映画と本の『たんぽぽ館』

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陰陽師0

2024年04月30日 | 映画(あ行)

若き安倍晴明の物語

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安倍晴明が陰陽師になる前の物語。
原作者夢枕獏の全面協力のもと製作された完全オリジナルストーリー。

呪いや祟りから京を守る陰陽師の学び舎であり、行政機関でもある
「陰陽寮」が政治の中心だった平安時代。

青年安倍晴明(山崎賢人)は、天才と呼ばれるほどの呪術の才能を持つも、
陰陽師になる意欲も興味もない変わり者。

ある時そんな清明の基に、貴族の源博雅(染谷将太)が訪れます。
皇族の徽子(よしこ)(奈緒)女王のもとで起こる怪奇現象を解明してほしいというのです。
清明と博雅は徽子の基を訪れ、衝突し合いながらも共に真相を追っていきます。

またそんな頃、陰陽寮ではある若者の変死があり、
それをきっかけに平安京を巻き込む凶悪な陰謀と呪いが動き出します。

まだ学生時代の安倍清明ということで、孤高でちょっとやんちゃでもある
清明のたたずまいが山崎賢人さんにピッタリ。
「キングダム」のシンも良いけれど、こちらももっと良いなあ・・・。
アクションシーンもありますがこれまた「キングダム」とは全く別物で、美しく魅力的です。

陰陽師といっても彼が行うのは魔法のような全くの絵空事ではなくて、
心理の隙を突くようなこととか、
また時には科学的根拠を見せるようなところもあって興味深いのです。

そして博雅と徽子の思いというか絆が美しい・・・。
人によっては不満に思うことがあるかも知れないけれど、
私はこういうのがあってもいいと思う。
好きです。

 

平安時代は現代以上の格差社会。
そもそも制度的にそうなっている。
制度がないのに、ほとんどがんじがらめになっている現代の格差社会の方が
どうかしているような気もします。

陰陽師の社会も帝付きの陰陽師こそがその最高峰。
それを目指して必死に努力するもの、あらゆる手段で這い上がろうとするもの・・・、
そうしたもの者たちの執念が世の中を狂わせていくわけで・・・。

万人受けするエンタメ作品、と、実はあまり期待していなかったのですが、
思いのほか興味深く見てしまいました。

 

<シネマフロンティアにて>

「陰陽師0」

2024年/日本/113分

監督・脚本:佐藤嗣麻子

原作:夢枕獏

出演:山崎賢人、染谷将太、奈緒、安藤政信、村上虹郎、板垣李光人

 

陰陽師の魅力度★★★★★

満足度★★★★☆



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