じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

4泊5日「突撃ツーリング」

2017-09-08 13:07:09 | ツーリングと山と温泉
突撃ツーリングでありました。
何が突撃なのかと言いますと、バイクで走らない区間は軽トラに積んで時間短縮を図ると言う、小猾いツーリングな訳であります・・・が、その区間は110CCのカブでは走れない高速を突撃的に走ると言う事で命名してみた次第であります。
そして、軽トラにカブとは言えバイク二台を積んで高速をカッ飛ぶ様は、宛ら突撃と言っても良いかと思うのであります。

まず、事の起こりは台風でありました。
9月2日に仙台港から苫小牧まで乗って行くはずだったフェリーが台風で欠航・・・おぉ、そりゃ結構,なんて洒落が言える場合では無く、下手すれば中止か?と、事の推移を危惧した訳であります。
しかし、更に悪い知らせが入りまして、次善の策として考えた翌日のフェリーと言う手は、その日も欠航と言う事でポシャであります。

いや、長期休暇を取っちまっている以上はナントしても第一目的地の奥尻島だけでも行きたい・・・行って奥尻の風になりたい・・・なんちゃって。

で、更なる悪条件として、同行の株キチの日程が短くなり、9月8日までしか取れないとなった訳であります・・・と、言う事で、苦肉の策で考えたのが青森県の大間岬まで軽トラで行き、函館へフェリーで渡ると言う、一番時間が読めて確実な方法しか無い、と、なった訳であります。

そんな訳で新潟に居た株キチを途中の会津坂下まで迎えに行き軽トラで拾い、翌朝5時に我家を出て、東北自動車道を八戸まで走り、あとは下道を大間々で3時間・・・14時10分のフェリーに間に合わすべく、ひたすら走ったのでありました。

9月3日 日曜日 天気晴れ


大間のターミナルで軽トラとカブッチと大函丸


大函丸の船内 カブが3台列んだ

青森県は下北半島の先っぽにある大間岬・・・大間のマグロで有名ですけれども、その実態は静かな漁村であります。
で、高速の切れる八戸や三沢から、回り方にもよるけれど距離は130~150キロと、一般道で行くので3時間はかかります。
要するに遠い訳でして、地の果てと言うのが大袈裟で無い・・・そんな場所であります。

で、大間からは函館港までのフェリーが出ているんですけれども、地の果てまで来て乗るそのメリットは大きいのであります。
まず、青森港からだと4時間ほど掛かるのに1時間半で済む・・・時短であります。
そして、距離が短いので料金が安いと言うのは見逃せない魅力だと思いますが、もしもまた行く機会があったら、高速を下りてすぐにフェリー乗り場に行ける青森にしようと思います・・・大間までの下道は結構辛かったです。

さて、

船は定刻、函館港に着きましたが、バイクが下船するのは一番後なので既に16時00分でありました。
いや、焦る理由は、本日宿泊予定の「函館オートキャンプ場」の受付が午後5時までだからなのであります。
キャンプ場の人の話しだと夕刻の込む時間は30分では厳しいとの事・・・しかも、晩飯の確保にコンビニにも立ち寄らなければならないし。


案ずるより行くは易し

しかし、中堅都市的規模の函館でありますが、やっぱし北海道であります。
ナビが言うには22キロと出てましたが、道路の流れは良く、コンビニで食料を仕入れても16時45分着と余裕で間に合った次第であります。

「函館オートキャンプ場」・・・良いキャンプ場でありました。
まず、ゲートがあって出入りが管理されているキャンプ場は押し並べて悪く無いのであります。
が、ここは一昨年世話になった「道立宗谷ふれあい公園オートキャンプ場」に匹敵する良さで有りました。
んっ?・・・と、言う事は、北海道に限ってはオートキャンプと名の着く所が当たりなのかも?
函館の方が遥かに都会なので季節外れとも言える9月でもお客はそこそこ居た訳ですが、それでも静かなキャンプ場でして、トイレや水場、シャワーなどの基本設備が清潔で安心して使えたのであります。

この日、軽トラの運転で疲れていたからか、軽く飲んだら眠くなりまして、午後9時には就寝でありました・・・が、深夜1時頃に目が覚め、寝付けず、間近に見える北斗七星など眺めつつ瞑想と妄想に耽った次第であります。

9月4日 月曜日 我が誕生日

5時頃、どちらからとも無く起き出し、コーヒーなど啜りつつ本日の予定を思案。
行く先は「せたな」と決まっているのだが、果てしなく遠回りをし、海岸線をなぞる松前経由で行くか?
それとも、順当に最短距離の山越えルートで行くか?
フェリーの出発時刻は14時でありました。

