやれないものだろうか。

・自動化は?
以前述べたように、中央交通などの路線バスの運転士は、始発点で行き先表示、車内放送、運賃表示器の3つを、その路線・系統用のものにそれぞれ設定しなければならない。3つのうちどれかを間違って設定しても、今回のように気づかずに運行が続く危険性がある。

進んだバス会社では、始発点で1つの装置(放送用設定器)にだけ設定すれば、他の装置も連動して切り替わるシステムを採用している。運転士自身が耳にする車内放送を間違えたまま運行を続ける可能性は低いから、間違いは減るだろうし、運転士の労力軽減にもなる。
追加投資は必要だし、機器どうしの相性があって場合によっては取引メーカーを変えないといけないのだろうが、中央交通においても、その検討が必要ではないだろうか。
「再確認を再徹底し、再発防止に努め」るのももちろんだが、現場の運転士の負担と間違いを根本から減らして再発防止につなげることも、会社として考えるべきだと思う。

・電車のように
とは言っても、基本は目での確認だろう。
行き先表示は、車内で運転席に座ったままで設定ができてしまう。昔の幕式の時は、車内側から確認できる覗き窓があったが、LED式では物理的に不可能。
だから、車内にいては外でどう表示されているか、お客にどう見えているかは分からない。設定は正しくても機器が故障している場合も考えられるから、最終的には車外に降りて自分の目で確認するのが確実ということになる。

鉄道会社では、運転士や車掌がホームに降りて、行き先表示器を指さして確認するのを見かける。
路線バスでは、行き先表示の切り替えが頻繁で、折り返し時間がなくて難しいところもあるとは思うが、同じような気持ちを持ってほしい。


・他のバス会社では?
ここで、中央交通以外のバス会社のこと。
個人的には、弘南バスで行き先表示が違っているのを、わりと見かけている。これには理由がある。
弘南バスの幕式の行き先表示は自動停止ではなく、運転士が覗き窓から見ながら巻取り機のスイッチを操作して変える方式。だから、表示を変えるのに時間と手間がかかってしまうのだ。(もちろんLED式では、番号を入力する他社と同じやり方)
折り返しに時間がない場合などは、忘れて(中にはわざとやらなかったり?)しまう場合があるのだろう。


ところで、ポータルサイトのニューストピックスのようなところに、路線バス運行に関する不祥事が掲載されることがたまにある。
どう見てもひどい行為(法律違反・犯罪行為とか、客に暴言を吐いたとか)は別として、道を間違えたとか。
この手のニュースで、よく目にするバス事業者に、「名古屋市交通局(名古屋市営バス)」があるような気がしていた。※名古屋市営バスの先日の乗車記

そんなに名古屋の市営バスは問題を抱えているのかと思いがちだが、そうではないと考える。
名古屋市交通局が積極的に問題事案を公表していて、それにマスコミが飛びついているのが実情なのではないだろうか。

交通局ホームページで「市バス・地下鉄の事故・トラブル件数」として、毎月の件数が公表されている。
「情報開示のスピードを速め事業運営の透明性を高めること、また、職員の安全輸送に関する意識を一層向上させることにより、市営交通の輸送の安全に対する信頼構築を図るため」だそう。
事故のほかに「トラブル」として、道を間違えた「路線誤認」、時刻表より早発もしくは遅発した「ダイヤ誤認」、「バス停通過」そして「方向幕誤掲出」などの事案別に集計されている。
名古屋市バスの一部は民間会社に業務委託しているので、そこで起こった分もカウントしているのだろうか。だとすれば、「職員の~」というのは不適切になる。

「方向幕誤掲出」の場合、どの程度まで対象となるのか(始発点で発車間際に気づいて修正したような場合はカウントするのかとか)などは分からないが、今回の秋田の事案のようなものは明らかに含まれてしまうだろう。
名古屋市営バスの方向幕誤掲出は2013年度は88件、今年度は1月までに72件起きている。
それに比べれば、中央交通はわずか1件。立派じゃないか! というわけではないでしょう。もっと発生しているはず。
※バスの台数で比較すれば、名古屋市営バスは中央交通の3.5倍ほど。

