以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

乗る頻度の少ない毒車あるあるの事象。。。

2024-02-26 18:33:00 | 日記
毒車に関する不具合の問合せの中で結構多いのが『燃料計の針の指示不良』。。。
メーター不具合の問合せの中でダントツ一位の不具合です。。。

原因は二つ考えられまして、、、燃料タンクに沈んでいるレベルゲージユニット、、、メルセデスの部品名称では『センダーユニット』ってモノの劣化不良に因るモノ。。。

二つ目はメーター本体内部の燃料計、水温計、油圧計のコンビネーションメーターユニットの基盤不良が考えられます。。。

何方が原因でも走行中にある拍子に燃料計の針がピコピコ動いたり、いきなり針が満タン『F』を振り切ったりと、奇怪な動きをします。。。
コレも毒車の愛嬌と楽しんでいらっしゃる方は素晴らしき変態さんとして尊敬の意を表します。。。🤣

多くはデイーラーさんでセンダーユニットを交換されますが大体完治せず、メーター側の不具合を疑う事になります。。。
勿論、メーター側にも不具合症状に至る要因がありますのでいずれはO/Hを要す箇所ですが、、、燃料計の原理的な部分からシステムの不具合を封じ込めても不具合が発生する場合があります。。。

其れは普段あまり乗らず動いていない毒車。。。
長期保管時にガソリン⛽️を半分以下状態で放置された個体。。。

この様な条件で保管された個体の燃料タンク内の燃料が変質して最悪水飴状の物質が出来上がって燃料ゲージのスライドレジスターやフロートに付着します。。。
燃料ゲージのスライドレジスターは燃料の残量で高さが変化するフロートによって躍動子を巻線の上でスライドさせて電気的抵抗を変化させて燃料計のコイルを駆動してます。

燃料が変質した物質は導電性物質で燃料ゲージの巻線上に浸食すると抵抗値を狂わせ、ある時は短絡させる事もあります。
又、燃料タンク内も長期間燃料が低レベルだった事で燃料に浸されていなかった燃料タンクの内壁部分が腐食して錆が発生します。
長期間放置後に燃料を給油した事で錆の粒子が燃料タンク内を浮遊して燃料ゲージに混入してフロートの動作不良に至る場合もあります。

燃料タンク内がその様な状況下に陥っている場合には幾らFUELセンダーユニットを交換しても直ぐにFUELセンダーユニットがイカレますので念の為。。。
余談ですが、当社でメーターO/H後に『燃料計が不動だ。メーターユニットの修理ミスじゃないか❓』と問合せて来る業者、個人さんが居ますが此方は『FUELセンダーユニットのコネクターを抜いて車台側端子を短絡してイグニッションをONにしてみて下さい。燃料計が満タン振り切りになればメーターは問題ありません‼️』と、回答する。。。😆
すると決まり文句。。。『センダーユニットは新品だ‼️』
大抵は燃料タンク内の燃料の変質物体やらタンク内壁の錆でセンダーユニットをわざわざ壊している。。。🤣

燃料タンクの錆はF/Pユニットのポンプ&フィルターの寿命も縮めます。。。
F/Pユニットを脱着した際に燃料タンクからの落下ホースから出る燃料に赤錆が混じってたり、取り外したフューエルフィルターに息を吹き込んでみて窒息しそうになったりしたら燃料タンク内の洗浄を推奨しますヨ。。。

タンク洗浄後は燃料を満タンにして↓コレをタンクに入れてやると燃料の変質を遅延させられます。。


ウチも所有台数が多いのでどうしても長期間眠らせるパターンが生じてしまいますので全車にFUEL1を3本位入れて車両保管してます。。。

因みに平気で半年〜一年のスパンで放置になってしまうW126,W140お嬢様も燃料計関係のトラブルは皆無です。。。って、、、W140お嬢様は最近F/Pの寿命を迎えて交換と相成りましたがタンクから錆は出て来ませんでした。。。😛

と、まあ今回は普段乗らない個体にあるあるなお話をしてみました。。。







昨日の続き。。。

2024-02-24 19:17:00 | 日記
メータークラスターをシコシコと清掃して、クラスターシールドを磨いて、、、

クラスターシールドを再接着して、、、

メーターイルミネーション用電球色LED基盤をクラスターケースにセット。。。

イルミネーションの試験点灯。。。



闇夜に映えるメーターイルミネーションとなりました。

ウィンカーインジケータL,RもLED化。


割とよく球切れするハイビームインジケータもブルーLED化。


燃料計の動作試験。。。


よく球切れするサイドブレーキ警告灯もLED化。


燃料残量警告灯は警告効果の高いレッドLEDにて赤色点灯。。。

無事、完成試験も終わり明日の便で御依頼主様の元へお帰りです。。。



W124 メーター修理編

2024-02-23 10:30:00 | 日記
もっかW124メーターの修理作業中の寅🐯でごわす。。。

症状は燃料計の指示がプルプルと震えるって定番の修理。。。


燃料タンクのセンダーユニットが原因の場合も有りますけど多くはメーター側に原因の源があったりします。。。

放置してしまうと水温計もいずれはプルプル、油圧計は3kg振り切りと、、、メーターとして全く役を成さなくなってしまいます。

よって症状初期の頃の早めの対策が肝心。。。




更に当該のメーターではウィンカー点灯時のラッチ音が突然鳴らなくなると言う定番故障も。。。



と、まあコレでお客様オーダーの修理は完了ですが、、、このメーターに関しましては更なる定番の問題が。。。

この年代の毒車のメーターによくありがちなパターンです。。。

イルミネーションの電球がクラスター側の導光板を溶かしてしまい電球に水飴状に貼り付いてしまうパターン。。。

こう言った熱害を払拭する為に当社が19年前に市場に提案したメーターイルミネーションのLED化と言うメニュー。。。

本件でもお客様と御相談の上で追加施工となりました。。。
しかし、、、LED化することでこれまた定番のリスクが。。。😅
旧い故のリスク、、、定番のクラスター内部の塗装面劣化による粉吹き模様がLEDの光で矢鱈に目立つ様になってしまう。。。

