以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

アイドリング中。。。

2024-10-12 12:57:00 | 日記
今朝は徹夜明けで頭がボーッとしている故に事務所でアイドリング中の寅🐯です。。。

ここのところ彼方此方の業者さんがサジ🥄を投げた色々と不可思議な案件と対峙して一番手間の掛かるトラブルシュートに時間を取られて右往左往する事が多かった為に内職仕事が結構遅延してお客様よりお叱りを頂戴する事も幾度と無く御座居ました。。。

で、、、久々の案件であったR129のドアミラー本体内部ハーネスの引替って作業。。。
R129に限らず、W202,W210,W140で10年以上前に多かった案件ですが、、、

コレもまたメーカーではハーネス劣化→Assyで交換の考えが強くハーネスの引替など前提になっていないので作業は結構難儀します。。。

オマケにハーネスの色も変色していて元色が不明なモノや被覆自体溶けてしまっていてハーネスの色が判別不能なモノが普通にある。。。

コネクター間のピンアサインを暴くだけでも結構難儀する。。。
この部分に関連したメーカー資料を入手しても資料とコネクター形状が全く異なっていたりして全く役に立たない事も多い。。。

ウチの場合は過去に調査したピンアサインでメーカーの純正ハーネス色は参考程度にして新たにハーネス色の分配を決定してしまう。
つまりはピンアサインさえ合ってりゃあミラーは正常動作する訳だから現品の複数のコネクター同士のピンアサインからハーネスを新規製作すると言う手法にて対応している。
勿論、コストも高いが闇の深い毒車のサービス情報に対応するにはコレしか無いと言う判断で。。。

オマケにこの作業、、、途中で手を止めると複数の束になったリード線の行き先を忘れたりしてしまうので途中休止は有り得ない。
一気に行かないと深みにハマる危険性が高い作業なので悪くすると『昼休憩』も取れなくなる。

よってこの手の作業は電話の鳴らない夜間が一番適している。。。

お陰様で昨夜は肝煎作業として昨日19:30〜今朝4:00と言う時間帯にて完成した。。。









そして今朝10:30より通常営業。。。

先日のモグラ叩きモードだったW124 500E君を午前中にクライアントさんに無事引渡し完了。。。

今回はエアコン不調に絡む原因がシステム全体に渡っていたので結構難儀した。。。😱

修理のアプローチも不具合箇所だけ治せばヨイ何て具合じゃ、毒車に嘲笑われてしまう様な展開になり易いのでドミノ倒しは覚悟の上で臨む様ですね。。。

現在お預かり中のW201 190E(改)3.2Lも既にドミノ倒しの様な展開は始まっているし。。。


エンジン不調で当社に入庫したのでありますが、、、

先日解説した大陸製構成部品で組み立ては日本だから日本製を名乗っている社外オルタネーターによるHFM &T/LLRモジュールへのダメージについてはモジュール修理によって完治しましたが、、、













冷間時始動後10分程度で今度はスコンとエンスト。。。😱

即再始動を試みるも再始動出来ない。ってか初爆も無い。。。
丁度燃料ポンプリレーが逝った様な状態でイグニッションONでのポンプモーターの回転音もしない。。。

燃料ポンプリレーは新品。。。

因みにエンスト後5分程度経つと再びエンジンは始動する。。。

しかし、アクセルを空吹かししても微妙に回転がついて来ない。。。

って事で毎度お馴染みの寅🐯の仮説。。。

このエンストは燃料ポンプ系統に問題が発生して起きている。
フューエルフィルターのゴミが堆積してエンジン停止時の燃圧が掛かっていない時はフィルター内部のゴミは沈殿しているのでフィルターの濾紙を詰まらせないが、エンジン始動で燃圧が掛かると沈殿していたゴミが濾紙の網目に集中しだして濾紙を詰まらせて行く。。。
ほんでもって燃圧によって濾紙の網目の大半を塞いでしまい燃料の圧送が遮断されている。。。
で、、、燃料の圧送が遮断されてエンスト。。。
エンスト後、5分程度の燃圧ゼロ状態で再びフューエルフィルターの濾紙を詰まらせていたゴミが横方向に装着されたフューエルフィルターの底部に沈殿して再びフューエルフィルターで燃料が辛うじて排出されるが故にエンジンは再始動は効くが、詰まったフューエルフィルターは燃料が適正燃圧にならずエンジン側のプレッシャーレギュレータの入力燃料が少ない為にエンジンは適正に回らないと言う結果になっている。。。


と、言う事で燃料ポンプユニットの分解。。。

外したフューエルフィルターは案の定、、、息を吹き込むも息が通らなかった。。。

南無妙法蓮華経🙏。。。

ポンプは比較的新しかったがもしかしてフィルターは交換せずにポンプだけ交換❓ダメよ。

フューエルポンプとフィルターはセット交換です。

後は燃料ホースも経年劣化でボロボロなので部品が出るモノは交換。出ないモノは補修或いは一品製作で対応するしか無いわな。。。

毒車はバラせばバラす程色々出て来るのが常識化しとります。。。

To Be Continued……..


