広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

井川町のバス停

2022-08-30 23:02:14 | 秋田のいろいろ
2020年9月の秋田県井川町。前回の井川橋に続いて、今回はバス停。

東西に長く・南北に短い形の井川町。西側をJR奥羽本線と国道7号が並んで南北に貫いている。
奥羽本線には、井川町唯一の鉄道駅として1995年12月に開業し、当時は斬新な駅名としても話題になった井川さくら駅がある。
駅名標
おそらく開業時から替わっていない駅名標。モリサワ「新ゴ」の細いフォント。
当時のJR東日本秋田支社では、駅名標のフォントにあまりこだわりがなかったようだが、当時新ゴを採用したのは斬新だったかも。現在はJR東日本全体で新ゴが標準書体になっているが、もっと太いウエイト。でも、この細さでも視認性は悪くないと思うし、すっきりしていて良いのでは。隣の羽後飯塚駅にも、同じ仕様の駅名標がある。

路線バスは、秋田駅西口~五城目バスターミナル間の秋田中央交通 新国道経由五城目線が通り抜ける。
かつては、国道7号経由で、八郎潟町内を経て五城目へ行っていたが、2020年4月から東側の国道285号経由に変わっている。
285号上の「坂本入口」
↑後ろの標識の通り、ここの地名がすでに「坂本」だが、坂本の集落はここから入った所にあるという意味で「入口」なのだろう。中央交通では、285号経由のことを「坂本経由」だか「坂本入口経由【31日修正・抜けていた「経由」を追加】」だかと表現することがあった。

285号上の「国花苑前」
285号区間のバス停は、中央交通伝統の「バスで行こう」のフレーズ入り。
ここのバス停は、2020年の経路変更時に新たに置かれたもの(ストリートビューでそれ以前はなかったのを確認)で、バス停名を上貼りした転用品。
秋田市内では市営バスタイプへの交換が進み、「バスで行こう」は減る一方(2020年秋時点でも少なくなっていた)なのと対象的。

なお、井川さくら駅の「さくら」の由来である日本国花苑は、駅から歩いて行けなくはないが、近くはない。
【31日追記】2022年の花見シーズンには、中央交通が自社ホームページに「国花苑へのお出かけは五城目線利用が便利」の旨の情報を時刻表付きで掲載し、珍しく商売っ気を出していた。

ところで、井川さくら駅のロータリーにバス停があった。駅は国道7号に面しているのだが、そのバス停は路上ではなくロータリーの中。
「井川さくら駅」バス停
バス停名はスーラ。さらに「バスで行こう」が手書きでなく新ゴなので、バスで行こうの中では新しい部類。=潟上市内に同タイプがあった。

上記の通り、今は路線バスが通らなくなったはずの井川さくら駅前に、バス停がある。上部の社名表記は、中央交通の子会社「秋田中央トランスポート」と書いてあったのを、消した痕跡。そして、時刻表が掲出されていない。ナニモノ?

実は町が「井川町町内巡回バス」なるものを運行していて、それ用のバス停らしい。
町のサイトやWikipedia以外には、情報が少ないのだが、かつては中央交通「井川線」が走っていたが廃止となり、代替として2008年秋から運行されている。
誰でも乗車でき(下記の通り一部制限あり)、運賃は無料。バス停に関係なく、フリー乗降。
町内を定時定路で運行するのが基本だが、八郎潟町の湖東厚生病院や五城目高校、五城目バスターミナルまで行く便もある。町のサイトには、町外まで行く「便については、町外の方はご利用できません。」とある。中央交通五城目線やJRへの影響も考慮すれば、町民限定のサービスとするのは理解できるが、その言い回しでは町民以外が「町外まで行く便を、町内の区間だけ乗る」こともできないようにも解釈できる。実際はどうなのだろう?
車両は自家用中型の「さくら号」、マイクロの「ゆうゆう号」の白ナンバー2台体制。運行業務は、秋田中央トランスポートへ委託しているらしい。なお、これとは別の車両で、町立井川義務教育学校のスクールバスも、トランスポートへ委託している。

そんなわけで、法令で定められた「路線バス」ではないので、バス停に時刻表を掲出する義務はないのだろう。にしても、せめて駅前くらい、もうちょっと説明があってもいいと思いますが。
※井川さくら駅の業務は、町役場へ委託されているので、駅窓口で尋ねれば教えてはくれるでしょう。【31日補足・簡易委託駅なので、きっぷ販売のみ行っている形だが、この辺りの“風習”で、係員が列車到着時の集札も行う。ただし、井川さくらは駅の構造上、上り列車のみ集札。また、発車時に係員が、列車? 乗務員? に向かって丁寧に頭を下げるのは、井川さくら駅の“伝統”のようだ。】


町道の井川橋の近く、JAあきた湖東の前にも、巡回バスのバス停。
「農協前」
これは古くからのバスで行こう。支柱(フレーム)がオレンジ色。潟上市マイタウンバスで見られるが、秋田市内ではかなり少なかったと思われる。

巡回バスを使って、井川さくら駅~国花苑を行き来できるようだが、観光目的で使えるダイヤなのかは未確認。また、国花苑周辺の国道285号上には、それ用らしきバス停はなさそう(フリー乗降だからなくてもいいのだが)だった。


井川さくら駅の南隣は、わずか1.4キロで潟上市の羽後飯塚駅。その潟上市マイタウンバスは、駅前には入らず、駅前の道(ここでは県道303号に変わる)は走らないが、1本東側の道を通っている。
「飯塚下丁」バス停
農協前よりも色鮮やかなオレンジフレームのバスで行こう。
時刻表掲出枠の裏面までもがオレンジ色

秋田市近隣の北方面の各自治体では、コミュニティーバスとして、井川町は無料で、潟上市は100円均一で、そして八郎潟町・五城目町・大潟村は合同で200円または400円の「南秋地域広域マイタウンバス」を運行している。三者三様。委託先は全部トランスポートだけど。
井川町は特に我が道を行くという感じがする。
コメント (2)
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ピッツァ&ピッツァ終了

