以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

一件、一件潰して。。。

2021-01-29 03:30:00 | 日記
W124 E220君のトラブルシュートの続きでやんす。。。

スロアクを取っ外してHFM〜スロアク間の通信状態をチェック。。。





スロットルコントロールに関連するハーネスを全て追う。。。





で、、、もって車台側の通信、導通は全てシロ。。。

って、、、コトはHFMモジュールがクロと判断する訳でありますが、、、

ついでに気になったのでHFM横のOVPリレーのカバーを剥ぐってみると。。。

あー。。。オイラが一番気に入らない社外品だわ。。。😱

コレは純正品若しくはウチの無接点OVPリレー以外は許されない。俺的に。。。

昔、この社外品でメチャクチャ嵌った事が有るから生理的に受け付けない。。。

今回も純正品にマストで交換。。。

さて、HFMをもう一回取り外してスロットルポジション信号のベース電圧回路を机上で追っ掛けてみる。。。

すると、スロットルコントロール関係のモータードライバーやICレギュレータに行き着いた。。。

何でもこのHFMモジュールは自動車専門じゃない基盤修理屋さんでリペアを受けたと言う。。。

すると他人様の仕事の総ざらいと言う事で何を弄ったかを明確にする必要があるので結構な手間になる。。。

で、、、見てはいけないモノを発見してもーた。。。

本来は七端子ある筈のスロアクのモータードライバーの脚が3本折れて存在しない。

実質四箇所のランドで半田付けしてあった。。。😱


恐らく基盤から無理して脱着して端子を折損してそのまま取り敢えず入れといたって具合ですな。。。

因みにこのモータードライバーはシーメンスの絶版品なので既に供給終了。。。
Ali expressで中国コピー品が出回っている位です。。。

今回はお客様からお預かりした品番年式違いのHFMモジュールから移植手術。。。

再び机上試験でスロットルポジションセンサーのポテンションメータ用ベース電圧が出ている事を確認して今日はここまで。。。

只今、AM3:30。。。

取り敢えず寝ます。。。

To Be Continued........


疑わしきは全て。。。(笑)

2021-01-25 18:22:00 | 日記
昨日から調査中のフェイルセーフのW124 E220。。。

オーナーからの聞き取り問診でウチに来る前にかかっていた工場さんでオーナーさん手持ちのHFMユニットに交換してみたとの情報を掴む。。。

すると、その工場さん曰く、「全然症状は変わらなかった❗️」との事だったと。。。

って、、、事はHFM自体よりもエラーの根源をスロットルコントロールのアクチュエータ側〜ハーネス側にあると疑いを持って攻めてみる必要があると判断して。。。

先ずはスロットルアクチュエータ本体の取り外し。。。

素直に工具の入らない怪奇な構造のボルト外し。。。
コレ、、、セオリーがあるんです。。。😂

スロアクは新しいけどHFMとのやり取りがキチンと行えているのかをクリアーにしないと先に進めんです。。。無罪か有罪か。。。シロかクロか。。。
凶悪犯の追込み捜査の足掛かりです。。。

先ずはスロアク内部のポテンションメータ〜HFMカプラーの導通を追っ掛ける事とした。。。

と、、、スロアク本体が外れたトコで外注の鈑金屋さんに出していたお客様のW220の引き取りの時間になってしまったので今日は一旦中断。。。

明日はスロアクのポテンションメータ側のレジスタンスレベルを測定して、各ハーネスの導通状態を追っ掛けるメニューです。。。

明日も午後2時から別件の打合せが入っているので時間制限付きの作業になりますが、故障の根源にアプローチ出来たら良いなと考えている状況ですわ。。。😅



完全フェイルセーフ‼️

2021-01-25 10:57:00 | 日記
只今ウチに入庫中のW124 E220君。。。

アイドリング中にいきなりエンストするって症状で業者さんを数件渡り歩き、、、

最後にウチに行き着いたってヒストリー持ちのお車。。。

さて、、、診断機での診断結果はスロットルアクチュエータの「スロットルポジション信号が低過ぎて有り得ない。」で「フェイルセーフにある。」と、車が宣言している。。。


スロットル系統の配線図面から考察。。。

モトロニックの4cyモデルにはT/LLRモジュールが存在しないのでスロットルポジション信号が直にHFMに入っている。。。


つまり現状はこのスロットルポジション信号がHFMに入力されていないのでHFMがフェイルセーフを宣言してエンジンは取り敢えず掛かって走れるがスロットルポジションによるインジェクション制御は休止していると言う状況。。。