ちなみに、名古屋市では2013年度に路線誤認が218件、バス停通過は131件発生している。
個人的には、秋田では(市営バス時代も含めて)、バス停通過事案のほうが多そうな気がしますが…

ほかには、前払い均一運賃の名古屋市営バスでは発生し得ないトラブルだが、「整理券番号の間違い」「運賃表示器の表示ミス」も考えられる。場合によっては、本来より高い運賃を知らずに支払わされることになってしまう。
僕は、秋田市営バス、中央交通、弘南バスいずれでも、複数回遭遇している。(運転士が気づいて訂正してくれた場合も複数あり)

中央交通でも、名古屋市のように公表しろとは思わない(社内で集計はしたほうがいいかも)し、名古屋市もやり過ぎなようにさえ思えるのですが…


とにかく、路線バスはいろいろな人が乗るものである。
南ヶ丘線だから問題になったような報道をしているが、南ヶ丘以外でだって同様の問題になる。高齢者とか旅行客とかが類似の問題に巻き込まれる可能性もある。今回のことのみを取り立てて騒ぐのではなく、広い視野で、現状の課題の把握と改善に努めてほしい。
客に接する運転士はもちろん、現場任せにせずに経営者を含めて全社一丸となって、誰もが迷わず困らず乗車できるように努力をお願いしたいものである。
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駅前ビル再建?!

2015-03-11 19:19:40 | 秋田の地理
東日本大震災から4年。
この1年間では、相変わらず何も変わっていない。被災地の復興はもちろん、全国的に次の大地震や噴火が起こったらどうするのか、もう少し備えをしたほうがいいと思う。

今年の3月11日は厳しい寒波が襲来し、秋田市は4年前よりも厳しい、真冬同然の天候となった。
積雪は4センチほど、風は15m/s程度(最大瞬間風速31.6m/s)で、朝は道が真っ白かつ吹雪で見通しが効かず、秋田市で3月にこのような天気になることはまれ。
早く咲いたツバキの花に雪




秋田駅西口の北側で「秋田駅西北地区区画整理事業」が行われている。
2011年に概要を紹介したように、北側(脳研センター裏の崖下)から秋田駅前の広小路へ至る一方通行の道路を拡幅して、対面通行になる。

それによって、広小路と交差する交差点部分も拡幅されるので、秋田フォーラス西側の建物が解体されて、跡地が道路になると思われた。
一方通行路に面する西側のパチンコ店「リボン会館」と、その東隣(フォーラスの西隣)の「秋田駅前ビル」の2つが、順次解体された。※前回の記事

後から解体された秋田駅前ビルも、完全に姿を消した。
広小路から。右奥が駅

(再掲)解体前の2つの建物

秋田駅前ビル解体によって、フォーラスの外壁の隠れていた部分が見えた。
汚い!
フォーラスの北西側の外壁が外から見えている部分は、1年前にきれいにされたけれど、秋田駅前ビルに隠れた部分は手付かずだったので、光線状態によっては汚れが目立つ。
上の写真、左手前のベージュ色っぽい壁が、昨年リニューアルされた外壁。


秋田駅前ビルの解体は2月中旬には終わった。
あとは道路にするはずだから、仮囲いを外して柵でも立てておいて、わびしい更地ができるだけかと思っていた。
しかし、囲いはそのままで、中に重機がいたりして、なかなか片付きそうにない。何をやっているんだ?

今日、更新された「日刊 秋田建設工業新聞」のサイトを見て、びっくり。
「秋田駅前ビル建設=秋田駅前ビル観光(株)=長谷駒組の設計施工で来月着工」(http://www.akks.co.jp/blog/2015/03/311-82c2.html)。
「秋田駅前ビル観光株式会社」が「旧リボン会館跡地と秋田駅前ビル跡地に物販・事務所等の複合ビル」を「鉄骨造5階建て、延べ床面積820.18平方メートル」で建設、4月1日着工(多少遅れる見通し)、12月中旬完成だという。
つまり、ほぼ同じ場所に、新しい「秋田駅前ビル」が建設されるのだった!