2022-08-26 19:16:52 | 昔のこと
高度経済成長期以降、技術革新や生活の変化に合わせて、数多くの新しい食品が現れた。しかし、平成末期~令和まで数十年生き残った商品であっても、ここ数年で製造終了や販売地域縮小されるものがちらほらある。1968年発売の明治のスナック菓子「カール」は、2017年からは西日本限定発売になり、1921年から90年以上売られた明治のタブレット錠菓「カルミン」は2015年で製造終了など。
これもまた、時代の変化。

今回は、明治の冷凍ピザが生産・販売終了になるという。上記例示も含めて、全部明治だな…
6月23日配信の「食品産業新聞社ニュースWEB」より。
「明治は2022年度いっぱいで冷凍ピザの生産を終了する。」
「現行の生産ラインは操業から30年以上が経過し老朽化が進む一方で、同社冷凍ピザの売上は減少傾向が長年続くため、設備の更新を断念した。」

「「明治レンジピッツァ&ピッツァ2枚入」は冷凍ピザ市場でシェアトップの商品であるため、市場への影響に配慮して段階的に販売を終了する。2022年9月から販売地域を東名阪エリアに縮小し、2023年2月末に全国での販売を終了する。」

「茨城工場を立ち上げた1976年当初から「ピッツァ&ピッツァ」(当時はオーブントースター調理)の製造を開始した。」
「「明治レンジピッツァ&ピッツァ2枚入」は2001年発売。発熱シートを付けて、レンジでも香ばしく仕上がるようにしたのも明治が初。」
「同社の冷凍ピザ事業は46年で、その歴史に幕を下ろすことになる。」
かつては、3枚入りなど他のピザもあったようだ。
製造設備更新を見送ったのは、チルド(冷蔵)やスーパーのデリカ(惣菜やベーカリー)のピザの普及も理由とのこと。


というわけで、多くの地域でまもなく購入できなくなる。
「明治の冷凍ピザ」と言われてもピンとこなかったが、「昭和からある家庭用冷凍ピザ」となれば、思い出がよみがえる。ネット上でも同様の声があるが、「生まれて初めて食べたピザが、冷凍ピザだった」というもの。宅配ピザもスーパーの惣菜のピザもなく、イタリア料理といえばスパゲティーだった頃の話。我が家では、日曜の朝によく食べていた。

普段買ってないのになくなるという理由で買うのは、商品やその常連客に対して失礼(鉄道の“葬式鉄”と同じこと)ではあるが、8月中旬に、ハッピー・ドラッグ(ウエルシアグループ)で300円強で買ってきた。その時点では在庫は通常。
2枚が上下に重なっているので分厚い袋
冷凍ピザはほぼ買わないから、5年以上ぶり(もっと今風の別商品)か。その時、オーブントースターでなく、電子レンジ加熱に代わっていたことが衝撃だった。
一般に、オーブントースターより電子レンジのほうが庫内が広いから、電子レンジ用ピザのほうがサイズは大きくできるだろう。
おいしさのヒミツ
↑上面をオーブンで焼いているとのことだが、下側は焼かずに冷凍してあるってこと?
1枚ずつトレイに入って個包装
1枚125g、345kcal。
加熱前
袋から出して、紙トレイごと500W3分、600W2分20秒。
加熱後(加熱前の写真と180度反対側)
所定時間レンジ加熱しても、チーズがあまり溶けない。それでも充分熱くなっているので、こんなもんなのでしょう。
サラミがほとんど隠れるほど、トマトソースがかかっているのが特徴的。【27日訂正】特徴的なのは、サラミがチーズよりも下にあって、多くが隠れていること。そしてトマトソースの量が多め。

ピザ生地は、6等分できるように切れ目が入っていて、容易に分割できる。厚めでしっかりしているが、中は比較的ふっくら。
トマトソースの味の主張が強く、ピリッとややスパイシーな感じも。4種のチーズ使用を売りにするわりには、相対的にチーズが控えめ。サラミやピーマン、コーンも存在感が薄い。分割した時、チーズがびろーんと伸びるよりも、ソースが垂れるほうに注意しないといけない。

昔食べた思い出のピザとは、だいぶ違う。
生地は薄く、そもそも四角かった気がする(オーブントースターの狭い庫内を有効活用できる)し、サラミやピーマンの存在感が強く(ただしサラミは少なめ)、トマトソースは控えめだったはず。
明治でリニューアルされた可能性もあるが、かなり違うので、他社製品だったのかな。
でも、今主流のピザと比べれば、マイルドというか日本的で昭和的というか、ピザを知らない日本人向けの「入門用ピザ」みたいなところは共通するかも。

定義は知らないが、こういうのを「ミックスピザ」と呼ぶのでしょう。なお、マルハニチロの冷凍ミックスピザでは、チーズの上にサラミが載っている。そのほうが主流では。

意外だったのが商品名。「ピザ」でなく「ピッツァ」である。1976年の発売開始時からそうだったのだろう。
名称欄も「ピッツァ」
21世紀に入ってからなら、「ピッツァ」表記も浸透しているが、それでも日本人で「ピッツァ」と発音する人はあまりいないだろう。サンドウィッチマンの宅配ピザのコントで「ピザじゃなくてピッツァです」とこだわる配達人がいて、それで笑いが取れるのだから。

まして45年前。そもそも「ピザ」さえ知らない人が多かったはず。
昭和末の時点では、「ピザパイ」と呼ぶことも多かった。
それは、「ピザ」だけだとナニモノか(食べ物かどうかさえ)理解できず話が通じないため、ある程度絞りこめる「パイ」を付けたのだと思う。「コリー犬」「ビーグル犬」「ふじりんご」「清見オレンジ(厳密には清見タンゴールなのだが)」「セリオンタワー」などのように。
そんな頃、「ピッツァ」なんて発音できない人もいたかもしれない。一方で、“舶来物”らしいオシャレな名前ととらえられたかもしれない。

※コメディアン・古川ロッパ(古川緑波)はグルメでもあり、1955年の「ロッパ食談」で「僕は然し、イタリー料理なら、ピザ・パイで、キャンティーってとこ」と記している。ごく一部の食通限定だろうが、日本にも古くからピザがあり、ピザパイも古い言葉ではあるようだ。


