明朝、庄内行きの飛行機で読む本を探していたらジェインジェイコブスの最後の著作が出てきました。
2006年になくなった彼女が2004年に書いた『壊れゆくアメリカ』(Dark Age Ahead)です。日本では今年の5月に翻訳が出ました。
彼女の都市に対する姿勢は『アメリカ大都市の死と生』『都市の原理』などから一貫しています。しかしこの本を読んでみると今日のサブプライムローンに端を発する経済危機をみごとに予言していることにまずは驚かされます。
彼女は1984年に住居費と収入とのギャップについて論文で警告しています。またこの本でも「アメリカでは住宅業界に圧倒的に資本が集中して」おり「確実に住宅バブルははじける」と断言しています。
しかし、彼女が1984年に警告したときにはエコノミストから「購入した住宅資産の上昇を彼女が評価していない」ことを過ちとして反論されたそうです。
なかなか人は先のことが読めないものです。昨年の秋には住宅ローンの破綻(mortgage crisis)という言葉が話題に上っていましたが、正直ここまでのものになるとは思いませんでした。
高谷時彦記 Tokihiko Takatani
然し残念ながら彼女の予言どおりになってしまったというわけです。
それにしても一貫した主張の背後にある信念、そしてその信念に裏付けられた先見性には感服するしかありません。
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