松前経由は総距離270キロ、で、山越えルートは120キロ・・・海岸ルートを採らないと株キチ君の北海道一周が完結しないと言う事で少し時間的に厳しいけれども松前ルートを採る事に・・・私の友達思いの心も知らずに行き先さえ知らない株キチだけが暢気でありました。

海岸ルートとは言えナビは少しでもショートカットを見つけると内陸部に入ろうとするので混乱し、敢えて228号線を外れる訳であります。
が、そこを勘と微かな記憶を頼りに・・・いや、28歳の時に走った記憶なんで宛てにもならないんですけれども、それでもナントなくコッチじゃ無い、と感じる訳であります。

いや、その為に漁村のトンでも無く狭い道に迷い込んだりする訳ですけれども、だからこそ見られる水際の風景と磯の香・・・コレこそがツーリングの醍醐味で有りましょう。


アレに見えるは松前城か?

ナンと申しましょうか、国道288号線で海岸線を北上する道の真骨頂は青函トンネルの上陸地点である福島町辺りからでありましょうか?
ここからの海岸線の美しさは全北海道の中でも屈指だと私は思います。
そして、やっぱしここまでは対馬暖流が届いているのであるなと思わせる、何処か本気で厳しい北の海の雰囲気とは違う訳であります。

さて、殆ど対向車も先行車も無く快適な道を飛ばして来ますと、前方に城らしき物が見えた訳であります・・・国道の看板に拠ればここは松前町、と言う事は、アレは松前城か?と言う事で停車して株キチに「アレを見に行こうと思うんだが?」と問うと、株キチ応えて曰く「しょぼく無いかぃ?」と言う事で、先を急ぐ事でもあるし、スマホ情報では見学は有料との事なのでパスした次第であります。


せたな港 フェリーターミナル


日本一料金が高いと誉れ高いハートランドフェリー


岬の奥の薄い山並みが奥尻島

と、言う事で、ナンとか予定通り、12時20分頃に到着しました。
いや、14時00出港の船ですけれども、バイクは一番最初に乗って一番後に下りる訳であります。
なので13時20分・・・概ね40分前には列んでいないと拙い訳であります。
で、切符を買ってアレコレして食事をしようとしたらフェリーターミナルに食堂は無く町へ行ってくれとの事だった訳であります。
まっ、町と申しましてもターミナルから直ぐですけれども、紹介された海沿いの店は8月一杯で食事は止めているとの事で街中へ逆戻りでありました。
そこで昇り旗の出ている中華屋を発見し駆け込み、隣りの人が食べていて美味そうだった「海の幸カレー焼きそば」を食べた訳であります。
この焼きそばの事は既報ですけれども、ホントに斬新と言いますか、美味い物でありました。
と、まぁ、昼飯にもありつけターミナルに戻ると船が入港して来る所でありました。


源泉垂れ流し 熱めの43度 神威脇温泉

と、言う事で、暫しの船旅の後、15時45分頃に奥尻島上陸でありました。
まず、下調べしてあったセイコーマートに行き晩飯のアレコレを仕込み、山周りルートで北追岬公園キャンプ場を目指した訳であります。
ここは島の反対側で風が強く云々とあったんですけれども、しかし、島で唯一の共同浴場が近くに在る訳でして他の二カ所のキャンプ場は眼中に無かったのであります。
そして、思ったよりもかなり狭く小型のテントが10張りで限界と言う処、我々は昨日から連泊の二人に続き,本日の一番手と言う事で比較的良い場所を確保した次第であります。
で、サッサとテントを張って温泉へ向いました。


北海道で一番最後に沈む夕陽

断崖絶壁の上のキャンプ場なので眺めは抜群でして地球が丸い事がハッキリと判りました。
そして、雲の合間を縫って海に沈む夕陽は、最後海水に浸かるのか、微かに「ジュッ」と音を立てた様な気がしましたが、錯覚かも知れませぬ。


隣りのテントの世界を股にかけ走るチャリダー氏


奥尻島津波の記念碑

自分は奥尻島の津波のニュースは鮮明に覚えています。
ただ認識はかなり間違っていて、津波に飲まれたのが全島だったと思っていたのですけれども、津波が集落の前から後の海に駆け抜けたのは青苗地区と言う特定の場所であった・・・まっ、だからと言って津波の悲惨さに違いは無いのでありますが。
津波館なる場所に行きましたが、敢えて語る必用も無い、皆が知る事態のアレコレを展示していました。

