何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

わんこ と 人の物語 ③

2017-08-24 22:00:00 | ひとりごと
「2017 四方山話 ワンコ編」 「わんこ と 人の物語①」 「わんこ と 人の物語②」より

お仏壇の膳引きに、ワンコの写真や愛用の品をおき、
経机の横に置くワンコ愛用のオアシス(水飲み)に花を活け、
朝に夕に、日に何度もワンコを想いながら手をあわせるのが、我家みんなの日課になっているのは、
ワンコも知っているだろう

去年のお盆は、ワンコがお空組になって初めての夏だったから、
ワンコに読経を重ねるのが辛くて、
お盆に住職さんがお参りして下さる直前に、ワンココーナーの位置を一旦変えたんだよ

でも今は、ワンコがそこに居てくれるのは、私達にとって当たり前のことになっているだけに、
仏事として許されるのかという事を、住職さんに訊ねたそうなんだよ
尤もさ、今更それが適切ではない、とか云われても、
ワンコにとっても私達にとっても、そこはもうワンコの定位置ではあるのだけどね

でさ、答えは、
良いですよ、という事だったんだよ ワンコ
お仏壇の中に、ワンコのものをお祀りしてはいけないけれど、
お仏壇の前の膳引きや経机に写真やお供えをするのは、かまわないのだって ワンコ

住職さんは、
犬のためのお葬式を頼まれたこともあるそうで、
犬や猫が家族の一員であることは、よくよく理解されているそうだよ
(人のための)お参りでも、家族は皆ペットの写真ばかり見て、手をあわせている、
なんていう事にも、出くわされるんだってさ、
ちくと耳が痛いね ワンコ

住職さんは、
お仏壇の内と外の区別さえ、きちんとつければ、
ペットを切っ掛けに、お仏壇の前に身を正し静かに手をあわせる習慣をもつようになるのは良いことだ
と仰ったんだそうだよ ワンコ
いいね~御仏の世界

「この宗教のこの宗派しか天国に行けない」とかいう理由をお互い突き付け、戦い、
それを、双方が聖なる戦、なんて言ったりする世界もあるのに、
御仏の世界、いいね~すごくいいね~
八百万の神々というのも、すごく好きなんだけど、
犬も猫も ペットも家族ですね、と受け入れてくれる御仏の世界も
いいね~

そんな場面、
「わんこ と 人の物語②」で紹介した「学校犬 クロ」(藤岡改造)のなかにもあるんだよ
お空組に旅立ったクロのために、お別れの会が開かれるのだけど、
そこでは、僧籍をもつ教師がお経をあげたし、クロは位牌に戒名も刻んでもらったんだよ

こう書いたけれどさ、ワンコ
実は、家族として一緒に暮らした犬を見送る人の心情は万国共通のものかもしれないんだよ
クロのお別れの会で、校長先生が述べた弔事に、そう思わせてくれる詩があるんだよ

犬の墓碑銘
この小道をおとおりの方、もしや
この墓碑を見とめたとしても
どうか お笑いくださいますな
よし犬のお墓にしても
涙でおくられ、御主人の手ずから
灰をかきあつめたもの
そのうえその方が また墓標に
この墓碑を刻んで下さいました
~読み人知らず~


これは、大切にしていた愛犬を葬ったお墓のことをうたったギリシャの詩なのだそうだよ
ギリシャはもともと日本と同じで、神々を戴くお国柄だからかもしれないし、
人間とは本来そうしたものなのかもしれないけれど、
生きとし生けるもの全ての命を大切にする、この気持ち、
いいね~ワンコ

本書にはね、もう一つ詩が紹介されているんだよ 
それは、本書の作者によるものなんだよ

さよなら、クロ 藤岡改造
一、僕が声をかけると
  駈けてきて体すり寄せる
  何を言いたいのか
  つぶらな瞳は
  ただ一匹の犬だったけれど
  クロよ、お前は可愛かった

二、若さゆえのかなしみ
  それがわかったのだろうか
  泪つたう頬を
  ぺろぺろとなめた
  ただ一匹の犬だったけれど
  クロよ、お前はやさしかった

三、振り向くと立ち止まる
  歩き出すとまたついてくる
  まるで赤ん坊が
  母慕うように
  ただ一匹の犬だったけれど
  クロよ、お前は可憐だった

四、粉雪古寒い日
  愛する人らに送られ
  さすらいの旅路を
  旅立っていった
  ただ一匹の犬だったけれど
  クロよ、お前が懐かしい



犬を家族として暮らす人は皆、おんなじ気持ちを持つものなんだね ワンコ
ワンコよ、お前は可愛かった 優しかった、可憐だった
そしてワンコ、お前がどうしようもなく懐かしい

ワンコ 来月はお彼岸だよ ワンコ
空気が澄んで星がきれいに見えはじめるから、
一緒に星をみるため、帰っておいでよ ワンコ

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