ピッツァ&ピッツァと同じ1976年に製造や制作が始まり、今も定着しているものをWikipediaから拾ってみた。順不同。
ヤマザキナビスコ(現・ヤマザキビスケット)「チップスター」、ヤマト運輸「宅急便」、日清「日清焼そばU.F.O.」と「どん兵衛きつねうどん」、石屋製菓「白い恋人」、テレビ朝日「徹子の部屋」等々。
連載終了している秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」連載開始、役目を終えた日本ビクター(現・JVCケンウッド)の家庭用VHSビデオデッキ発売も、この年。僕もほぼ同い年。短いような長いような45年という時に、なんとも言えない感慨を持たずにいられない。
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川を渡る葛

2022-08-23 20:48:42 | 動物・植物
秋田市楢山登町と旭南二丁目・三丁目の間、馬口労町通りの旭川に架かる「刈穂橋」。竿燈まつりが終わった翌朝、「御幣流し」の儀式が行われる場所でもある。
そこから下流方向を見ると、
奥のほう
先方で川が右へカーブしており、そこの上空を覆うように緑のものが見える。
拡大
楢山登町から旭南三丁目に向かって右上がりに、大量の葉っぱ?

近くで撮影

対岸のシダレザクラに向かって一直線に太い緑

川を横断する、線状のものに、つる草がからみついているのだった。からみつかれているのは、何かのケーブルかと思った。
上の写真の位置から対岸を拡大
ケーブルではなく、対岸にある電柱のてっぺんから出ている、ワイヤーだ。
左端の電柱につながる。奥に見えるのが刈穂橋
この電柱は、電力柱。対岸の、一方通行の狭い市道(下り新屋線・旭南三丁目バス停の先方付近)沿いに立っている。
バス停側から。赤い線付近がワイヤー

反対側から。つるの先端が見えている
電柱から、沿道の駐車場・シダレザクラ、そして旭川をまたいで、楢山登町側の岸にワイヤーが伸びている。ワイヤーの根元は、草に覆われていて確認できず。電柱から楢山登町の岸まで、(ワイヤーの長さでなく)距離にすれば50メートル程度あろう。


電柱からワイヤーが伸びて、近くの地面につながっていることはある。
「地支線」と呼ばれるもの(単に「支線」と呼ぶことも多そう)。関西電力送配電ホームページでは「電柱にかかる力のバランスを取り、電柱がたおれないようにするための設備。」と説明している。かかる力と角度や長さ等を計算して、設置するらしい。
地支線に人や車がぶつからないための黄色いカバーや、つる草を途中で止める黒い部材(つる巻き上り防止ガード、つる巻ストッパーなど)も見かける。

あちこちでたまに目にする地支線は、電柱から5メートルくらいの地面につながっているのが普通のはず。人や車が通る道路沿いでは、長すぎると迷惑だろうし。
川を渡って、しかもこんなに長いのは珍しいではないだろうか。こういう分野の愛好家サイトがありそうなものだが、見つけられなかった。
旭南の道路はカーブしていて、それに沿う電線も一直線でないから、電線によって引っ張られる力のかかり具合が特別で、こんなに長くする必要があったのだろうか。でも、同じような環境の隣の電柱は支線なしで自立しているようだけど。


次に巻き付いている植物。
3パーツで1組の大きな葉っぱと、夏に咲く赤い花、そしてどんどん伸びるツルが特徴的な、「クズ(葛)」。
クズの花(千秋公園で8月上旬撮影)。ほのかに甘い香り
葛粉とか葛根湯とか、最近は「葛の花由来イソフラボン」の健康食品とか、有用な植物のイメージもあるけれど、現状の実態の大部分は雑草。千秋トンネルの口の上からつるが数本垂れ下がったりもする。
元は自生していなかったアメリカでは、外来種として迷惑がられているとのこと。

ワイヤーの細さと比べて、クズのツルがかなり太く巻いているので、二重三重、それ以上に巻き付いているのだろうか。それでも足らず、川面に向かって垂れ下がってもいる。「のれん」のように。

その重量はどのくらいだろう。改めて写真を見ると、楢山登町側でワイヤーが少したわんでいるように見えなくもない。また、旭川が増水したら、垂れ下がったクズが水の流れに浸かり、それによってワイヤーに想定していない負荷がかかるおそれはないだろうか。あるいは強風が吹いても、風に当たる面積が増えるから同様に。下手したら、電柱が倒れたりしないか。

先日の大雨後も特に変化はない。ちなみにクズのツルのほうも目立った影響はなかったようで、枯れたり減ったりはしていない。
Googleマップストリートビューによれば、少なくとも2012年以降は巻き付いているから、この程度は問題ないのでしょう。

でも、つるガードが存在するのだから、東北電力(今は「東北電力ネットワーク」?)はそれを取り付けても良さそうなもの。クズの勢力だと、そんなもの意味ないか。でなければ、楢山登町側の岸を草刈りして、クズを元から枯らしてもいいのに。
やっぱり、大した影響はないから、からませ放題にしているのでしょう。
2022年は対岸目前のここが限度か?
だけど、過去のストリートビューを見比べると、年々、ワイヤーのより先(旭南側)のほうへツルの先端が近づいており、勢力が拡大しているように見える。草本だから、ツルは冬になると枯れて、春にイチから伸び始めるはずだけど。数年後には、電柱のてっぺんに到達したりして。
この後、冬の様子
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井川橋と井川橋

2022-08-19 19:40:10 | 
2020年9月のアップしそびれていた記事。秋田県南秋田郡井川町(いかわまち)の話題。
井川町は、秋田市の北の潟上市の北、八郎潟(八郎湖)に面する自治体。
秋田市から国道7号で向かうと、井川町に入る直前の、潟上市飯田川飯塚で国道285号が分岐し、それぞれ井川町に入る。7号は引き続き、JR奥羽本線と並走するように西側(八郎潟)側を、285号は東側を進む。
285号沿いには、井川町を代表する大規模な公園「日本国花苑」があり、そこを過ぎると田んぼと住宅が交じる風景。国花苑の先で、橋を渡る。
南側

