
1979年の調査では、20時台に寝る日本の小学4年生は、約4割もいたのに、2002年には、わずかに6%しかいません。逆に、1979年には、深夜0時過ぎて起きている子はいなかったのに、今は、2%います。
2005年の小学4年生の平均就寝時刻は、アメリカでは、20:37、中国では、21:00ですが、日本では、21:40以降となっています。
日本の中学生は、アメリカよりも約30分、ヨーロッパよりも90分以上、睡眠時間が少なくなっています。中華民国が日本と同じくらいでしたが、そこでは、暑いので、昼寝の習慣があります。日本の中学生は、とても昼寝の出来る状況にないので、日本の中学生は、世界で一番眠っていないことになるでしょう。
高校生では、2003年の国際比較調査があります。0:00過ぎても起きている日本の高校生は、6割に上ります。アメリカでは、6割が23:00前に、中国でも、5割が同時刻までに寝ていることをみても、日本の高校生は、夜ふかしが際だっています。
2004年の東京の子ども達の疲労度の調査では、小学生の訴えのトップ3は、「あくびが出る」「眠たい」「横になりたい」となっています。
訴えのトップ3は、中学生でも同様で、特に女子中学生では、8割もが「眠たい」を上げています。
授業中に、きちんと起きていられる様に、基本的な生活習慣を改善する必要があると思います。
中学生の疲労度の調査では、「横になりたい」に続くのに、「熱心になれない」「考えがまとまらない」「イライラする」となっています。
心も確実に病んでいる様です。
充分な睡眠は、強い免疫力を作ります。乳幼児からの強い免疫力が、その後の健康を保持する上で大切です。大人も、眠たそうにしている人が少なからずいます。睡眠不足は、事故の元です。
もっと、睡眠に付いて社会が真剣に考えるべきだと思います。
私の長い医療生活では、一番の敵は、睡眠不足でした。
ある朝、深夜明けの救急外来ナ一スに、「昨日、急患、18時から久し振りに誰も来なくて、ラッキ一だったネ」と言うと、「いや、それが、いつ来るか、いつ来るかと気になって、先生、殆ど眠れなかった」と言われた。
多くの人は、当直していても、起こされなければ、楽だろうと思う。しかし、現実は、何かの時に絶対に起こされると思って寝るとと、絶対に起こされないで寝れると思うのは、眠りの度合いは、明らかに違う。
ましてや、小児科や産科や外科や内科でも、病棟に一人気になる人がいると、気になって、よく眠れないこと多い。そうです、病院の重症患者さんを沢山抱えている勤務医は、実質、拘束時間も含めると、24時間、仕事をしているのです。
それに、当直明けは、普通に仕事をしているドクタ一、大半なのですから、それで、訴えられれば、もう、耐えられませんね。