まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

駿河台から淡路町まち歩き

2024-05-14 11:39:09 | 建築まち巡礼関東 Kanto

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建築好き、またいろいろ詳しいHさんと、御茶ノ水駅で待ち合わせ。特に決まった、コースはありません。途中どこかで生ビールを飲むことが決まっているだけです。まずは、文化学院へ。本当に久しぶりです。1989年に槇文彦先生の事務所を卒業して独立。そのあと様々な大学で非常勤講師をしましたが、一番最初に一年間だけ設計の授業を手伝ったのが文化学院です。伊藤ていじ先生が学科長(正式な名称は違うかもしれません)をしておられました。伊藤ていじ先生からは、それ以前に『見えがくれする都市』の私の記述などに、鋭く刺さるコメントをいただいたことがありましたが、若い学生を大切に育てようという思いが伝わってくる優しい先生でした。一度だけですが、講師控室で2人だけでお話しする機会がありました。ラッキーでした。文化学院は、西村伊作さんの設計ですが、西村さんは創設者の一人でもあります。辻原登さんの痛快な小説『許されざる者』にも登場します。残念なことに、玄関部分だけを残して解体されていましたが、雰囲気としてはうまく継承しているように思いました。

ここまで来たら、次はアテネフランセ。吉阪隆正。開講中でしたが、廊下などは見学可能でした。手すり、小さな開口部など、吉阪建築の手触りの良さを感じます。モダニストでありながら、人の感覚を残す細部へのこだわりは、ちょっと違うところです。写真はNGでした。

 

Hさんが山の上ホテルを見ようということで、向かいます。アールデコですね。

横に廻ると表現主義風のところもあり、優しい存在感です。仮囲いがありましたが、どうなるんでしょうか。

多くの文化人の思い出も詰まった建物です。

 

明治大学博物館に向かう途中。神田は看板建築の集中した場所です。お昼ご飯と生ビールの後、再び建築行脚。

明治大学の建物前。ちょっとした休息スペースを作ってくれています。

そしてニコライ堂。こんなところから見えていたんですね。

ビザンチン様式との解説があります。ギリシャ十字の平面形ですね。

玉ねぎ型の塔もあります。東方を感じます。

ロンバルジア帯の付いた、ロマネスク的?建築。敷地内にいろいろあったんですね。初めて知りました。

Hさんが淡路町の方に古い建物が残る一角があるから行こうと、案内してくれました。途中には巨大な再開発ビルが並んでいましたが、足元にはこんな倉が残されて(移築)いました。

 

大正6年上棟です。大規模再開発ではありますが、こういうものを大事にしようという、心もあるんですね。Hさんによると千代田区や港区などは、歴史文化環境に対する意識が高い開発が多いとのこと。

大規模再開発のすぐ横の一角が、別世界。知りませんでした。東京空襲に焼け残った一角とのこと。

歯医者さんが続きます。

 

おいしいお店の数々です。どれも有名処です・・入ったことはありませんが。

 

続いて、万世橋。高架下がアートスペースになっています。

ピエールジャンヌレの家具だそうです。

神田川沿いはテラス。当然、ここでもう一杯ビール・・ですね。

駿河台、淡路町の建築巡りお疲れ様でした。帰りは久しぶりに秋葉原の駅。鉄道が交差する駅に来るといつも大学時代の図学の授業を思い出します。そう、ねじれの関係。交差せず、同一平面上にない2直線の関係です。井の頭線と京王線が交差する明大前の駅を思い出すようにと、言われました。ねじれで交差する駅には、どこも共通するゆとり、遊びの空間が生まれています。単純に言うとホームに広くなっているところがあるということでしょうが、そこが面白い。光が落ちてきていると、「これがねじれの駅の特徴だ」などと、つまらないことを思い浮かべます。

高谷時彦

建築・都市デザイン

Tokihiko TAKATANI

architecture/urban design 

設計計画高谷時彦事務所

 


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