以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

壊れると結構厄介なパターン。。。

2024-01-31 11:16:00 | 日記
KEジェトロのモジュール類で故障すると結構厄介な構造の種。。。
R129の500SLの1990y〜1994y 9月期生産モデルに採用されていたKEモジュール。。。

最近補修依頼が無いのでもう消えてしまったかと安心していたら、、、(汗)💦

遠くは四国の愛媛県から補修依頼が。。。😅

故障の症状もこのKEモジュールにあってはコールドスタートバルブが不動、フューエルガバナーコントロールが効かない。。。で、御依頼が来るケースがほぼ100%なのです。

この時代のKEモジュールは設計に問題、、、所謂メルセデスが電気化過渡期に入る頃の設計なので市場でトラブルも多かった様ですわ。。。




W126のV8モデルから更に制御を細分化した設計思想でM119エンジンをコントロールしようと言う発想で生まれたこのシステムは1992y 10月期にLH制御にバトンタッチするまでV8エンジンのブレインを担って参りました。。。




現在は残存しているタマも年々僅少となっている故お目に掛かる機会も激減致しましたが、、、
何故かウチには最低年に一回のペースで補修依頼が舞い込んで来ます。。。

殆どのケースは大容量の電解コンデンサーの劣化による膨張、液漏れでマザーボード上が悲惨な事になって、、、電解コンデンサー周辺の基盤や素子に影響を及ぼしているのが常。。。




通電試験の後、基盤分解して先ずは基盤洗浄。

電解コンデンサーの漏れた液体の浸食箇所を特定して補修。。。
コレが構造上狭い上に嫌なトコに損傷が及んでたりするんだ。。。😱

イグニッション電源スイッチのTrもよく逝くんだ。。。
勿論、同型のTrはメーカー製造中止で供給終了。。。
国産メーカーの代替品で対応するけど現行品も選択肢が実に狭い。。。




まあ、兎に角このタイプのKEモジュールは補修には結構な手間が掛かります。
オマケにこのモジュールの他にASRコントロールに影響する複雑怪奇なE-GASモジュールが居たりして妙なトラブル症状に見舞われる事もあります。

現在ではこのKEジェトロのシステムに関する資料も僅少で整備の現場でのトラブルシュートも難しさを増している様です。

ある意味ではLHシステムより難しさは遥かにデイープなのがこのM119制御を行うKEジェトロかもですね。。。😅



とってもお金💴が掛かります。。。

2024-01-27 15:38:00 | 日記
ここのところ当方のブログ記事を閲覧されてモジュール類やメーターの修復の御依頼が増加して息つく暇も無い寅🐯でごわす。。。

最近お問合せ戴く案件としては某有名部品商経由で施工した不完全なモジュール修理によって生じた不具合に纏わる内容が多く結果、当社にて修復の御依頼を受けて再修理を施工すると一からやり直し、、、或は以前の修復施工の仕事が荒い故の不具合箇所が見つかるケースが非常に多いですな。。。😱

普通は、、、
モジュール修復依頼時に自然故障なのか、ハーネス類等のショート(短絡)発生等の外的連鎖故障なのかを判断する必要がある為に当該のモジュールが不調に至った経緯について依頼者の方に問診を行います。
この問診結果でモジュール修復の内容は大きく異なる場合がありますので訳アリで曖昧な回答をすると共に挙動不審な御依頼と判断された場合はその段で御依頼をお断りさせて戴きます。

で、、、再修理施工前の事前検査に入ると依頼者に問診した内容と全く的を得ない補修を施工した痕跡が見つかる事が多い。。。

例えば、、、ハーネスのショートによる大電流発生によって破損した基盤上の電源回路の検査修復の痕跡は見当たらず、、、電解コンデンサーやノイズキラーコンデンサー、周波数調整用コンデンサー等のコンデンサー類だけ一生懸命交換してあって本来の破損箇所、、、故障の核心は全く手つかずな事が多い。。。
幾らマザーボード上の各制御基盤のコンデンサー類を交換したって外的ショートによる電源に絡む破損焼損箇所の補修を行わなければモジュールのエネルギーが供給されないのだからそのモジュール自体動作する訳がないわ。。。😆

コンデンサー交換も車載規格外の電解コンデンサーに交換してあったり耐電圧がノーマルのモノより極端に低かったり、、、とても基盤を弄る基礎知識に長けた施工者では無い事が仕事の痕跡から読み取れる。。。

こう言った技術力に欠けた施工をしてユーザーに当該のモジュールを返却すれば当然に『治ってない‼️』とクレームが来るわな。。。

するとそう言った業者の対応策として『リビルト品』と称した『中古ベース品』で弁償すると言う手段が取られる様である。
でも、、、1990年代製造の毒車に搭載されたモジュールの中古品もメーカーも順次供給終了で中古品も品薄になり入手も困難を極める様になって相場価格も世界的に高騰しているので中古ベース品の入手からして大赤字のリスクを伴うやろに。。。😱