で、石で出来たモニュメントのお写真の真ん中が凹んでいますが、津波のあった7月12日の夕陽がそこに落ちるのだそうであります。



奥尻と行ったら「ウニ」であります


奥尻名物「鍋釣岩」と頭頂の光るおやじ


稲穂岬 賽の河原 津波の慰霊碑や石積みが列ぶ

賽の河原公園はキャンプ場にもなってるんですが、この度は誰も泊まりませんでした。
いや、やっぱしなぁ~と言う雰囲気がそこはかと無く漂っていましてここで一人でテント泊は気持ち的にキツイと思う訳であります。
私はシャワーか温泉が有れば平気ですけれども、ドッチも無いので外しました。



宮津弁天の脇の浜 水に触れたくて寄った

水は・・・海水は思ったより温かく拍子抜けするほどでありました。
うん・・・やっぱし利尻や礼文とは違う、日本海の暖流なんだなと確信し、夏空の様な晴天と相まって海に入りたい衝動に駆られました・・・が、フェリーの時間が迫っていたので止めました。


利尻のゆるキャラ ウニ丸君

そんな訳でたった一泊二日の滞在ですけれども、正直に申せば、もう見るべき場所も無い感じで有りまして、ここは何かを見るために来島ではなく、時の流れを忘れたり、風の匂いを感じに来る所であるなと思った次第であります。

12時05分発 13時40分 フェリーでせたなへ戻る。


洞爺湖の近く 北の湖記念館

そんな訳でせたな町から目指したのは洞爺湖のキャンプ場でありました。
もう1日有れば小樽へ回ったんですけれども、帰るのが明後日・・・天候の悪化などを考えるとあまり掛け離れた所から長駆してフェリーに滑り込む芸当はしたく無かったのであります。

で、2時間半ほど走って仲洞爺湖キャンプ場に着いたんですけれども・・・ここを選んだ理由が温泉付きだったと言うのに、火曜日はお休み、でありました。
それも、8月までは無休だったのにシーズンオフだからと言う事で・・・そんなご無体なぁ~と、涙してもダメであります。
キャンプ場で教えてもらった隣町の壮瞥町の北の湖記念館の隣りの『ゆーあいの家』温泉に走った訳であります。


洞爺湖は夕陽が名物だとか

で、温泉に浸かっている間に洞爺湖名物の夕陽は沈みかけていた訳であります。


このキャンプ場は水辺以外はペケであります。

のんびり風呂に浸かる株キチを急かし、飛んで戻ってカメラを構えたんですが・・・結果から申し述べると、オッサンとジジイが二人で眺めるモンじゃ無いな、と言う事で、湖の際にテントなど張って楽しんでいるカップルを邪魔しないように我々は草も生えていない水辺から遠い地面にテントを張った次第であります。

いや、このキャンプ場は傾斜地でして、しかも下草も無い所が殆どでありました。
で、トイレがポットン式水洗でして、そこはかと無い臭気がナニな訳です。
まっ、他のあまりにも優れたキャンプ場と比較しての評価はアレですが、夜中に騒ぐ親子が居たりして自分としては残念でありました。


昭和新山の前で ジジイとオッサン


函館の定番 立待岬


函館名物 路面電車

と、言う事で洞爺湖から大沼公園経由で函館市内に入り五稜郭へ来た訳であります。
しかし、疲れがたまったんでありましょうか?
途中の赤松並木の道辺りから猛烈な睡魔に教われ五稜郭の駐車場に辿り着いた途端に芝生に倒れ込んだ始末であります。
いや、株キチも同様でありまして、二人して五稜郭タワーの休憩所の椅子に突っ伏し暫し寝たのでありました。

いや、本日は最終日の夜と言う事で旅館に投宿なんですけれども未だ時間が早い訳であります。
ンじゃぁ、月並みだけれども函館山でも登るか?と、走ったんですけれども・・・ナントぉ~バイクや自転車は走っちゃダメよ、と言う道で有りました。
仕方が無いのですぐ傍の立待岬に行って時間を潰したんですけれども、函館市よぉ~冷たい仕打ちを俺は忘れないぜ、と。
ナンと申しましょうか、大沼公園辺りからドーにも観光地臭が強くなりまして何を食べても高くてそれなりと感じるし、函館ってドーなんだろう?ナンて思ったんですけれども、まっ、個人の感想であります。

その夜泊まった湯の川温泉の黒田屋旅館・・・じゃらんで見つけた安宿なんですけれども、こじんまりして静かな宿は料理もお値段以上ニタリ、と笑っちまうし、お風呂も気を衒った露天などは無い変わりに源泉掛け流し、金多磨握りしめないと入れない熱い湯は正統派で大当たりでありました。


9月7日 さよなら函館


と、言う事で、朝9時半のフェリーで大間に戻り、後はひたすら軽トラで我家を目指し、午後7時半到着でこの旅は終わったのでありました。

一気に書いちまって長くてゴメンナサイ・・・最後まで読んでくれた貴方様に感謝であります。






コメント (2)
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