モグラ叩きの様な展開。。。

2024-10-08 11:07:00 | 日記
先月からエアコンコントロール不良で当社に入庫中の500E君。。。

モジュール類の不具合によるエンジン不調の改善から着手した結果、、、フェイルセーフによるエアコンコンプレッサーのクラッチの突然カット症状は皆無になった。。。

で、、、お次は外気温33℃の日中にエアコンをONにしてもコンデンサーファンが暫く回らず、、、何か冷え切らない風が吹き出し口から出て漸くコンデンサーファンが回り出したかと思うとクライメートコントロールパネルで『EC』モードに入れてエアコンコンプレッサーを強制OFFにしてみると、、、今度はコンデンサーファンが回転し続けて5分位回って止まる。。。

冷媒圧力は若干低めだが極端に低い訳では無いがコンデンサーファンのこの不可解な動作は冷媒圧力検知不良によるシステムコントロールの異常だと判断して一旦冷媒を抜いて圧力スイッチを交換と言う事で当社契約の仙人の爺ちゃんにお任せする事に。。。

この場合、、、冷媒循環システムの高圧側を分解する事になるのでリキッドタンクと高圧エキスパンションバルブも同時交換です。。。






過去にリキタンの脱着を他社さんで行った様ですが高圧パイプとの接続ナットを斜め締めでガンガントルクを掛けたらしくリキタン側の雌ネジからカンナ屑が出ていた。。。💦



高圧エキパンを外すにあたってヒーターの熱水ホースを抜こうとしたら抜けない。。。
何とか抜いてみたらホースの接続部にかなり頑張っちゃった痕跡があって液体ガスケットが塗られていた。。。😅

ヒーターパイプの奥に見えるのがエキスパンションバルブだけど、、、
コレを交換するにはエキスパンションバルブに接続されているサクションホースの固定を全体的に解除してやる必要があるのだけど過去の交換作業時に無理クリやった痕跡が。。。
高圧パイプを馬鹿力で歪めてエキスパンションバルブに差し込んだらしく、サクションホースをフリーにしてもエキスパンションバルブへの差し込みが素直に抜けなかった。。。😱

で、、、サクションホースの修正作業を伴いながら圧力スイッチ×二種類に関してはリキタンと同時交換で交換を完了してエキスパンションバルブも無事に交換完了。。。

結果、、、コンデンサーファンも正常稼働してエアコンコンプレッサーを強制OFFにしてもコンデンサーファンは少々遅れても普通に停止。
気温32℃でエアコンスイッチON。。。約一分後にはコンデンサーファンが回る。。。

コレで正常動作になったと安堵して試乗を繰り返すも、、、特に問題は無し。。。

数日後、、、数日間の間隔を空けてエンジン始動。。。エアコンは正常動作で問題無し。

よって、当社に依頼したクライアントさんに報告の上で現車を引き渡そうとしたら。。。

クライアントさんの担当さんがエンジンを掛けて、、、エアコンをONにしたらコンプレッサークラッチが繋がらない。。。幾ら待っても繋がらない。。。
エンジンを一旦切って再始動したらエアコンコンプレッサークラッチは繋がった。。。😱

勿論、当日の現車引渡しはNG。。。😫

まるで車が引き取られるのを嫌がる様なこの展開。。。

それにしても500Eのエアコンコントロールはボンネット内のモジュール(LH,GM)、クライメートコントロールパネル内部のマイコンの二箇所が重鎮となっていて後はエバポレータ等の温度センサー類がマイコンに送るデータを材料に判断している。

エンジンの初期始動でコンプレッサークラッチが最初から入らないと言うのはこの時代のメルセデスでは珍しい事では無いがアイドリング中にいきなりエアコンコンプレッサーが切れる症状とは一味違う。。。
エアコンONでコンプレッサークラッチが繋がらないと言うのは一般的に冷媒圧力が低くて圧力スイッチが入らずにコンプレッサークラッチが繋がらないと言う事が考えられるが、、、今回は冷媒も適正質量を充填されていてこの症状である。。。
つまりは冷媒系統には問題は無く、コントロール系統の異常が考えられる。
手掛かりの要はエンジンを一旦切って再始動すると何事も無かった様にエアコンコンプレッサーのクラッチが繋がると言う事象である。。。

再始動とはリセットと言う事である。
500EはGMモジュールのトラブルでエアコンコンプレッサーが突然OFFと言うトラブルがあるがこの症状もエンジンの再始動で一時的に復帰するのであるが、エンジン始動からエアコンコンプレッサークラッチが繋がらないと言う症状とは一味違う。。。
因みに現車はGMモジュールは純正新品と交換済みである。
まあ、外車の部品なので新品から壊れている事もあるが今回の寅🐯が立てた仮説とは繋がらない。

エンジン始動→エアコンスイッチON→冷媒圧力適正判断→エアコンコンプレッサーONと言う大まかなルーチンであるがコレをフローチャート化するとエアコンスイッチON→冷媒圧力適正yes or no?→yes:エアコンコンプレッサークラッチON. no:エアコンコンプレッサークラッチOFFと言うフローになる。。。
つまりは冷媒圧力の検出はリキッドタンク近くに居るコンプレッサークラッチ用の圧力スイッチが検出している訳で検出情報はクライメートコントロールパネルに送信される。。。

