
3カ月の乳児が、ハングル語の口を尖らせて「ウ」と言う発音と、口をイを言う時よりももっと横に引いてイを言う形で「ウ」と言う発音を、ちゃんと区別している。(この発音は、ロシア語やトルコ語やタイ語などにもあるが、日本語では、同じウに聞こえてしまう)その能力が、半年経つと、次第になくなって行く。
6カ月の乳児に、サルの顔を見せ、ちょっと違えて新しいサルの顔を見せたところ、ちゃんと区別している(大人は、同じに見える)。この能力も、9カ月経つと、次第になくなってしまう。
生まれて間もない赤ちゃんに、眠っている状態で(赤ちゃんは、大人よりも圧倒的に眠る時間が多く、その中でも、REM睡眠が多いと言われているが)、日本語を聞かせると、ちゃんと脳が活動している。日本語のテープを逆に回すと、反応が乏しくなっている。これは、恐らく、生まれる前から、日本語を聞いていたことによると思われる。
神経のシナプスの数が、生後8~1歳までが、人間のピークになっている。それ以後は、減少しているのだが、その過程で、出来たシナプスが単純に減少するのではなく、絶えず、小さければ小さいほど、沢山壊され、それ相応に作られ、総計として、減少していると思われる。
赤ちゃん動きを見ると、生後14日目よりも、2カ月目の方が、動きが少ない。しかし、6カ月目になると、14日目よりも、多くなっている。つまり、動きが2カ月目に後退している様に見えるが、それにより次の新たな動きを獲得していると思われる。つまり、後退も、赤ちゃんにとっては、発達の一過程の一部となっているのである。
言語学習の研究では、アメリカの赤ちゃんに、全く知らない中国語をビデオを4週間も見させているのに、効果は、予想に反して全くゼロ、それが、実際に同じビデオに出ていた中国人と接触させて対面遊び的にすると、はっきりと効果が出たのである。このことは、人間と言うのは、社会的な人と人との関係で、学習して行くということの証なのであろう。
育てた人の話だと、自分よりもちょっと上の子のハイハイや歩くのを見て、急に自分の子も、今まで出来てなかったその動作が、急に出来る様になったと言われた。