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以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

捨てる前の選択肢。。。

2020-08-11 10:22:00 | 日記
今年もやって参りました。。。猛暑のお盆Week。。。

今年は更にコロナ禍とあって自粛の夏となりましたが。。。

はい。流石の私目も今年は例年のバカンスを中止してほぼほぼStay Home。。。

平常通り営業しております。。。

すると、燃調が濃くてカブりまくりのW124 E280が入庫。。。




不調原因はほぼほぼ検討がついていましたが一応入庫検査。。。



この不調、W124後期モデルじゃ経年劣化で絶対に遭遇するモノでして。。。

普通の健全な修理屋さんにかかると普通にO2センサーを交換してって話になりますが、、、
ソレだけで完治するのならばウチの会社は要りません。。。(笑)

O2センサーを交換しても若干燃調の濃さの軽減にはなりますが、、、何か未だ濃いってのがスパイラルのプロローグ。。。
大体、一般のショップさんや工場さんはこの時点でお手上げ〜。。。
常套句は「旧いんだから仕方がない。」でThe End......

この手のモトロニック車は燃調を人為的にADJする機構すら存在せず、、、誤魔化しすら通用しないので高齢者のインチキ修理屋には絶対に手に負えないのです。。。(笑)

余談ですが、モトロニック車は不調の誤魔化しが機構的にほぼほぼ不可能な故インチキ中古車のタマが少なく、比較的素人さんでもボロイタマを見抜き易いのです。。。
コレが前期のKEジェトロのタマはタチの悪いデイーゼルエンジン整備の知識のある爺さん整備士に絡むととんでもない誤魔化しが通用したりするので個体を探す際には特に注意が必要ですねー。。。と、参考までに。。。😎

さて、この個体はオイラの見立て通りのエラーがメモリーされていてスロットルコントロールの正確さに欠いていた。。。
と、すると何が疑わしいってか何が原因かってお話になりますが。。。




助手席の足元の奥をめくって。。。




T/LLRコンピュータを念の為に弊社の試験用のユニットに着け替えてみる。。。



再びエンジンスタートでスロットル制御のデータをスキャン。。。

ちょっと試乗で近所を一回り。。。

エンジン音の苦しさも解消され、生ガス臭さも消滅。。。

よって、現車に装着されていたT/LLRコンピュータを分解修復。。。

因みに純正新品デイーラーさん販売価格は約20万円也。。。

現品修理と点検費用でその半分のコスト。。。

修復可能な範囲である場合は修復が一番でしょうね。。。





コレにて修復完了‼️

現車に装着してスロットル絡みのエラーは解消した事を確認して、、、

HFMのデータをスキャン。。。

O2センサーの電圧がかなりリーンな値を示しているね。。。

T/LLR補修前の今まで燃料がリッチで吸入されていたが故に燃え残ったガスがヘドロ状になって排出されてO2センサーのセンサー部分に堆積。。。
更に放置すると触媒にヘドロ状物質が堆積して触媒の点火、破損に繋がります。。。

O2センサーの電圧がリーンな値と言う事はO2センサーのセンサー部分にヘドロ状物質が焼き付いていると判断される訳で、、、O2センサー要交換ですね。。。

この場合は同時にEGRバルブの脱着洗浄もやっときましょう。
ブローバイ排ガス還元システム(排ガス浄化装置)にもヘドロ状物質が入り込んでEGRバルブの動作不良を招いてアイドル時のハンチング症状の原因にもなりますからね。。。

O2センサー交換以降の作業はウチの協力工場にお任せするとして、、、

オイラはコッチの作業。。。







既にメーカー供給終了品のW126 後期V8モデル用のF/Pリレーの修復作業。。。

どうやらF/Pの動力電源をショートさせてリレーユニットを破損させたらしい。。。

この時点で車屋さんでは修理のノウハウや技術などある訳が無いからゴミ以外の何物でも無いですねー。

1980年代〜1990年代半ばのモデルのメルセデスの電装ユニットは捨てるトコが殆ど無く、自然劣化故障の場合にはほぼほぼ修復と耐久性向上の措置が可能です。
素人又は素人同然の方が弄り壊したりしてなければ結構何とかなるモノであります。。。