余談ですが、こんな話は別にモジュール修復業者一社に限った事では無い。。。
技術力云々は置いといて、事案の処理としては『中古ベース品』への差替え対応をしているならば未だ良い方である。。。
中にはクレーム申告をガン無視、、、スルーしている業者も居るからタチの悪い業界である。。。きっとコレは『車屋馬鹿ばっか❗️』からの流れなのかも知れない。。。

ウチみたいにワンラウンド完結式で仕事を請けている業者は依頼を請けて施工して返却。返却されたモジュールが実際に車両搭載された後の問題発生(エンジン不調等)などにおいてのヒアリングによるアドバイス(車両側の不具合等について)を行い、問題解決して完結と言ったアフター面もフォローが必要かと思います。
よくあるモジュール修理屋の看板を掲げる業者の逃げ口上としてはモジュール返却後に電話口での『不具合相談』に『ウチは整備工場じゃないので専門の工場で診て貰って下さい。』とか『それは車台側が悪いのでウチの責ではありません。』と一刀両断するクチ。。。
こう言った業者は修理を請けたモジュールが実際に車両に搭載されてどの様な制御を行っているのか等のダイアグラムも頭に入ってないし、当然そんな資料も持って無い。
資料があっても其れを理解する基礎知識にも乏しく恐らく整備士レベルにも追いつかない中古車屋のヒラ社員レベルの頭脳でしかない輩が大多数と思える。。。🤣

モジュール修理等の手技を伴う技術力の提供には技術を学ぶそれ相応の投資も必要です。
スーパードクターと呼ばれる外科医がスーパードクターと呼ばれる様になる迄には実に天文学的件数のオペをこなしてどんな状況下にも対応出来る自己のキャパを身につけると共に同業の論文を積極的に読破して常に自己啓発、自己鍛練を止めないと言うプロ意識に長けているからですね。
医療業界でも賞賛されているそんなスーパードクターさん達も各々色々で個性的なキャラの持ち主が多い様です。まあ、職人ありきと言ったところでしょうか。。。😅

よって医局の中でも見えない深くて長い川が存在する人間関係もあるのが常です。。。
何処の世界にも程度の違いはあれど見えない深くて長い川は存在しますね。。。
かく言うオイラは周囲を海峡で囲まれた瀬戸内海の孤島の様な存在ですが。。。🤣

川向こうや海峡の向こうからそんな職人が嫌いだのいけ好かんだのと自分から遠い存在に対して憎悪の念を飛ばしている暇人さんもいらっしゃる様ですが寅🐯に限っては身体安全🦺で体調は良好になりつつありますよ。😄

さて、お話を戻して基礎的な事項も学ばず、相応の準備もせずに自動車のモジュール修理に安易に手出ししとる業者の顛末についてお話して参りましたが格安価格で客引きしとる様な業者に惚れて❤️行きたければ行けば良いですが、、、殆どはユーザーの求める様な結果には至らないって事ですわ。。。

どんな仕事にも自己投資は必要で常にストイックである姿勢が重要だって事ですばい。。。


E-GASモジュール、、、2024年初春の陣。(完結編)

2024-01-25 17:05:00 | 日記
先日外的原因によって電源回路が焼損してウチで修復完了させたE-GASモジュール。。。



本日、現車に搭載して正常動作に復帰した事を確認致しました。

修復完了したE-GASモジュールを現車にセットして。。。


いざ、イグニッションスイッチON❗️







ASR警告灯⚠️も消灯して正常稼働。。。😅

アイドリングも好調。吹け上がりもスムーズに。。。

診断機によるエラーコード検査もノーエラー。😄

コレにて修復完了❗️🙌


さて、、、お次の案件。。。

To be continued……..






E-GASモジュール、、、2024年初春の陣。。。

2024-01-14 22:05:00 | 日記
新春早々コテンパなダメージを受けて『ASR』警告灯⚠️が点灯するW124 500EのE-GASモジュール修理。。。

修復着手前事前検査にて電源回路のダメージを発見。。。
何らかの外的ショートによってE-GASの基盤が焼損してしまったクチ。。。


この状況だとスロットルアクチュエーターのコントロール用ベース電源がサーキット断線によって入っていない故、E-GASのEFPコントロールが起動していない。。。

更に模擬試験電流を入力してやるとベース電源が基盤に入力されていない。。。😱

ってコトで基盤に接続される接続ソケット部分を赤外線を当てて断線検査。。。

結果、、、ソケット裏の端子基盤のサーキットに断線が見つかり。。。

ソケット基盤摘出サーキットパターン再建術。。。

ソケットAssyをマザーボードから分離して、分離したソケットAssyからソケット基盤を摘出。。。
全端子分の半田箇所を溶解して吸引。半田ゴテと吸引機だけじゃ不可能な分離作業。

