以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

致命的な故障

2023-05-31 11:25:00 | 日記
只今施行中のW463のKEモデルのF/Pリレー。。。

品番 003 545 3805。。。 この時代のW463 6cy KEモデルに搭載された人工記念物級のリレーユニットである。。。😅

今時無い片面基盤の上にアナログ回路が設計されている。。。

このタイプは既に40年前の技術の域に入る。。。

よってメインの制御半導体は既に供給は無い。。。😱

この時代のフューエルポンプリレーをメーカーは世に出して多くの故障を経験して1990年代後半まで改良品を供給したのである。。。

このリレーユニットはKEの直6車用ユニットなのでW124 300E,260E等に指定されている最終品番003 545 2405の御先祖様とも言えます。。。

003 545 2405も1990年代に多く市場に出ておりますが、此方も初期モデル&OEM品は片面基盤と言う低コスト品が結構出回っているので同じ品番でも中味が大きく異なっている事があります。






↑コレが片面基盤。読んで字の如く基盤パターンは基盤裏面のみに印刷されています。
当然、実装部品の固定は基盤裏面のパターンのランド穴へのハンダ着けのみで固定されているので長い期間の経年劣化によって薄い銅製の基盤パターンが腐食して断裂すると言う故障に見舞われ易いのですわ。。。😱


それでもリレー内部に鎮座するKEシステムのO2センサーのヒーター電源スイッチとなる87Kリレーは003 545 2405ではメーカーにおいてTr化されていますけどね。。。



但し、片面基盤はKE車のV8モデル用の品番 003 545 2505では一部のOEM品を除いては採用されておりません。。。

理由は先述の通りで片面基盤は両面基盤と比較して酸化に対する耐久性に乏しく大電力リレー回路の様な動作熱が発生する様な使用用途ではユニット内部の結露や熱害などの悪環境によって基盤や実装部品を酸化させてしまいます。。。

よって、メーカーも純正品にあっては最終供給品番では両面基盤を採用して耐久性を確保の上で半導体による部品点数の削減を行っております。






↑コレが純正のF/Pリレー。。。品番 003 545 2405。。。
本モデル最終の設計がこの様になってます。

だから電磁リレーが開閉回数の寿命を迎える、或はリレーを固定しているエゴ半田落ち等以外は基盤トラブルで車が停止する様な案件は殆ど聴きませんね。。。

さて、只今施工中の品番003 545 3805にお話を戻しましょう。。。

此方も片面基盤ならではの特徴的なトラブルを抱えていて、、、当社の入庫試験でレブリミット時に燃料カットがかからないと言った不具合を抱えてました。。。

旧い片面基盤なのでトラブルの要素は盛り沢山。。。



今回はこのリレーユニットの集中制御を行うPIC-ICの不良ですので通常ならばIC交換となるのですが、、、何せ40年前のICな故メーカーから供給されておりません。。。マイコン制御プログラムも公開されてませんしね。。。
何とも致命的なのは実装部品の半田部分の腐食対策が全く無い事。。。

コレでは幾らコストを掛けてメンテナンスを行なっても故障の不安は払拭しきれんですわ。。。😱


よって今回は純正品番 003 545 2405をベースに無接点基盤を載せて対応しようと言う寸法になりやした。。。😅

その方が結果的に無理して治した基盤で次のトラブルを予見してドキドキ💓乗り続けるならば故障リスクの少ない基盤を搭載したユニットで乗った方が遥かに安心かと。。。🤣

そんなこんなでKE車のF/Pリレーの歴史にちょいと触れてみました。。。



ライトコントロールユニットO/H。。。

2023-05-23 20:05:00 | 日記
ここのところ日々製造中止供給終了のユニット修理に明け暮れている寅🐯です。。。

今日はW124,W126共通部品のライトコントロールユニット。。。

所謂、球切警告⚠️検出ユニットでごじゃいまする。。。😅

此方も幾つか品番がありますが、126品番のこのユニットが一番コストが掛かっておりますが虚弱体質なもので故障率が高いですわ。。。😖



この時代の球切検出は方向指示器以外のエクステリア球は負荷(電球)がONになった際の負荷側の電圧降下を利用して球切れか否かを判断しています。
球切れしている場合には負荷がONになっても負荷側の電圧降下は発生しないので基盤上の比較演算ICは球切れを検出します。