このF/Pリレーも故障原因はほぼ人災でしたが、メインは基盤の補修で再生が可能でした。
セーフだった事例です。



この際なのでコールドスタートバルブリレーも無接点化しました。。。

次に、、、同じW126 560SELのエアコンリレーユニットのO/H&無接点化。。。






丁度エアコンリレーの故障は今が旬❗️

エアコンリレーの修復依頼が続いています。。。
人災以外の故障ならば大体は修復可能です。

劣化部分の再生修復と無接点化を施工して故障知らずにしておくのも賢い選択肢ですね。。。




年中無接点化中〜。。。

2020-08-05 20:34:00 | 日記
この度はW201の2.3-16V。。。

先ずはFUELポンプリレー❗️

今やこの品番のFUELポンプリレーもメーカー供給終了。。。

基盤チェックを行なってみると。。。






素人半田の肉盛りの痕跡多数。。。実に汚い。。。

先ずは旧い補修の痕跡部分の半田の除去からです。
使われている半田もホームセンターで売っている様な汎用安物のヤニ入り半田だから酸化も著しい。。。
車載環境を重視した半田じゃないから劣化すると半田割れやら導通不良を招く事になる。


燃料ポンプの電源を断続するFUELポンプリレーを摘出。
リレー接点を目視検査すると間もなく接点不良が始まる域に来ていました。。。

ついでに冷間時にチョークの働きをするコールドスタートバルブリレーも同時に摘出して基盤パターンの半田打ち替えと補修作業。。。

基盤のリペア作業が終わったらリレーの代わりにFETによる無接点化基盤を搭載。。。



コレにて無接点FUELポンプリレーの完成です。


続きましてA/CリレーのO/H&無接点化。。。





此方も過去に素人半田補修を受けていた様で。。。(笑)

ノーマルリレーを撤去して、基盤パターンの補修と要補修箇所の半田の打ち直し。。。



基盤上の電解コンデンサーも耐熱105℃規格以上の車載対応品に変更。

ノーマルの電磁リレーに代わるFET式の無接点リレー基盤を搭載。。。
コレにて故障知らずのA/Cリレーが完成です。


続きまして。。。

過電圧防止リレー(OVPリレー)も新品部品ベースで無接点化基盤を載せて完成〜。。。

ノーマルリレーは過電圧がDC30V超えにならないとカットオフしませんが、弊社のOVPリレーのカットオフ電圧車載機器への影響を考慮してDC22V程度でカットオフを行います。
従って、某国産品を詠う某ア○バン○製社外オルタネーターを装着するとまず間違いなく過電圧検出で緊急停止がかかります。(その社外オルタネーターはメルセデスに限らず他車種向けにもラインナップは多いが国産車でもかなりの被害が報告されています。)

余談ですがこの世代のメルセデスではノーマルのOVPリレーでこの粗悪オルタネーターを装着した場合には不安定な25V程度の高い発電電圧によって起きるエンジン制御の乱れによるアイドル時のシャクリが多く発生致しております。
当然、DC30V程度まで過電圧を感知しないOVPリレーではエンスト症状に至りません。
弊社の製品ですとOVPリレーにあっては粗悪オルタネーターの発電電圧を確実に過電圧として検知致しますのでカットオフが掛かります故、エンストします。(笑)
症状発生時に修理工場などに車を入庫して検査しても多くの工場では原因を見抜く事が出来ずOVPリレーの所為にした挙句にスパイラルにハマっているケースが多々御座居ます。

弊社製無接点OVPリレーのユーザー様よりエンスト症状について過去複数件問合せを頂戴致しましたがお話をお伺い致しました限り10件中9件が粗悪オルタネーターに換装された後のエンスト症状でした。。。(笑)
内、素直にオルタネーターを弊社取扱のDENSO製に換装した、或はBOSCHの純正品に換装したユーザーはエンスト症状は完全に解決❗️😝

それでも粗悪オルタネーターに固執したユーザーは弊社とは縁が切れました。めでたしめでたし。。。(我々プロの意見を蔑ろにするお客様は要りません❗️)



で、、、現車に搭載。。。


バッテリーを載せて復帰。。。

エンジンの始動チェック。アイドルチェックを行い取り敢えずコレで完了。

後はクラッチマスター交換とFブレーキキャリパーのO/Hです。。。
まだまだ色々と治すトコがテンコ盛りです。。。