北側
グレーのトラス橋。上部が盛り上がっていない「平行弦トラス」。
長い橋という印象はなく、トラスが連ならない1つだけだが、最近の単純な桁橋と違って、存在感がある。また、道路と川の交わる角度の都合なのか、トラスが道路に対して斜めの配置になっているようで、ちょっと個性的。

東側歩道から北方向。正面奥は森山
橋の下の川は、こんな川。
東・上流方向
橋に比べると小さい川。

この橋の名前は、
「井川橋」
実はこの下の川の名前が「井川」。

つまり、井川町の町名の由来は、この河川なのだと思う。恥ずかしながら、この時まで川の存在すら知らなかったのですが…
ちなみに、元は「上井河村」「下井河村」(いずれも「いがわ」と濁るらしい)が合併して、1955(昭和30)年に井川村が発足、1974年に井川町となった。

橋の名前としては、「井川に架かる橋」の意味かもしれないし、285号では井川町でおそらく唯一、そうでなくても最大の橋だから「井川町にある橋」なのかもしれない。


国道285号は、県管理の国道。
「秋田県 橋梁長寿命化修繕計画(2019年1月秋田県建設部道路課)」によれば、1982年竣工、橋長70.0メートル。2027年度に修繕予定。

井川は二級河川だから、やはり県管轄。
「馬場目川水系井川」となっているようだが、馬場目川とは直接つながっていない。八郎潟干拓以前はつながっていたのかもしれない。【23日追記・八郎潟も河川の一部ととらえて、一体的に馬場目川水系としているようだ。】
井川町ホームページには「(町は)出羽丘陵に源を発し八郎潟残存湖に注ぐ井川(全長11.6km)に沿って拓けている。」とある


井川は東から西へ流れ、井川町はそれに合わせた横長の町。
285号の井川橋は、河口から3.6キロほど。そこから西には、川沿いに集落が続いているため、橋が多い。JR奥羽本線や国道7号「浜井川橋」もあるが、ほとんどが井川町道の小さな橋。
その1つが、浜井川橋の1つ上流に架かる。立地的に、昔は主要道路だったのかもしれない。河口から約2キロ。
下流らしく、幅いっぱいに流れ、水量は多め
川の名前はもちろん、
「井川」

そして、橋の名は、
「いかわばし」
※橋名板で「~はし」でなく濁る「~ばし」なのが珍しい。しもおもかげばしきゃらばしもそうだった。

なんとこちらも「井川橋」!

「井川町橋梁橋梁長寿命化修繕計画(2020年3月井川町産業課)」によれば、町道「今戸飯田川線」に架かり、橋長30.0メートル、幅員6.6メートルで、1964年架設。2010年に改修工事は終わっており、高欄(欄干)も更新されている。


同じ自治体の中の同じ河川に、同名の橋が存在する。異橋同名。
管理者が異なり、距離も離れているとはいえ、取り違えや混乱が起きてしまわないか、気になる。「町道の」「国道の」と“枕詞”を付ければいいのだろうけれど…

現役の橋は、町道のほうが古いが、それ以前に架け替えた可能性はある。だとしても、町道のほうが歴史がありそう。
国道の井川橋を造る時、県なり国なりが気付けなかったのか、あるいは町から申し出て違う名前にしてもらうとか、できなかったのだろうか。

同様に、秋田市下新城笠岡の新城川に、県道秋田市道にそれぞれ「笠岡橋」が存在した事例もあった。現在は河川付け替え工事により、市道の橋が廃止された。ほかに、一般道と高速道路の間なんかでありそう。【23日追記・秋田自動車道の橋も「井川橋」とのこと。】
時折問題提起する政治家がいる(けれどなかなか解消されない)、二重行政とか縦割り行政の結果の1つではないだろうか。全国にたくさんあるのかもしれない。

井川町のバス停の話題
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土崎・アパート・豚

2022-08-17 22:44:53 | 秋田のいろいろ
珍名アパートシリーズの番外編。※シリーズ最初の記事
秋田市土崎に2019年にできたアパート。
玄関
建物と比べると小さいアパート名の看板。
「ポートシティハウス秋田」
「ポートシティハウス」は港町土崎らしい。「秋田」を名乗るのは、少々グローバル(?)な視点だが、アパートの名前としては、別段どうってことない。

ちなみに、この看板の文字。縦長気味にした、楷書体。
きりりとした印象の毛筆体だが、「秋」のつくりの「火」のてっぺんが、のぎへんより上に突き出ているのが珍しいデザイン。
「システムグラフィ」という、看板作成なども行う企業が作った「GKSP楷書M/GKS楷書M」というフォントだ(一般向け販売あり)。なお、同社「GTUP楷書M/GTU楷書M」とは微妙に形が異なる。


看板の下には、黒一色でロゴマークのようなものが描かれる。
これって…

上に耳、下に脚、右に突き出た鼻、左にくるんと巻いたしっぽ。丸っこいボディ。
ブタのシルエット以外に考えられない。

だけど、「ポートシティハウス秋田」とブタの関連が分からない。土崎にも秋田市にも、ブタとのつながりが思い浮かばない。
どうしてブタ?
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太平川・才八橋工事 '22.8

2022-08-15 19:52:56 | 
2020年9月に、太平川・才八橋付近の河川工事を取り上げた。秋田市の楢山地区の東端、秋田南中学校裏手の、奥羽本線(秋田新幹線)の橋のすぐ上流。
河川管理者の秋田県による、洪水対策として河川を付け替える工事だが、その影響で市道の才八橋も位置が変わってしまうので架け替えられる。
前回アップ後、2021年までは数度現地へ行って、大きな変化はないように見ていた。最後に行ったのが2021年10月で、その後、行かないでしまっていた。

秋田市の広報で、お盆明けからこの工事による交通規制が始まる(後述)ことを知って、重い腰を上げてきた。
(再掲)才八橋(赤い○)周辺のGoogleマップ航空写真。左が下流方向
工事は、才八橋で北に蛇行している太平川を、すぐ南側へ付け替えて、直線化するらしい。
橋の架け替えとしては、旧橋の下流に仮橋を架け、工事初期から供用中。旧橋は撤去されるも、北側(東通館ノ越)はちょっとだけ残して、プレハブ小屋と仮設トイレが置かれていた。新しい橋は、旧橋の上流に架かるらしかった。仮橋は、新旧流路両方の土地にまたがって架かるため、新・旧両橋よりも長いことになる
ここ数年は、新しい流路を掘って造りつつ、新しい橋が橋脚からでき上がっていた。
広報に出ていたのは、「旧才八橋の撤去工事」なので、残っていた北側がまもなく撤去されるはず。