単純に圧力スイッチが不良な場合には冷媒質量が適正値である状況でエンジンの再始動でも圧力スイッチの動作不良を起こすからコンプレッサークラッチがONになる事は無い。
圧力スイッチ&冷媒が適正と言う条件でコンプレッサークラッチの動作不良となるとエアコンコンプレッサー自体の不良を疑うのもルーチンであるがエンジンの初期始動時のみの症状発生となるとコンプレッサークラッチの異常と言う疑いは晴れる。何故ならばクラッチは電磁クラッチでトラブルと言えば断線若しくは絶縁破壊位なのでクラッチがONにならないと言う症状ならばニッチもサッチもアームストロングで永遠にONにならないのがコンプレッサークラッチのトラブルである。

よって寅🐯の仮説はこうだ。
エアコンONで圧力スイッチが冷媒の適正圧力によってONになってクライメートコントロールパネル内部のマイコンに送信されて、その『ON』情報を比較演算回路で二進数の『1』と判断してコンプレッサークラッチのON信号としてコンプレッサークラッチに送信されると言う過程においてマイコン部分の比較演算回路が不安定な動作となっていると仮定。。。

マイコンユニットにはほぼほぼ必ず電源入力回路と言うモノがある。
特に自動車においてはエンジンの回転数によってオルタネーターの発電電圧は常に振幅している。
そこで各マイコンユニットにおいては入力電源の安定化を図る必要がある。
よって各マイコンユニットの電源入力部分には必ず電源安定化回路が装備されている。
この安定化回路で安定化された電源は比較演算回路においては基準ベース電圧となるのでこのベース電圧が電源安定化回路の経年劣化等によって振幅幅が大きくなると当然に基準ベース電圧も変動して不安定になる。。。

つまりは冷間時のエンジン始動はバッテリーに依存してセルモーターを回すが長時間エンジンを掛けずに置いておくとバッテリーは必然的に放電されて電圧降下を起こす。
其処にイグニッションONでセルモーターを回せばクランキングで同時にオルタネーターも回転を始めるがバッテリーの初期充電は未だ始まらない。
セルモーターによって電力を喰われたバッテリーはエンジン始動後オルタネーターからの充電を開始するがその時のバッテリーの端子間電圧は低下→上昇の過程となる故に非常に不安定なモノとなる。。。
不安定な入力電圧を安定化させる役目を担っている各マイコンユニットの電源回路ではマイコンの動作に適したベース電圧の確保を行う様に働く筈であるが、、、オートクライメートコントロールパネルもマイコンである。。。しかも30年選手の❗️😅

よって、、、オートクライメートコントロールを脱着分解。。。

今回はクライアントさんの『クライメートパネルは良質な中古品に交換してあります。』との自信有り気な発言に寅🐯はクライメートパネルを横目で見て見ぬフリを決め込もうと目論んでいたけど。。。500E君は其れを許しちゃあくれなかった。。。🤣
所詮は中古品は中古品‼️しかも30年前の。。。😫






案の定、クライメートコントロールパネルを分解して電源回路に模擬電圧を入力したら明らかに不安定な電圧を出力していたので電源回路のコンデンサーを摘出。電解コンデンサーに関しては液漏れ膨張、オレンジ色のタンタルコンデンサーに至っては風化して性能が完全に低下しとった。。。
この時代の電源回路は半導体とコンデンサーの組み合わせで設計されているが故に熱害による故障が多いのです。。。

クライメートコントロールの補修によってエンジン始動時のエアコン動作不良は解決。。。
現在はモグラが突出して来ない事を祈念してテスト中である。。。

余談、、、寅🐯が出来ることならクライメートコントロールをスルーしたかった理由。。。
クライメート下に装着されている格納式の1DINインダッシュのカーナビ。。。
カーナビユニットが邪魔をしてクライメートコントロールを覆うウッドパネルを真下から固定しているタッピングビス×2本が緩められない。。。
従ってカーナビユニットを抜く必要があるが、大抵はオーディオ屋さんでしっかりと取付されているので一筋縄では行かない事も多い。。。
今回も例に漏れずカーナビユニットの出し入れにかなり難儀を極めて、、、クライメートコントロールパネルの基盤補修よりも時間を要しました。。。😱

と、、、まあ結局はこの500E君に関しましてはエアコンシステム全体のありとあらゆるトコに不具合を抱えて寅🐯に強制労働を強いて来た訳でやんす。。。🤣

でも、、、新車から30年以上経過して意味不明な故障も多く報告されている毒車。。。
新品部品も殆どが供給終了。。。
勿論電装系のユニットに関しても供給終了。。。
トラブルシュートで疑わしきユニットが出ても中古の不明なユニットで対応しざるを得ない。
中古のユニットが何の問題も無ければヨイが問題を抱えていたとなればトラブルシュートは正にスパイラルの渦中に。。。

コリャ、、、寅🐯の仕事が増える訳だわ‼️