方向指示器は左右それぞれのON時の点滅回数を検出して球切れの際のハイフラを検出して球切警告灯⚠️を点灯させています。だから素人さんがウインカー球をLED化してハイフラになった上に球切警告灯⚠️が点灯するのはこの為です。。。🤣
負荷のウインカーLEDに並列に抵抗器を接続して『キャンセラー』と称する方策にて正常な点滅になったと自慢気な素人はん。。。それって抵抗器が電球と同じ21Wの電力消費をさせて単にハイフラを抑えているだけなので本末転倒違いまっか⁉️🤣🤣
LEDの少電力消費のメリットを潰して単にLEDで光ってりゃあエエっちゅうのならば其れも其れでクラブのオフ会ででも自慢なさって下され‼️🤣🤣🤣

因みにブレーキ灯を単にLEDにすると球切警告灯⚠️の点灯の他にオートクルーズ装備の車種にあってはオートクルーズ機能が死にます。。。コレはKE車もモトロニック車も同じどす。🤣
ブレーキ灯はオートクルーズ回路にブレーキOFF時にも球切検出回路から出力される微弱電流が流入しています。
この微弱電流はライトコントロールユニット→ブレーキ灯に入っていてブレーキを踏むと微弱電流はOFFになりブレーキ灯点灯電流出力回路に切替ります。
つまり走行中ブレーキOFF時は微弱電流をブレーキ灯の電球💡のフィラメントを通しているのでコレがフィラメントを持たないLEDに交換すると高抵抗なLEDが薄暗く点灯して電圧降下が発生しないのでライトコントロールユニットはブレーキOFFを検出出来なくなりオートクルーズモジュールに検出信号が入力されずオートクルーズが動作しないと言う訳です。
勿論、フットブレーキを踏んだ際の電圧降下もLEDでは比較演算出来ずブレーキON信号もオートクルーズモジュールには入りません。。。

此れらの問題を解決する方法はありますが、此れらの回路にアホみたいな¥コストを掛ける根性が毒者の皆様にあるかどうかってトコです。。。
其れだったら旧車の年式にあった雰囲気でオリジナルの電球💡で乗られた方がスマートな様な気がしますな。。。😁
個人的には旧車で何でもかんでもLED化するメリットを感じない寅🐯です。。。
ヘッドライトやメーター照明💡の様に人間の視覚に対して明るさが欲しいと言うのであれば安全上好ましい事なので当社と致しましては推奨します。。。
が、、、ウインカーやブレーキ灯の様に合図灯の意味を成すモノに関しましては当時の設計に従った方が落ち着いた雰囲気なのでは❓❓
だから、寅🐯のW126もエクステリアはヘッドライトとスポットライトのみHID化してその他はノーマル状態です。インテリアはメーター照明とメーター内部のウインカーモニター、燃料残量警告⚠️、サイドブレーキ警告⚠️、ハイビームインジケーター、エアコンコントロールユニットのみLED化して御座居ます。頻繁に点灯して球切れの頻度の高い箇所をLED化してありますが、これ以上電球💡の箇所をLED化する予定は御座居ません。😁


寅🐯のコレクション車、、、LEXUS LS460もエクステリア各所にLEDが採用されておりますけどコレはこの年式だから似合う訳だよね。。。実用性重視でヘッドライト、フォグはLED化してます。。。ヘッドライト内蔵のポジションランプも色合わせの意味で白色LED化してますけどね。。。
同じくコレクション車のUCF-30 CELSIOR もヘッドライトをこの時代に合わせて敢えてHID 55W 6000K フォグライトはLED化,ポジションランプは白色LED、コーナーランプも白色LEDでまとめてますけどコレ以上はLED化は考えとりまへん。。。😆







話が逸れましたけど今回の様なライトコントロールユニットの故障について故障原因を探ってみると。。。

特にライトコントロールユニットの基盤上の電解コンデンサーのパンクによる液体の基盤への浸食が引き起こす基盤パターンの腐食破壊💥が実に多いです。。。

結果、球切れ判断の電圧比較演算ICの動作が不安定になり、球切れを起こしていない系統で球切れを検出してしまうと言う事になって球切れでないのに球切警告灯⚠️が点灯と言う事になります。