そこで、、、

クラスターの全分解❗️禁断のクリヤーシールド外し。。。✌️

クラスター内側の粉吹き模様を特殊な薬品で研磨して状態を見たら比較的変質部分が浅かったので何もしないよりゃ全然綺麗に。。。😃

取り敢えずクラスター側の加工は一旦保留して、、、



外気温度計の点検。。。

過去にDIYでの電解コンデンサー交換が施工してあったが、、、漏れた旧い電解コンデンサーの液体の付着浸潤箇所のクリーニングが出来ていない故に腐食が進んでいた。。。

一旦電解コンデンサーを外して基盤のクリーニング&パターン再建作業。。。
電解コンデンサーは耐熱105℃のショート丈のモノに更新して、、、

次は速度計のO/H。。。





30年選手なりのグリスの固着もあったので大掃除して磨いて磨いてグリスアップ。。。

速度計下に装着されているアース導通板も磨く磨く磨く。。。😁

回転計&時計も壊れて大騒ぎになる前にメンテナンス。。。


そんなこんなで残すところ後はメーターイルミネーションのLED化加工のみとなりました。。。

次回に続きます。。。

To be continued.....

アイドル不良〜&オートクルーズ不良〜の巻。。。

2024-02-20 10:35:00 | 日記
実働日数の少ない2月にギッチギチの工程で溺れそうな寅🐯です。。。

巷では各アルコール飲料製造メーカーがアルコール度数高めの酎ハイの製造から手を引くとかのニュースが話題になってまんな。。。
寅🐯も一昨年の夏までは結構飲んでましたけど逆流性食道炎の勃発→急性胃腸炎→急性大腸炎を機にアルコール類とは一時決別したので現在ではビール🍺を少量嗜む程度に。。。

さて、、、今回はW124 500EのE-GASモジュールの修理ですが症状はアイドルコントロール不良&オートクルーズが突然落ちる。。。

では、行ってみましょう。。。


先ずは分解して基盤を取り出します。。。


目視点検を行いますがこのE-GASモジュールはかなり湿気の多い環境で使われて来た様です。。。

基盤裏には湿気で粉吹きの痕跡。。。


アイドルコントロールの要になるタンタルコンデンサーが風化していて触ったら割れました〜。🤣

EFPのコントロール基盤のマザーボード取付部分の半田は見事に酸化して割れが見られるし、、、マザーボード基盤裏の半田を全吸引撤去の上で基盤洗浄、半田打ち直しを要する状況下ですな。。。




電解コンデンサーは全て国産規格の車載用のモノと交換。

タンタルコンデンサーは風化が激しいので内部短絡の可能性を踏まえてチップ式に置換。


先ずはマザーボード基盤裏洗浄の上で電源回路の修復。




EFPコントロール用のタンタルコンデンサーをチップ式に置換。






して、、、マザーボード上の半田の打ち直し。。。

コレにて修復完了〜。


お客さん❗️当該のユニットはメーカー供給終了品なので壊さない様にしましょうね。
現車のモジュールBOXの防水部分とクーリングファンモーターもキッチリとメンテしましょうね。🧐

出荷完了〜。。。

2024-02-17 17:14:00 | 日記
先日、四国は愛媛県より御依頼戴きましたR129 500SLのKEモジュールのリペアが完了し、昨日発送致しました〜。。。









この個体にあってはING電源回路の平滑用電解コンデンサーの液漏れ、風化とタンタルコンデンサーの内部短絡でスイッチングトランジスタもダメージを負うと言う事象に陥ってました〜。








よって電源回路周辺はゴッソリと実装部品を分離摘出して、ダメージを被ったマザーボード側のサーキットの補修。。。

電源回路隣に立っている基盤も電解コンデンサーのアンモニア系の液体の浸潤が見られたので摘出交換。。。今回はコレが一番の高コストの原因でした。。。

幸い電源回路下に鎮座するCPUには被害が認められなかったので安堵しました。。。☺️

あるあるなのが分解して行くに従い際どい線迄ダメージが及んでいるケース。。。

清掃して済む範囲ならば未だ良い方であるが、、、腐食が進行してしまうと。。。😱

特にM119エンジンのKEジェトロ用のKEモジュールはその構造上で劣化故障による二次災害が多い様です。
電源回路の内部短絡によって基盤焼損なんてのも実際にありました。

内部のマザーボード上に装着されている基盤や半導体も品薄でかなり高価になって来ていますのでKEモジュール自体が起動していない様な状態に完全に故障してしまうとリペアにも莫大なコストを要する事になります。。。今回は完全起動不良になってました。。。

中古品のKEモジュールもかなり品薄ですので、、、出来ればコールドスタート時の始動困難やアイドル不良等の症状が発生する以前に経年劣化なりのリペアを受けてしまえば甚大な被害は防げると思います。。。😟

後、、、このモデルでOVPリレーの10Aのヒューズが飛んでアイドルコントロール不良に陥った場合にはKEモジュールも赤信号ですので早期のリペアを要します。念の為。。。😱