まさか道路拡張の話がなくなったわけではないだろう。
おそらく、解体された2つの建物の跡地全部が道路になるのではなく、道路にならない余ったスペース分に建てるということか。

2011年の最初の記事で紹介した予想図では、フォーラスのすぐ西側、秋田駅前ビル部分に道路ができるように見えていたから、2つの建物がなくなって、跡地全部が道路になると思い込んでしまっていたが、違ったようだ。
駅前の目立つ場所だけに、帰省した人などが「この土地はどうなるのか?」と疑問に思って検索して当ブログを見ていただいたり、ツイッターで紹介していただいたりしたこともあった。結果的に不正確な情報を提供してしまって、すみません。

ただ、区画整理をやっている秋田市にしても、ビル所有者にしても、多くの人が目にする場所なんだから、現地に「ここはこうなります」という看板を立てるくらい、やってくれてもいいんじゃないでしょうか…(反対の北側には市が看板を設置している)

一方通行路北側から。左右が広小路で左が秋田駅。ここの光景はさらに変化する

(再掲)リボン会館解体直前の同じ位置

フォーラスがこちら側の外壁をきれいにしなかったのは、こうなる(新たにビルができて、また隠れてしまう)ことを見越していたのかもしれない。
道路ができることを考えれば、新しい秋田駅前ビルの建設スペースは、それほど余裕があるわけではなさそう。真上から見ると真四角でない、三角形みたいな形状のビルになったりして。
それに以前はおそらく4階建てだった秋田駅前ビルは、ローソン、居酒屋、消費者金融(末期には退去)などがテナントだった。それが5階建てになったとして、テナントが埋まるだろうか。ローソンは近くに移転したし、居酒屋や消費者金融が戻って来るのか?

【17日追記】15日頃までに、現地に「建築計画のお知らせ」の看板が設置された。
【6月11日追記】6月上旬時点では未着工。ただし、6月5日頃に仮囲いが撤去され、木の棒による囲いに変わった。【7月10日追記】「建築計画のお知らせ」は撤去された。
この記事後半へ続く
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通町の穴

2015-03-09 23:47:16 | 秋田の地理
時折ためになる秋田の話題を提供してくれる、秋田朝日放送の土曜朝のローカル情報番組「サタナビっ!」の7日放送分から。
視聴者からの街中の疑問を調べる「サタナビっ!調査班」は、「通町の謎の穴」について。
今回は樋口暁子さんの担当。
ちなみに、樋口さんは、フリーアナウンサーと呼ぶべきかローカルタレントと呼ぶべきか。秋田市出身の方のようで、最初はNHK秋田放送局の契約キャスターだった。(当時はまだ「アシスタント」と呼んでいた頃?)


調査依頼は、「秋田市の通町にある謎の穴は何?」というもの。
※ここで言う「通町」とは通りや商店街の通称・名称。所在地としては保戸野通町と大町一丁目の各一部であり、穴は大町側にある。

通町の一角の車道と歩道の境に、ハマナスなどが植えられて小公園風になっている土地があり、そこに軽自動車よりちょっと小さい(?)サイズの四角い穴に、グレーチング(格子状の金網)でフタをしたものが、3つ×2列の計6つ並んでいる。
(再掲)向かい側の信号柱の下付近に穴がある。植え込みに隠れて車からはあまり見えない

上の写真の反対側から。右の植え込みの中の1段高い部分が穴

Google航空写真より。赤矢印から左下に向けて6つ並ぶ四角が穴

番組内では(迷ったり悩んだりすることなく、いきなり?!)秋田市建設部道路維持課に電話で問い合わせ、(奇跡的にタイミンが良いことに?!)「ちょうど今日、業者さんが点検をするので同行していいですよ」と承諾を得て、現地で業者の人に説明を受け、穴の中へも入った。


結論を言ってしまいますが、正体は「歩道の融雪システムの心臓部」。
歩道の雪を融かす装置(ロードヒーティング)のための「空気熱源ヒートポンプユニット」の吸排気口だった。6つのうち2つが吸気用(上の航空写真で右上と左下のはず)、残り4つが排気用とのこと。
点検用出入り口も兼ねていることになるが、穴の中にグレーチングでできた階段が続いていた。(地上からも覗けば見る)