先ずはHFMユニットの取り外し。。。

4cy用HFMのテスト。。。








各種擬似信号をHFMに入力して状況を見るもスロットルのポテンションメータ入力用の基準電圧が出力されていない。。。

ダイアグノスエラーの概略は把握出来た。。。

さて、何処から攻めて行くか。。。

もう少し詳細を調べてみる必要がありそうです。。。

To Be Continued.......🤔












祝❗️無事納車❗️(笑)

2021-01-23 21:04:00 | 日記
昨年末よりお預かりしていたW124 500E君。。。




ASR警告灯点灯に始まり、、、ASR絡みの色々な症状のオンパレードで沢山楽しませて戴き、、、徹底的にかかりっきりになって各種症状を完全に封じ込めたりました。。。😎

最初はLHモジュールの存在さえ認識しない自己診断機能の修復。。。

この時代の初期モデルの基盤によくあったLHモジュールの起動不良。。。

「モジュール修理お任せ下さい‼️」系の修理屋がよくやる電解コンデンサー交換では絶対に治らない故障のステージ。。。

当時のシーメンスがやらかしたレギュレータ素子のオイタ。。。

治すには電源起動部分の素子の交換で対応しかないが、モノは海外生産品。。。
現在のコロナ禍でメチャクチャ長納期の地獄となるのは必至だったので、、、

今回はウチの予めリビルトしてあった秘蔵品のLHモジュールのマザーボードを500Eの仕様にセッテイングして移植手術。。。

LHモジュールのリビルト作業にE-GASモジュールのEFPコントロール適正化作業。。。

ABS/ASRモジュールのリビルト作業にGMモジュールのリビルト&無接点化作業。。。

一通りモジュールのリペアとチューンUP作業をこなして搭載。。。

で、、、正常化された自己診断機能でインヒビターSWの不良やらO2センサーの不良が浮き彫りに。。。(笑)

で、、、インヒビターSWの交換で接続ソケット端子の接触不良の手直し。。。

O2センサーは普通に交換。。。

ほんでもって再び診断機による故障チェック。。。

すると、、、ABS/ASR機能にA7/3y8保持の故障メモリーが。。。

コレはABS/ASRのハイドロリックユニット内のソレノイドバルブ保持の不良を示すエラーであるが、この年式のABS/ASRハイドロリックユニットにはA7/3y8保持のソレノイドバルブは存在しない。。。

「コレ如何に⁉️」と、モジュール⇄ハイドロリックユニットの通信を検査するも通信ハーネス類は全くの無罪。。。

結局。。。



ハイドロリックユニット自体に内蔵されている各種ソレノイド毎に導通と動作を検査する為にハイドロリックユニット下ろし。。。

全分解によってA7/3y1〜y5の各ソレノイドコントロールにおいて配線の断裂部分を発見。。。

全ての箇所を補修して再びユニット搭載。。。

当然にハイドロリックユニットのコントロールリレーも対策品番品に交換。。。

ほんでもって、、、






ハイドロリックユニットのエア抜き作業もキチンとこなし。。。

コレにてASR警告灯の点灯によるシステム休止症状も解決‼️(笑)


ダイアグラム図との睨めっこの結果、勝利致しました。(笑)


本日、オーナー様の元にお帰りになられました❗️
元気で暮らせよ〜‼️(笑)











トドメ⁉️

2021-01-17 16:15:00 | 日記
前回のブログでお話させて戴いたW140等のASRのソレノイドの続きでごわす。。。

走行中、、、アクセルペダルに全開をくれた時。。。

有り余るパワーが後輪に伝わってホイールスピン‼️思いっきりケツを振る状況になって。。。

一般ドライバーのスキルによっちゃ事故になる確率も高いですよねえ。。。

よって、、、メーカー的にはアンチロックブレーキシステムのABSに加えてトラクションコントロールを行うアクセレレーションスキッドコントロールASRを装着して安全性を高めたと言う事ですな。。。

で、、、このASRシステム。。。動作の条件は車台に装備された各センサーや各アクチュエータの情報をASRコンピューターが判断してハイドロリックユニットのソレノイドをコントロールして油圧バルブを操作する事で後輪の回転力を抑制しています。
基本的な情報取得は前後輪に装着されたホイールセンサーが前後各タイヤの回転数を管理していて、前輪よりも後輪の回転数がモロに大きくなったと判断された時にASRシステムは作動する様に出来ています。

