ブログ仙岩

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「愛しの全滅」エッセイスト大石邦子

2021-08-17 04:44:02 | エッセイ
ハイみんぽう8月号大石邦子の「愛しの全滅」を読んで。
レタスとパセリの白いプランターが友の御主人から届いた。
机の前の縁側に置き、毎日私の呟きや歌などを聞いてくれるのはこの野菜たちであった。
命あるものが一緒にあるということは、野菜であれ、何であれ、一人暮らしの身には大きな話し相手であり、大きな慰めである。
ところが、この可愛い野菜畑が一晩で全滅してしまった。根元から倒れ、茎には全く力がなく、我が家に来てから1か月余りである。
農家の人に聞いて、水をやったり、支え棒で立てたりしたがダメだった。
急激に気温が上がって、家の中ではこの暑さに耐えきれなかったのだろうと言われた。
全身の力が抜けた。私以外に頼るものがいない命を救えなかった私の無知さ加減に、詫びても詫びきれない。
毎日サラダにして食べるときには罪悪感などなかったのに、殺してしまったと思うと切ない。
まだ6月だというのに、今日も30度を超す暑さである。家の中ではそれほど感じないのに、外では一瞬に汗ばむ暑さだった。
私は、全滅して、地に溶けたように倒れているレタスやパセリの姿に、何故か、熱中症で倒れた自分の姿が重なって見えた。
2回ほど救急車で運ばれたことがある。
それほど暑いとか喉が渇いたとかいう感覚はないが手足がしびれ、体がふらふら、何も食べていないのに吐き、意識が遠のいていった。
熱中症や脱水症は気づかないうちに体に力が入らなくなっている。
この暑さの中、コロナワクチンで出かけることになる。気を付けなければ・・・。今日は2度目の摂取である。

これは家の中で野菜を育てる難しさである。
もしかして、夜露にあてる工夫をすれば防げたかも。
私も今年初めて、キュウリの苗2本根腐れでダメにした。1本だけ元気で、脇芽を取らずに育てたので、食べきれなかった。いまだに脇芽のキュウリを収獲している。
しかし、娘は4本とも根腐れでダメだったという。今年の天候は人にも野菜にも困難な年であるようだ。写真は我が家の収穫野菜。