僕は依頼内容を聞いた段階で、場所は想像が付いた。
穴の役目は「ライフラインか何かの何かのための…」程度の認識だった。分かってよかった。


番組では、最初から秋田市役所に問い合わせていたが、僕はこのことが意外だった。
司会のZENさんだったか、VTRを見ている時に「(問い合わせ先は)市役所でいいの?」と言っていたけれど、それと同感。

一般に、道路の融雪装置は道路管理者の管轄。
実は通町の商店街の道路は、秋田県道と秋田市道に二分されている。
東側の通町橋から300メートル強付近の「菊谷小路(きくやこうじ)」と交わる交差点までが県管轄(秋田県道233号線)で、そこから西側が秋田市管轄。
※県道は交差点で終わるのではなく、北へ曲がって菊谷小路が引き続き233号線。
この穴があるのは、県道と市道の境となる交差点(神田線添川線が曲がる所。横断歩道は2011年秋からスクランブル化)に面している。
Googleマップより。交差点右下の緑色の部分に穴がある
穴の場所は交差点南東角、すなわち県道側だから、穴は県のものだと思っていたので、市に問い合わせたのが意外だった。

テレビでは、その穴が関与した融雪装置が設置されている範囲(=市管轄の融雪装置設置区間)が図示された。
こんな図だった。赤が秋田市管轄の融雪装置設置区間
それによれば、西側の市道全域はもちろん、県道側でも穴がある周囲も含まれていた。南側の道路(旧町名の亀ノ町側)も市道なので、その一部という位置付けで市管轄なのだろうか。

県道側の融雪装置については言及がなかったが、他に穴はないはずだから、穴がなくてもいい方法なのでしょう。
他の秋田市道でも、同様の穴がある場所は知らない。ここが特殊な方式ということなのかもしれない。



ちなみに、穴ができた(融雪装置が設置された)のは15年ほど前。通町の道路拡張工事が行われた時。
それ以前は、道が狭かった(主に歩道)のはもちろんだが、交差点が今のようなきれいな十字路ではなかった。
以前は交差点の南北方向の道は一直線ではなく、ずれて交わっている、城下町特有のカギ型の形状の交差点だった。

一直線にする工事のやり方としては、南側(竿燈大通り、旧・亀ノ町方向)の道路を西(大工町)側に広げて道路にするもの。以前、そこには小さなスーパーのようなお店(「たんけんぼくのまち」でチョーさんが住み込んでいそうな)があったのだが、そこがなくなって道路・交差点の一部にされた。
その結果、以前は道路のど真ん中だった、南側の道路の東側は空きスペースができて、そこに穴が造られたわけだ。
ストリートビューより。南側から交差点を見る
竿燈大通り方向からこの交差点に差しかかると、道路が左に緩くカーブしてから交差点に入る。これが、以前の道路形状の名残。
以前は、正面の穴のある植え込みの位置をほぼまっすぐ交差点に入り、先の菊谷小路はやや左前に続いていた。
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ゆっくりと新幹線

2015-03-08 00:10:15 | 旅行記
名古屋(前回の記事)を後に新幹線を乗り継いで秋田への道中。
行きは、あまり良くない天候の中を、E6系こまち・N700系ひかりと乗り継いだ。
帰りはその逆ルートだが、天候と乗った車両・列車は違った。

まず、天候は良好。先日アップした通り富士山が良く見えた。
行きは鉛色だった浜名湖も、
いい天気
駅弁について

以下、行程や車両について。
名古屋から在来線で豊橋まで行って、そこから各駅停車の「こだま」号でのんびりと。
なお、同行者にこの行程を強いるのは申し訳ないので、午前中に名古屋でいったん解散、夜に仙台で再度合流することにして、自由行動とさせてもらった。

以前も触れた通り、「こだま」の自由席である最後尾1号車はガラガラ。
車内
少々地味なような落ち着いたような車内。
これは、JR西日本所有の700系だから。
在来線の車両でも同じ傾向だけど、JR西日本の内装は地味なものが多い。
東海道新幹線~山陽新幹線を走る車両は、JR東海とJR西日本が同じ形式を保有し、基本的に区別なく混ざって運用される。乗り入れ分の運賃・料金精算を省くため、車両で按分して相殺する意図だろう。
700系16両編成の場合、3分の1ほどがJR西日本所属。