摘出した端子基盤。。。

電源入力回路のサーキットが見事に焼損しとります。。。

よって焼損断線したサーキットを再建して行きます。。。

銅箔のグラフトを焼損箇所のサイズに合わせて加工してサーキットに載せてやります。

再建加工を終えた基盤を再び端子ソケットと合体させて半田止めして再びマザーボードに接続、半田止めしてやります。。。

焼損断線箇所を修復して模擬電流流入試験。。。

電源回路に規定の電圧、電流が入出力されている事を確認。。。

後は現車搭載試験にて診断機によるフォルトコードを確認です。。。

と、まあ本日はココまで‼️

To Be Continued……..



♪お前が消えて喜ぶ者にお前のオールを任せるな‼️

2024-01-12 01:40:00 | 日記

昨日、昨年からの案件をクリアして参りました〜。。。

御依頼者は都内中心部の某修理工場さん。。。

お車はW124 E500で過去に某有名業者によってモジュール修理を受け、、、その修理内容に色々と訳アリでスッタモンダの挙句、、、現車に装着されていたE-GASモジュールが治しきれず、、、代わりにモジュール修理業者より提供されたW140用のE-GASモジュールを装着。。。
一応エンジンが掛かって普通に走る様にはなったがオートクルーズが効かず。。。
そりゃそうだ。。。W124とW140とではオートクルーズの車速信号が異なるからE-GASモジュールに互換性は無い。。。

よって、、、モジュール修理業者が治せなかったE-GASモジュールを当社で修理した。。。
どうせならってコトでLH,ASR/ABS,GMの各モジュールも同時にO/H。。。
と、、、ココまでが昨年のお話。。。

ところが、O/H済のモジュール類を装着してエンジンを始動してみると何かエンジンが吹けない。。。時折ASR警告⚠️ランプが点灯。。。

この事象に現場の整備士さんもお手上げモードの様でしたのでトラブルの肝を潰すべく特別出張診断。。。(つまりは乗り掛かった船。。。)

移動の車🚗の中で中島みゆきさんの『宙船』を聴きながら気合いを十分に入れて都内中心部へGo‼️

 

愛用の診断機X431を持参して現車の現状のフォルトコードを拾う。。。

すると、、、GMモジュールとE-GASモジュールにフォルトコードが一杯‼️😅

エンジンを掛けて吹けない状態で診断機でエアマスのデータストリーム。。。
エアマスの補正が殆ど効いておらずエンジン回転の変移に対して値が51kgでほぼ固定。。。
先ずエアマスセンサー(HFMセンサー)の死亡が決定的となりましたねん。。。
聞けば新車時からエアマスは未交換で来たらしいので老朽化していてもおかしくない。。。
フォルトコードもHFMセンサー信号の異常を示すエラーが刻まれていたのでエンジン不調の原因はエアマスセンサーを工場さんのお手持品と交換する事で解決。。。😄

エアマスセンサー交換後はセオリー通りにヘッドライトスイッチをONにしてからエアマスセンサーのカプラーを装着する。。。
エンジンを掛ける前にエラーだらけのGMモジュールを外してウチから持参したGMモジュールに一旦交換。。。

エラーだらけの現車に装着してあったGMモジュールは常時供給電源に絡むエラーが出まくっていた。。。つまり、、、当該の現車についてはバッテリー🔋を一旦下ろして充電して再搭載されたそうなので端子接続時の一瞬の大電流がGMモジュールの常時電源入力回路を飛ばした線が有力となった。。。よってウチで持参したGMモジュールで試運転。

エンジンスタート。。。エンジンは一発始動。キチンと吹け上がる。。。😄
そのまま暫くアイドリング。。。ASR警告灯⚠️の点灯も無くほぼ普通のアイドリング。。。
ただ、診断機を接続するとO2センサーのON-OFFレシオが55%〜70%辺りで推移しとる。。。
O2の電圧値も妙に低いのでO2センサーの死亡による燃料リッチと診断した。。。

当該の現車から取り外したGMモジュールは当社にお持ち帰りで修復対応。。。

後はASR/ABSモジュールとASRハイドロリックユニットの通信エラーが時折発生しているのでASR/ABSハイドロリックユニットのO/Hも推奨しときました。。。

と、まあ乗り掛かった『宙船』のオールをキチンとコントロールして岸壁に着岸させました。。。
コレで御依頼者の整備士さんも一安心。。。😄