日光の旅行も足尾銅山で最後であります。

アプト式の機関車でした
いや、銅山の入場料は820円と少しお高いんでありますが、トロッコに乗って坑道見学が出来るのだからそんなもんだろうと思っておりました。

講堂の入り口で一旦停車
いや、私の勝手な勘違いでしたが、気動車でトロッコを引くのは坑道の手前まででありました。
ここから先は一両ずつが自走できるトロッコで行くのでありました。

線路は続くよどこまでも
約400年間に渡って掘り進められた坑道の総延長は1234キロだそゔてす。
いや、トロッコで1234キロを行くと大変なので精々5キロも走るのか?と思っていた訳ですが・・・。

華厳の滝では撮れなかった心霊写真が
いや、運転士さんがガラスに映っただけなんですけど、少しだけギョッとしたのはホントーです。

左手前方にホームが見えます
なんと申しましょうか・・・坑道内の実走行距離は200メートルほどでありました。
アレです・・・炭坑で働く男は寡黙なんでありましょう。
炭坑と寡黙な男から、私は高倉健さんの黄色いハンカチを思い出しちまいました。
余談ですが、あれ・・・あの映画、涙無くしては見られない場面が多々ありましたね。
渥美清、倍賞千恵子、桃井かおり、とおまけに武田鉄矢らが良い味を出していましたっけ。
で、足尾の寡黙な男はトロッコが停まっても何も言わないのであります。
が、自分も子供ではないので、ホームで停まったと言う事は降りろと言う事であるな、と理解し、先の方にあった「順路」と言う看板に向かって歩いたのでありました。

鋭い目線にドキッとしました
いや、ここの人形の表情は凄いと思います。
歯を食いしばって苦役に耐える人夫を忠実に再現している、と私しゃ感動しました。

身分の違い・・・
手ぬぐいを被って石を掘る人夫とは対照的に身なりを整え帳面を付ける役人の図であります。
これを見て思った事は・・・この時代のここに生まれたとしたらオラぁやっぱし人夫だろうなぁ~と。

歯を食いしばって労働する人夫
このお写真は是非大きくしてみて頂きたいんですが・・・この人、柳葉 敏郎に似てませんか?
ここまでの人夫は江戸時代の人達なんでギバちゃんはいないと思うんですが、でも、絶対に現存する人を真似て作っていると思うんであります。

大正の頃には削岩機が導入された
アレです・・・トンネルを掘るのが目的ではないので発破は無いんでありましょうか?
岩を掘ると言いますか石くれを採るのが目的なんで削岩機で砕きながら掘ったんですね、たぶん。
で、削岩機で思い出したのが「白蝋病」でありました。
が、当時は画期的な機械として障害など疑わずに使ったんでありましょう。

昭和の炭坑夫の弁当風景
いやぁ~懐かしいアルマイトの弁当箱であります。
しかも写真左に写っているのは紛れも無い「土方弁当」でありまして、めしが普通の平型の倍も入る物であります。
で、おかず用の小さな箱が見えますが、自分は子供の頃にこれを使っていましたので懐かしいもんであります。
おかず用の箱はゴムのパッキンが傷むと汁が漏れましたっけ。
で、ご飯用の弁当箱は日の丸弁当の梅干しの酸でやがて穴が空くんであります。

坑道の先に明かりが・・・
坑道見学は、早足で通り過ぎたら30分程度でありましょうか?
しかし随所にある説明書きなどを詳しく読んでいたら一時間でも廻れないほど中身の濃い物でありました。
で、見学して思った事は、苦役に耐えた人夫失くして日本の繁栄は無かったんだな、なんて当たり前の事でありました。
坑道から出る時、後ろを振り返り、自然と頭を下げちまいました。
誰にと言う事ではなく、日本の一時期を支えた人夫たちにお礼が言いたくなっちまった・・・なぁ~んてね。

石を砕く女 砕女 (かなめ)
いや、炭坑の中に女性の姿は無かったんですが、外に出たら砕女の人形がありました。
で、それを見て思ったのは・・・だよなぁ、女が働かない訳は無いんだよな、であります。
まっ、私の穿った見方なんで外れかもしれませんが女性ももっと酷い労働に勤しんでいたと私しゃ思うんであります。
が、過去の事とは言え黒歴史とも言える部分は抑えてあるんだろうな、なんて勝手に想像した次第であります。
ところで・・・砕女の人形も他の鉱夫と同じく何処かで遇った人に思えてならないのであります。
こんなおばちゃん、近所にいたよなぁ~ と、言う事で、足尾銅山の坑道見学は終わったのでありました。
いや、この後「鋳銭座」の展示室を拝観しまして銭に関する蘊蓄を見たんですけれども、それはそれで一つの記事なっちまうほど濃い訳であります・・・が、蘊蓄主体になるので面白く無いので省きます。
どーも、長い間お付き合い頂きましてありがとうございます。