では、2022年8月の現状。
南側(楢山太田町)から。左が仮橋

北側から。左が新しい橋の橋台、右が旧橋の残骸、さらに右が仮橋
新しい才八橋は、すでに橋桁が架けられ、高欄(欄干)も設置。路面舗装はまだのようだが「床版」は敷かれていて、そこに旧橋の残骸から移設されたのかプレハブが置かれる。
橋単独ではおおむね完成か
ただし、南岸では橋台と地面に大きな段差があり、北岸橋台は旧流路跡に面した絶壁と、今は橋だけできた状態。新城川の付け替え工事でも、こんな感じに橋だけ先に造っていたようで、そのほうがやりやすいのだろう。

仮橋北寄りから上流方向
旧橋の下は旧流路。水が流れなくなった。
残っていた旧橋からは、路面・床版や高欄などが撤去され、橋桁の骨組みだけみたいな状態。
左から新・旧・仮の才八橋

そして、新流路に水が流れていた。
仮橋から上流。この時点では大雨が一息ついて、ほぼ通常の水量
上の写真左奥で、川がせき止められたようになっているのは後述。
左に振って北側橋台
新しい橋のすぐ下流に、平らな土地ができている。やがて道路がつながって、旧橋が撤去されると、最終的にはこれが新しい流路の右岸堤防ということになるのだろうか。
2020年9月の状況
↑この時点では、新流路造成中で、橋は橋脚のみ。護岸は凹凸が目立っていたが、今は上に土がかけられたようで、特に北岸は露出していない。

上流から
上記の「川がせき止められたようになっている」部分は、写真奥、橋脚手前の赤い↓。そこにホースが入っていて、おそらく新流路へ水を出している。
上の写真では手前側↓でも、川をせき止めている。つまり、この区画は通常の水量では水がたまらないはずだから、先日からの記録的大雨で、新流路からあふれてたまったのか。
また、上流側の川幅と新橋の幅からすると、この区間も最終的には新流路の一部になるのではないだろうか。工事の都合で、仮に陸地化するのかも。

旧橋撤去工事の規制予告看板
8月16日から9月6日まで終日片側交互通行。

こんな具合に、ゆっくりとではあるが、着々と工事が進んでいる。いずれまた続く
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消えた土崎のタワー

2022-08-11 23:35:58 | 秋田の季節・風景
秋田市にあるこの建物をご存知でしょうか?
現在の姿
お役所のような鉄筋コンクリート造2階建て。
少し前までは、少し違う姿だった。
2010年撮影
建物の上に、そんなに高くないが、タワー状のものがあった。耐震改修工事と同時に、2020年頃に撤去された。

背後に秋田市ポートタワー・セリオンが写っているように、秋田港近く。土崎港西一丁目7番1号。この建物は、
「秋田県秋田港湾事務所」
秋田県庁の建設部の出先機関。

通称・港湾通りに面している(正面は脇道側)。隣は、店舗名が気に食わないセブン-イレブン 秋田セリオンタワー前店。その隣が、
色の塗り分けバランスがおかしい「港湾事務所前」バス停

ちなみに、セブンイレブンと反対側の隣には、
再掲)こんな建物 ※2012~2015年の間に、水色がない単色の外壁に変わっている
これは国の「秋田港湾合同庁舎」。土崎港西一丁目7番35号。
秋田船川税関支所(財務省)、秋田海上保安部(国土交通省)などが入っているので、省庁をまたぐ庁舎のようだ。

さらに、400メートルほど離れた土崎港西一丁目1番49号には、「国土交通省東北地方整備局秋田港湾事務所」がある。
国と県、2つの「秋田港湾事務所」が同じ町内に存在するのだ。素人にはそれぞれがどんな業務をしているのか分かりにくいし、どちらも2階建ての似たような庁舎で、県のタワーもなくなった今、まぎらわしい。
【12日補足】ポートタワーセリオンの隣にある、覆い付緑地「セリオンリスタ」(ガラス張り屋内公園)は、市ではなく県港湾事務所の所管。その中のうどんそばの自動販売機は、市から委託されたセリオンの指定管理者がやっているようだけど。
屋根は丸く、てっぺんのフロアの下は青いのがアクセント
県の秋田港湾事務所庁舎は、1980年竣工。タワー部の高さは22メートルほど、建物本体と合わせて30メートルほどあったようだ。
タワーの役目は何だったのだろう? 一般人が入る所ではないので展望台ではなく、港の監視ではないかと思うが、港までは微妙に距離がある。庁舎から港までは道路1ブロックあるから、セリオンなど港が開発される以前だとしても、そんなに見渡せなかったのでは?
そんなわけで、今となっては使い道がなくて、撤去したのだろう。NTTの鉄塔撤去同様、そっけないビルになってしまった。
【12日追記】改修工事の入札資料によれば、タワー部分だけで4階建てとされていた。1~3階が細い部分で階段(螺旋階段?)、てっぺんのガラス張りが4階で「監視室」とされていた。

地元の人たちにとってどうだったかは知らないが、港湾道路から見えるし、そこそこデザイン性があるし、1994年にポートタワーセリオンができる以前は、これこそが「土崎のタワー」だったかもしれない。
そういえば、秋田朝日放送本社のアンテナ塔をセリオンと勘違いして、同社を訪れる人がいたという話を、昔聞いた。港湾事務所のタワーも、そんな人が…いや、すぐ後ろにホンモノが見えるから、それはないかな。
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NHK秋田の天気図

2022-08-08 23:31:48 | 秋田のいろいろ
NHK秋田放送局の平日18時台の県域番組「ニュースこまち」。その気象情報について。
2016年度からはずっと、気象予報士が出演している。2019年春と、今春に交代しており、通算3代目の予報士。※それ以前(「ニュースパークあきた」など前身番組?)にも数年だけ気象予報士がいたことはあった。