700系普通車の座席は、JR東海車ではグレーがかった水色(実際には色の違うダイヤ形を組み合わせた鱗のような柄)。
JR西日本車は、このようなネイビーブルーというか紺色に近い青色で、細かい格子状の線と濃淡がある。
テーブルの裏側も紺色(JR東海車ではグレー)。表面(物を載せる側)はベージュ色
JR東日本などでは、まずやらないであろう色づかいで、国鉄時代の特急をも連想させる。落ち着いていて嫌いじゃない。

他にも、床の色・柄も違うかな?
また、車内放送のチャイムが東海車は「AMBITIOUS JAPAN!」、西日本車は「いい日旅立ち・西へ」。
さらに、西日本車では先頭車側面に、
「JR700」と表記

向こうの700系は東海所属らしく「JR700」表示がない


順調に東海道を東へ進み、間もなく品川。
日本語に続き、「Ladies and gentlemen, …」と英語の自動放送が入りかけた時、それが突然中断され、車掌が肉声で「ご案内の途中ですが、ただいま列車内の…」と放送。
今まで経験がないことで、何事かと身構える。

「ただいま、列車内の一部の車両において、停電が発生しております。お手洗いなど水回りも使用できない車両があり、ご迷惑をおかけしております。復旧までしばらくお待ちください」と続いた。
列車は通常通り品川に停まりそうな走り方で、走行不能になって急減速するとか緊急停車するような雰囲気ではない。我が1号車では何の異常も見られないし、熱海などから乗ってきて少し増えた他の客も落ち着いている。

放送の状況からすれば、編成内の一部の補助電源装置が故障したのだろうか。
こんな事態に遭遇するのは初めて。(真冬に暖房が使えなくなったキハ58とか、冷房吹き出し口から雫が落ちる485系には乗ったことがあるけど…)
昼間で明るく、終点が目前だけど、薄暗い客室で水が使えない車両があるままで走り続けるのだろうか。遅れが出たら乗り継ぎに支障が出ないか、少し不安になる。
そのまま品川を停車・発車。
東京到着前に、改めて車掌から説明とおわびがあった。結局復旧しなかったようで、停電したのは10号車から12号車だったとのこと。グリーン車と普通車指定席になっている車両。(ちなみに「B13編成」でした)
その分、東京駅の乗り換え案内はカットされてしまった。おわびを放送した車掌も、途中駅で乗り換え案内を入れていたのとは別の人だった。
当該車両の乗客や車掌さんたちは大変だったのかもしれないが、他の車両の我々は何事もなく東京駅に到着。


後は乗り換えて秋田へ向かうだけだけど、ここでもストレートには行かないことにした。
次の秋田行きは東京17時20分発の「(はやぶさ・)こまち29号」。
その前に盛岡行きの16時56分発「はやて113号」があり、こだまから乗り継ぎ可能。

仙台までの停車駅は、はやてもこまちも同じ。
速度は先発の「はやて」のほうがやや遅いので差は詰められるが、仙台にははやてが18時37分着、こまちが18時54分発なので、仙台で充分乗り継げる。(はやて113号は仙台から各駅停車になり、一ノ関で抜かれて盛岡には後に到着するため、盛岡では乗り継げない)

そこで、東京→仙台をはやて113号、仙台→秋田をこまち29号に乗車することにした。
新幹線は改札を出なければ通しの特急料金で計算されるし、「えきねっと」予約のポイントは1列車ごとに付与されるので倍(+50円相当※2月からは変更)になる。

さらに、今回のケースでは、全区間「こまち」に乗った場合と比べて、特急料金が300円安くなった。なぜなら…
以前から何度か書いたように、「はやぶさ」やE6系化後の「こまち」の盛岡以南では、“速い分の加算料金”込みの高い特急料金が適用されている。
秋田(正確には盛岡)-仙台では210円、秋田(同)-大宮~東京では510円が加算される。
盛岡以南から乗る場合は列車が選べるからいいとしても、秋田・青森など盛岡以北から通して乗る場合は、選択の余地なく高い料金を払わされるのが、いまいち納得いかないでいた。

乗車区間のうち一部区間だけ割増料金適用の列車に乗る場合は、その区間分だけ割増料金が適用される。(当然ですが)
今回の乗り方では、仙台から先(仙台-盛岡)だけに加算されるから210円の加算で済んだ。
使用した特急券。金額の上に注目
特急券の券面には「HS:仙台→盛岡」とある。これが加算料金の適用区間を意味するのだろう。「High Speed」の略かな?


