最近特に『普段あまり乗らない。』だとか『◯年寝かせた。』と言う類の毒車の不調相談が多いですね。。。
不調内容も様々ですが、、、圧倒的に多いのが『KEジェトロ車で久々にエンジンを掛けたら黒煙を噴いた。』と、言うもの。。。😱
KEジェトロ車では放置期間や放置状態、放置環境にもよりますけど実は『お目覚めの黒煙噴出』と言うトラブルが起き易いと言う現実を認識すべきなのですが。。。
眠りにつく以前には正常に普通な状態でエンジンが掛かり排ガスも綺麗だったが長期の眠りから覚めたら黒煙が。。。
しかも、冷間時始動時は特に問題無くエンジンが暖まって来るとマフラーから黒煙噴出〜‼️
この時点でやめときゃエエのにそのまま乗っちゃって事を甚大にしてしまう事例も多い。。。
直ぐに運転を中止して積載車で修理工場に入庫。。。
運ばれた修理工場がKEジェトロを熟知した整備士が居る工場ならば大事に至らず解決する事も多いが、 KEジェトロ自体を理解していない工場だったりすると事態はスパイラルな展開な上に地獄の展開を迎える事もあります。。。
先ず、長期間放置後の黒煙噴出は部品交換によって治す修理では無い事を此処に申し上げておきます。
更に、長期間放置後の場合にはオーナーさんの手によって儀式の様な作業を行なって戴く事で『黒煙噴出』の防止になります。
但し、KEモジュール、フューエルガバナー(EHA)、ポテンションメーター、吸気温度センサー、O2センサー等の不具合を抱えている場合には該当せず、アイドル不調等の症状が継続するので御了承下さい。
では、長期間放置後の『儀式』とは。。。
先ずはボンネットを開けて10mmのソケットでエアークリーナーBOXを外す。。。
エアフロメーターユニットの丸いバタフライバルブを割り箸等で軽く優しく押したり戻したり、、、下死点⇆上死点とカッコンカッコンと動かしてやる事。
こうする事でエアフロメーターのバタフライバルブのプランジャー付近やメインシャフトに付着したワニス状の物質が砕かれてバタフライバルブの狭まった可動域が復帰して正常なスロットルポジションの位置に復活するって訳です。 。。
ワニス状の物質は長期の放置で気化した燃料の化学変化で発生するモノで毒車の保管条件(温度、湿度等)によって差異はありますが必ず生成されるモノです。
このカッコンカッコンの儀式によってエアフロメーターは正常な可動域を取り戻して適正なエアーを吸入する様になります。。。
後、恐ろしいのは湿気によってスロットルポジションを読み取るポテンションメーターの躍動子接点が酸化しているケースがあります。
ヘタすると接点が固着していたところに突然動かしてしまった事でポテンションメーターの基盤の躍動子との接触部分が剥離してしまう事もあります。
症状として温間時始動時に時折クランキングが長くなる。アイドル回転が何だか落ち着かない。。。
この場合、吸気温度センサーが悪戯している場合もありますが、アイドル時にX12ソケットからアナログテスターで信号を取ると大体の検討はつきます。。。
通常は6.8V 付近をウロウロしておりますが、7V〜8V固定の場合はポテンションメーターの異常を謳っています。。。
こうなりますとポテンションメーター部分の脱着調整が絡みますので熟知した整備士が居る工場でないと対処は不可能です。
無闇矢鱈な山勘調整は更に深みに嵌りますので御注意を。。。
と、まあ長期間放置後のお目覚め前の儀式についてお話させて戴きましたが、最近の日本車じゃ有り得ない様な『作業』が伴うのが毒車です。
『黒煙噴出』で乗ると不燃焼ガスが過大に排気され、ブローバイガス還元システムのキャパを大幅に上回る生ガスが触媒前に滞留して、、、最悪高温になった触媒で生ガスが発火して燃えます。。。
その前にO2センサーは黒煙噴出によって焼けてしまう事も多いのでマストで交換となります。。。
今回は長期間放置後のリスクについてお話致しました。
コレでKE車の黒煙噴出の相談が減ってくれる事をお祈り申し上げます。🙏