18時50分頃のNHKは、昭和の昔から気象情報の時間。東京から全国版を伝えた後、県域局に戻ってローカル天気、そして番組エンディングというのが、定番フォーマットであった。
ところが近年は、県域局で気象予報士がいる場合は、全国版を放送せず、県域局の気象予報士が全国版に相当する内容も伝えることが増えているようだ。秋田局も2017年度以降はそうしている(2016年度だけは従来通り)。


2022年春から、気象予報士が代わったせいか、あるいは気象会社との契約とか秋田局の方針なのかは知らないが、「ニュースこまち」の気象コーナー(いつの頃からか「アキテン」と命名)が、けっこう変わった。気になっているのは以下の点。

・全国版の簡略化
2021年度までは、(多少の省略はあったとも思うが)東京からの気象情報とだいたい同じことを伝えていた。
「まずは全国の気象情報です」みたいな前置きで、天気概況(衛星写真、天気図)、全国の明日の天気・気温、全国の週間予報を伝える。西日本など遠方の天気にも言及があった。

2022年度は、「まずは全国の明日の天気です」と、概況なしにいきなり天気→気温→週間予報。それだけ。全国版は時間にして1分あるかないか。天気図などは県内版相当で解説(後述)。
まあ、それでもいいとは思うが、何十年もNHKの夕方の天気予報に慣れ親しんだ者としては、けっこうな違和感。
予想気温画面
↑東京発では、2020年から新しいデザインの地図画面(地名と同時に枠の中に表示)に替わっているが、秋田版は昔(1995年から使われているらしい)のまま。しかも、数字のフォントがかつて東京発で使っていたのと異なり、細い。ニュース速報などでも使う、ラムダシステムズ「マール体」。


・メッシュ予報
これは18時30分頃の気象コーナー。
地図を格子状に区切って、3時間ごとの気象を示す、メッシュ予報/天気分布予報がある。「おはよう秋田」ではだいぶ前からやっていたが、夕方で毎日放送するのは初めてでは。
左がスカスカになってしまうのはしょうがない
ピンポイントの天気傾向が分かり、全体的な天気の流れ(どの方角から雨雲が来る等々)も分かるので有意義だと思う。
でも、改善したほうがいいのが2点。まず、地図内に主要地名を入れるべき。内陸部だと、どこの町がどこか、分からないだろうから。
もう1点は、表示範囲の狭さ。
この画面では、「秋田県」がギリギリ全部入るかどうか(右下がわずかにはみ出ている)の範囲。
通学通勤や旅行で、弘前や酒田へ行く秋田県民だっている。県境を越えたら、雨と雪が違う場合もある。秋田県のちょっと外側の天気を知りたい需要はあろう。
天気の流れを知る意味でも、もう少し広範囲のほうがいい。朝のは北東北3県くらい映っていたはずだ。

【10月4日追記】10月からは、地図上に大館、秋田、横手の文字と、位置の印が示されるようになった。
【11月14日追記】さらにおそらく11月から、画面左上・時間帯の下に、「昼まえ」「夜のはじめ」など時間帯を示す語(1日の時間細分)も表示。
【2023年1月10日追記】↑上記、地名が入るようになった頃から、地図の表示範囲が若干拡大された。特に南北方向。県境を越えた付近も分かるようになった。地名は、その県外部分に表示される。


・狭い天気図
18時50分では、全国予報の後の県内版の中で、気象衛星画像や天気図が解説されるようにはなった。



この天気図、どう思われますか?
「狭い」天気図ではないでしょうか?
本土四島がきゅうくつに収まっている状態。北方領土の一部、南西諸島がはみ出してしまっている。日によって範囲が微妙に異なるのか、下の画像では宗谷岬もはみ出している。
しかも、上の画像では、左下の高気圧の気圧の数字が上半分しか見えておらず、判読不可能。
下の画像では、等圧線と寒冷前線2本と温暖前線1本は見えているが、その元の低気圧とか、下の長い寒冷前線がどこまで続くのか分からない。気圧の数字は何ひとつ表示されないので、秋田県にかかる線が何ヘクトパスカルか分からない。
狭い天気図はもどかしい天気図だ。

同じ日の東京発の全国版で使われた天気図は、
左下の高気圧は1020hPa

秋田付近は1000hPa

東京発では東経100~170度、北緯20~50度なのに対し、秋田版では東経120~155度、北緯30~45度といったところ。
色合いは若干異なるようだが、数字の位置や書体が同じだから、東京発と制作元が同じ画像を使って、それをトリミングしているのだろうか。
そういえば、2021年度の秋田版では、「高」「低」でなく「H」「L」で表示され、全体的に色が薄く線が細いような天気図を使っていたことがあった。範囲は狭くはなかったはず。


今はピンポイント予報もあり、一般人は天気図など見なくても天気予報が充分よく分かる。
でも、天気図を見せてくれて説明してくれるのなら、広範囲で見せてもらわないと、その意味が低いのではないか。西から東へ変わる天気の変化、前線や台風の動きなど、狭い天気図では読み取りづらい。
「秋田県の天気」と言っても、それは日本の天気、東アジアの天気とつながっていて、広い視野で見ないと分からないのではないか。こんな狭い天気図では、木を見て森を見ずではないか。
なお、秋田局の気象衛星写真は、天気図よりは広範囲だが、全国版の写真よりは狭く、樺太島がギリギリ入り、台湾は入らない。

秋田局では、この狭い天気図でも充分という判断をしているわけだが、そうした理由は?
ひょっとしたら、メッシュ予報や天気図を使うには、1マス当たり、緯線経線1本当たり、いくらという使用料がかかり、それをケチっているのでは?! と勘ぐったりして。
広い天気図を見たければ、NHKのサイトか後の「ニュース7」、でなければ民放各局を見ろということか。