はやて113号は今や懐かしい気持ちになってしまう、E2系電車。
お客はけっこう乗っていて、今回の旅行で乗った列車の中でいちばんの乗車率。運良く2人掛けの隣には人が来なかった。
仙台までなら、「はやぶさ」とほとんど同じ所要時間で、310円(大宮以南-仙台の加算額)安く乗れることを知ってか知らずか、仙台で降りる人も多かった。
仙台到着前の連絡列車の案内では、僕が乗り継ぐはやぶさ・こまち29号の案内もされたけれど、同じように乗り継ぐ客はいただろうか。
仙台では「はやて」の15分後に「はやぶさ(とこまち)」。この先、一ノ関ではやぶさが追い越し、盛岡に17分先着するダイヤ
今回は上手く利用させてもらった形だが、このようにわずかな時間差で同じ停車駅なのに、加算料金が発生しない列車と発生する列車を続行させるというダイヤ設定も、いまいち理解できない。
一方で、時間帯によっては、盛岡-仙台間で各駅停車かそれに近い停車パターンの「はやぶさ」も運行されていて、それに乗っても加算額を取られることになる。
多くの乗客は数百円の加算料金など気にしていないのかもしれないし、宿泊込みのパックや割引きっぷなどトータルで考えればほとんど差はないのかもしれないが、僕はしっくりこない。

というか、10年ほど前の八戸開業の頃は、最速達列車として1時間に1本運行されていた「はやて」だが、現在は1日に3.5往復(東京-盛岡)しか運行されなくなっていたのに驚いた。1年前のダイヤ改正で、「はやぶさ」に取って代わられてしまっていた。
「はやて」は、最速達列車「はやぶさ」と停車駅が多い「なすの」「やまびこ」の中間の位置付けの列車だから、東海道新幹線で言えば「ひかり」に相当しそうだが、東北新幹線の輸送量や需要では必要がないのかもしれない。
なお、1年後の北海道新幹線の函館開業時には、盛岡・新青森-函館の列車名が「はやて」になることが決まっている。ということは、今回乗った東京発着の「はやて」はなくなるのだろうか。(来週のダイヤ改正では、そのまま残る)



朝に発生した停電の影響(による車両運用の乱れ)を引きずったらしく、やや遅れて仙台に到着した「こまち29号」は、降りる人はあまりおらず(はやぶさ側は不明)、車内もガラガラ。無事に同行者と合流できた。
あとは夜の東北新幹線・田沢湖線・奥羽本線を走って、
細かい雪が降りしきる秋田駅に到着(E6系に初乗車した時の「Z4」編成だった)

秋田-名古屋間を早い列車を乗り継いだ行きは6時間かかった。
ゆっくりと移動した帰りでも、8時間。特急料金は、豊橋から乗ったので760円、はやて利用で300円、それぞれ安くついた。


新幹線に関して、細々としたこといろいろ。
●1世代前と比較
行きに乗った、東海道新幹線N700系。内装は700系と違って、保有会社による差はほとんどないようだ。
窓の小ささと座席の明るい青が印象的
E6系と比べると、座席の背もたれがやや低く(開放的に感じて悪くはない)、PETボトルホルダーがないといった違い。

最新型であるこまちのE6系とN700系に乗って、乗り心地は共通するものがあると感じた。
その時はよく分からなかったが、帰りに1世代前の700系やE2系に乗ってみると、E6系とN700系の乗り心地が良いことを実感した。

1世代前の車両も悪くはないが、カタカタという小刻みな振動や、「ゴリゴリ」「しゅーん」というちょっとした音が発生していた。最新型の車両では、それらはほとんど感じなかった。


●車内放送
車掌が肉声で放送する内容は、会社や車掌区によってけっこう違う。今回耳にしたもの。
・東海道新幹線で「座席前のテーブルに、ノートパソコンなど高さのあるものを置く時は、前の客がリクライニングしてきてぶつかることがあるから注意するように」というのがあった。初めて聞いたけれど、たしかにそうだ。