このユニットも当該の電解コンデンサー周辺の毛細血管状の基盤パターンを破損させてましたな。。。

結果、基盤を一旦全分解してφ0.2mm銅のグラフトを折損しているパターン上に移植すると言うオペになります。。。

本日も修復を完了させて明日の便で出荷です。。。

さてとお次は。。。🤣




思わずウケてしまいました。。。

2023-05-17 18:25:00 | 日記
東京ガスさん、最高‼️

押されている🚗車はW124のTモデル。。。

現実社会でも『ぐいぐい実行中』なシーンが多い車種でんな。。。🤣

笑いの肝は上り坂を車両後方から男性三人で押しているにも関わらず、前方から着ぐるみのキャラが押しているシーン。。。😂

コレでまたW124が人気物⁉️
な、、、ワケないか。。。



無接点OVPリレーの製作。。。

2023-05-17 09:33:00 | 日記
相変わらず内職リハビリ中の寅🐯です。。。

あのBLACK DAYから早、3ヶ月が経とうとしておりますが、、、
少しずつですが腰の方は回復して日常生活には支障の無いところまで来ました。。。
腰も折曲げる姿勢は出来る様になりましたが、折曲げて直立不動の姿勢になろうとすると腰部骨盤の上部左右から痛みが出ると言った具合です。。。
痛みが激しい時は一旦着座すれば二、三分で回復するといった感じですがコレもリハビリを続けて行なっている中で日々軽くなって来て居ます。。。

問題はアライメントの狂いですが、長年の癖による蓄積なので時間も掛かる筈で整骨院の先生も手を焼いている状況です。

首と肩周辺の事故修復によって左肩と左腕に皺寄せが出てしまい、先々月から二の腕の痛みと腕全体の痺れも出て茶碗🍚も持てない程になりましたが、此方もピークは越した様で現在では時間は掛かりますが基盤の半田付け作業もこなせる程度に復活しました。。。🤗

と、、、まあ、若い頃の様には行きませんがほぼ順調に回復はして来ておりますのでご心配をお掛け致しました全国のクライアントさんには厚く御礼を申し上げます。

全国のユーザーさんよりお見舞のお言葉や差し入れ等を頂戴致しまして誠に感謝致しております。
業務は取り敢えず再開致しておりますのでこの場を借りて御報告させて戴きます。。。

さてさて、、、

寅🐯の日常業務。。。




W124 E320T用の無接点OVPリレーの製作。。。




スイッチング半導体も小型のモノに仕様変更を行い、基盤が更に小型化されました。

純正のエコ半田の除去→国産の車載指定半田に打ち直し。。。


♪完成〜。。。🤗

と、、、まあ、こんな風に日常を取り戻しております。。。

さて、、、次は球切れ検出ユニットの修理。。。

To be Continued.....




電磁式リレーの寿命。。。

2023-05-12 12:13:00 | 日記
未だ未だ需要と供給のバランスに追いついていないが故に残業続きの寅🐯です。。。

昨夜からウチのお家芸の無接点リレーの製作が続いております。。。




W124 E320TのF/Pリレーを分解。。。
今回は現車装着品の現品改造で無接点化。🤗

分解してみると間もなく接点不良を引き起こす状況でしたわ。。。





F/Pの電源を断続する接点部分が接点開閉時のアーク(火花)によって溶けて来ています。。。
接点は本来、電流の導通を効率良くする為に銀メッキ加工がしてありますがアークによってメッキ加工が剥がれてしまい素材が剥き出しになってしまっております。😖

と、言う事は接点の酸化も著しいモノとなって接点が閉じた際の電流抵抗が増大してF/Pに供給される電力のロスを招きます。
接点で生じた電力ロスはエネルギー保存の法則で熱に変換され高温になります。
高温によって接点部分の金属は最終的に溶解して接点同士の溶接又は接点同士の電流の導通不良を招いてしまい、接点が閉じても電流が流れずF/Pは回転しない事になります。
又、接点部分で発生した熱は限度を超すとリレーコイルの断線にも繋がります。。。