これから、台風や冬型の気圧配置など、天気図を広く見たい季節がやって来る。その時、どう見せてくれるだろうか。
【31日・沖縄県付近に台風がある状態での扱い】天気図の縮尺・画面サイズは変わらず。表示範囲を南側へ下げて、台風が画面に入るようにした。その分、北海道の大部分がはみ出た。
【9月14日追記・日本列島の西・南・東に計3つ台風がある時(秋田県への影響はほぼなし)の扱い】全国版と同じ範囲の天気図が表示された! でも、その後ではいつもの狭い画面の天気図も使って解説。狭い天気図が、よほどお好きなようだ。

【2023年4月18日追記・「ニュースこまち」2023年4月の変更点
全国の天気(明日の予報、気温、週間予報)が、県内の天気を伝えた後、最後に移動した。18時58分頃から1分ちょっと程度。
別段、困るわけではないが、ものごころついた時からの全国版→県内版の流れが崩れた。
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消えた鉄塔 +三角点

2022-08-06 17:42:12 | 秋田の季節・風景
秋田駅から近い、秋田市民市場の向かい、中通四丁目4番4号に、NTTのビルがある。
電電公社時代からあり、NTTに民営化後の再編を経て、今は「NTT東日本 秋田支店」などが入っているらしい。今年から、かつての窓口跡を使ったコワーキングスペースもできた。

よく見ると、南北2棟のビルがつながっていて、北側のほうが古そう(1971年の地形図では、北側しかないように描かれる)。高さはそろっていて、7階建てか。
ビルの呼称については、ネット上に複数が見受けられ「NTT秋田ビル」「NTT中通ビル」とか、南側を「秋田支店中通ビル」、北側を「NTTコム秋田ビル」とするものなど多様。【7日追記・「新棟秋田ビル」とも。】
なお、NTTドコモのビルは、別に大町四丁目にある。【2023年6月28日追記・1990年までは、別に「NTT秋田支社」も手形地区に存在した。】


北側のビルのてっぺんには、赤白のアンテナというか鉄塔が生えていた。電話局らしいアイテム。
周りにビルが多く、またNTTのビル自体も高いため、真下など近くからその鉄塔の姿を見られるポイントは少ない。ちょっと離れたすき間から見えて、あそこが中通のNTTかと思うことはあった。
2022年1月。北側から
↑小路をはさんで北隣にあった「マルトヨビル(金萬ボウル)」が、マンション建設のため2021年に解体されて、よく見えるようになった。

6月頃からだろうか。その鉄塔に足場が組まれて囲われた。再塗装するのだろうと、気に留めなかった。

ところが、コメントで教えていただいた。鉄塔を解体・撤去しているらしいと。
7月7日。上から半分ほど、解体されてしまっていた!
今さらだけど、違う位置からもアンテナを眺める。
2ブロック北、広小路・久保田町交差点付近
ここからだと、マルトヨビル跡の北隣、中央通り・市民市場入口交差点角の「秋銀・明治安田ビル(壁面工事中)」からアンテナが生えているように見える。

3ブロック西、中通三丁目街区公園(たまご公園)の通り
伊藤学園などのビルと一体化して見える。

7月15日。東側向かい・市民市場北辺から(最初からここで撮れば良かった…)
7月中旬になると、根元付近の工事は続いていそうだが、地上からはアンテナの存在は見えなくなった。

地理院地図より
「電波塔」の地図記号も、改訂時に消えるだろう。
民営化前の地形図では「電報・電話局」の記号も記されていた、今は「東日本電信電話株式会社」の文字(上の倍率では非表示)。
そういえば、ここには四等三角点があった。「電々公社」という名称で45メートルほどあり、明らかに地上ではない高さで、7階よりも上だろう【7日追記・屋上=鉄塔の下?】。今の地形図にはそれが記されていない。鉄塔の上にでも三角点があって、それが解体に先立って廃止されたのかも。


この鉄塔は、マイクロ波のアンテナだったということだろうか?
キー局から地方局へのテレビ番組の伝送などで多用されていたらしい。デジタル化、光ファイバーへ移行した今は、秋田以外のNTTでも撤去が進んでいるようだ。
象徴的な存在がなくなり、今はただのビルになってしまった。
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竿燈2022

2022-08-04 19:16:49 | 秋田の季節・風景
2020年、2021年と新型コロナウイルス感染症流行により中止となっていた、秋田竿燈まつり。2022年は、他の多くの夏祭り同様、3年ぶりに開催。
コロナ対策・対応がある程度定着し、伝統や技術の継承と経済効果からも、いつまでも中止はできない【4日追記・そして、一度やると決めたことを急にやめるのも難しい】。だけど、第7波と言われる、これまでになく急激な感染拡大中の今、やっちゃっていいのかなという気もしなくはない。
だから、今年は本番中の会場へは行きません。街なかを流す屋台や、会場から聞こえてくる遠いお囃子を見聞きすると、複雑な気持ちだけど…


今年は全国的には空梅雨で梅雨明けが早かったが、北東北はほぼ平年並み(7月26日、平年-2日)で、降水量は平年の6割強と少なめだったようだ。
【2022年9月2日追記・その後、9月1日に梅雨明け確定値が発表され、関東甲信などは7月下旬へ繰り下げられ、東北は「特定できない」に改められた。】
8月3日以降は、青森から日本海側を南下するように線状降水帯が発生し、秋田県内でも、大館市で氾濫・浸水や奥羽本線の路盤が流出するなど被害が出た。幸い、秋田市は雨が多かっただけで被害はなく、竿燈初日の3日夜には晴れた。最終日6日まで夏らしい天気が続きそう。
週間予報では、来週は7日以降ずっと雨。また心配。


秋田魁新報によれば、今年は62団体238本が出竿(=出場)。コロナ前は70団体以上から280本前後で、参加を見合わせた学校や企業があったとのこと。→町内竿燈は見合わせたところがないように読める【8日追記・いただいたコメントによれば、不参加はいずれも企業団体や学校なので、その理解で合っていそう】。また、学校や企業でも今年も出ている団体も多い。

コロナ対策としては夜の本番では、開始前の「市民パレード」と、終了後の「ふれあい竿燈」は中止され、竿燈を見るだけの形(時間的には例年とさほど変わらない)。演技中の「どっこいしょ」の掛け声は禁止で、CD音源を流す。その他は後述。
夜本番の会場である、竿燈大通りの昼間の風景。
二丁目橋たもとの会場東端
例年通り中央分離帯に有料観覧席が作られているが、2年ぶりなので設置工事は余裕をもって少し早く開始。コロナ対策で席数は約20%削減。