・東海道新幹線では、名古屋など降車客の多い途中駅の到着前に「降りる時は、次の客のために使ったリクライニングを元に戻すようご協力を」という放送を以前からよく耳にしていた。
今回は、東北新幹線(はやて)でも仙台到着前に言っていた。前にも聞いたことはあったが、東日本ではあまり聞かない内容ではないだろうか。

・東海道新幹線「こだま」は、ひかりやのぞみに追い抜かれるため、ほとんどの途中駅で5分前後停車する。(熱海など構造上追い抜きできない駅はすぐ発車。名古屋、新横浜など主要駅も短め)
そういう駅の到着前の放送では、乗り継ぎ列車の案内の後「○○駅の発車時刻はx時xx分です」と言うことが多い。(「何分間停車する」という表現は使わないようだ)これがあれば、次の駅でホームに出て弁当でも買おうかという目安になり、助かる。

ただ、長く停まる駅でも、言わない場合もあった。
今回は、静岡では言わなかった。時刻表(分単位)上、静岡は4分停車。他の時刻の案内があった駅では5~6分停まっている。ということは、5分以上停車する時は発車時刻を案内することになっているのだろうか? むやみに客に途中駅のホームに降りられると、乗り遅れや置き引きを誘発させる恐れがあって、積極的に案内したがらないのかもしれない。
(そんなに降りたいのなら、自分で事前に調べるなり車掌に直接尋ねるなりすれば済む話ではある。下車時は貴重品は身に付けて)

・行きの旅行記の通り、東海道新幹線下り(ひかり・のぞみ)では、三河安城駅通過時に「定刻で運転中で、あと10分で名古屋に到着する」という放送が定番。
帰りのはやぶさ・こまちでは、「新花巻駅を4分遅れで通過しました。あと6分で盛岡に到着します」という放送が珍しく入った(はやぶさ側車掌による、こまち側も含めた一括放送)。遅れていたからか。


●文字情報
客室内通路ドアの上の文字情報について。
・ニュースの内容は、東海道新幹線と東北新幹線で、まったく同一の文面だった。提供元の新聞社が同じで、タイミングが同じならば当然だけど。

・駅を通過する時、駅名が表示される。
東海道新幹線では「ただいま 静岡駅を通過。」、東日本の新幹線では「ただ今 雫石 付近を走行中です。」という文面。(スペースは東海道は全角、東日本は半角)
表示されるタイミングも、東海道のほうが早く、駅のホーム端に入った時には既に表示されていて、東日本では、ホームの中央付近から通過後にかけて表示される感じだろうか。

・フォント
表示装置の書体。
E2系などJR東日本の古い車両は、ドット数が少ない粗い文字。E6系でも2行表示になるとその文字。

700系やそれ以前の東海道新幹線では、
この書体
シャープのワープロ「書院」の初期の24ドット印字の機種で使われていたフォントだ。「jiskan24」だろうか。
昔は広い分野で使われていたようだが、僕はこの書体を見ると、初期書院と東海道新幹線を連想させられる。

(再掲)E6系の文字
大型フルカラー表示である、E6系(E5・H5系やE7・W7系も同じなんでしょう)とN700系は同じ書体。東海道山陽と東日本で書体が揃った。
平成書体になる前のNEC「文豪」のフォント?【2018年11月4日補足】そうじゃなくて、このフォントこそ平成明朝体?【2022年10月19日訂正・やはり、平成明朝体になる前のNECワープロの文字だと思う。】


●桃と赤
仙台駅ホーム床面の乗車位置案内。
E3系とE6系が並ぶ
左下に「桃」と「赤」と背景色名が、なぜか表示されている。※2022年の福島駅にも同じものがあった。
元「こまち」のE3系の一部は今も東北新幹線内(盛岡以南)限定で「やまびこ」「なすの」として運用されている。ダイヤ改正後はどうなるだろうか。
また、一部が上越新幹線の観光列車「GENBI SHINKANSEN」に改造されることが明らかになった。

※旅行記の続き(お土産編)はこちら
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