コレが電磁式リレーの寿命です。。。
メーカーではリレー接点の開閉回数で電磁式リレーの寿命を想定しているのでリレーは消耗品とされております。

しかし、、、自動車がエンジンの始動に必要な燃料系統を駆動する事において燃料をコントロールするF/Pリレーが逝けば当然にエンジンが掛からない訳ですから幾ら消耗品とは言え多くのユーザーは戦々恐々としてしまいます。。。😱
しかも、、、素人さんでは気付かない様な故障の前触れ症状が発生してくれちゃって実際にエンジンストールの症状発生時にはF/Pリレーが御臨終になっている事が多いのです。。。

低年式の国産車でもF/Pリレーが逝く何て故障は珍しいのに何故毒車で発生するのか❓
それはこの時代の毒な国の回転機、静止機の開発技術がJAPANに比べて非常に遅れていたのと、回転機の制御に直接スイッチング装置(つまりリレー)を入れて強制断続を行なっていたと言う非常にワイルドな設計に起因します。。。

W124に限って言えばF/Pの起動時に20A近い起動電流が掛かり、又OFF時にはF/Pモーターからの大きなキックバック電圧がスイッチングリレーに回帰すると言う過酷な条件な回路なのです。。。

其処で当社では、F/Pシステムの中でシステム制御を担うパーツ、、、F/Pリレーさえ信頼性向上と長寿命と言うモノになればユーザーが戦々恐々とならんでも良いのではないか❓と、考え現在の無接点製品の開発に乗り出しました。。。それが約20年前。。。😆

先ずは電磁式リレーの開閉寿命を失くすにはどうすれば❓❓
其れは電磁式リレーを半導体に置換する事。。。
発想迄は良かったが、適したスイッチング用半導体を選定するのに約一年。。。
半導体カタログを見て大電力スイッチング用半導体で計算上定格の合う形式のモノをサンプルで入手。。。
以降、漸く二年目で色々な机上試験を行い試験をパス出来た半導体で試作を行い実際に当社所有車に装着して夜な夜な真冬の関越道で新潟県迄走りデータを取り、環境条件等のテストを行なった。。。出入りのオイル屋の兄ちゃんにも手伝って貰った。。。🤣

果ては酷暑地での耐久性を試す為にシンガポール🇸🇬のクライアントさんに依頼して自らシンガポール🇸🇬に国外逃亡して現地の方の理解を得て実車を借りて試験を行なった。。。😅

そして18年前の平成17年2月にW124 KEジェトロ用、W126 KEジェトロ用のF/P無接点リレーを巷に発表した。。。が、、、当時は『リレー何か故障したら交換すりゃあエエ。』と市場からは受け入れられずほぼ巷では無視された。。。😆

ところがそのまま開発を諦めずW124 モトロニック仕様向けの無接点F/Pリレー&無接点OVPリレーを発表して福岡県でデモしたところコレが大人気。。。一日26時間、月月火水木金金で製作を強いられる事態に。。。
午前3時迄製作して出荷措置をしてそのまま大阪に車で出張〜。。。
昼過ぎに大阪市内の業者さんに入って作業と談笑。。。
翌日帰還してその翌日に今度は飛行機✈️で福岡県に出張〜。。。何て生活をしていたのが平成20年頃の時代。。。オイラも40歳手前の勢いのあった頃。。。🤣

そんなこんなで毒車の電気系統のトラブルと真正面から向き合って、KEモジュール、HFMモジュール、T/LLRモジュール等のリペア技術を確立する為に各システムに関する資料や図面をシンガポール🇸🇬をご縁に海外の各国から取り寄せて基本から学んだ。。。
特にKEジェトロの概論はドイツ🇩🇪の毒な国の底力を感じた。。。日本車ばかりコトに最近の日本車ばかりを弄っている整備士君じゃ到底理解し難いシステムである。。。

各システムを学んだ結果、寅🐯の頭の中は『現在の技術で30年以上前の毒車のシステムの改良を行う事で毒車の電気的故障による路上故障のリスクを軽減出来ないか❓』を念頭に常に自問自答を繰り返して現在に至ってます。。。🤣

まあ、毒車人気も年々収束して一時程の勢いは無いものの最近は数年前に一回毒車を手放したけどまた再度手に入れたと言う毒者中毒患者さんの方からの御依頼が多いですね。。。
中にはメーカーでは部品供給終了アイテムが実に多くなって来ているW124 500Eを最近再度手に入れてしまったと言う猛者も。。。どうするんでしょね❓❓🤣

今日も当社は毒車中毒患者さんからの御相談を選り好みして受付けております。。。😆