① ""自動車業界が恐れるトランプ氏の「手榴弾」 関税発動の影響""
2019年4月18日 / 10:54 / 41分前更新
Reuters Staff
[ニューヨーク 17日 ロイター] -
🚘大手自動車メーカーは、米経済や自動車販売の見通しに強気だが、大きな不安要素を1つ抱えている。トランプ米大統領が自動車関税という「手榴弾(しゅりゅうだん)」🎆を業界に投げ込むかどうかだ。
(ニューヨーク国際オートショー)
4月17日、大手自動車メーカーは、米経済や自動車販売の見通しに強気だが、大きな不安要素を1つ抱えている。トランプ米大統領が自動車関税という「手榴弾」を業界に投げ込むかどうかだ。写真はニューヨーク国際オートショーで撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)
米商務省は2月、通商拡大法232条に基づく自動車関税に関する報告書をトランプ大統領に提出。📅トランプ大統領は5月中旬までに内容を精査し、勧告されている措置について最終決定する必要がある。🌋米政権筋によると、輸入自動車と同部品に最大25%の関税を課す可能性がある。
トヨタ自動車の米国販売を統括するボブ・カーター氏によると、自動車業界は「様子見姿勢」をとっているが、「関税の発動は、手榴弾のピンを抜くようなもので、米経済が素早く部屋から逃げ出せるとは思えない」という。
カーター氏は、トランプ政権が関税発動を見送ると楽観しているものの、トランプ氏は昨年、鉄鋼・アルミニウムに対する関税を発動しており「不安」は拭えないと語る。
自動車関税が発動されれば、鉄鋼・アルミニウム関税よりも大きな影響が自動車価格や消費者に及ぶとみられている。
🌊ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)とフォード・モーター(F.N)では、鉄鋼・アルミニウム関税により、それぞれ10億ドルのコストが発生。フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)(FCHA.MI)も、今年最大で3億5000万ドルのコストが発生する可能性があると予測している。
★<ロビー活動>
一部の政府当局者は、トランプ政権が何らかの形で最終決定を遅らせ、日欧との通商交渉で、自動車関税をちらつかせて譲歩を引き出す戦略をとると予想している。
ジャガー・ランドローバー・ノースアメリカのジョー・ エバーハート最高経営責任者(CEO)は、すべての輸入車に25%の関税がかけられれば、「数十億」のコストが同社で発生すると指摘。自動車部品に関税がかけられた場合も、米国の自動車メーカーが大きな影響を受けるとの見方を示した。
🎆同CEOは「ただ理性が勝つことを祈っている」と述べた。
🎆トランプ爺さんに理性を求めるのは、山でイルカを捕まえようとする様なものです。
トヨタをはじめとする自動車メーカーは、輸入車への自動車関税発動に反対するロビー活動を展開。業界のグローバル・サプライチェーンは複雑極まりなく、関税を発動すれば、価格が上がり、販売が低迷し、米経済に悪影響が出ると訴えている。
★<価格への影響>
IHSマークイットの米国担当チーフエコノミスト、ジョエル・プラケン氏は、今週のニューヨーク自動車ショーに先立ち、今年の米新車販売が1680万台になると予想した。
これは前年を50万台下回る水準だが、歴史的に見て依然として高水準だ。
だが、関税が発動されれれば、販売がさらに200万台落ち込み、米国内総生産(GDP)伸び率が0.5─0.7%前後押し下げられる恐れがあるという。
三菱自動車の米国法人のフレッド・ディアス最高経営責任者(CEO)は「(関税が導入されれば)💀自動車業界にとって恐ろしいことになる。消費者にとって恐ろしいことになる。米経済にとって恐ろしいことになる」と発言。
トヨタのカーター氏によると、同社がケンタッキー州で生産しているセダン「カムリ」は、部品の72%を米国の部品メーカーから調達しているが、28%は輸入部品。25%の関税が導入されれば、カムリの価格は一夜にして1800ドル値上がりするという。
同氏はロイターに「100%の米国車など存在しない」と語った。
業界関係者の推計によると、幅広い範囲で関税が導入されれば、🚗新車の店頭表示価格は平均で4000ドル値上がりする可能性がある。
北米日産(7201.T)のホセ・バルス会長は「(日産は)米国に多額の投資をしており、(トランプ政権は)顧客と従業員のことを考慮に入れる必要がある」と主張した。