字は人それぞれ個性的です。
学校の先生は字がきれいなことが求められる職業ですが,先生の中でも字は様々です。
ほれぼれするほどきれいな字を書く先生。
めちゃくちゃ行書すぎて読みづらい字を書く先生。
女子校生のような丸字を書く先生。
小学生と変わらないほどの字を書く先生。
書いていると文が必ずある方向に曲がっていく先生 ・・・・などなど
先生は子どもたちが読みやすく,手本にできるような字が書けるように努力していくべきだということは,みんなが了解済みだと思います。
ちなみに私。
初任の最初の研究授業。
授業後の検討会で,いろいろと指導をいただく中で,当時の校長先生にこう言われたことを今でも覚えています。
「先生は,字の練習をしなさい。かならず黒板の下の方で曲がってるしね。」
こんな基本的なことを指導受けるとは…
と恥ずかしい思いでしたが,今思えば当然のご指摘です。
そして,今年の夏休み。
校長先生との自己評価の面談がありました。
面談にしては初めて,こう言われました。
「先生は黒板の字がきれいですね~ 習ってたの?」
「いやいやっ とんでもないです。」
意外な言葉に驚きましたが,字をほめていただいたのは素直にうれしかったです。
少なからず,いい字を書けるようになろうと努力してきましたから。
字には全く自信がなかったのですが,今では少し自信がでてきました。
さて
黒板に書く字についてですが,字の形うんぬんの前に
先生の書く字がよく見える(読める)か,子どもに確認する!
年度始めにでもやっておくべきことですね。
普段,自分が書く字で黒板にある程度の文章を書き,
「先生はこれくらいの字を黒板に書こうと思うのですが,みなさんこの先生の字がよく見えますか?」
と,クラス全員の子にたずねます。
視力の弱い子,一番後ろにいる子,そういった子たちも含めて全員が
「大丈夫です」
ということなら,その字でOKですね。
もし一人でも
「ちょっと読みづらいです」
って子がいたら,字の形や大きさを変えなくてはいけません。
子ども側に立った親身な対応の一つですね。
長年教壇に立ち,黒板に字を書いてきた先生だから,今年も同じようにやっていくのが普通ですが,黒板とそれに書く字は授業の命です。
その年々で,自分の字が子どもたちに受け入れられるかを確認しましょう。