ASR作動によるスロットル制御時にはE-GASコントロール内のEFPに信号を入力してエンジン回転を1000rpm迄下げようとする作用が働き、スロットルコントロールを強制的に絞り、LHモジュールにも回転抑制の為のフューエルカット信号が入ります。

この辺のスロットルコントロール系統がスロアクのハーネスの被覆破損による短絡によってE-GASコントロールモジュールのEFP破損により「ASR/ABS」ランプ点灯でフェイルセーフと言うトラブルが1990年代のメルセデスでは非常に多いので注意⚠️する点です。。。

しかし、それ以外でもアクセルペダル裏のASRスイッチ不良による「ASR」ランプ点灯によるフェイルセーフもありますし、ATのインヒビタースイッチ不良或はATハーネス不良による「ASR」ランプ点灯、、、フェイルセーフ無しと言ったパターンも御座居ますのでこの電気制御系統は特に定期的な点検を要します。

さて、更にメルセデスがASR装備のモデルを世に出してから約30年が経ちますが旧いが故にチョコチョコ起きているASRシステムの極めつけのトラブルについてお話をしましょう。

それは前回の本ブログの記事からも繋がりますが、、、ASR作動のシーンでASR⚠️警告灯が点灯。。。
後はフェイルセーフってトラブル。。。

GMモジュールのNo.2のヒューズが断線してASRシステム自体が休止してしまうと言う具合。。。

車両診断機で検査をしてみるとABS/ASRの項目に「スイッチ オーバーソレノイドバルブ A7/3y5」と言うエラーがメモリーされている事が多い。。。

因みに「A7/3」とはトラクションシステム ハイドロリックユニットを指していまして、、、
つまりASRの作用信号を油圧に変換する油圧ポンプユニットであります。

このハイドロリックユニット内部に油圧ソレノイドバルブが複数仕掛けられていて、過渡期のASRハイドロリックユニット内にある油圧ソレノイドバルブが圧力保持と圧力減少の二役を共用していまして、、、負担が大きい。。。

メインの油圧ソレノイドバルブになるA7/3y5はASR動作時にメインの油圧ソレノイドバルブをOPENさせてハイドロリックユニット内にフルードを規定量流入させて各ソレノイドバルブにて油圧コントロールを行なって回転軸のパワー抑制を行っています。。。



☆画像はイメージです。

このA7/3y5の油圧ソレノイドバルブがイカレるとASR作動信号がハイドロリックユニットに入った瞬間にショート❗️

電源供給はGMモジュールのF2から受けているが故にあっちゅー間にF2のヒューズがプチンと切れる訳でごわす。。。



☆画像はイメージです。

で、、、ハイドロリックユニット内の電磁バルブが逝ったらDさん的措置は新品交換です。

では、先ずはハイドロリックユニットAssyでDさんに聞いてみました。。。






モノは未だ出る様ですが。。。



税別で1,290,000円也‼️😱😱😱

旧車乗りの皆様にトドメ❗️ですな〜。。。(笑)

スロアク&E-GASモジュールを壊してもココまでは逝きませんがね。。。

予想はしてましたがココまで凄い事になってたとはね〜。。。

Assy交換するならば程度の良い中古部品でも探した方が現実的ですわな。。。(笑)

このタイプのABS/ASR合体ユニットは分解した事が無いので機会があればやってみたくなりました。。。(笑)

で、、、交換作業は。。。





左側ヘッドライト脱着で左側フェンダー周りをバラバラの刑ですな。。。

ブレーキマスターとフルードが共用な故に、一旦ブレーキシステムからフルードを全抜きして各四輪のキャリパーからエア抜きを要します。


次に、マスターのトコのパージバルブを強制的にONにしてハイドロリックポンプにフルードを流し込んでハイドロリックポンプ自体のエア抜き作業を要します。


治具も作る様やね。。。丁寧に部品番号まで。。。(笑)




エア抜き作業を完了したら周辺を組み立てて診断機を装着してフォルトコードをリセットして完了って具合ですな。

その前に1995年までのモデルのASRユニットのコネクターのピンアサインデータが既に存在していない。。。

一回現品の中古でも取り寄せて独自の解体新書でも作るか。。。(笑)