上の写真の那波家の水汲み場跡の小公園には、足踏み式アルコール消毒液が並ぶ。近づくと、消毒するようにという音声が流れる。
秋田市竿燈まつり実行委員会では、来場者に「「マスク着用」と「手指消毒」など基本的な感染対策」への協力を求めている。
だけど、西端・山王十字路は未確認だが、二丁目橋たもとの向かい側や、途中の交差点には消毒液は置かれていなかった。夜になると出てくるのかもしれないが。
当然、
「食べ歩きは控えてください。」
ただし、有料観覧席ので飲食は可能(飲酒は禁止)。また、近くの屋台村のほか、沿道の私有地での出店は、飲食スペースを設けてある所もあるようだ。

見物客の通路兼無料の観覧場所であった、歩道。
歩道の車道寄り(あるいは建物際)では、座りこんだり立ったりして、思い思いに竿燈を見られた。今年は、
車道側に棒でつながったコーンがずらり
毎夜終了後に撤去して、翌日午後早くに並べ直している(バス停や駐車場前は開放して)。過去にはなかったはず、たぶん。
「コロナ感染症対策の為、「歩道に座っての」「立ち止まっての」観覧はご遠慮ください。」
ということは、歩きながら見ることしかできないのか?
それとも、
車道際とコーンの間にある数十センチの歩道部分では、止まってもいいってこと? =だとすれば例年通りで、通路と区分を明確にしたことになる。
なお、実行委ホームページでは「歩道では密を避けるため、座り込んでの観覧はお控えください。」とあり、立ち止まることは規制していない。
【4日追記】報道写真を見ると、歩道際で立って見ている人がたくさんいた。つまり、コーンより車道側では止まって見てもよく、単に通路部分との仕切りのようだ。

コロナとは関係ないと思うが、会場内の地下横断歩道に準備されていた、柵と掲示。
「雨天時 地下道 通行禁止」
以前はなかったと思う。濡れて足元が滑って転倒事故にならないように? 今回の天候では、通行止めにならないでしょう。
なお、東端の二丁目橋地下道は、天候に関わらず、本番中は通行止め。


ミルハス建設工事の現地事務所が置かれていた、旧産業会館跡地も、久々に全体(2019年は縮小)が屋台村となった。
この時点では客はまばら
例年なら、地元の人も旅行客も、たくさん歩いたり飲食したりしている時間帯でも、今年はだいぶ少ない。夜はまた違うだろうけど。
実行委では、今年の期間中の人出を100万人と見こんでいるらしい。この手の人出は、カウント方法からしてアヤシイもんだけど、例年だと130万人ほど。そんなに来るかな。結果は追記します。
【5日追記・5日付秋田魁新報より】初日は雨とJR運休の影響もあって、13万人。2019年の初日は35万1千人。「初日の人出を踏まえ、実行委は4日間の人出を70~80万人と見込んでいる。」
【7日追記】無事終了。4日間の人出は78万2千人。前回比4割減。

来年以降、心から安心して開催できるよう願うとともに、まずは第7波が落ち着きますように。
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湊御蔵跡の今

2022-08-02 20:13:48 | 秋田の季節・風景
秋田(秋田市エリアなのか、県全域なのか知らないが)には、古い建物を残したがらない地域性があると、何度か述べてきた。
維持管理がままならないのは分かるし、民間所有ならば他人がとやかく口出しできないが、もう少しなんとかならないかと思うことが何度かあった。秋田銀行秋田支店の建物など。

その1つが、土崎の「湊御蔵(みなとおくら)」。
土崎港南一丁目、国道7号(いわゆる臨海バイパス)と旧国道(本当は旧旧国道。市道)にはさまれた場所。新国道(本当は旧国道。県道56号)には面していないが、近い。
秋田運河(旧雄物川)が造られる以前は、雄物川の岸だったはずで、船で運ばれた物資を貯蔵するための倉庫。複数の蔵があって、1800年代に建てられたものもあったらしい。
今昔マップより。赤い→が湊御蔵の位置
1990年代後半頃かと思うが、残っていた一部の蔵を改装して、飲食店(ランチが食べられるようなレストラン)やたしかカラオケ店などになった。ズバリ「湊御蔵」という名称だったはずで、土崎に明るくない我々は、この時にその名を認知した。
数度行ったことがあるが、内装は木が多用されたいい雰囲気で、古いものをうまく活用していると感じた。土崎の街から近く、車でのアクセスも良好だったはず。
ところが、いつの間にか店は営業終了。
2007年には、残っていたすべての蔵が解体されてしまった。

その後、秋田市周辺(+今は山形県庄内地方)に展開する低価格系スーパー「ジェイマルエー」の店舗が造られた。
しかし、建物はできたものの、開店することなく放置状態。
ほとんど通らない場所だが、たまに見かけると、とても哀しい光景だった。

2012年11月撮影 Gooleマップストリートビューより国道側
国道よりは少し高くなっている。交差点や中央分離帯があるため、北行き車線からは入れなそう。
建物の外観はジェイマルエーの色合いになったが、文字はないまま放置。
2020年撮影 旧国道側
2012年11月時点では駐車場に何もないが、2019年9月には車が駐まっている。2020年には上の画像のように白いトラックがずらり。建物とあわせて、どこかの倉庫か配送センターのように使われていたのか。【6日追記・いただいたコメントによれば、ジェイマルエーの配送センターだったようだ。】


7月下旬、かなり久しぶりに通ると…
旧国道側

国道側。このスロープが客用出入口か
建物が覆われて、中も空っぽになって工事中。解体でなく、改装だろうか?
「ネクステージ 近日オープン」
自動車販売・買い取り・整備などの全国チェーン店。秋田県初進出か? ガソリンスタンドのネクステージ(ネクサスエナジーの旧称?)とは関係ないはず。
「ネクステージ秋田店(仮称)」として、2022年10月23日オープン予定。


何ができようとも、もう見られない湊御蔵がさらに過去のものになってしまう。
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