【 山辺( やまのへ )の 五十師( いし )のみ井( い )は おのづから 成れる錦( にしき )を 張れる山かも 】 山辺の 五十師の御井 清らかな ぉみず . . . 本文を読む
【 月( つき )も日( ひ )も 変わらひぬとも 久( ひさ )に経( ふ )る 三諸( みもろ )の山の 離宮所( とつみやどころ ) 】 ときが ぅつりかわっても 太古の昔から 三諸のぉ山   . . . 本文を読む
【 斧( をの )取りて 丹生( にふ )の檜山( ひやま )の 木伐( きこ )り来( き )て 筏( いかだ )に作り ま梶貫( かぢぬ )き 磯漕( いそこ )ぎ廻( み )つつ 島伝( しまづた )ひ 見れども飽かず み吉野の 滝もとどろに 落つる白波( しらなみ ) 】 斧をとって . . . 本文を読む
【 見渡しに 妹らは立たし この方( かた )に 我( われ )は立ちて 思ふそら 安( やす )けなくに 嘆くそら 安けなくに さ丹塗( にぬ )りの 小舟( をぶね )もがも 玉巻きの 小梶( をかぢ )もがも 漕( こ )ぎ渡りつつも 語らふ妻を 】 むこうがわに あなたがたって こっちに . . . 本文を読む
【 逢坂( あふさか )を うち出( い )でて見れば 近江( あふみ )の海 白木綿花( しらゆふばな )に 波立ち渡る 】 大津市西の 逢坂山さま 見渡せる場所に でて見ると 近江の海さまに . . . 本文を読む
【 あきづ島( しま ) 大和の国は 神( かむ )からと 言挙( ことあ )げせぬ国 然 ( しか )れども 我( あれ )は言挙げす 天地( あめつち )の 神もはなはだ 我( あ )が思ふ 心知らずや 行( ゆ )く影の 月も経行( へゆ )けば 玉かぎる 日も重( かさ )なりて 思へかも 胸( むね )安からぬ 恋ふ . . . 本文を読む
【 神奈備( かむなび )の 三諸( みもろ )の山に 斎( いは )ふ杉( すぎ ) 思ひ過ぎめや 苔生( こけむ )すまでに 】 神奈備の 三諸のぉ山に たぃせつに まもってぃます 神杉さまの ぉもぃ 杉のょぅにすぎる . . . 本文を読む
【 古( いにしへ )ゆ 言ひ継( つ )ぎらけく 恋( こひ )すれば 苦しきものと 玉の緒( を )の 継ぎては言へど 娘子( をとめ )らが 心を知らに そを知らむ よしのなければ 夏麻引( なつそび )く 命( いのち )かたまけ 刈( か )り薦( こも )の 心もしのに 人知れず もとなそ恋( こ )ふる 息( いき )の緒( を )に . . . 本文を読む
【 やすみしし わご大君( おほきみ ) 高照( たかて )らす 日( ひ )の皇子( みこ )の 聞( き )こし食( を )す 御食( みけ )つ国 神風( かむかぜ )の 伊勢( いせ )の国は 国見ればしも 山見れば 高く貴( たふと )し 川見れば さやけく清( きよ )し 湊( みなと )なす 海も広し 見渡す 島も名高( なだか )し ここをしも . . . 本文を読む
【 春されば 花咲きををり 秋付( あきづ )けば 丹( に )のほにもみつ 味酒( うまさけ )を 神奈備山( かむなびやま )の 帯( おび )にせる 明日香( あすか )の川の 速き瀬に 生( お )ふる玉藻( たまも )の うちなびく 心は寄りて 朝露( あさつゆ )の 消( け )なば消( け )ぬべく 恋ひしくも 著( しる )くも逢( あ )へる 隠 . . . 本文を読む