◎◎ S&P:日産の格付けBBBに格下げ、クレジット・ウオッチ継続
稲島剛史
2020年5月1日 14:24 JST
更新日時
2020年5月1日 15:03 JST
◆◆ S&Pグローバル・レーティングは1日、日産自動車の長期格付けを「BBB」に格下げした。従来は「BBB+」だった。見通しについては長期、短期ともに格下げ方向の「クレジット・ウオッチ」を継続とした。
⇨ 格下げの理由については、厳しい事業環境や構造改革の費用負担を踏まえると、今期(2021年3月期)の日産の償却前営業利益率(EBITDAマージン)が「想定していた水準に回復する見通しが遠のいたと判断した」と説明。S&Pは今期も「極めて厳しい事業環境が続く可能性が高い」とみているという。
★★ 北米や欧州での余剰生産能力縮小や人員削減など、事業戦略の見直しによる構造改革に伴って見込まれる巨額の費用負担が、日産の収益性を今後1-2年さらに押し下げる要因になると指摘した。
⇨ クレジット・ウオッチを継続とした点については、新型コロナウイルス感染症の影響がさらに深刻化したり長期化したりすることで、業績や財務の回復が遅れ、信用力にさらに圧力がかかる可能性が排除できないためとしている。今後1-2年の業績や財務健全性指標の見通しを検討したうえで解除する予定。
◆◆ S&Pは3月26日、日産やトヨタ自動車の長期、短期格付けを引き下げ方向の「クレジット・ウオッチ」に指定したと発表していた。
(詳細を加えて記事を更新します)
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