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細気管支炎・・・

2010-12-04 10:30:42 | Weblog
  ある救急病院に勤務していた時、大きな部屋に(9人部屋)、全て細気管支の子ども(その多くは乳児)で満室になっていたこともあった。19床のベッドを持って開業していた時にも、冬は、この疾患との闘いって感じだった。
 その多くは、RSウイルス感染が原因。今は、検査が簡単に出来るが、当時は、それが出来ない状態で、気管支喘息、クループ、喘息性気管支炎、気管支炎+気管支喘息など、似たものとの鑑別で当初診断付け難いこともある。外来に来院した直後に息が止まりそうになっていて(細気管支による窒息死が時にあり)、直ぐにネブライザーを外来で掛けて、事なきを得たこともある。
 細気管支炎、昔も今もあるが、経験した親御さんは少なからず理解している様だが、一般的には、あまり知られていない様だ。
 細気管支炎、幼児にもあるが、乳児の方が症状が強い。3カ月未満の乳児の細気管支炎となると、主治医は、しばしば病棟に足を運ぶことになるし、深夜でも、病棟のナースからよく電話が掛かってくることが多い。思った以上に急変する!軽い場合は、外来で診ることも多いが、初めの3日間は、その急変する可能性があれば、毎日外来診察することもしばしば。
 熱はあまりないことも多い(特に、小さな乳児は・・・熱を上げる力がないのか?)鼻水や咳や喘鳴があり、喘息との区別が非常に難しい(その後、気管支喘息になる例も3分の1程?いる)
 前もって防ぐ(シナジスなる高価な)注射も出来ているが、適応が未熟児や心疾患があるなどに限られている。
 大人では、RSウイルスになっても、鼻水だけのこともあったりして、たいして症状ないのに、子どもの場合は、重症になることしばしば・・・→風邪引きの大人は、小さな子どもに接しない方が賢明だと思います・・・。
 いろんな治療の仕方が言われている。もちろん、ケースバイケースであるが・・・。
 熱が高かったり、血液検査で白血球数が多かったり、喘鳴が強くて、気管支喘息も疑われると、抗生剤やステロイド剤やγーグロブリンを積極的に使用する先生もいる・・・。
 程度が軽度だと、抗ヒスタミン剤や鎮咳剤を使用している先生もいる・・・。(個人的な見解としては・・・細気管支炎の症状が強い時、抗ヒスタミン剤では、鼻水を止めても、痰が切れなくなって、却って息苦しくなっている様ですが・・・)
 私なりの治療は極めてシンプルで、兎に角、疑えば出来るだけ早期から、その多くに去痰剤(清肺湯使用)と気管支拡張剤を与え、吸入を積極的にして(2時~6時の間にひどくなることが多いが)、入院すれば、点滴をして、生食にメプチンかアスプーを入れて、吸入を頻回にしている(極めて深刻な時には、持続吸入となるが、多くは、当初、3時間おきの吸入で上手くいくことが多い気がしている・・・)。尿の出方や食欲などを見ながら、点滴の速度には、細心の注意を払っている。
 今朝(4日)、早朝、3カ月男児と9カ月男児と2歳5カ月幼児(いずれも、RSウイルス陽性)を診て、(30日に入院した)9カ月の男児を退院させた。
 外来では、ノロウイルスも結構流行している。アデノウイルスも時にいるし、(声がかすれて咳が1週以上取れない)パラインフルエンザらしき子もいる。インフルエンザは、今は、下火の状態となっているけど・・・。何故か、インフルエンザ患者さんが少ないと、RSウイルス患者さんが多くなるし、インフルエンザ患者さんが多くなると、RSウイルス患者さんが減少する。

*写真は、オーストラリアのコアラ。


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